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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

ゼアゼア

 

少し前から先住民の人たちについての本も読むようになり、前から気になっていた今作をやっと読みました!

ノンフィクションの作品を読むことが多かったので今回のような小説は初めてかも。

ゼアゼア

ゼアゼア

Amazon

 

いくつかの短編集が合わさっていて一つの物語になっている今作。

登場人物がかなり多いので理解するのがなかなか大変。特に巻頭の登場人物にのところに載っていないと難しかった。Kindleで読んだので名前を検索したりしながら読んだりしてた。

 

登場人物はそれぞれ年齢や性別が違う。そのためそれぞれが抱える背景や悩みも異なっている。

 

例えば都市先住民について。

これはある時期から都市に移住することを推進されたことで、都市に移動した先住民のこと。そして都市で生まれ育った子どもたち。彼らは先住民だけれど先住民らしい暮らしとは違うところで育ったことで、先住民の文化と隔絶されてしまったりしている。自分のアイデンティティがはっきりと定まらない。

 

他にも寄宿学校での経験とその影響。そもそもの祖先が虐殺されたこと。

貧困や暴力、ドラッグ。

自分の親が分からずどの部族の先住民か分からないことでアイデンティティが確立されないこと。アルカトラズ島での生活、などなど。

 

都市先住民のことは知っていたけれど、そこで生きる人々の抱えている問題については知らなかったので、今回詳しく知ることができてよかった。

また様々な年齢の登場人物が主役になることで、それぞれの人々の抱えている問題が虐殺から始まり、不平等から成る貧困や暴力、そしてトラウマに繋がっていることが分かりやすかった。

そしてそのトラウマは世代間を超えていく。世代間トラウマというのが実際にあるのだけれど、先住民の問題は民族の中でそのトラウマがあること。そしてそのトラウマがさらなる悲劇を生むことで繋がっていってしまう。

自殺率もかなり高く、多くの人々が家族や知り合いを自殺で亡くしてしまう。そのことがトラウマとなりまた自殺の連鎖が起こってしまう。

以前の本でも読んだことがあるけれど悪循環が続いていってしまうのが辛い。

 

ただ、今作は悲しいだけの本ではない。みんなそれぞれ問題を抱えているのだけれどその中で少しずつ前進しようとしている部分がある。ただそんな中で悲劇が起きてしまう。それがただ前向きな本ではなくて現実を反映している部分がリアルに感じる。

 

今作を読んで印象に残った部分がある。それは先住民なのに違う国から来たと思われてどこから来たのか聞かれ部分。

いるのにいないようにされている悲しさがあった。ずっと彼らはいるのに。

 

昔はテレビにライフルの照準器が先住民の人に合わさった画面が流れていたらしくインディアンヘッド・テスト画像と呼ばれるそうだ。これが衝撃的だった。そんなものをテレビに!?

 

あとは自分に性的暴行した相手と再会する部分も。相手がどれだけ反省していても受け入れるのは難しいと思う。なのに再会した時の対応がすごく大人ですごかった。

 

この本を読んだ後にアルカトラズ島に行ったところ、アルカトラズ島に先住民の人たちが住んでいた記録を見ることができる建物があって、そこで実際に色々見ることができた。本の内容だけではなく、実際に彼らがここにいたのだと思うと不思議な気持ちがした。

アルカトラズ島に行くことを決めた時にはこの本を読んでいなかったのに、なんとなく選んだこの本にアルカトラズ島について載っていて、それを実際に行く前に読むことができたのが本当によかった。すごい偶然なのだけれど。行った後よりも行く前に読むことができてよかったなと思う。

 

登場人物も多いのと色々な問題が描かれていてわりと難しい部類に入る本だと思う。私は前もって先住民の方達が抱えている問題について学んでいたので、少しずつエピソードが出てきても理解することができたけれど、初見だと内容が盛りだくさんなのでなかなか難しそうだなと思う。

 

物語としてもすごくよかった。最初は関連がないように思っていた登場人物たちに繋がりがあることが分かり、少しずついい方向に行く場面が嬉しかった。でもどうにもできない問題もあって。最後は怒涛の展開でずっと号泣。どうにかならなかったのかと悲しくなってしまう。

 

他の作品も読みたいのだけれど日本語訳されているものってあまりないのだよね。

 

雪山書店と嘘つきな死体

ミステリ大好き!名字もクリスティの姉妹の事件簿。

あらすじ

雪山の上の観光地にある雪山書店、ブック・シャレー。代々エリーの家族が経営してきた書店だ。久しぶりに故郷に帰ってきたエリーは両親の代わりに姉とともに書店を切り盛りすることに。ところが山腹と麓をつなぐゴンドラの中で男が殺されーーー!?

 

読んでみて

2022年に今作でデビューした作家さん。ミステリ好きの姉妹、なんと名字はクリスティ!羨ましい!

クリスティ好きで姉妹で〜というところが去年読んでいたマーダー・ミステリ・ブッククラブシリーズと似ているところがあり、私の大好物!ということで読んでみることに。

↓こちらがマーダー・ミステリ・ブッククラブ

 

 

最初の作品だからか、序盤はあまりのめり込めなかったけれど事件から謎解きはなかなかおもしろかった。

雪山にある素敵な本屋さんという設定は羨ましすぎて私も住みたいくらい。あと猫ちゃんも!可愛すぎる!本当に行ってみたい本屋さん。

 

ただ、エリーはわりと恵まれているように感じてしまって、あまり共感できなかったかな。いまいちどういうタイプなのか分からなかったのもある。

今まで書店経営のために他の国なんかで働いて経験を培ってきていて、両親の引退?を機に実家の書店の戻ってきたのだけれど。恋人はいないけれど今の人生で十分楽しそうで、でも恋人が欲しいのか、どういうビジョンを描いているのか、とかそういうところがあまり分からなかったかな。葛藤がもっと描かれているとよかったかも。

 

マーダー・ミステリ・ブッククラブは姉妹の対比が分かりやすかったのと、ミステリには目がなくて何にでも気になって首を突っ込んでしまう主人公だったので事件に巻き込まれるのは違和感がなかった。まあ、普通に迷惑じゃやない?と思う場面はあったけど笑。

そのため、今作は偶然事件に巻き込まれたけれど次回からはどう巻き込まれて、どうやって事件を解決に導いていこうとするのかが気になるところ。素人探偵で難しいのはそこだよね。マープルくらい有名になれたら事件が勝手にやってくるんだけど笑。

 

あと他のメンバーも果たしてまた出てくるのか?かなり個性的だったのでね。

次回作で違和感なく楽しめればシリーズとして固定できるように思う!

次回作は20255月に出るみたいなので気になる!

 

↓こちらがマーダー・ミステリ・ブッククラブの感想。

oljikotoushi.hatenablog.com

 

 

【ピーター・スワンソン】だからダスティンは死んだ

 

あらすじ

ボストンの郊外に引っ越してきたヘンと夫。サブ内のパーティで知り合った隣人夫婦マシューとマイラの家に招かれることとなる。ところがマシューの書斎に入った時に、ある置き物を目にする。それはある殺人事件で犯人が被害者宅から持ち去ったものでーーー!?

 

読んでみて

ピーター・スワンソンの作品はよくおすすめされているのを見ていたので読みたいなと思っていて、今作を選んだのはあらすじを読んでこの作品が一番惹かれたから。

好みだったら順番に全部読んでいくしと思って。

あと女性が主人公だとやっぱり惹かれるよね。


ヘンは隣人夫婦の夫の書斎で殺人事件の被害者の品を見つける。これはもうこれでお話終わりでは?警察に通報して捕まえてもらえばいいじゃんね、と思っていたらそううまくはいかない。


ヘン視点だけではなくマシュー視点もあるのがよかった。

犯人はすぐ分かってしまうのだけれど、ヘンは犯人を捕まえられない事情がある。その二人の駆け引きがすごくハラハラしつつイライラもしつつ笑、おもしろく読むことができた。

イライラするのはそれだけ本の世界にのめり込んでいるからなのでね。


まあでも歯痒かったよね〜!

もっとうまくいかないのか?と思うけれど、まあそのうまくいかなさも現実っぽくてよかった。にしてもこんな犯人面倒だし、私がヘンだったら嫌すぎるなと思って読んでいた。

ただ、犯人の心情とか動悸とかはすごく丁寧に描かれていて分かりやすかった。

 

 

 

ややネタバレあり

 

 

 

 


ただラストというか犯人が実は…解離性同一性障害という部分が個人的には微妙だった。まあよくある設定ではあるんですが、この設定があることで妙に現実に引き戻されちゃうんですよね。それまでがよかっただけに残念だった。途中からうん?とは思ったけども別になくてもよかったのに。

まあこれは私の職業柄なので仕方ないと思うけど。別にそういう病気じゃないんだけどな〜って思ってしまう。ほんとに。


疾走感がすごくある訳ではないのに、続きが気になってのめり込んでしまうおもしろさがあった。

ただ夫が可哀想だったなあ。なんかヘンが淡々としすぎていて。うまくいってなかったのはそうなんだけども。

 

 

 

 

終わりに

他の作品も少しずつ読んでいこうと思います!

シリーズがあると嬉しい!

【エーリッヒ・フロム】愛するということ

 

本屋さんでベストセラーとなっているのを見て気になって購入。エーリッヒ・フロムは精神分析家で心理士の中では有名な方ですが、一般にも有名な本とのことでびっくり!

一般の人も読んでるなら私も読まなきゃと思って読みましたが、…難しくない?

え、これどんな一般の人が読んでいるの?となりました。ものすごく気になる。私以上に心理の本を日常から読んでいる人だろうか。すごい。

 

普通の本だと思って読んでみたら普通の本ではなく専門書よりだったので、専門書だと思って読むと楽しく?読めました。

読むのにめっちゃ頭は使いますが、そうそうそう〜となるところも多い。

 

ただ、愛するって難しいんだなと思いました。これだけだとかなり感想薄いですね苦笑。

パートナーにこの本を読んでいる最中に話をしたところ、なんかヤバいやつみたいに扱われたのが全然納得いかなかったです。

 

最初は社会という広範な話から。親子愛や友愛にも触れつつ、宗教観などにも言及していてとにかく幅広い。心理学的な部分は興味深かったけど、それ以外の部分は難しかった。読むのが大変でした。

愛というのは相手をコントロールしようとしないこと、自分が優位に立とうとしないこと、愛さずに愛されたいというのは愛ではない。そして愛する者ただ一人を愛するのが愛でもない。人間愛、友愛ともつながっているということ。

あとは親子愛についてもすごく勉強になった。

ここが心に残ったところ。

純粋な自己愛をもった母親が子どもにどのような影響をおよぼすのかを見てみればわかるように、愛や喜びや幸福がどんなものであるかを子どもが知るためには、自分自身を愛する母親に愛されるのがいちばんだ。

他の心理学者も言っていることだけれど、母親が幸せでなければ子どもは幸せにはならない。必ずしも自己犠牲が正しいわけではない。日本は母親に自己犠牲を強いるのが良い母親だと思う部分が強いけれど、母親が自分を愛して自分の人生を楽しんでいるのが一番大事。

 

こちらも親子愛について。

恋愛では、離ればなれだったふたりがひとつになる。母性愛では、一体だったふたりが離ればなれになる。母親は子どもの巣立ちを耐え忍ぶだけではなく、それを望み、後押ししなければならない。(中略)ナルシシズムの傾向の強い母親、支配的な母親、所有欲の強い母親が「愛情深い母親」でいられるのは、子どもが小さいうちだけである。ほんとうに愛情深い女性、すなわち受け取るよりも与えることにより大きな幸せを感じ、自分の存在にしっかり根を下ろしている女性だけが、子どもが離れていく段階になっても愛情深い母親でいられるのだ。

これはなかなか難しい。日本は子どもと自立できない親子関係が多いように思う。子ども時代はいい面があるけれど、成長していく過程で自立していく子どもを応援できないと歪な親子関係になってしまう。

 

こちらも心に残った箇所。

愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。そのなかに「落ちる」ものでなく、「みずから踏みこむ」ものである。愛の能動的な性格を、わかりやすい言い方で表現すれば、愛は何よりも与えることであり、もらうことではない。

(中略)

本当の意味で与えれば、かならず何かを受け取ることになる。与えることは、他人をも与える者にする。たがいに相手のなかに芽生えさせたものから得る喜びを分かち合うのだ。(中略)愛とは愛を生む力であり、愛せなければ愛を生むことはできない。

GiverとTakerの考え方があるのを前に知ったけれど、それと似ているように思う。愛というのは与えてもらうものではなく与えること。

 

私は、愛する人が、私のためにではなく、その人自身のために、その人なりのやり方で成長していってほしとと願う。誰かを愛するとき、私はその人と一体感を味わうが、あくまでありのままのその人と一体化するのであって、その人を、私の自由になるようなものにするわけではない。いうまでもなく、自分が自立していなければ、人を尊重することはできない。(中略)自由になってはじめて人を尊重できる。

逆説的ではあるが、ひとりでいられる能力こそ、愛する能力の前提条件なのだ。

愛とは、愛する者の生命と成長を積極的にきにかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない。

自由になって、自立して初めて人は人を愛することができる。

 

こちらも。

幼稚な愛は「愛されているから愛する」という原則にしたがう。成熟した愛は「愛するから愛される」という原則にしたがう。未成熟な愛は「あなたが必要だから、あなたを愛する」と言い、成熟した愛は「あなたを愛しているから、あなたが必要だ」と言う。

 

今後の関係の参考にもなる言葉。

ほとんどの人の「対立」が、じつは真の対立を避けようとする企てにすぎないからである。もともと解決などありえないような、些細な表面的なことがらで仲違いしているにすぎないのだ。ふたりの人間のあいだに起きる真の対立、すなわち何かを隠蔽したり投射したりするものではなく、内的現実の奥底で体験されるような対立は、けっして破壊的ではない。そういう対立はかならずや解決し、カタルシスをもたらし、それによって、ふたりはより豊かな知と能力を得る。

ふたりの人間が、共通して知っている樹木の育ちぐあいについて話すとか、いま食べたばかりのパンの味について話すとか、仕事での共通の経験について話す場合でも、自分たちの話していることが二人共に経験していて、かつ、上の空にならずに話せば、意味がある。反対に、政治や宗教について論じる場合でも、くだらない会話になることがある。ふたりとも常套句ばかりを使って話し、その言葉に心がこもっていない場合だ。

本当に向き合うことが大切。でも難しい。

 

現代の人々は今現代に集中できていないということもすごく自分にあてはまると感じる。

集中するとは、いまここで、全身で、現在を生きることが。何かをやっているあいだは、次にやることは考えない。いうまでもなく、いちばん集中力を身につけなければならないのは、愛しあっているものたちだ。彼らは往々にして、さまざまな方法を駆使してたがいに相手から逃げようとするものだが、そうではなく、しっかりとそばにいることを学ばなければならない。

現代人は過去か未来に生き、現在を生きていない。

他人を客観的に見ることができなければ、自分の家族を客観的に見ることもできない。その逆も同様である。愛の技術を身につけたければ、あらゆる場面で客観的であるように心がけなければならない。また、どういうときに自分が客観的でないかについて敏感でなければならない。

 

あとは友愛についても。一人の人を愛するのはすべての人を愛すること。分かるけれど難しい。

ひとりの人をほんとうに愛することは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛することである。自身をもって「あなたを愛している」と言えるなら、「あなたを通して、すべての人を、世界を、私自身を愛している」と言えるはずだ。

ひとりの人間を愛するということは、人間そのものを愛することでもある。

つまりマザー・テレサのようになるということなのだろうか?でもそれできる人って相当少ないのでは?難しいことだし。まあだからこそ「愛すること」は誰にでもできることではなく、「恋に落ちれ」ばできると思っているのは間違いということなのだけれど。一人の人のことを愛する、幸せを願う、自分の愛を与える、それと同時にその他多くの人間への愛も持っている。哲学的だよね。

頭では理解できても簡単にできることではないし、自分でできているのか分からない。具体的に書いてある部分もあるので、そのあたりから意識していきたいなと思う。

 

つまり、人は意識のうえでは愛されないことを恐れているが、ほんとうは無意識のなかで、愛することを恐れているのだ。人を愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に全身を委ねることである。愛とは信念の行為であり、わずかな信念しかもっていない人は、わずかしか愛せない。

これは身に沁みました。無償の愛というか無条件の愛というかそういうのを与えるって難しいですよね。

 

なかなか消化が難しい本でした。感想書くにあたって改めて本を見てたら、自分がマーカーしてない部分で気になる部分があったりして。まだちょっとしか経ってないのに自分が気になる箇所って変わるよね。またもう少し年数重ねたら読んでみたいな。

 

これ読みたいな。

【綾辻行人】十角館の殺人

有名な十角館シリーズ!やっと読めました!

 私の中で大好きな小野不由美先生の旦那さんという立ち位置だったのが、やっと作品を読めて作家さんとして好きだと言えるようになりました!

あらすじ

十角館の奇妙な形の洋館。そこで建築家でもありこの館を建築した中村青司は死亡する。館は焼け落ち妻や使用人も亡くなっていた。そんな謎の死のあとに、ミステリ研究会の大学生7人が合宿として訪れる。だが、そこで殺人事件が起こりーーー!?

読んでみて

読みたいな〜読んだ方がいいよな〜と思ってなかなか読んでなかった今作。ミステリ好きなのに読んでなかったの!?と驚かれそう。ミステリは海外ものが好きで日本ものはほぼ読んだことなかったんですよね。でも超超有名な今作。読みたいと思っていたので読めてよかった。それに小野不由美先生の旦那様ですし!

 

最初はみんなあだ名で呼び合うのでいまいちイメージが掴めず。人数も多いからあれ?うん?誰だっけ?となっていたけれど、だんだんのめりこむうちにあだ名が定着。逆に本名が出てくると、それって誰状態に笑。

あだ名で呼び合うって楽しそうだな〜と思いつつも、優秀なメンバーだけということでそれはそれで嫌だなと思ったり。もっと和気あいあいとしたサークルがいいです。

 

全然内容知らなかったので、孤島で起こる事件と本土での場面が交互になっているのは驚いたけれどすごくよかった。でもまあ普通に心配なら様子見に行けばよかったのに、と思ってしまうよね笑。それで解決では?孤島なのが問題なんだからさ。それを言っては終わりですが。

 

そして誰もいなくなった」のオマージュ作品ですが、本家の方は私あまり好きじゃないんですよね。アガサは大好きだけど。

この孤島が現場の作品って多いじゃないですか。でももっと日常のミステリが好きなんですよね。なので今作もどうかな〜と思っていて、でも1作目だしまず1作目を読まなきゃと思って読んだところ、この本土と交互になっているのか私的にはよくて楽しめました。

まあでも見に行こう!そんなに気になるなら!と思いました。見に行かなくても様子を見てもらうように頼んだりもできたわけでね。

 

アガサの時代はまだよかったけれど、十角館の作品の時代だったり、特に今は孤島にするのって難しいよね。孤島にするためにはちょっと無理やりな設定を作ったりしなくちゃいけなくなってくると思うので、そういうのよりは日常のミステリが好きかな。

 

キャラクターはそれぞれ個性があっておもしろかった。というか個性がありすぎる笑。大学生なのにみんなすごく大人っぽいし。大人になると分かるけれど、大人すぎる小学生や高校生や大学生って多いよね笑。

主人公?が島田潔という謎の男性と一緒に謎を解き明かそうとしていくのが青春っぽくてよかった。そんな大学生活やってみたかった!まあ事件には巻き込まれたくないけど。この人って今後も出てくるってことなのかな?

 

 

 

ネタバレあり↓

 

 

 

たくさんミステリを読んできたからか、犯人の謎の部分は察しがついてしまった。

誰が犯人かまではよく分からず。ただ単にこの守須って人どこかに行ってきたってことを強調してるなあ。ニックネームをつけてるから本土側の人が孤島にいても分かんないってことだよなあ。多分ニックネームってそういうことだろうし。でも島まで行けるのか?それは分からないなあ。この人は孤島の誰だろ?という感じだったので、残念ながら衝撃の一行にそこまで衝撃を受けれませんでした。

というかあとから衝撃の一行と呼ばれていることを知った笑。でもすごく衝撃ではなかったけれど、やっぱり!という感じで興奮した場面でした。長ったらしく説明せずに簡潔に犯人を示しているのは分かりやすくてよかった。

 

ミステリは好きですが助けられる命は助けて欲しいし、みんなを殺してしまう程の犯人の動機も弱くって。やっぱり孤島系はみんな死んでしまうのが嫌かなあ。他のメンバーに共感してたのでね。お願いだから助かって!と思っていた。それに大学生なんてまだ子どもじゃん!!!ただ飲酒を強要するのは絶対によくない。

 

 

 

終わりに

久々に日本のミステリを読んだので最初は日本の名前に違和感を感じましたが笑、久々に楽しめました!!!

やっぱり有名なだけある!!他の作品も順番に読んでいこうと思います!

こういう時はシリーズがたくさんあるの嬉しいよね。

【読んだ本】1月2月3月に読んだ本

久しぶりの投稿になってしまいました!

最近色々旅行に行くことが多くて、なかなか時間を取れず。本もしっかり読めてないし感想も溜まっているし。あと英語の本も読まなきゃで思うようにいかず。

ひとまず1月から3月に読んだ本を簡単にまとめていきます!

 

1月

スリーピング・マーダー

五匹の子豚

死者のあやまち

アガサ・クリスティー作品を連続で読みました!

全部読んたことがある本ですが、やっぱり読むとおもしろい!ポアロものかマープルものかで迷ってしまうよね。どれもおすすめです!が、やっぱり好きなのは五匹の子豚かな。

↓詳しい感想はこちら

oljikotoushi.hatenablog.com

oljikotoushi.hatenablog.com

oljikotoushi.hatenablog.com

 

ある奴隷少女に起こった出来事

こちらは以前から読みたいと思いながら読めていなかった作品。実際に奴隷であった少女が書いた自伝を著者が分かりやすくまとめて翻訳したそう。

黒人奴隷についての作品を色々読んできたけれど、やっぱり当時の人がその時の状況や考えを書いてくれている作品を読むことができたのは本当によかった。原文ままでも読みたいなあ。

oljikotoushi.hatenablog.com

 

アンクル・トムの小屋

こちらも奴隷制がまだあった時代に書かれた本。この本が大統領にも影響を与えたと言われることも。

描いたのは白人女性で白人向けの描いた本なので、今読むと感覚の違いや自伝との違いが感じられた作品でした。

oljikotoushi.hatenablog.com

 

2月

僕の狂ったフェミ彼女

こちらも以前から読みたいと思っていた作品だったので読めてよかった。

読みやすいけれど内容としては重め。日本の方がいいなと思う部分もあれば韓国の方がいいなと思う部分もある。でも日本よりもフェミニズムが浸透しているようで羨ましい。

oljikotoushi.hatenablog.com

 

七つの異界へ扉がひらく

Kindle Unlimitedで読むことができた作品。久々に怖い話を読めて楽しかった。理不尽な話もあり、これぞ怪談!と思えたよ。

 

雪山書店と嘘つきの死体

女性が主人公のミステリ、そしてアガサ・クリスティが好きな設定に惹かれて購入。ものすごく引き込まれはしなかったけれど、物語としては十分楽しめた作品。ちょっと主人公たちが羨ましい設定過ぎてそんなに共感できなかったかも笑。

 

3月

愛するということ

エーリッヒ・フロムの作品。ベストセラーとしてよく本屋で平積みになっていたので気になっていた作品。精神分析家であったので心理の本としてとても興味深かった。ただ、一般の人にもベストセラーらしくて一体どういう人が読むのかすごく気になった!

 

アメリカ先住民の儀式と宗教

アメリカ先住民についての本を読みたくて読んでみた。Kindle Unlimitedで読めたよ。内容は興味深かったけれどかなり薄めの作品でした。

 

ひとりの双子

こちらもずっと読みたかった作品。すごくよかった…!本当に!

ふたりの人生、そしてふたりの選んだ人生によって別れた子どもたちの人生。

まだ感想書けていないの書きます!

 

相変わらずそんなに読めてないのが残念。だけど毎月数冊は読めているのでまだいいかな。今年読みたい本もまとめたいな〜と思いつつもなかなかまとまらず。1年って早い!

アンクル・トムの小屋

 

あらすじ

トムは妻と子どもたちと共にシェルビー家の奴隷として生きていた。待遇は悪くなかったが、ある時シェルビー家の借金のために売られることとなってしまう。一方、同じくシェルビー家の奴隷だったエライザの息子ハリーも売られることに。息子と生き別れになることを恐れたエライザはハリーと共に逃亡を図る。少し前に逃亡した夫のジョージと再び会うことを願うがーーー。

 

読んでみて

奴隷について書かれた作品でもよく言及されていたこちらの作品。1852年に発売されベストセラーに。当時は奴隷解放について南北で意見が分かれており、この作品がリンカーン大統領にも影響を与えたと言われている。

ただ、近年では否定的に解釈されることが多い。そのように紹介されているものを読んだことがあり、どういう部分がそうなのだろうかと思っていたが実際に読んでみると理解できた。

 

話の本筋としてはアンクル・トムだけではなく、エライザ一家の物語も同時に進んでいく。アンクル・トムは主人の借金返済のためにも自分は逃げない道を選ぶ。そして売買され、南部でさらに売られることとなる。

一方、エライザは息子と生き別れにならないように逃げることを決意する。そして夫のジョージも少し前に逃げており、エライザ一家はアンクル・トムとは違って逃げる旅となる。

 

アンクル・トムに幸せが訪れないだろうなと読んでいたのだけれど、エライザたちは助かって欲しかったのでハラハラしながら読んでいた。物語として十分のめり込める作品だとは思うけれど、やはり一番の問題は白人優位の場面が多く出てくること。

例えば黒人自身が黒人の子より白人の子の方が賢いようなことを言ったりもする。他にも黒人自身が白人を優位にさせるようなことを言う場面が多く、それを白人の作家が描いているというのが今の感覚では明らかに問題になると思う。そういう全体的に下に見ている部分が随所に表れていて、当時の感覚ではそれが普通だったから仕方のない部分があるのかもしれないけれど現代の感覚では引っかかる部分が多い。

この作品自体もかなり物議を醸したらしいし、当時の白人に向けて描いている作品だから、読者である白人の立場を下にしすぎないように描いている部分もあるのだろうとは思う。だからといって現代でも全面的に受容されるべき作品だとは思わない。やはりこれを現代の黒人の子どもたちが読むのを想像すると悲しくなる。この作品を幼いうちに読むことで、人種関係なく子どもたちに差別が刷り込まれてしまいそうに感じる。物語というよりは当時の状況を知るために読むというスタンスがいいのかなと思う。

 

彼女は当時の状況を踏まえて忖度しながら描いていて、本当のところはどう思っていたのかすごく気になる。当時は奴隷制度が良くないというのは広まっていたけれど、奴隷を全面的に解放することには奴隷制度に反対してる人たちも懐疑的で、全面的に解放することは行き過ぎだと思われていた。当時はアフリカ系の人々が独立して国を作った時期だったため、そちらに送ればいいという無茶苦茶な理論が主流だった。

自分たちが連れてきたくせにひどいよね。本書でも描かれているけれど、北部でも奴隷制に反対だとしても黒人たちと一緒に暮らしたくはないという南部とはまた違う差別があった。そういった部分も描いていて、問題を表面化させているのは著者のすごいところだと思う。本当に忖度なしの作品を描いて欲しかったし読んでみたかったと思う。

 

この作品自体は現代から見ると問題のある作品ではあるけれど、当時に状況を鑑みると、一人の女性が世界を変えたいと思ってこの作品を描いたことは本当にすごいことだと思う。なかなかできることではない。

 

他にも気になったのは、やはり売られていくアンクル・トムがずっと主人のことを気にするし、感謝する場面。ちょうどハリエット・ジェイコブスの自伝を読んでいたけれど、本当に全くもって主人や主人家族のことなんか気にしていない。いや、これが普通だよなと思う。自分を売った相手、家族と永遠に会えなくした相手に感謝しなきゃいけない義理はない。でもそこはやっぱり奴隷主を著者が立てているからだと思う。

あとはアンクル・トムが宗教を捨てずに神を信じ抜く場面。これはニッケル・ボーイズの主人公の悲痛な叫びとは真逆のように感じた。宗教観が強く描かれていて、当時の状況的にだけれどいい人間と悪い人間が別れていて、いい黒人たちもいるから助けないといけないという部分が強く出ている印象を持つ。アンクル・トム自身の内面があまり描かれていないよね。

 

あとはいい主人として描かれていたシェルビー。息子と妻は置いておいて、主人は全然いい人じゃないし、彼は最後まで助けたりもしないのにいい主人みたいな立ち位置でいるのはどうなの?と思う。そもそもの原因では?という感じ。暴力を振るわずにご飯も食べさせていたという点では当時の状況ではよかったと言われるのかもしれないけど、自分たちが困窮したからといって幼い子どもを母親から引き離して売ろうとするなんて最低だよね。長年仕えてくれたアンクル・トムも家族と引き離すし。

あと妻や息子もトムやエライザに対して本当に愛情深くて。でも本当にそんなことある?と思ってしまう。それに夫には強く逆らえないからといって、奴隷たちを売る前に自分たちの物を売ったりとか、シェルビー夫人が少し働く案も出たのだけれど、そんなことさせられないと終わってしまう。

そんな体裁より奴隷たちの人生の方が低く見積もられていたのだと思うと憤りを感じる。結局シェルビー夫人もそこで折れるし。当時の貴族社会では重大だったのかもしれないけれど、アンクル・トムやエライザたちのことを家族みたいに思っているといいながらも結局は自分たちの財産の方が大事だということだよね。優しさが表面的すぎると感じてしまう。現代の感覚で読むと普通にひどくない?別に優しくないよね?ということでも、当時の明らかな身分差がある世界では優しいことになってしまう。自分たちで働いたり土地でも売ればと思うよね。

これはいつか読んだイギリスのメイドの本でも同じようなことが描かれていた。圧倒的な身分差の中で召使たちにプレゼントあげる自分たちはいい主人だと思っているけれど、召使側からしたら全くそんなことはない。むしろ召使たちのことは何も考えていなくてなんでもいいからプレゼントを渡すだけでいい主人になりたいだけと思われていた。

自分たちのことを本当に考えているのか、それともただのパフォーマンスなのか。受け手となる側はとても敏感に察知して相手の意図を理解する。だから今回もトムやエライザ側の自伝があったら異なっていた見方になっていたと思う。

 

エヴァはとても素敵なキャラクターなのだけれど、彼女になんでも背負わせすぎていて子どもなんだから本当にやめて欲しいと思ってしまう。父親は好きになれるけれどいい加減だし最初はエヴァの病気にも向き合えないし。早く病院連れていきなよと思ってしまう。当時は連れて行ったところで治らないことの方が多かったから向き合いたくなかったというのも分からないこともないけれど。母親はひどい。

エヴァはトプシーという少女にも影響を与えている。でもトプシーも環境が本当に酷かっただけで、別にエヴァが天使のような少女でトプシーは違うというのは絶対にそんなことないと思う。子どもに対しても白人のエヴァは優しくていい子で黒人のトプシーは悪い子みたいにわざわざ対比させているのも嫌。

エヴァは感受性が強い子だったのだろうな。そういう子がこの世界でやっていくのは大変だったろうなと思う。特に奴隷制がある時代では。エヴァの立ち位置が「若草物語」のベスみたいだなあと思う。この時代の作品は宗教観が強いよね。

 

奴隷制は家族を引き離すことが問題でさらに白人の家庭も崩壊させると読んだことがあって、実際に主人はますます暴力的になるし奴隷である黒人女性と無理やり性交渉するし、さらにそれを見て子どもも学ぶ。現代では暴力を見せるのも虐待なので、そう思うと白人の家庭も常に虐待に晒されてきたし、黒人たちはもちろん暴力や精神的、性的な虐待全てに晒されてきた。負のサイクルだと思う。

あとは奴隷に生まれると主人の気分次第で虐待されるわけで、これは身体的だけではなくて精神的にもすごく影響があったと思う。そう思うと本当に悲しい。それが世代をまたいでもずっと続くなんて。

 

 

 

ややネタバレあり!

 

 

 

エヴァが亡くなる場面は泣いてしまったし、オフィーリア嬢がトプシーをトプシー自身を見て愛そうとする場面も感動した。エライザたち家族や母たちとの再会の場面とかもすごく泣いたし。ジョージがスペイン系の白人に扮して逃げようとしたりするのもハラハラしつつも裏をかいていてよかった。そういう感じで物語としても十分のめりこめるけれど、のめり込んでいると唐突に「えっ?」っていう思想が出てきたり、白人側に共感していると普通に差別発言が出てきて困ったり。なかなかのめり込んで没頭できる!という感じではなかった。というかこの本にのめり込んで没頭するのはよくないと思う。現代の価値観を持ちつつ読まないと。そして現代は黒人の方たちが実際に描いている本がたくさんあるので、やはり差別についてはそちらを読む方がいいように思う。

 

 

 

おわりに

ということで、読んでいる間も色々と考えさせられる本でした!当時の考え方を知ることができてすごく興味深かった。実際に黒人奴隷だったハリエット・ジェイコブズの本を読んだ後にこちらを読んだので、対比できたのもよかった!今の私たちは人種に関係なく人は平等だと言うことを知っていて理解しているけれど、そうじゃない時代の人たちはそもそもその前提がないので、彼らが良かれと思って言っていることがものすごく差別的だったりする。差別が当たり前すぎる時代だとこうなってしまうのだな、と。でもこの時代から現代は少しずつでも進んできたのだなということも分かった。まだまだな部分も多いけれど。

 

より詳しく知りたい方はこちらもおすすめ↓

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地下鉄道!!

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奴隷制が廃止された後も根強い差別があった。

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現代にも残る差別と戦う。

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以上!!!