文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

最近の出来事と本の調達方法について

少し前からあんまりブログが更新できず、というか本もそんなに読めず。気がつけば2024年。

本読みたいよ〜〜〜と思いつつも読めない、集中できない、というか本がない。

 

実はしばらく前から海外に移住していて、そのために準備だったり生活に慣れたり慣れたら慣れたで忙しくなったりと暮らしていました。

最近は海外での暮らしには慣れ始めたのだけど、色々環境が変わったこともあり今までのように通勤時間の間に本を読む、家に帰ってから無心になって本を読むということがなかなかできず。

 

以前は続きが気になると時間を気にせずに読みふけっていて気がつくと夜遅くになってたり。子どもの頃からずっとそんな感じで、家に帰って一心不乱に読んで、1冊読み終わって次の日には次の巻を借りに行く、みたいなことをよくしてた。夏休みの間の読書記録を先生に渡したら、こんなに読めるはずないから嘘じゃないか的なことを親が先生に言われたらしく(苦笑)。本好きの子どもなら別に読める量だと思うけれど、そもそも本を読む子が少なかった学校だったので余計にそう思われたのかも。

 

過集中の傾向があるので高校時代は本を読まないように意識して、その流れで大学もそこまで読めず。その後も色々あり、このブログを開設したあたりからまたたくさん読むように。

本を読むのは好きなのだけれど、時間がないとソワソワしてしまって集中できなかったりして。集中すると数時間経ってるので…。本を読むなら最低でも2時間は確保したい!と思うとなかなか読めず。物語に引き込まれてしまえば別に少しずつでも読もうと思うと読めるのだけど、続きが気になって気になってずっと本のこと考えちゃったりするし、ちょっとずつしか読めないとなかなか物語に引き込まれなくて読むのに時間がかかったりしてしまかかったりして。短時間でも集中できて切り替えれるようになりたいのだけどな〜〜〜。

 

あとはやっぱり移住したばかりは環境も変わって物語に集中できず。メンタル的な知識はあるので注意しつつ、休みつつ、漫画やアニメなど触れ合ってもストレスがないものを選んでました。私の基本の選書は楽しい本が少ないのでね〜(苦笑)。自分がいっぱいいっぱいの時には辛くなる本とかは読む気になれなくて。でも最近やっと読もうかなと思い始めたよ!前々から読みたくて読めてなかった本を!

 

ということで最近は直接本を手に入れることができないのでもっぱらKindle。前々からKindleで読んだりはしていたので慣れているとはいえ、目の前に本がないと頭から抜けちゃうんだよね〜〜〜。紙の本が置いてあると目につくけど、電子書籍だと読んでいる本自体は分からないし。どれくらい読んだのかを視覚的に知るのが好きなので紙の方が好き。まあでも仕方ないので電子書籍で本を読んでます。

なのに!宮部みゆき先生の本とか小野不由美先生の本は電子書籍になかったりして。特に小野不由美先生は電子書籍が好きではないようで完全になく。

どの作家さんか忘れてしまったけれど、紙の本を読んでいた時に電子書籍についての問題が書かれていることがあって、電子書籍についての問題があるのだなと思ってはいたのですが。宮部みゆき先生の方はあるものはあるのだけど、出版社によってはなかったりして。きっとあるだろうと思ってたのでいざ読もうと思った時になくてすごくショックで。まさかないとは!海外在住の身としては電子書籍ほどありがたいものはないのに。

あとずっと図書館で本を借りたりしていたので、それがなくなったのも残念。全部買うと高いし。

 

そんなこんなで最近はちょっとずつ英語の本も読んでるよ。そして発見が!

本好きの身として初めて本を読むのが辛いという意味が分かりました(笑)!

小さい頃から本は好きで、文章なら教科書だろうが資料集だろうが学校からくるお便りも地域のお知らせも新聞も雑誌も論文もなんでも読むことは好きだったので苦になったことはなく。もちろん物語が一番好きだから楽しい楽しくないはあるけれど。本を読むと眠くなるとか辛いとか、そう感じる人がいることは知っていても実際に感じたことはなく。

でも今は感じてる(苦笑)!めちゃ感じてて本当に本読むの大変〜〜〜。まだこんなにページあるの!!?って思ったり、1Pに載っている量が少なかったら嬉しく感じたり!読むのは楽しいし夢中になると楽しいのだけど、知らない単語ばっかで調べると物語に集中できないし。なんとなく読むとそれはそれで内容が分からなくなったりして。英語の本って難しい。ただ、前と比べると読めるようにはなってると思う!けど。

 

という最近の近況でした〜〜〜!

2週間に1回、いや1週間に1回は本を読みたい!!と思いつつ、できるかな〜?

本を読めばブログも自ずと更新すると思うけども。また今の生活について書く機会があれば書きたいと思います!

【M・Wクレイヴン】ストーンサークルの殺人

よく目にしていた作品をやっと読んでみました〜!

読んでみた結果は本当に大満足!!!これは人気なはずだと納得。

 

 

あらすじ

イギリス・カンブリア州のストーンサークルで死体が次々と発見される。猟奇的な犯行だった。三番目の被害者にはなぜか不祥事を起こして停職中の刑事ワシントン・ポーの名前が刻まれておりーーー!?

読んでみて

読む前は猟奇的な殺人ということで好きじゃなさそうだな、と思っていたのだけど、その辺りもちゃんと理由が描かれていたのでよかった。意味がなかったり、意味はあってもただただトリックのため、みたいにこじつけられるのは好きじゃなくて。ちゃんと内容があるものならいいのだけど、普通のミステリーなら過度にそういう描写がない方がいいので。

 

最初から猟奇的な殺人が起こっており、全体的に暗めの作品にはなっているのだけれど、主人公のワシントン・ポー、そして相棒になるティリーとの掛け合いが和ませてくれる。2人とも周囲からとっつきにくいと思われており、孤立しがちな存在。ティリーは警察で働いているのにいじめのようなものまで受けており…。ポーは保護者のようにティリーを守りつつも、ティリーはティリーでずば抜けた頭の持ち主でポーを助けてくれる。やや漫画っぽい主人公たちに感じるところはあるけれど、もっと2人の活躍をみたい!と思わせてくれる。

 

最近クリミナル・マインドを観ていたのもあって、ティリーはDr.リードっぽいなと思ったり。ただ、ティリーの方が融通の効かなさがあって、現場に行くというだけでパニック状態だったので最初は大丈夫か?と思ったけれど。どんどん成長していって本当によかった。

そしてこんな残虐なことをする犯人は?早く捕まえて欲しい!と思っていたら…。

手がかりがあまりない中で過去の事故から少しずつ解き明かしていく過程は、こちらも一緒に調査をしているみたいでよかった。秘密基地のような部屋で少人数で調査をするのもワクワクしたし。

 

 

 

ここからネタバレあり!

ネタバレ見たくない人は「おわりに」まで飛んでね!

 

 

 

 

 

 

 


残虐な犯人を早く捕まえて!!!と思っていたら、まさか残虐な犯人よりも被害者の方がより残虐だったという。

しかも子どもに対して。そしてそれに子どもを守る側の福祉施設の職員も加担していたなんて…。そんなの子どもたちからしたら防ぎようがないよね。これは加担していた大人はもちろん、周りの大人も含めてどうにか止めるべきことだったと思う。

これを読んでニッケル・ボーイズを思い出した。この作品も子どもを守るはずの学校で子どもを虐待して殺していた話。

こういう作品を読むと今とは時代が違ったり、現実には起こっていないと思ってしまいがちだけれど、実際に今も起こっている可能性があることなのだよね。

ものすごく大きなトラウマを負った彼が立ち直れなかったこと、復讐に走ってしまったこと、背景を見ると仕方がなかったように思う。実際に事実が明るみに出ようとしても、それを消そうとする力が働いたわけだし。子どもが訴えてもきっと取り上げられなかっただろう。

なので最後の最後はハラハラした。このまま事実が埋もれてしまうのが辛くて辛くて。最初は怖い作品かなあ?と緊張して、ポーとティリーのコンビに和み、でもポーの問題も浮き上がってきて、そして事件を地道に追って行って、少しずつ被害者のことが明るみに出始めて犯人への感情が変化していき、犯人はもしや…と思っていたら急展開。犯人とポーの過去など怒涛の展開。怪我を負ったポーはなす術なく。このまま終わりかと思いきや!?という感じで終始飽きることなく止まることなく1日で読んでしまった。

事件と同時にポーの悲しい出生の秘密も分かったけれど、これって知った方が良かったのか知らなかった方がよかったのか。知ってしまったらもう元には戻れないから仕方ないのだけど。知らないままでいけるなら知らなかった方がよかったようにも思うけど、その前からポーには問題があったから向き合うという点では知ってよかったのか。でももっと破壊的な方向に行きそうで怖いよね。ティリーとの関係が歯止めになってくれるといいけれど。

 

 

 

 

 

 

 

おわりに

最初から最後まで飽きることなく続きが気になって1日で読んでしまった作品。

続編も出ている作品なので続けて読んでいこうと思います。ネズミが表紙の作品をよく見て気になっているので早く読みたい!!ネズミ可愛いらしい!

更新の間隔が空いてしまってますが、またちょっとずつ更新してきます〜!

【ホロヴィッツ】殺しへのライン

ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第3弾!

前回の感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

oljikotoushi.hatenablog.com

 

あらすじ

「メインテーマは殺人」の刊行まであと少し。ホロヴィッツホーソーンは本の紹介のために文芸フェスに参加する。そしてその島で殺人事件が起こりーーー!?

 

読んでみて

ホロヴィッツシリーズがどんどん大好きになってきたこの頃。

1、2巻はやや似たところもあったけれど、今回は島が舞台なのでまた少し違ってくる。

ホーソーンが乗り気なのは謎のまま島に訪れる。そしてホロヴィッツよりもホーソーンが人気になってしまって、気が気じゃないホロヴィッツ。人に好かれるのが上手いよね〜。

 

こういう文芸フェスに行くの憧れだなあ〜と思いながら読んでいた。日本にもあるのかなあ?でもこうやって作家さんが直接来て売ったりするのってあんまりなさそう。どうなのだろう?

 

文芸フェスに参加者はわりと多くて、最初はなかなか覚えられず。ただ、読んでいくうちに気にならなくなったかな。

そして今回も色々現代の問題が入っていて考えさせられた。しかも今すごくタイムリーなことだなあと。

 

また、幼少期の学生の時の関係性を引きずっているのって痛いなあと思いながら読んでいた。全然成長していないよね。成人式に行った時もそういう人がいて、もうクラスメイトでもなんでもないのに自分が上だと未だに思っている感じで。狭い世界で生きてるし成長もしてないしでうんざりした思い出。


そしてまたしてもホロヴィッツ!!!

そんなことをやってしまったのね〜〜〜と衝撃的だった。ホロヴィッツのうっかりがどんどん増えていく。

 

今作は文芸フェスのために島に行くという設定もいいし、文芸フェスの関係者たちとの関係性があって、そして遂には殺人事件が起こる人間関係がいい。ホロヴィッツが人との関わりを色々心配したり困ったりするのはすごく共感できた。

非日常空間が起こるため舞台なので1、2巻とはまた違った楽しさがありました。


そして少しずつホーソーンについても明かされる。

主人公はホーソーンのこと気になりしすぎでは??と思うけどね。自分の知らないところで調べられたりしてたら嫌だなあ〜。


また次の作品も楽しみ〜!

【上橋菜穂子】香君

上橋菜穂子先生の最新作!

やっと感想書けました〜!表紙も素敵すぎる!

 

あらすじ

アイシャには香りが持つ意味が読み取れた。そんな不思議な嗅覚を持つアイシャだったが、西カンタル藩王の孫娘ということで処刑されようとしていたーーー!

 

読んでみて

大好きな上橋菜穂子先生の最新作ということで、とてもとても楽しみにしていた。楽しみにしていたからこそ、落ち着いてから読もう読もうと思っていたら読むのが遅くなってしまった。

やっっと読めて満足。そして期待を裏切らない。いつも大好きな上橋菜穂子ワールドに連れていってくれる。


上下巻だけなので、個人的にはやや駆け足な感じがしてもっと読んでいたかった。「獣の奏者」でエリンが母を亡くして引取られて成長して…という流れと今作のアイシャは少し似ていた。

両親と離れ、命の危険がありたつも生き残り、家族と離れて香りについて学んでいく。もっとじっくりアイシャの人生を見たかったなと感じた。ただ、「獣の奏者」はエリンの人生が主軸という感じだったけれど、今作はアイシャの人生というよりは、アイシャとともにオアレ稲の問題というのが主軸という感じだからかな。

外伝的な続編出ないかな〜と思うけれど、とても綺麗に終わっているから難しいかなあ。

 

 


以下ネタバレあり!!

 

 


香りを感じることができる少女。

本を読む前はどういうことができるのかよく分からなかったけれど、読んでみると香りや匂いから本当に色々なことを知ることができるのだと分かった。ドアの外に誰がいるかとか、その人がどういう心理状況なのかまで。

なんて便利なんだ!

と、思ったけれど、植物からアイシャが感じる香りはうるさいくらいで。人は気づかないだけで本当は世界には色々な香りがあるのだなあ。色も動物によっては見え方が違うんだもんね。私たち人間が見ている世界は本当に限定的なのだと改めて実感した。

便利な能力だけれども、人には分からない世界にいるということは同時に孤独でもある。誰も理解してくれないのは辛い。知らないと便利だと思ってしまうし、便利だけれどだからこその苦労とかだからこその喜びとかをなかなか共有できないよね。唯一の理解者であった母も早くに亡くなってしまうし。


また、最初はマシュウがとっっでも嫌なやつに感じていて、一矢報いてやりたいと思っていたけれど…。だんだん状況が分かってくると、不器用だけど安心できる存在だと分かってきたり。


全体的に不穏な空気が漂っていて、オアレ稲の問題がいつ起こるのかをハラハラしながら読んでいた。どれくらいタイムリミットがあるのかも分からなかったし。

また、みんなが少しずつ嘘をついていてそれもいつ発覚するのかドキドキしたり。

オリエは早くアイシャに言えばいいのに〜と思いながら読んでいた。アイシャは自分と同じ境遇の人がいたと思ったのに残念だっただろうな。


ただ、オリエの状況は可哀想すぎて…。

神様のように崇められるのに、もし言うことを聞かなかったら始末されたりする存在。地位が高くて自由そうに見えて全く自由ではない。結婚もできないし人権が全くない。ひどいよね。

そんな中でもオリエはプライドを持って自分ができることをやっていこうとする姿がかっこよかった。マシュウはハラハラしただろうけども。


そしてウマール帝国にオアレ稲をもたらした少女は誰なのか?どこから来たのか?その謎が明かされる過程もとてもよかった。

神話や歌に隠された情報から考えていって、最後にはパズルのピースがはまるように謎が解けていく。

そして2人は自分たちの故郷へ。


不思議な世界の存在が明らかになっていく。

ただ、最終的にはちゃんとはっきり分かるのかと思っていたら、そこは曖昧のままで終わって残念だった。「精霊の守り人」で出てきた向こう側の世界みたいなものなのだろうか?

歳をとって記憶がなくなって彷徨うというのもなんだか浦島太郎みたいだなあと思ったり。

こちらとあちらは違っていて、時折重なることはあるけれどスムーズに行き来することはできない。異世界に行ける話はよくあるけれど、本当はそんな簡単に行って帰ることはできないのだろうな。不思議な世界は魅力的だけれど、帰って来れないことを考えると行きたいとは思えないよね。

でもあちらではどんなことをしたのか…。色々考えてしまう。

 

心に残った個所。

(……私は)

聞く者で、いいのだ。

夕べの風の中に、無数の香りの声が聞こえる。  人の輪の中で安らいでいるときは、忘れ去っている声だ。

 

中略

 

(私も、歩いて行こう)

孤独であることが、見せてくれる道を。

命がある限り、芳しい香りを放ちながら。多くの香りと交わりながら。

多くの命と支え合いながら。

 

終わりに

ややエリンを感じる部分もあり、鹿の王のように国全体の問題が出てくる部分もあり。問題をみんなでなんとか解決していこうとする場面は手に汗握る展開だった。アイシャたちからみると敵対関係にある相手であっても、その相手はその相手で自分たちなりに国のことを考えていて、正義と悪が明確に分かれているわけではないことを教えてくれる。ただ、それでもアイシャの主張や上橋先生の主張は一貫している。

人の思惑なんか関係なしに植物や虫たち、この世界は成り立っている。人からみると害をなすものであっても、そのものたちも生きるために必要であるという背景がある。ウマール帝国の人々も生きるためにオアレ稲を作っていたのに、いつしかそれが侵略のために使われるものに変わってしまっていった。生きるためではなく、より良い暮らしをするために他者を蹴落として自分が上にいくために変わっていってしまった。その境界線はどこなのだろう?侵略した後も内地と属国で差ができてしまっていたし。

どんどん欲張りになって他者の人権を蔑ろにするのではなく、お互い尊重し合えるといいと思う。私も最近環境が変わったりして、以前は当たり前じゃなかったことが当たり前になったりしていて、それにいつの間にか慣れてしまうのは怖いなと感じた。どんどん欲張りになってしまうように気がして嫌だなあと。隣の芝は青いみたいに周りと比べて満足できなくなるのではなくて、今ある自分の状況を大切にしないとね。

まあでも人は成長するからずっと同じ価値観は難しいけれど、よりよい方向にアップデートしたいなあと思います。

 

少し時間があいちゃったけれど、またブログ投稿していこうと思います!

【心理】臨床心理士と公認心理師の違いについて

久々の心理について!今回は真面目なトーンで話していきます〜!

 

私はちこちゃん。

僕はミッシー!

今日は臨床心理士公認心理師について話していくよ!

どうして2つあるの??

1つは国家資格で1つは民間の協会が認定している資格だよ!

う〜ん。どう違うのか教えてほしいなあ。

 

臨床心理士公認心理師の違い

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※2024年2月現在

 

上記に簡単にまとめてみました。

大きく違うのはやはり民間資格か国家資格かということ。

一般的には国家資格の方が強い資格になると思いますが、公認心理師という国家資格は最近できたばかりであること、長年臨床心理士という資格が心理の世界を担ってきたこともあり、現在はどちらも重要な資格となっています。

 

名称独占・業務独占

公認心理師は医師や看護師などの資格とは違って、業務独占ではありません。そのため公認心理師を持っていなくても心理の仕事を行うことは違法にはなりませんが、名称独占ではあるため「公認心理師」と名乗ることはできません。また、「心理師」も名乗れません。

これは国家資格の分類であるため、国家資格ではない臨床心理士はそもそも該当しません。ただ、臨床心理士も認定協会が認定している資格であるため、勝手に「臨床心理士」と名乗るのは問題になると思います。

この二つの資格以外でよく聞くのは「カウンセラー」という名称かと思います。カウンセラーは心理の世界以外でも使われることもありますよね。カウンセラーという名称自体は特に資格がなくても使用することができます。

 

受験資格を得るために

臨床心理士公認心理師ともに心理系の大学から大学院に進学するのが一般的ではないかと思います。心理系の大学で公認心理師のために必要な科目を履修し、どちらの資格も取得可能な大学院に進学することで二つの資格の受験資格を得ることもできると思います。

大学や大学院にもよるかと思いますが、大学内で公認心理師の受験資格を得るためのコースに行く(または大学受験時に指定のコースに合格する)、さらに大学院を受験するという、資格試験を受けるまでに大学内で選ばれたり大学院の試験で合格する必要があります。さらに2つの資格の試験を受けて合格してやっと心理士または心理師としてのスタートラインに立てます。大学・大学院含めて6年間通い、学費も高額になるわりには収入はあまりよくないので、そういう点から一般的には心理職にはならない方がいいと言われるのかなと思います。個人的には心理の仕事は好きだけれど、収入面ではやっぱりキツいので…。その辺りはまた別の記事で詳しく書いていきたいです。

 

試験時期は?

臨床心理士は大学院を修了した年の10月に試験が行われるため、大学院を修了して就職しようとすると資格取得見込みとして就職する必要があります。就職先によっては資格取得見込みを除外している場合もあるので、就職先が限られる場合があります。また、就職できても新しい仕事を覚えつつ受験勉強をする必要があるため1年目はなかなか大変だと思います。資格を取得しないと就職先に制限があったり給料も低くなるため、人によっては1年目は仕事を少なめにして資格取得を第一に考えている人もいました。

一方、公認心理師は当初は秋ごろの試験日でしたが、第7回では2024年の3月に実施される予定となっており、今後は就職前に受験することが可能になると思います。他の国家資格と同様に就職活動時は資格取得見込みですが、就職する4月までには合否が分かるようになります。不合格の場合は就職が難しくなる可能性もありますが、就職する時には有資格者として働くことができるようになると思います。

今後、同時に受験する場合は数ヶ月の期間があくため、メリットとしては個々の試験対応が可能、デメリットとしては公認心理師合格後に気が緩んだり、既に覚えたものが曖昧になったりしまったり、試験期間が長いのでなかなかリフレッシュできない面もあると思います。

 

試験内容

2つの資格ともに共通して選択方式の筆記試験を受ける必要があります。加えて臨床心理士資格の場合は論述と口述面接試験もあります。一次試験の筆記試験と論述試験に合格すると口述面接試験を受けることができます。2段階なので精神的にもなかなか大変です。

臨床心理士の合格率は概ね60〜65%ほどですが、公認心理師の方は年によってばらつきがあります。まだできたばかりの資格というのもあって、試験内容を考えるのも難しいからだと思います。そのため、現状の合格率だけではどちらの資格の難易度が高いかは言えない状況です。

個人的には筆記だけではなく、口述面接試験があるとかなり緊張しました。勉強だけでは受からないので心理職として自分を見つめ返して内省する必要がありました。当時は大変でしたが、内省する機会があったのはよかったように思います。

 

資格の更新

資格取得後は公認心理師は資格の更新が必要ありませんが、臨床心理士は資格を更新する必要があります。いくつかの領域にまたがって学会や研修会への参加や発表、研究論文の発表などをする必要があります。更新の難易度が高いかどうかはその人の状況に依るかと思います。ただ、女性が多い心理の世界の中で、妊娠、子育て中に定期的に勉強会に参加するのは大変ではあると思います(特別措置もありますが…)。最近はオンラインでの研修参加もできるようになったので、対面での参加が難しい人や地方の人にとっても以前よりは参加しやすくなったと思います。人によっては参加費にプラスして新幹線などの交通費が必要な場合もあったので。

でもこのポイント制があるのもあって、自然と勉強会に参加したり個人でも勉強するのが自然になっている部分もあるのではないかなと思います。収入の面で言うと、あまり収入が高くない中で研修費等を捻出するのはなかなか大変ではありますが…。

 

専門性

専門性は大まかには重なっていますが、臨床心理士は調査・研究が強調されているのに対して、公認心理師は個々の健康に関する知識の普及が強調されている部分が少し異なっています。また、公認心理師は主治の医師がある時は医師の指示が必要ですが、臨床心理士には同じ記載はありません。当たり前ですが両方の資格を持っている場合は法律で定められている公認心理師の方に従う必要があります。なので2つ資格を持っていると微妙に考え方が違う場合もあって混乱してしまうこともあると思います。そのため両者の違いを理解しつつ、公認心理師の法律に則って援助していく必要があります。

 

どちらがいいのか?

心理の仕事に就きたいと考えている人にとっては一番気になる疑問だと思います。最初に言ったように、現状ではどちらも心理の仕事をするにあたって重要な資格になっています。可能であれば両方の資格を取得するのがいいと思います。

どうしてもどちらか一方ということならば、個人的な考えですが、やはり公認心理師かなと思います。病院において保険診療の診療報酬に公認心理師がどんどん組み込まれていくと、公認心理師でなければ雇われないことが出てくるようになると思います。他の領域においても国家資格を持っていることが必須条件になっていくかもしれません。そのため長期的に考えると公認心理師ではないかと思います。

ただ、しばらくは臨床心理士も重要な資格として残っていくと思います。今の心理の世界を切り開いていってくれた先輩方は臨床心理士ですし、現在働いているベテランの方達も臨床心理士だと思います。勉強会や就職先の情報なども臨床心理士のネットワークの方が今の段階だと得やすいのかなと思います。長年使われてきたネットワークなのでね。ただ、今の臨床心理士公認心理師の過渡期の人たちがベテランになる頃には状況は変わっていくように思います。

 

こちらは臨床心理士資格を認定している日本臨床心理士資格認定協会が監修している本になります。おすすめです。

 

参考文献

厚生労働省

日本心理研修センター

日本臨床心理士資格認定協会

【クリス・ウィタカー】われら闇より天を見る

表紙が目を惹く。

ミステリーとはまた違う物語になっている。

 

あらすじ

「無法者」だと自分のことを思っている少女・ダッチェス。母・スターアルコール中毒で幼い弟の世話はダッチェスがやっている。気にかけてくれるのは母の友人でもある警察署長のウォークだけ。そんな中、かつての事件の加害者であったヴィンセントが街に戻ってくる。

 

読んでみて

よく本屋で見かけてはいたけれど、暗そうな話だったのでなかなか手を出せずにいた。ところが読んでみたらあっという間に物語に引き込まれてしまって、すぐに読み終えていた。

 

主人公は少女・ダッチェス、警察署長のウォーク

2人の視点で描かれる今作は、ダッチェスの痛々しさがとても心に堪える物語だった。

ダッチェスは自分の身は自分で守らないといけないと思っている。母はいつも期待を裏切るし、普通の生活はできない。自分たちを守ってくれる保護者がいないから、自分が弟を守らないといけない。唯一自分たちを気にかけてくれるウォークとも少し距離を取ろうとするのは悲しかったけれど、ダッチェスからすれば当然のことだと思う。自分は「無法者」で周りとは違って強いんだと思うことでなんとか耐えている少女だから。ウォークも不器用だし。

 

ウォークにとっては幸せだった関係がある事件をきっかけに全てが変わってしまった。その加害者がウォークやスターと親友だったヴィセント。スターにとっては恋人でもあった。

この事件が少しずつ明かされていくのだけれど、なんとも悲しい事件だった。この事件そのものが、そしてその後のヴィンセントの境遇。それらが積み重なっていって今の悲しい現実になっている。

ダッチェスの境遇は親世代からの負の遺産だからこそ、ダッチェス自身がどうにかできるものではない。もっとサポートは入らないのだろうか、でもそれがロビンと離れ離れになることであるならばダッチェスは今の境遇を選ぶだろう。

ダッチェスの無鉄砲さがより混乱を引き起こしているのだけれど、でもそれはダッチェスのせいというよりは、ダッチェスの周りの大人がしっかりと彼女の保護者になれなかったせいのように感じる。でも、「もうやめて〜!」と何度か思ったけども。


そしてこの物語の影の主人公である・ヴィンセント

ヴィンセントを中心に物語が展開されるけれど、ヴィンセントが考えていることは最後になるまで明かされない。それ故、ヴィンセントを信じたいけれど信じられない状態になっていく。でももっとどうにかできたのではないかと思う。不器用だよね。ヴィンセント含めてみんな。

でも被害者と加害者関係とか全員が顔見知りの小さな街とか、色々な感情が湧き起こってうまくいかなくなるのは仕方がないように思う。ただ、それが一番弱い存在である子どもにいってしまうのが本当に悲しいけれど。

 

そしてダーク。ダッチェスから見ると怖くて悪いやつという印象だけれど、彼にも心の傷がある。出てくる人全てが傷ついていて、この物語の中でもさらに傷つくのだけれど、なんとか自分の愛する人を守ろうとする。それが空回りのようにも感じることもある。


どんどん悲しいことばかりが起こって、全体が陰鬱な物語だったけれど、最後の最後で少し希望が見えたのが嬉しかった。でもそれもダッチェスの犠牲の上ではあったのだけれど。それを思うと悲しいけれど、彼女は負の連鎖を断ち切ることができたのだと思う。

【おすすめ本】2023年ベスト5

前回2023年に読んだ本を概ねまとめたんですが、今回はその中から個人的にベスト5を決めてみました〜!

いつもはベスト10くらい紹介しているけれど、去年は50冊しか読んでないし前回で概ね紹介もしたので今回は5冊だけ!ネタバレなしです!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

順番は読んだ順!

自転しながら公転する

あらすじ

都は32歳。母の病気の介護のために地元に帰ってきていた。そしてアウトレットモールで契約社員として働いていたが、そこで回転寿司の店員・貫一と出会いー!?

読んでみて

すごく印象に残った作品だった。現代のアラサーの悩みを丁寧に汲み取っていて、恋愛、結婚、子ども、介護、持ち家、仕事…など色々なことが描かれている。作家さんて本当にすごいな、としみじみ感じた。

また、最後に驚く仕掛けが待ち受けておりそこもよかった。完璧じゃない都が完璧じゃない恋人と完璧じゃない人生を歩んでいく。現実的な内容だからこそ私も都と一緒にどうすればいいのか悩んだけれど、読後は今後の人生に希望をもらえる作品だった。

同年代はもちろん色々な年代の方にもおすすめ!性別や年代によって誰に共感するか変わってくるかも?

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

マーダーミステリーブッククラブ

あらすじ

アガサ・クリスティ大好きなアリシアは、ある時自分好みのブッククラブを作ることを思いつく。古典なクリスティ好き人がいるのか心配しながら待っていたところ、なんと多数の応募者が!そしてクリスティ好きのブッククラブが開催される。厳選されたブッククラブのメンバーはみんな個性的で!順調にいくかに思われたブッククラブだったが、早速あるメンバーが行方不明となりーーー!?

読んでみて

全3作品がすでに翻訳されて刊行されているのでぜひ一気に読んで欲しい!

アガサ・クリスティ好きのミステリーだからこそ、そんなに重くなく読めるけれどちゃんと最後までミステリーになっていてよき。登場人物も個性的で、最初はすぐ忘れちゃうので登場人物ページに何度も戻っちゃっていたんだけど、読み終わる頃にはみんな把握できたし、2巻目、3巻目とどんどんみんなのことが好きになってきたよー!

アガサ・クリスティの実際の本も出てくるので、アガサの作品をまず読んでから読むとよりおもしろいはず!

 ↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

グレイス・イヤー

あらすじ

ティアニーが住んでいるガーナー郡では少女たちには魔力があると信じられていた。その魔力とは男性を誘惑したり妻たちを嫉妬に狂わせる魔力のこと。その魔力が開花するのが16歳であるため、16歳の少女たちは住みなれた町からも家族からも離れて少女たちだけでキャンプで1年間を過ごす。この風習について語れることは禁じられているため、キャンプを経験するまで何が待ち受けるのかは分からなかった。ただ、戻ってきた少女たちの様子を見ると何かがあったことは明らかで、少女の人数も何人も減っているーーー。ティアニーはキャンプに行く年齢になりーーー。

読んでみて

私たちがいる世界とは少し違う世界。女性は抑圧され、今とは違う様々な決まり事がある。

この世界の全貌は少しずつしか明かされないため、私もティアニーとともに真実を追い求めていった。ドキドキ、ハラハラしたり、時には怒ったり。

最初は謎が多いこともあって「どういうこと?」と疑問が多かったけれど、いつの間にかこの作品に引き込まれていた。ホラーではないのだけれど、感覚としはホラーに似ている怖さ。何か恐ろしいことがあるのに、それが何かはよく分からない。村の人も家族もみんな敵のように感じる。ディストピア小説は久しぶりに読んだのだけれど、似ていると思ったのは「女の国の門」かな。主人公の年代が近いっていうのがあるかな。ただ、「侍女の物語」×「蠅の王」と「ハンガー・ゲーム」と紹介では言われているよう。確かに「侍女の物語」とも似ているところがあるけれど、あちらは主人公が家族じゃなくて「侍女」だったけれど、こちらは「家族」の中にいる主人公なので。どっちも地獄だけれど。

 ↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

われら闇より天を見る

あらすじ

「無法者」だと自分のことを思っている少女・ダッチェス。母・スターはアルコール中毒で幼い弟の世話はダッチェスがやっている。気にかけてくれるのは母の友人でもある警察署長のウォークだけ。そんな中、かつての事件の加害者であったヴィンセントが街に戻ってくる。

読んでみて

全体的に暗く陰鬱で悲しいことばかり起こるのだけれど、そんな世界でも生きていこうとするダッチェスと守ろうとするウォークがどういう選択をしていくのか、夢中でページをめくっていた。

謎解き要素はあるけれど、ミステリというよりは人生について描かれた作品だと思う。何が正解か分からないし、失敗もたくさんしているけれど、それでも生きようともがく人々の物語。

 

卒業生には向かない真実

あらすじ

大学入学直前のピップには問題があった。それは前回の事件から立ち直ることができていなかったのだ。周りも自分も騙しつつなんとか生活を送っていたピップ。立ち直るためにも最後に事件を解決しようとしていたが、そんな時にピップの周りで不気味なことが起き始めてー!?

読んでみて

こちらは3部作の最終巻!「自由研究〜」から始まった今作がどうなるのか!

賛否両論ある最終巻ですが、個人的にはとても印象に残ったし終わり方もきれいに終わったのではないかと思う。ピップに色々言いたいことも分かるし、まだまだ子どもだと思っていたらいつの間にか大人になっていたような印象が出てきちゃうのかなとも感じる。読んでいる間はピップには色々言いたいことがあったけれど、物語としはうまいし作者が描きたかったメッセージはちゃんと伝わってきた。

なので、まだ読んだことない人は1巻から読みましょう〜!ネタバレはなしで!

 ↓感想はこちら↓

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