文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【はらだ有彩】日本のヤバい女の子

ずっと気になっていた作品を読んでみました〜!

結論から言うとおもしろかった!

昔話とか古典とか読んでいると「ひどくない??」「なんでそうなる?」と思うことが多いけれど、そういうのを著者がバッサリ切っていて爽快だった


長くなるけども1個ずつ感想を書いていきます〜。

 

献身とヤバい女の子ーおかめ

まあ、これは本当にひどい

ベテランの大工である夫がミスをして、そのミスをカバーするための助言を妻のおかめがして、万事上手くいった。

ところが…おかめは女に助けられたことが世間に知られて夫の名誉に傷がつかないように自害した、というね。


もう意味が分からない話ですね。

著者と一緒で「死ぬ必要ある??!」となってしまう。

ひっそり黙っておくのもダメだったの??

女に助けられた、という事実があるだけでもうダメなの??

 

著者も可能性を色々と考えていますが、もう辛すぎるよね。

こうやって優秀な女性たちが活躍の機会を与えられなかった例がどれだけあるのか…。

差別とか偏見とかがなかったらもっとこの世は発展していたのではないだろうか。

 

秘密とヤバい女の子ーうぐいす女房

ある時綺麗な女性と屋敷を見つけ、幸せに暮らすことになった男。

妻から一番奥の座敷には入らないように言われたが、結局開けてしまいーー

というよくある話。


見るなの禁止と言われ、臨床心理学的にも解釈されることが多い。

北山修先生の著書があるよ


「見るな」と言われたら見てしまうのが人間の性かもしれない。

 

でも本作の著者は女房の試し行動の可能性を指摘している。

確かにそれもあるかもね〜。

まあ勝手に見るのではなく、勝手に試すのではなく、お互い話し合うのが一番ではあっただろうね。

 

失望とヤバい女の子ー人知られざる女盗人(今昔物語)

この話は初めて知ったのだけれど、なかなかおもしろかった。

昔話で男性に命令する女性の話って少ないように思うのだけれど?

お願いとかならあるけども。

この話はが出てくるからかSMと関連づけられて語られることが多いよう。

そういうのって昔からあったのだなあ〜!

 

でも言われるがまま危ない仕事をするのって主人公は大丈夫なのか??

もうちょっと能動的になって欲しかったのはその通りかもしれない笑。

 

身だしなみとヤバい女の子ー虫愛づる姫君(堤中納言物語

この作品のことは知ってました。

ナウシカのモデルはこの作品ということを聞いたことがある。


私も著者の考えと完全に一致。

虫を愛でるくら好きにさせろと思う。

まあそれができなかった時代。というか最近までできなかったように思う。

今でも女性が多い趣味がバカにされたり、男性の影響って言われたりすることも多いけども。

 

右馬佐は本当にウザい

でも一昔前の少女漫画ってこんな感じだったよな〜。

 

我慢とヤバい女の子ー飯食わぬ嫁

とてもケチな男がいた。

結婚すると妻の食費がかかるため飯を食わない女がいたら結婚を考えてもいいと言っていた。

 

...もうこの時点でアホやろ…と思ってしまう。

いや、結婚しないか聞かれて面倒くさくてそうやって言ってるならいいんだけどね?!

 

ところが飯を全く食わない女がやってきて結婚してしまう。

もう結末は目に見えているよね?!

男が目先のことしか考えてなさすぎて大丈夫か??という感じ。

 

この話の意味とは??と思っていたら、妻は菖蒲の中には入ってこれなかったから五月の節句には菖蒲を飾ることになりました、という締めがある。

それが言いたかったから話の内容自体はこんなに適当になったのでは?!と疑ってしまうよね。

 

人間と結婚した理由を真面目に冷静に考察する著者がおもしろい。

 

仕事とヤバい女の子ー鬼怒沼の機織姫

そのまま普通に弥十目線で読むのと、著者が書いてくれている機織姫目線で読むのとでは全く違う。

弥十目線で読むと、不思議な空間に入り込み、とても美しい人がいて、ダメだとは分かっていながらも近づいていってしまい…。

とホラーっぽくなる。

 

ところが機織姫目線で読むと、気分良く機織りをしていたら急に腕を掴まれて邪魔されて…。

機織姫目線で考えると違う意味でホラーになる。


私は女性なので、同じ境遇に立たされたらめちゃ気持ち悪いし混乱してしまうのもよく分かる。むしろ怒れたのがすごいと思う

 

第二の人生とヤバい女の子ー鬼神のお松

いやーもうこれは最悪な話でした。

もう本当にひどい。

女性というだけで自分の人生を生きれず、周りの男性に人生を左右され、弱みをつかれて…。

旅人を襲い出したのは、一度人殺しになってしまったからだからなのか…。

ちゃんと行政が機能していれば問題なかったのでは?


角隠しの由来を知らなかったので、今回調べてみたらなかなかだった。

女性は弱い立場に立たされていたからこそ、現世では何もできず、鬼になるしかなかったのだろう

鬼なる可能性がある境遇だと周りも理解していたからこそ、鬼にならないように戒めたのでは?

 

女性に対して怒るなって言うのと一緒だよね〜。

男性が感情的でもそれぐらい重大なことだと捉えられるけど、女性が怒るとヒステリーだと言われる。

悲しいな。

 

喧嘩とヤバい女の子ーイザナミノミコト(古事記日本書紀

この話は有名ですね〜。

そしてここでも見るなの禁止が!

大抵見るのが男性だよね。男性が主人公なことが多いから?


私も著者と同じで「女から声をかけたのがよくない」ってどういうこと??と思いました。

こうやってナチュラルに女性軽視が入っていることが多いよね。

まあこれくらい昔ならいいのだけど、明治以降でこういうのを見ると辛くなってしまうから読めない。

 

変身とヤバい女の子ー清姫安珍清姫伝説)

この話は知らなかった〜。

清姫の執念すごいな、と純粋に思う。

そんないい男だったのか?と思っていたら、著者が「やってもうたんちゃうの?」と疑問を呈していて、「それだったら事情は変わってくるな。」と思いました笑。

いや、ほんと。

 

当時だったらもう他家の嫁になることも難しいだろうし、もしかしたら子どもができる可能性もあったわけじゃないですか?

そりゃあ責任取れよ、という話になるよね。

 

あとぐいぐい迫られたからって嘘ついて逃げるのはよくないよね。

一番やっちゃダメなやつでしょう。

安珍清姫のことナメてたわけで。まさか追ってくると思わなかったわけじゃないですか。

まあでも事実は分からない。

 

贈り物とヤバい女の子ーかぐや姫竹取物語

贈り物の話はいいですね〜。

臨床心理学的にも色々考えられてるよ。


かぐや姫は有名な作品だし、ジブリでも高畑勲さんが出している。

かぐや姫の物語」は難しかったけども好きだったな〜。


結婚しないっていう選択肢が当たり前にあったらよかったのにな〜と思う。

この時代は誰でも結婚することが当たり前の時代だったからこそ断るためにややこしい理由をつけなきゃいけなかったわけで。

 

結婚とヤバい女の子ーオシラサマ(馬娘婚姻譚)

書き方が現代風になっていて笑ってしまった。

まあ確かに娘と馬がベッド・インしていたら驚いてしまうのは分かる。

でも殺さなくったっていいのに…。

 

この作品を一般的な結婚話に当てはめて考えているのが興味深かった。

例え父が認めなくったて、それは当人たちの問題だからね。

 

命とヤバい女の子ー八尾比丘尼

突然不老不死になってしまった女の子

少し老化が遅くなるならいいけど、不老不死だと周りがみんな死んでしまう。

それは確かに悲しい。

 

無限の時間があると嫌になってしまうのものなのだろうか?

それとも楽しめたりするのか?

でもいつかは飽きてしまうのは分かる。


人魚の肉ってどうやって取ったのかがすごく気になった。

 

靴とヤバい女の子ーお露(怪談 牡丹灯籠)

そんなにも人を好きになれるのだなあ。

大体、誰かしら恋路の邪魔をするのだけれど、現世でどうにかする方が幽霊になってからどうにかするより楽な気がしてしまうけど、どうなのだろう?

今だったら自分から会いに行くこともできただろうにな。

 

別れとヤバい女の子ー乙姫(浦島太郎伝説)

浦島太郎はやっぱり難しい。

年老いたからといってそれが罰ではないのは分かるけど…。

でもならずっと竜宮城にいた方がよかったじゃん?って思ってしまう。

そんな生活は永遠には続かないよってことなのだろうけど。

 

幽霊とヤバい女の子ーお菊(落語 皿屋敷

有名ですね。

なぜ皿くらいで死なねばならなかったのか…。

この時点で悲しすぎるよね。

 

王子様とヤバい女の子ーある末娘(猿婿入り)

これも猿側から見ると悲しいけど、娘側から見ると妥当だよね。

契約で得た関係なのに娘を信用できる猿がすごい。

普通そう思わない??

 

まあ父親と契約したから娘も同意していると思ったのだろうか?

父親を介して契約できるという時点で娘の権利が全くないよね。

牛蒡は家族みんなで採ったらよかったのにね。


猿はきっと王子様なら警戒しただろうけどもかわいい女の子は警戒しなかったのだろう。

父から契約をなしにしたいって言われるより自分よりも弱いと思っていた少女から拒絶される方が怒るような気がする。


私が娘だったらここまで度胸のあることができるか自信ない。

でも王子様は助けに来ないし自分でなんとかするしかない。

捕まってから来るか分からない王子様を待つよりもよっぽどいい。

強いなあ〜。

 

顔とヤバい女の子ー鉢かづき

シンデレラとかと一緒で大変なことがあってもハッピーエンドになるお話。

顔の美しさもお金もなくても好きなってくれる四番目の息子素晴らしいな!と思う。

鉢が割れて出てきた顔の造形が「ブス」だったら、恋人はやっぱり気が変わって去ってしまっただろうか。今まで感じた魅力や敬意は容姿によって霞んでいってしまうのだろうか。もしもの話は誰にもわからないが、それならそれでいいのだ。そのための鉢なのだ。自分の価値基準を見えやすくするための鉢。自分の魅力に価値を感じ、魅力とそれ以外の気に入らない部分とを天秤にかけたとき、となりにとどまる方を選ぶ人間を見つけるための鉢なのだ。

 

距離とヤバい女の子ー織姫(天稚彦草子/七夕伝説)

自分がなんとなくしか織姫と彦星の話を知らなかったのだということが分かりました。

最初は大蛇だったり、1年に1回は織姫が言い間違えたからだったり…。


まあやっぱ1年に1回は少なくない?と思ってしまうけども。

普通の女の子だったのにすごくガッツがあったのだなあ。

 

理不尽とヤバい女の子ートヨウケビメ(奈具の社)

これはとっても悲しい話でした〜。

老夫婦ひどくない??

人間じゃないものたちを恐れていることが多いのに、今回は全く恐れないという。

何か理由でもあるのか?

「優雅な生活こそが最高の復讐である」という言葉があるが、私は「物語に従わないこ が最高の復讐」だと思う。自分の身に勝手に起こったことに りやり感動的な意味を見出さす、精神的成長としてつじつまを合わせず、物語を無効化する。あるいは、因果関係のない別の物語を自分で始めてしまう。勝手な展開で許可なくエンドロールを流そうとする何者かの 一切登場しない、まったく新しい物語を。

 

女とヤバい女の子ー女右大将/有明の女御(有明の別れ)

「とりかへばや」みたい!

女性の立場の弱さを詰め込んだ話だな…と思いました。

性的虐待もあるし…。

悲しくなったけれど、最後に二人が再会するのは救いがあった。

女と女の関係は社会のなかで後回しになっていく。肩書きがあればいっそ完全に決別することができたのに、いつ終わるのか、まだ親密な感情を持っていていいのか、それとももう終わってしまったのかわからない。だけとあなたが対の存在のように傍にいてくれたから、私、ここまでやってこられたんだよ。

私たち、何だったのかな。離れてしまった今は、あの頃のように毎日会うことさえ難しい。彼女や妻や母になったら、もうあなたと親しくしちゃいけないの? 名前がないまま失くしたものは、とうやって探せばいいのかな。誰かがほんの少し力を加えたら、今の関係もまたばらばらになってしまうのかもしれない。今でも私が一番あなたの力になってあげられる自信はあるのに、へたをすればとちらかが死んだことを知る術もなくなってしまうかもしれない。それでもあなたがたった今もこの世界で生きていると思うと、心の底からの安心を感じる。

さようなら女達。会えなくても、どこにいても、誰よりもあなたの幸せを祈っているからね。


女の子同士の関係性って肩書きがないから難しい。

親友だとしても恋人や夫の方がより親密になってしまうから…。

 

ちなみに続編も出ています。

 

同じ著者でこちらも気になる…。

 

 

【お題】はてなブロガーに10の質問

 

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問

をやってみることにしました〜!

 

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

ハンドルネームの「ちこ」は「チコリータ」が好きだったのでそこからとりました。

子どもの頃にチコリータのぬいぐるみを持っていたのですが、どこかへいってしまって…。

あとポケットモンスター金銀を10年くらいずっとやってました笑。

ブログ名はそのままですね。

 

はてなブログを始めたきっかけは?

大学院時代〜就職してあたりは本を読める状況になく、やっと落ち着いてきたので本を久しぶりに読みたくなって、その感想をつらつら書きたいと思い始めました。

感想を書かないとすぐに忘れてしまうのですが、紙に書くと手が痛くなって書きたくなくなるんですよね〜。

色々調べていく中ではてなブログが一番良いと思ったのではてなブログに決めました。

 

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

お気に入りというか、1年読んだ本と好きな本がパッと見で分かるので自分でもたまに読み返しています笑。

今年度も分も書くのが楽しみ!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

ブログを書きたくなるのはどんなとき?

本を読んだ後ですね。

メモ帳にダーっと書いてます。

ちょっと主観が入りすぎていると思うところは削ることもありますが、基本は思ったまま書いてます。

 

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

下書きにはほぼ保存されてないです。

書いたらすぐ投稿しちゃうのでストックがない笑。

ちゃんと考えて投稿すべきですね。

 

自分の記事を読み返すことはある?

あります!

シリーズ物とか関連ものを読み返すときに自分がどういう感想を感じたのか知りたいので読んだりします。

少し前なのにこんなふうに考えたのか〜と思うとおもしろいです。

 

好きなはてなブロガーは?

みんな好きです。

自分と似た作品を読んでいる方の感想を読むのも好きですし、全く違うジャンルを読んでいる方の感想を読むのも好きです。

同じ作品なのに違った見方を知ることができたり、普段なら手に取らないジャンルを知ることができておもしろいです。

 

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

この先もよろしくお願いします!

 

10年前は何してた?

学生でした!

 

この10年を一言でまとめると?

学生から社会人へ

子どもから大人へ

そして専門家へ

なかなか大変な10年でしたが、夢を叶えることができたので、ひとまずらよかったです。

そしてあまり本を読まなかった10年なので、次の10年は本をたくさん読みたいと思ってます!

 

【ケストナー】エーミールと探偵たち

子どもの頃から知っていて気になっているのに読まなかったシリーズの一つ

子どもの頃から家にあったらしく、さらに言うなら私のために買った本だったらしいということを今回初めて知るという

なんで読まなかったのだろう笑。

それとも実は読んでいたのかな?全く思い出せないけど。

読まなかったのは絵のシンプルさのせいかな〜?

 

あらすじ

お母さんに見送られ、おばあちゃんがいるベルリンに行く列車の中でお金を盗られてしまったエーミール。コンパートメントに一緒に乗っていた山高帽の男が犯人だと睨むが、エーミールには警察に行けない理由があってー?!

 

読んでみて

いや〜おもしろかった!

子どもたちにはぜひ読んで欲しい作品。


構成が変わっていて、最初に著者であるケストナーさんが本作りに悩んでいる話が入る

南洋小説の冒険物を書こうとしていたけれど、頓挫してしまって困ってしまって床に寝転がったりする。

いつも話しているボーイ長からアイデアをもらい、身近なことを書くことにしたケストナーさん

 

そこでエーミールが思い浮かぶ。

そして10枚の絵になっているアイデアも!

これを筋道立ててお話にしたのが今作品


母1人子1人で頑張って生きているティッシュバイン(テーブルの脚)家

おばあちゃんへの仕送りのお金とともに従姉妹たちの家に遊びに行くことになったエーミール。

お金をなくさないように言われたエーミールは定期的にポケットを触って確認をする

その絵があまりにも可愛くて!

でもそこに大事なものがあるって明らかにバレてしまっていて!

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可愛いんだけども残念なエーミール。

でもそうだよね、心配だから確認するよね、しょうがないよね!


それで案の定お金を盗られてしまう

でも悲しいかな、エーミールには警察に行けないわけがあるんです!

このわけはぜひ本を読んで欲しい。


なので自分で解決しなくちゃいけない。

手始めにまず追いかけることにしたエーミール

ここまでだと題名の「探偵たちってなに?」となるのだけれど、ここからエーミールは初めてのベルリンで友達ができるんですよ!

すごい!素晴らしい!

しかもたくさんの友達

彼らがみーーーんな手伝ってくれる。

だから「探偵たち」なんです!


みんながゾロゾロ歩く絵柄が可愛くって可愛くって。

愛らしい。

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何も悪いことをしてないのにお金を盗まれるという悲しい出来事は起こるのだけれど、それ以降は悲しいことは起こらないので安心して読んでいられる作品でした。


おばあちゃんのなんでも2回言う口癖が好き。

「困ったよったら、困ったよ!」


あと、教授とエーミールがお母さんのことを話している場面が心に響いた。こんなこと言われているのを知ったらお母さんは嬉しすぎるんじゃないだろうか。

「いっしょにいることしか、ぼくたちにはできないんだよ。だからって、ぼくは母さんっ子じゃないよ。信じないやつは、壁に投げつけてやる。そんなの、あったりまえじゃないか」

「そりゃそうだ」

ふたりは、しばらくだまったまま、門のアーチの下に立っていた。もう夜だ。星がかがやいている。まるで片っぽうだけの目のような月が、高架線のむこうを見ていた。

教授はせきばらいして、エーミールのほうは見ないで言った。

「じゃあ、すごく愛しあっているんだね。」

「すっごくね」エーミールはこたえた。


この作品が書かれた時代は昔で、本文でも馬車よりも電車の方が目新しく良いものとされていることが分かる。

私は電車よりも馬車の新鮮だしワクワクするけど笑。


あとがきに書かれていた新しいこと、古いことについての話が心に残る。

高層ビル、ネオンサイン、車の洪水、新聞社、映画。そういうことをいそいそと書きこんだ作家ケストナーは、かなりの「新しもん好き」だったのですね。

そのおかげでわたしたちは、新しさへの感動を、ケストナーといっしょになって味わうことができます。この時代に新しかったものは、いまではとても古くて、むしろなつかしいものなのに、ふしぎですね。でも物語は、新しいものにわくわくした時代の人びとの心を、わたしたちにも気前よくわけてくれます。物語によって、わたしたちの心は、新しさにたいしてもういちどうぶになるのです。物語を読むというのは、ほんとうにふしぎで豊かな体験だと思います。

 

後日譚として「エーミールと3人のふたご」があり!

 

 

【アガサ・クリスティ】青列車の秘密

青列車というお高い列車が舞台。

残念ながら現在はもうこの青列車はないみたい。

悲しい。

 

 

あらすじ

大富豪の令嬢ルスが豪華列車<青列車>で殺された!その上、高価なルビーまで盗まれており、強盗殺人だと思われるがー?偶然乗り合わせたポアロはルスと最後に話したキャザリンとともに事件を解明していくがー?!

 

読んでみて

青列車が舞台ではあるけれど、最初と最後くらいしか青列車には乗ってない。

また、ポアロも出てくるまでだいぶ時間がかかる。

最初の方は色々な人物がちょっとずつ出てきて「どういうこと??」と混乱するけれど徐々に話が見えてくると面白くなる。


この作品はポアロの中でも結構好きかもしれない。

ずっとお金持ちのおばあちゃんに奉公していたキャザリンは、老女の死後に莫大な資産を譲り受ける。

貧乏人だったのが一転、大金持ちになるキャザリン。

今の価値よりも当時の方が高かったので、出てくる数字そのままでも高いのに、それ以上のお金持ちだということが分かる。

億万長者も本当は億以上持っているはず。


急に遺産が転がり込んでいてラッキーなキャザリン。

羨ましすぎる。

一生遊んで暮らしても余るくらい…。

でも10年も田舎でおばあちゃんの相手をしていたから、自分の人生は春と夏が過ぎ去ってしまって秋だと感じている。

年齢に対しても辛辣なことを言われたりもする。

ところが身なりをきちんとしたら、まあモテるキャザリン!

まだ人生は始まったばかりだったね。


で、そのキャザリンが二人の男性の間で揺れるのが本作のテーマ。

厳密に言うと揺れているのかは謎だけど笑。

ルスのことを考えると可哀想すぎるけどね。

主役はキャザリン。


前半部分を読んでいる時は全然思い出せなかったのですが、男性たちが出てきたあたりから「ああ!これ犯人分かった!(思い出した)」となりました。


以前に読んだ時に思いっきり引っかかったので覚えているんですよ…笑。

気になる人は読んでみてー!

 

クリスティの作品は人が亡くなるわりに生き残った人たちはなんだかんだハッピーエンドになるから読後感が爽やか。

お金持ちばかり出てきて羨ましい限りでした。

タムリン夫人がなんだかんだ好きだったかも。

嫌な人ではあるけども、あそこまで分かりやすいと逆に可愛く感じるかもしれない。

強かさもすごいと思う。


私もチャーミングなポアロとキャザリンやレノックスみたいにお話ししたいな〜と思いました。

 

ポアロ作品のまとめはこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

【アガサ・クリスティ】スタイルズ荘の怪事件

ポアロ初登場長編作品。

ポアロヘイスティングズが一緒に出てくるよ!

 

あらすじ

旧友のカヴァンディッシュから誘われ、スタイルズ荘を訪れたヘイスティングズ。莫大な資産を持つカヴァンディッシュの母エミリイは年の離れた夫と結婚していた。若い夫は遺産目当てだと誰もが思う中エミリイが殺されているのが発見された!当然夫が怪しまれたがー?!

 

読んでみて

カーテンと同じ舞台であるスタイルズ荘。

今作から長い年月が経ってカーテンに繋がるわけですね。


久しぶりに読んでみたけれど面白かった〜!!

ポアロが好きなのだけど、ヘイスティングズと一緒に出てる作品が特に好き。

まあ別にヘイスティングズが何かするわけではないのですが笑。

たまにポアロにヒントを与えたりはするよ!笑


今回読んで驚いたのはヘイスティングズが30歳だったということ!

若い!!

高校生の時に初めて読んだのだけれど、もっとおじさんだと思っていた(苦笑)。

まあ作品によっては年齢が違ったりもするからね。

でも高校生からしたら大人はみんなおじさんおばさんだったのだよね〜。

今は30歳がどれだけ若いか分かる...。


まだ若いヘイスティングズは前戦から帰ってきたばかりで仕事なし、家なし、恋人なし。

だからこそ素敵な女性に会うとときめいたり、結婚を申し込んだりする笑。

いやいやそれでOKする人いないでしょ〜。

相変わらず鈍感だなあ。


しかも定期的にポアロのこと馬鹿にしだすので、「おいおいヘイスティングズ…」と思ってしまうのだけど、最後にはポアロのこと見直すのが分かっているので大目にみてあげましょう。

それに大体は心の中で思ってるわけだからね。


にしても殺人が起こった館に住み続けられるヘイスティングズはすごいと思った。

私なら早々に帰っていると思う。

さらに言うなら偶然ばったり会った昔の知り合いの家にお邪魔できるなんてコミュニケーション能力高いな…と思ったり。

人様の家じゃそんなに寛げなくない??

ホテルぐらいの豪邸ではあるけれど。

まあ誰とも話さず関わらなかったら物語が始まらないからね。

年上でさらに名探偵のポアロと対等に話せるのもすごいと思う。


読んだのが大分前だったので犯人をすっかり忘れてしまっていて、初見と同じように考えながら読んでいた。

ただアガサ・クリスティ作品をずっと読んでいるとパターンが決まっていることが多いので、そういう意味で予想しようと思えば予想することができる。

殺人事件という悲しい出来事が起こるのだけれど、なんだかんだ最後はハッピーエンドになることが多いからね。


遺言状のミスリードや召使いにもらした言葉が大きなヒントになっていたのがおもしろかった。

にしても自分の父親の遺産だったのに義理の母にいってしまい、そしてその夫にいくのは嫌だなあ。

最後にメリイ・カヴェンディッシュの素直になれなさが共感できて好きでした。

 

次は「青列車の秘密」へ!

oljikotoushi.hatenablog.com

ポアロの感想まとめはこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

【チョ・ナムジュ】84年生まれキム・ジヨン

 

読んでみて

ずーっと読みたかった作品。

フェミニズム小説といえばまずはこれ!というくらい有名。

韓国でも大ヒットしたし、日本でも大ヒットした。

フェミニズムっていう言葉は嫌悪されていると思っていたから、この作品が日本でもヒットしたことには驚いた

みんな色々と思うところがあったのだな…。


だいぶ前に冒頭だけ読んだことがあったのだけれど、その時の印象は「堅苦しくて分かりにくい」だった。

それもあって、ちゃんと読めるときに読もう、とずっと脇に置いていた。

ちゃんとフェミニズム関連の本を読んでいきたいと思ってやーーっと読むことに


小説っぽくない独特の文体に慣れる必要はあった

ただ、内容としては分かりやすくて読みやすいので、何ページか読めばすぐに気にならなくなった。

あまり韓国の名前に詳しくないため、「これは誰だったけ?」となることはあったが、登場人物は限られているのでそこまで難しくはなかった。

最後の解説に書かれてあったのだが、女性の登場人物はすべてフルネームで出てくるのに対して、男性の登場人物はほとんど名前が出てこない

女性は「〇〇の母」「〇〇の娘」という名前で呼ばれないこと、本人の存在をなくされてしまうことへの強烈なミラーリングとなっている。

韓国の名前に慣れていないのもあって読んでいる間はそこまで気がつかなかった。

最近はないだろうけど、昔は「〇〇の母」「〇〇の娘」としか記録に残っていない人はいたからね。


読んでいて、「これは自分だなあ」と思うところが随所にあった。

違う国なのに

世代も違うのに


ただ、韓国の方が儒教が強いからか、男児を産むことについては日本よりも強いように感じた。

男児じゃなかったら中絶する、というのが辛い。

遠い国のことではなく、日本とそう変わらない国なのに少し前まではそんなことが行われていたなんて…。

もちろん今でも行われている国はある。

明治とか日本でも女の子が売られたりしてたわけだからね。

時代や生まれた国で人生が変わってしまう、そもそも人生が始められない可能性もある。


共感できたり、母や祖母はそうだったのだろうなと思ったり、色々と感じることがあった。

自分も体験したことがあって似ていると思った部分と違いをまとめてみた。

完全に主観です。


似ているところまとめ

・祖父母には男の子の方が可愛がられる

・男の子の方が将来を有望視される

・家族の中でも男性からご飯やお風呂を準備される

・男の子の方が好きなものをたくさん食べられる

・学校でもなんでも最初に男性、次に女性の番号になる

・男性が学級委員になりやすい

・男性より女性に対して服装の規則が厳しい

・性被害にあうと女性が責められる

・痴漢や盗撮などの性被害が身近にある

・就活でのセクハラが起こる

・男性の方が女性よりも採用されやすい

・同期なのに男性と女性で年収が違う

・女性の管理職は少ない

・育休産休を取る可能性のある女性は長期的なプロジェクトに参加できない

・出産・育児をしながら仕事を継続するのは難しい

・出産・育児などで一度離職すると再就職が難しい

・タクシー運転手から馬鹿にされる

・女性を侮蔑するネットスラングがある

・主婦は馬鹿にされる

・夫の実家で料理や家事などを手伝う必要がある

・子どもは夫の姓を名乗るのが一般的


違いまとめ

・夫婦は別姓

・男女ともに勉強を頑張るのが当たり前

・勉強では差別されない

・無痛分娩に切り替えることが可能

・大規模なフェミニズムのデモが起こる

・兵役がある


今思うと学生の頃も男女の扱われ方は違ったのだけれど、当時はそれが普通だと思っていた。

ずっとそれが当たり前だったから。

実際に働くまで明確な差別なんてないと思っていたけれど、実は自分が気づかなかっただけだということがよく分かった。

だから小学生で違和感に気づけていたキム・ジヨンたちはすごいと思う。

 

祖父母は男兄弟を可愛がったし、男兄弟と喧嘩すると怒られた。

両親からも男兄弟ならやっていても何も言われないのに私には止めるように言ったり、男兄弟はやらなくてもいいと言われていることをやるように言われたりした。

その頃からとにかく人と対等になりたかったので、猛然と反発したことを覚えている。

そうすると「女の子でしょ!」と言われたなあ(苦笑)。

その理論はおかしいと思っていたけれど、それは自分の家族がたまたま間違っているのであって社会全体がそうだと思わなかった。

でも違ったのだな…と大人になってから気づく


この本を読むと結婚して子育てすることがどれだけ大変なことなのか分かる。

主人公たちの世代は受験勉強、学校生活、就活で競争して勝ち取ってきた仕事なのに、結婚して子どもを育てるためには辞めないといけない

実際に働いている年数よりもそこに至るまでの期間の方が長いんじゃないかと思う。

つらいなあ

もちろん専業主婦になりたい人もいるだろうけど、専業主夫になりたい人もいるだろうし、もっと柔軟にあらゆる人を寛容に受け入れる社会になるといいよね。


それができないのは、やっぱり長時間労働が背景にあるわけで…。

実際の業務だけではなく接待とか会社の飲み会とかも含めて。


あと韓国が夫婦別姓になったのは羨ましすぎる

ただ、子どもの姓は圧倒的に夫ということで、そこはまた慣習を乗り越えていかないといけないけど。

姓が変わることで「結婚したー結婚してないー離婚した」が分かってしまうのってすごく生きづらいと思う。

だって本来ならとってもプライベートなことだと思うから。

仲がいい人とか身近な人になら言ってもいいけど、そうじゃない人にも分かってしまうよね。

子どもでも両親が離婚した場合、母親側の名前に変える場合もあるし、そうすると周りに分かってしまうのも辛いと思う。

変えないようにもできるけども。


とにかく読んでいて辛い本でした。

あと盗撮が怖かった…。

私もよく知らないトレイに入る時は注意するけど、もし職場でそんなことがあったら…!

それは辛すぎると思う。

どんどん技術が発展しているのに法律が追いついていないように思う。

 

【本】10月に読みたい本🍁

読書の秋🍁

いろいろ読みたいと思う〜。

 

トムは真夜中の庭で

ずーっと読みたかったトムまよ!

子どもの頃から知っていて気になっているのに読まなかったシリーズ①

昔は絵が怖かったのだけどもう大人になったので◎

 

スタイルズ荘の怪事件

カーテンを読んだので次はこちらに。

高校生の時に読んで「めちゃくちゃ面白い!」となったのを思い出す。

ひたすらアガサを読んでいたな…。

 

青列車の秘密

ポアロ作品をもう一回一通り読んで感想書くのを目標にしているので次はこちらに。

読む順番は特に意味ないです。

 

82年生まれ、キム・ジヨン

フェミニズム小説なのにすごく人気になって売れた作品!

文体が難しそう〜と思っていたけれど読み進めてみると意外に読みやすかった!

ストーリーブックも気になる…。

 

 

カラーパープル

黒人姉妹の人生を描いている作品。

きっと辛いだろうけれどずっと読みたかったので読む。

 

続 若草物語

若草物語を読んだので次はこちらに〜。

4作品目まであるらしい。

 

アンの愛情

アン!!

半年に1冊ペースで読んでいる…苦笑。

一気に読むのももったいない気がして読めてなくて、でも間隔空きすぎるのも忘れたりするのでどうしたらいいのか。

 

たのしいムーミン一家

ムーミンシリーズは今年中に読み切りたいので読むよ!

 

闇の左手

ゲド戦記で有名だけれど、フェミニストとしても有名なアーシュラ・K・ル・グィン

SFも好きなので楽しみ。

 

卒業旅行

赤川次郎先生の作品は読みやすいのに面白くて夢中になれる。

女の子たちのお話。

 

クローディアの秘密

子どもの頃から知っていて気になっているのに読まなかったシリーズ②

これすごく好き!っていう人をよく見かけるので子どもの頃に読んでおきたかったな〜。

読みます。

 

エーミールと探偵たち

子どもの頃から知っていて気になっているのに読まなかったシリーズ③

多分表紙から物語が想像できなかったんだと思う。

 

日本のヤバい女の子たち

題名は知っていておもしろうだな〜と思っていた作品。

昔の女の子たちのことを分かりやすく知れる本があるなんて!


↓今月は読めないかもしれないけどそのうち読みたい本↓

ピラヴド トニ・モリスン


クララとお日さま カズオ・イシグロ


夏への扉 ロバート・A・ハインライン