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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【心理】臨床心理士と公認心理師の違いについて

久々の心理について!今回は真面目なトーンで話していきます〜!

 

私はちこちゃん。

僕はミッシー!

今日は臨床心理士公認心理師について話していくよ!

どうして2つあるの??

1つは国家資格で1つは民間の協会が認定している資格だよ!

う〜ん。どう違うのか教えてほしいなあ。

 

臨床心理士公認心理師の違い

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※2024年2月現在

 

上記に簡単にまとめてみました。

大きく違うのはやはり民間資格か国家資格かということ。

一般的には国家資格の方が強い資格になると思いますが、公認心理師という国家資格は最近できたばかりであること、長年臨床心理士という資格が心理の世界を担ってきたこともあり、現在はどちらも重要な資格となっています。

 

名称独占・業務独占

公認心理師は医師や看護師などの資格とは違って、業務独占ではありません。そのため公認心理師を持っていなくても心理の仕事を行うことは違法にはなりませんが、名称独占ではあるため「公認心理師」と名乗ることはできません。また、「心理師」も名乗れません。

これは国家資格の分類であるため、国家資格ではない臨床心理士はそもそも該当しません。ただ、臨床心理士も認定協会が認定している資格であるため、勝手に「臨床心理士」と名乗るのは問題になると思います。

この二つの資格以外でよく聞くのは「カウンセラー」という名称かと思います。カウンセラーは心理の世界以外でも使われることもありますよね。カウンセラーという名称自体は特に資格がなくても使用することができます。

 

受験資格を得るために

臨床心理士公認心理師ともに心理系の大学から大学院に進学するのが一般的ではないかと思います。心理系の大学で公認心理師のために必要な科目を履修し、どちらの資格も取得可能な大学院に進学することで二つの資格の受験資格を得ることもできると思います。

大学や大学院にもよるかと思いますが、大学内で公認心理師の受験資格を得るためのコースに行く(または大学受験時に指定のコースに合格する)、さらに大学院を受験するという、資格試験を受けるまでに大学内で選ばれたり大学院の試験で合格する必要があります。さらに2つの資格の試験を受けて合格してやっと心理士または心理師としてのスタートラインに立てます。大学・大学院含めて6年間通い、学費も高額になるわりには収入はあまりよくないので、そういう点から一般的には心理職にはならない方がいいと言われるのかなと思います。個人的には心理の仕事は好きだけれど、収入面ではやっぱりキツいので…。その辺りはまた別の記事で詳しく書いていきたいです。

 

試験時期は?

臨床心理士は大学院を修了した年の10月に試験が行われるため、大学院を修了して就職しようとすると資格取得見込みとして就職する必要があります。就職先によっては資格取得見込みを除外している場合もあるので、就職先が限られる場合があります。また、就職できても新しい仕事を覚えつつ受験勉強をする必要があるため1年目はなかなか大変だと思います。資格を取得しないと就職先に制限があったり給料も低くなるため、人によっては1年目は仕事を少なめにして資格取得を第一に考えている人もいました。

一方、公認心理師は当初は秋ごろの試験日でしたが、第7回では2024年の3月に実施される予定となっており、今後は就職前に受験することが可能になると思います。他の国家資格と同様に就職活動時は資格取得見込みですが、就職する4月までには合否が分かるようになります。不合格の場合は就職が難しくなる可能性もありますが、就職する時には有資格者として働くことができるようになると思います。

今後、同時に受験する場合は数ヶ月の期間があくため、メリットとしては個々の試験対応が可能、デメリットとしては公認心理師合格後に気が緩んだり、既に覚えたものが曖昧になったりしまったり、試験期間が長いのでなかなかリフレッシュできない面もあると思います。

 

試験内容

2つの資格ともに共通して選択方式の筆記試験を受ける必要があります。加えて臨床心理士資格の場合は論述と口述面接試験もあります。一次試験の筆記試験と論述試験に合格すると口述面接試験を受けることができます。2段階なので精神的にもなかなか大変です。

臨床心理士の合格率は概ね60〜65%ほどですが、公認心理師の方は年によってばらつきがあります。まだできたばかりの資格というのもあって、試験内容を考えるのも難しいからだと思います。そのため、現状の合格率だけではどちらの資格の難易度が高いかは言えない状況です。

個人的には筆記だけではなく、口述面接試験があるとかなり緊張しました。勉強だけでは受からないので心理職として自分を見つめ返して内省する必要がありました。当時は大変でしたが、内省する機会があったのはよかったように思います。

 

資格の更新

資格取得後は公認心理師は資格の更新が必要ありませんが、臨床心理士は資格を更新する必要があります。いくつかの領域にまたがって学会や研修会への参加や発表、研究論文の発表などをする必要があります。更新の難易度が高いかどうかはその人の状況に依るかと思います。ただ、女性が多い心理の世界の中で、妊娠、子育て中に定期的に勉強会に参加するのは大変ではあると思います(特別措置もありますが…)。最近はオンラインでの研修参加もできるようになったので、対面での参加が難しい人や地方の人にとっても以前よりは参加しやすくなったと思います。人によっては参加費にプラスして新幹線などの交通費が必要な場合もあったので。

でもこのポイント制があるのもあって、自然と勉強会に参加したり個人でも勉強するのが自然になっている部分もあるのではないかなと思います。収入の面で言うと、あまり収入が高くない中で研修費等を捻出するのはなかなか大変ではありますが…。

 

専門性

専門性は大まかには重なっていますが、臨床心理士は調査・研究が強調されているのに対して、公認心理師は個々の健康に関する知識の普及が強調されている部分が少し異なっています。また、公認心理師は主治の医師がある時は医師の指示が必要ですが、臨床心理士には同じ記載はありません。当たり前ですが両方の資格を持っている場合は法律で定められている公認心理師の方に従う必要があります。なので2つ資格を持っていると微妙に考え方が違う場合もあって混乱してしまうこともあると思います。そのため両者の違いを理解しつつ、公認心理師の法律に則って援助していく必要があります。

 

どちらがいいのか?

心理の仕事に就きたいと考えている人にとっては一番気になる疑問だと思います。最初に言ったように、現状ではどちらも心理の仕事をするにあたって重要な資格になっています。可能であれば両方の資格を取得するのがいいと思います。

どうしてもどちらか一方ということならば、個人的な考えですが、やはり公認心理師かなと思います。病院において保険診療の診療報酬に公認心理師がどんどん組み込まれていくと、公認心理師でなければ雇われないことが出てくるようになると思います。他の領域においても国家資格を持っていることが必須条件になっていくかもしれません。そのため長期的に考えると公認心理師ではないかと思います。

ただ、しばらくは臨床心理士も重要な資格として残っていくと思います。今の心理の世界を切り開いていってくれた先輩方は臨床心理士ですし、現在働いているベテランの方達も臨床心理士だと思います。勉強会や就職先の情報なども臨床心理士のネットワークの方が今の段階だと得やすいのかなと思います。長年使われてきたネットワークなのでね。ただ、今の臨床心理士公認心理師の過渡期の人たちがベテランになる頃には状況は変わっていくように思います。

 

こちらは臨床心理士資格を認定している日本臨床心理士資格認定協会が監修している本になります。おすすめです。

 

参考文献

厚生労働省

日本心理研修センター

日本臨床心理士資格認定協会

【クリス・ウィタカー】われら闇より天を見る

表紙が目を惹く。

ミステリーとはまた違う物語になっている。

 

あらすじ

「無法者」だと自分のことを思っている少女・ダッチェス。母・スターアルコール中毒で幼い弟の世話はダッチェスがやっている。気にかけてくれるのは母の友人でもある警察署長のウォークだけ。そんな中、かつての事件の加害者であったヴィンセントが街に戻ってくる。

 

読んでみて

よく本屋で見かけてはいたけれど、暗そうな話だったのでなかなか手を出せずにいた。ところが読んでみたらあっという間に物語に引き込まれてしまって、すぐに読み終えていた。

 

主人公は少女・ダッチェス、警察署長のウォーク

2人の視点で描かれる今作は、ダッチェスの痛々しさがとても心に堪える物語だった。

ダッチェスは自分の身は自分で守らないといけないと思っている。母はいつも期待を裏切るし、普通の生活はできない。自分たちを守ってくれる保護者がいないから、自分が弟を守らないといけない。唯一自分たちを気にかけてくれるウォークとも少し距離を取ろうとするのは悲しかったけれど、ダッチェスからすれば当然のことだと思う。自分は「無法者」で周りとは違って強いんだと思うことでなんとか耐えている少女だから。ウォークも不器用だし。

 

ウォークにとっては幸せだった関係がある事件をきっかけに全てが変わってしまった。その加害者がウォークやスターと親友だったヴィセント。スターにとっては恋人でもあった。

この事件が少しずつ明かされていくのだけれど、なんとも悲しい事件だった。この事件そのものが、そしてその後のヴィンセントの境遇。それらが積み重なっていって今の悲しい現実になっている。

ダッチェスの境遇は親世代からの負の遺産だからこそ、ダッチェス自身がどうにかできるものではない。もっとサポートは入らないのだろうか、でもそれがロビンと離れ離れになることであるならばダッチェスは今の境遇を選ぶだろう。

ダッチェスの無鉄砲さがより混乱を引き起こしているのだけれど、でもそれはダッチェスのせいというよりは、ダッチェスの周りの大人がしっかりと彼女の保護者になれなかったせいのように感じる。でも、「もうやめて〜!」と何度か思ったけども。


そしてこの物語の影の主人公である・ヴィンセント

ヴィンセントを中心に物語が展開されるけれど、ヴィンセントが考えていることは最後になるまで明かされない。それ故、ヴィンセントを信じたいけれど信じられない状態になっていく。でももっとどうにかできたのではないかと思う。不器用だよね。ヴィンセント含めてみんな。

でも被害者と加害者関係とか全員が顔見知りの小さな街とか、色々な感情が湧き起こってうまくいかなくなるのは仕方がないように思う。ただ、それが一番弱い存在である子どもにいってしまうのが本当に悲しいけれど。

 

そしてダーク。ダッチェスから見ると怖くて悪いやつという印象だけれど、彼にも心の傷がある。出てくる人全てが傷ついていて、この物語の中でもさらに傷つくのだけれど、なんとか自分の愛する人を守ろうとする。それが空回りのようにも感じることもある。


どんどん悲しいことばかりが起こって、全体が陰鬱な物語だったけれど、最後の最後で少し希望が見えたのが嬉しかった。でもそれもダッチェスの犠牲の上ではあったのだけれど。それを思うと悲しいけれど、彼女は負の連鎖を断ち切ることができたのだと思う。

【おすすめ本】2023年ベスト5

前回2023年に読んだ本を概ねまとめたんですが、今回はその中から個人的にベスト5を決めてみました〜!

いつもはベスト10くらい紹介しているけれど、去年は50冊しか読んでないし前回で概ね紹介もしたので今回は5冊だけ!ネタバレなしです!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

順番は読んだ順!

自転しながら公転する

あらすじ

都は32歳。母の病気の介護のために地元に帰ってきていた。そしてアウトレットモールで契約社員として働いていたが、そこで回転寿司の店員・貫一と出会いー!?

読んでみて

すごく印象に残った作品だった。現代のアラサーの悩みを丁寧に汲み取っていて、恋愛、結婚、子ども、介護、持ち家、仕事…など色々なことが描かれている。作家さんて本当にすごいな、としみじみ感じた。

また、最後に驚く仕掛けが待ち受けておりそこもよかった。完璧じゃない都が完璧じゃない恋人と完璧じゃない人生を歩んでいく。現実的な内容だからこそ私も都と一緒にどうすればいいのか悩んだけれど、読後は今後の人生に希望をもらえる作品だった。

同年代はもちろん色々な年代の方にもおすすめ!性別や年代によって誰に共感するか変わってくるかも?

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

マーダーミステリーブッククラブ

あらすじ

アガサ・クリスティ大好きなアリシアは、ある時自分好みのブッククラブを作ることを思いつく。古典なクリスティ好き人がいるのか心配しながら待っていたところ、なんと多数の応募者が!そしてクリスティ好きのブッククラブが開催される。厳選されたブッククラブのメンバーはみんな個性的で!順調にいくかに思われたブッククラブだったが、早速あるメンバーが行方不明となりーーー!?

読んでみて

全3作品がすでに翻訳されて刊行されているのでぜひ一気に読んで欲しい!

アガサ・クリスティ好きのミステリーだからこそ、そんなに重くなく読めるけれどちゃんと最後までミステリーになっていてよき。登場人物も個性的で、最初はすぐ忘れちゃうので登場人物ページに何度も戻っちゃっていたんだけど、読み終わる頃にはみんな把握できたし、2巻目、3巻目とどんどんみんなのことが好きになってきたよー!

アガサ・クリスティの実際の本も出てくるので、アガサの作品をまず読んでから読むとよりおもしろいはず!

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oljikotoushi.hatenablog.com

 

グレイス・イヤー

あらすじ

ティアニーが住んでいるガーナー郡では少女たちには魔力があると信じられていた。その魔力とは男性を誘惑したり妻たちを嫉妬に狂わせる魔力のこと。その魔力が開花するのが16歳であるため、16歳の少女たちは住みなれた町からも家族からも離れて少女たちだけでキャンプで1年間を過ごす。この風習について語れることは禁じられているため、キャンプを経験するまで何が待ち受けるのかは分からなかった。ただ、戻ってきた少女たちの様子を見ると何かがあったことは明らかで、少女の人数も何人も減っているーーー。ティアニーはキャンプに行く年齢になりーーー。

読んでみて

私たちがいる世界とは少し違う世界。女性は抑圧され、今とは違う様々な決まり事がある。

この世界の全貌は少しずつしか明かされないため、私もティアニーとともに真実を追い求めていった。ドキドキ、ハラハラしたり、時には怒ったり。

最初は謎が多いこともあって「どういうこと?」と疑問が多かったけれど、いつの間にかこの作品に引き込まれていた。ホラーではないのだけれど、感覚としはホラーに似ている怖さ。何か恐ろしいことがあるのに、それが何かはよく分からない。村の人も家族もみんな敵のように感じる。ディストピア小説は久しぶりに読んだのだけれど、似ていると思ったのは「女の国の門」かな。主人公の年代が近いっていうのがあるかな。ただ、「侍女の物語」×「蠅の王」と「ハンガー・ゲーム」と紹介では言われているよう。確かに「侍女の物語」とも似ているところがあるけれど、あちらは主人公が家族じゃなくて「侍女」だったけれど、こちらは「家族」の中にいる主人公なので。どっちも地獄だけれど。

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oljikotoushi.hatenablog.com

 

われら闇より天を見る

あらすじ

「無法者」だと自分のことを思っている少女・ダッチェス。母・スターはアルコール中毒で幼い弟の世話はダッチェスがやっている。気にかけてくれるのは母の友人でもある警察署長のウォークだけ。そんな中、かつての事件の加害者であったヴィンセントが街に戻ってくる。

読んでみて

全体的に暗く陰鬱で悲しいことばかり起こるのだけれど、そんな世界でも生きていこうとするダッチェスと守ろうとするウォークがどういう選択をしていくのか、夢中でページをめくっていた。

謎解き要素はあるけれど、ミステリというよりは人生について描かれた作品だと思う。何が正解か分からないし、失敗もたくさんしているけれど、それでも生きようともがく人々の物語。

 

卒業生には向かない真実

あらすじ

大学入学直前のピップには問題があった。それは前回の事件から立ち直ることができていなかったのだ。周りも自分も騙しつつなんとか生活を送っていたピップ。立ち直るためにも最後に事件を解決しようとしていたが、そんな時にピップの周りで不気味なことが起き始めてー!?

読んでみて

こちらは3部作の最終巻!「自由研究〜」から始まった今作がどうなるのか!

賛否両論ある最終巻ですが、個人的にはとても印象に残ったし終わり方もきれいに終わったのではないかと思う。ピップに色々言いたいことも分かるし、まだまだ子どもだと思っていたらいつの間にか大人になっていたような印象が出てきちゃうのかなとも感じる。読んでいる間はピップには色々言いたいことがあったけれど、物語としはうまいし作者が描きたかったメッセージはちゃんと伝わってきた。

なので、まだ読んだことない人は1巻から読みましょう〜!ネタバレはなしで!

 ↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

【読んだ本】2023年に読んだ本!まとめ!!

2023年はバタバタしすぎて全体的にあまり本を読めず。

でも!読めない中でも読める時は読んだし年末のお休みあたりには結構本も読めたし!

なんだかんだよかったかなと思います。

一昨年くらいから私生活が忙しくなって、本もブログも満足にできなくなってしまっていて。

最近はやっっっと多少は落ち着いてきたので本を読んでブログ書いて〜っていうサイクルを戻していきたいな。

前はブクログにもちゃんと登録していたのだけど、2022年の途中から記録できてなくてここにも貼れず…。そっちも登録したい!

 

2023年は全部で50冊読みました〜!

あんまり本を読まない人に話すと「多いね!」って言われるけど、本好きの人からすると決して多くはない冊数ですね。

 

簡単に読んだ本をまとめます!

流血女神伝シリーズ

読みやすいのに話の構成がしっかりしていて引き込まれる作品。主人公はもちろん、他の登場人物たちもみんないい!

神様が現実に介入するというややファンタジーよりかと思いきや、主人公の待ち受ける境遇はシビアすぎることばかり。

 

ゴーストハント

oljikotoushi.hatenablog.com

営繕かるかや怪異譚

oljikotoushi.hatenablog.com

 

レッドクイーンシリーズ

oljikotoushi.hatenablog.com

 

マーダーミステリーブッククラブシリーズ

全作品読んだよ!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

ホーソーンシリーズ

oljikotoushi.hatenablog.com

 

准教授・高槻輝良の推察シリーズ

oljikotoushi.hatenablog.com

 

ヒポクラテスの誓いシリーズ

 

心に残っている日本の作品は

自転しながら公転する

oljikotoushi.hatenablog.com

やさしい猫

ムスコ物語

牧野富太郎の恋

両手にトカレフ

おいしいご飯が食べられますように

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

三島屋変調百物語 青瓜不動

宮部みゆき先生の最新刊!読めてよかった〜!今後も読み続けていきたい。

oljikotoushi.hatenablog.com

 

SF&ディストピア小説

グレイス・イヤー

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

三体

感想ちゃんと書けてないですが…。本当によかった!

壮大なスケールで続きも楽しみ。

われら闇より天を見る

この作品も本当に好きになりました!終始暗い印象で重いテーマではあるのだけど、希望が消えないところがよかった。

マザリング・サンデー

こちらも印象に残っている作品。

oljikotoushi.hatenablog.com

 

 

ミステリーは

少年探偵団

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

木曜殺人クラブ

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

窓辺の愛書家

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

ウィンダム図書館の奇妙な事件

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

三世代探偵団

メナハウス・ホテルの殺人

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

魅惑の入会者 ロンドン謎解き結婚相談所

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

卒業生には向かない真実

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

十戒

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

爆弾

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

 

 

ポアロは2作品だけ再読!

ハロウィンパーティー

感想はこちら!

oljikotoushi.hatenablog.com

ポアロのクリスマス

 

簡単な英語の本も読み始めた年でした〜!

 

他のブログで紹介されていたことがきっかけで読んだ本も多いかなという印象。いつもなら手に取らない本だったり知らない本を知ることができて嬉しいですね。

ちょっと長くなっちゃったので2023年ベストはまた別に書きます〜。

 

【年森瑛】N/A

一昨年?!に読みたかった本をやっと読めました〜!

 

あらすじ

高校生の松井まどかはうみちゃんと付き合っている。クラスの女子たちからは様付けて名前を呼ばれている。母親からは拒食症であることを心配されている。そんなまどかの思いや日常の物語。

 

読んでみて

ページ数的には少なく1時間くらいで読めてしまった。文体は読みやすいのだが、要所要所考えさせられる部分があった。

読む前は高校生の気持ちって今更分かるかな?と思っていた部分もあったが、まどかの気持ちは思っていたよりも共感できる部分があった。

と言っても、今も共感できるというよりは同じくらいの年にそう思ったな、という感じだけれども。生理に関する忌避感の根底の感情は理解することができた。ただまどかのように体重までコントロールして生理を来なくする発想は当時の私にはなかったけれど。

 

まどかは特定の決まった枠組みに入ることを良しとしない子で、女性だから生理がくる、女性だから女の子らしくする、女性だから男性と付き合う、そう言ったことに対して違和感を感じている。母親から拒食症だと思われて拒食症の人に対する対応を調べていることに対しても、自分は拒食症ではないのにと感じている。安易にレッテルを貼られたくはないのだけれど、王子様キャラという立ち位置は周りの女子生徒とたちとは違うという面で安心しているように感じた。

自分は簡単にカテゴライズされるような人間ではないし、何か普通の人とは違うという感覚は、まどかと同じくらいの年頃にはよく感じるようにも思う。がまくんとかえるくんのような「かけがえのない他人」に憧れながらも、他人とは距離を置いて冷めた視点で少し上から接している部分がある。「かけがえのない他人」というやや幻想的な関係性を求めている部分は、一歩引いて普段は大人びた考えをしようとするまどかの幼い部分のように感じる。幼いというか、期待している部分というか。現実の人間関係に対しては冷めた目線で見ながらも、どこかに「かけがえのない他人」という素晴らしい関係性があるのではないかと感じているまどか。純粋すぎるが故に、普通の人間関係から「かけがえのない他人」が育まれることは考えない。確かに私もぐりとぐらみたいな唯一無二の存在がいたらいいなと思ったなあ。双子の小説を読んで双子に憧れたりね。

 

自分のことを理解して一番に考えてくれる親友。絵本は確かに同性の友達が多いなと感じた。一方で、もう少し成長すると少女漫画とかはほぼ異性との関係性が中心になる。私はちょうど漫画の「君に届け」の世代だったのだけれど、当時新鮮だったのは恋愛も描かれるけど友人関係も同時並行的にテーマとして描かれること。そして何より驚いたのは普通は主人公の当て馬になるだけのライバル的な女の子がちゃんと自分の考えを持って主人公と関わり合って、そして最終的には友達になること。そのことに対してすごく感動したのを覚えている。友情よりも恋愛になってしまうことが多い中で、ちゃんと友情にも焦点を充てた漫画だった。

作中でもまどかが、がまくんとかえるくんもぐりとぐらも男性だから、女性同士の「かけがえのない他人」は難しいのではないかと考える場面がある。そんなことないよ、と言ってあげたい。あなたが仲良くなりたいと思って真摯に向き合えば、同じくらい、それ以上に返してくれる人がいるよって。自分を無理に特別に見せなくても特別に思ってくれる人はいるよって。


この感想を書いている時に「かけがえのない他人」について自分なりに色々考えた。自分にとっては誰が当てはまるだろう?親友が一番当てはまるのかなと思ったけれど、「かけがえのない他人」って難しいなと感じた。恋愛関係の結果、家族になることが多い。そう思うともう家族は他人ではないし。でもパートナーは原家族とは違って関係を切ることもできるし…。でもそもそも原家族だって関係を切ることだってある。

この枠組みはなかなか難しい。そもそもまどかにとっては恋愛関係は「かけがえのない他人」ではない。恋愛関係から家族になることもできるけれど、何かのきっかけで別れることにもなるわけで、多分まどかはもっと純粋に特別な存在が欲しかったのだろうと思う。さっきも書いたけどちょっと幻想的だよね。人の心は移り変わるし関係性も変わるし。唯一無二の存在だからと言って、その人とずっと一緒にいるわけじゃないし。絶対常に一番なわけじゃないし、例えそうでも関係性も変わるし。

絵本に出てくる関係性って心理学的な母ー子関係性と似ているな〜と感じた。絶対的で唯一無二で何も言わなくても分かってくれるし絶対見捨てないし。でもそんな母と子の関係もいつかは変わるよね。関わる人がどんどん増えていって、いつかは母よりも大事な人ができたりする。永遠に変わらない関係性なんてないけど永遠に憧れる年齢だよねと思ったり。別れは悲しいけど成長と捉えることもできるし、関係を持続させるためにはお互いにすごく努力をする必要がある。私も年齢を重ねて絶対的なものが正しいわけじゃないし、変わることも必要だということが分かったのかな。そしてお互いの思いが完全に同じ熱量でなくても、自分が大事だと思う相手がのことを思えるのならそれでいいんじゃないのかな、と思ったり。

 

ラストは今までまどかが見ていた視点が少し広がって終わったようで大人としては安心した。まどかはまだ高校生だもんね。むしろ私が高校生の時よりもちゃんと人と関わろうとしているなあと感じる。

あと現実的な話をすると低体重の問題が解決するといいかな。低体重って健康的にも色んな問題があるので。折り合いがつけれるといいなあ。

ただ、「拒食症だから〜だろう」みたいな決めつけは私も注意しないといけないし、その人本人をしっかり見ていく必要があると感じた。

 

終わりに

読んでいる間はぼんやりしていてあまり腑に落ちない部分も多かったのだけど、こうやって感想を書くと色々考えて自分になりにまとまったように感じる。

「かけがえのない他人」を中心に書いたけれど、表題でもある「not applicable(該当なし)」という枠組みに当て嵌めようとすることに対して、うみちゃんの投稿について、最後の友人との関わりに対しても色々考えることができるなあと思う。

なんというか著者の答えはこの本にははっきり書いていないので、読み手が受け取って色々と考えることができる作品だと思う。主人公の時と同じ年代の時に感じた気持ちと現代のことをうまく混ぜて書いていて、どこかに共感できる部分があり共感できない部分もあるというその配分がすごいなと感じた。

 

【高瀬隼子】おいしいごはんが食べられますように

 

あらすじ

二谷は職場の同僚である芦川と付き合っていたが、彼女の食へのこだわりを理解することができない。そんな時、同僚の押尾から芦川に意地悪することを持ちかけられーーー。

 

読んでみて

2022年に注目された作品。第167回芥川賞受賞作品でもある。

読後が悪い作品、嫌な女…などなど当時の感想はこんな感じだったことを覚えている。なのでもっと直接喧嘩したりとか何か起こったりとかするのかと思っていたらそういうことはあんまりなく拍子抜けしてしまった。

 

想としては芦川さんこんなうまくいく?ということと、二谷は食に対しても他のことに対しても結構ウジウジしていて面倒くさいなと感じた。

でも二谷が食に感じる面倒くささは部分的に理解はできる。私も普段はあんまり食に対してこだわりなくて、一時期はサプリみたいなもので栄養が取れれば楽なのに、と二谷と同じことを思っていた。ただ、自分の場合はそういうことを感じる時は大体疲れている時。人って精神的にも肉体的にも疲れると食に対してこだわりがなくなったり、掃除もできなくなったり何もかも億劫になったりする。二谷も結構忙しいし、そういうところもあるのでは?と思う部分もある。カップラーメンは好きだしね。まあそもそも食自体が好きではないという人はいるとは思うけど。

私は親があんまり食にこだわりがなくて、毎日ラーメンとかあまりよくない食生活で育ったこともあり、こだわりがなく無頓着になってしまう部分と、一方でおいしいご飯を食べた時にすごくおいしいと感じるギャップがあった。なのでおいしいご飯を食べるのは好き。でも毎日のご飯に栄養とか今まではあまり考えてこなかった。

というか大学生くらいまで休日とか1日1食だったりしたこともあるし、お腹が空けば食べればいいだろうと考えていた。家族全員過集中気味なこともあり、気がついたら10時間くらい何も食べずに作業して、なんか疲れたなとやっと気づいてからご飯食べたり。何か集中している時って食がメインではなくて作業になっちゃうんだよね〜。

でも大学生の頃にやっと毎食食べた方が体調がいいことに気づき(遅い笑)、それからはちゃんと毎食食べている。そして最近はパートナーに言われて栄養面にも気をつけている!なので「食」って結構育った家庭も大きそうだなあと思ったりする。

 

川さんはか弱い人で守ってあげたくなる存在として描かれているけれど、私としては結構自己主張できる人だな、という印象。

いい意味で言うと自分の能力や上限を理解して、周囲にもちゃんと伝えることができて周りを頼ることができる人だと思う。あまり良くない面を言うと自分の限界までは頑張らない人。

日本に多い責任感の強くて限界まで頑張って休めなくて抑うつ的になってしまうタイプとはある意味真逆だと思う。責任感や自責感が強い人はギリギリまで1人で頑張ってしまって周りを頼れない。もちろん頼れない環境という面が大きい場合もあるけれど。でも芦川さんはそういうところでもきっと主張できるんだと思う。

特に体調不良で帰った次の日に手作りお菓子を持ってこれるのは色んな意味で強い。強かだなあという印象。普通に考えたら周りから「そんな暇ある?」「体調悪いなら休みなよ」って思われる可能性大なのに。

 

方押尾さんは一見芦川さんよりも主張しそうなタイプと思いきや自分でなんとか頑張るタイプ。ちゃんとプライドがあるんだなあと思う。疑われた時とかに「私じゃないのに疑われて悲しい。」って泣けたら形勢逆転できたかもね笑。まあでも普通そんなことできないよね。泣くとか悔しいし。弱い部分を出したくないし。

職場のみんな芦川さんにすごく優しいよね。お菓子食べたくないなら「私は甘いの苦手なので。」って自分なら言うだろうなと思っていた。陰で陰湿なことするよりも。でもそういうことじゃないんだよね。「食」とそれぞれの人間関係とそれぞれの考えが絡まっていてややこしいことになってるんだよね。一番微妙だったのは二谷は芦川さんと結婚するの?っていうところだった。なんか自分の気持ちに蓋をして天邪鬼なことばかりやっている印象。周りに対してだけではなく自分自身に対しても本音を言えないんだなあと。一方で芦川さんは周りにも気を遣えるような大人しい女性に見えるけれど実は自己主張強い人。体調悪ければはっきり言うし、二谷の感情に全く気づいてないことはないと思うのに自分はブレないし。自分の家の犬も1人で世話できないと思われているのに、好きな料理には色々挑戦しているし。それでいいのか?と思わなくもないけれど、一昔前の夫を立てつつ夫をコントロールする妻的なタイプだなと感じる。本人がそれでいいならいいんだけど。二谷は自分の言うことを聞いてくれそうな大人しいタイプとばかり付き合っているらしいけど芦川さんは本当は逆だよね。でもお互いぶつかり合いたくないみたいだからちょうどいいのか?

 

尾さんは現代の女の子っていう感じがして一番共感できる登場人物だった。猫を助けた描写は共感は持てる。もちろん押尾さん視点の話ではあるのだけど。ただ、ムカつくからと言ってわざわざ意地悪しましょうと提案するのは微妙。それにお菓子の件以外は過度に優しくしないようにしているだけなので、わざわざ言わなくてもいいのにね。でも三角関係的になっているから仕方ないのか。

二谷は普通に嫌。ウジウジぐちぐちしているし彼女に対して行う嫌がらせとしては陰湿だし。直接不満も言わないし。そんな関係性なのにそのまま関係を築くことに意味あるのか?と思ってしまう。

芦川さんは基本的には人生生きやすそうではあるけれど、自立した感がなくて弟にも下に見られているってそれでいいのか?と思ってしまう。まあ良さそうだから別にいいんだろうけど。ただ、セクハラっぽいことをされてたりしてたり?して、そういうポジションは大変は大変だなと感じた。感情的に怒ったりはできないキャラだもんね。受け流すか泣くかしかない。

 

作は芦川さん視点がないので実際のところがよく分からなくなっているように感じる。ただ、芦川さん視点がないことで色々考察が生まれていて、こんなに話題になった部分もあるのだろうな。

 

【読んだ本】12月に読んだ本

12月も終わって1月。今年の目標とか読みたい本とか書きたいなと思うけれど、まずは12月に読んだ本のまとめ。

↓12月に読みたかった本はこちら↓

 

oljikotoushi.hatenablog.com

 

その裁きは死

ホーソーンシリーズの2作目。1作目と同じような部分もありつつ違う面もあって王道のミステリーでよかったです。

 

ヒポクラテスの誓い

ヒポクラテスの憂鬱

ヒポクラテスの試練

ヒポクラテスの悔恨

ヒポクラテスのシリーズを一気読みしたよ〜!基本的には1冊に幾つかの短編が入りつつ全体のストーリーもある構成になってました。

研修医の栂野が法医学教室に入って検死をすることで事件を解決していく物語。一気読みしたこともあってか同じような事件が繰り返されてしまう部分もあったけれど、ミステリーが好きな私としては十分楽しめました。法医学のミステリー本って読んだことなかったからその切り口もよかった。ストレスなくサクサク読めるのも良い。

ドラマは「iゾンビ」とかたくさんあるよね〜。

 

准教授・高槻輝良の推察9

久しぶりに続編を読んでみた。最近は本当の怪異もよく混ざってきてていいね。

 

女神の花嫁 前編

女神の花嫁 中編

女神の花嫁 後編

流血女神伝の外伝。謎の強すぎ美女・ラクリゼの幼少期からの人生が描かれる。

最初はカリエ出てこないしな…って思ってたのだけど、読んでいくともう夢中になって!ラクリゼのその後の人生も全部ラクリゼの視点で見たい〜!ってなりました。久々に好きになったシリーズものかも。ちょっと荻原規子先生を彷彿とさせるのだけど、荻原先生の作品よりはエグい箇所が多い。ある意味で現実的というか。一方でファンタジーっぽさも強いから不思議なんだよね。

新品の本がないのでkindleで読んでるんだけど紙の本も欲しい!!新しく新装版出ないかな〜。最初の方は2巻くらい出てるんだよね。続きも…。

 

ポアロのクリスマス

なんか前もクリスマスに読んだな、と思いながら読む。似たような設定が多いからか今回も最後の方まで犯人に気づけず笑。

まあそのお陰で十分に楽しめました。クリスマスこそ悪意が集まるよ的なポアロの言葉以外は特にクリスマスっぽい場面はなく。クリスマス・プディングの冒険の方がイギリスのクリスマスっぽい描写があったと思う。

 

おいしいご飯が食べられますように

やっと読めました。なんか前から気になっていて読みたいな〜と思ってて読めてなかったのだよね。1時間くらいで読めたのでもっと早く読めばよかったなと思いました。意外に短かった。

最初は物語の本筋が掴めないと思っていた(話題になった時にやばい女的なのを見てたので…)。でも実際は何か劇的なことがあるわけではなく、同じ感じで物語は続く。意図的であったにしろ何にしろこんなにうまくいくかな?と思う。でも読了後に物議を醸した理由は分かりました笑。

詳しくはまた個別の記事で書こうと思います。

 

N/A

こちらもやっと読めました〜。こっちのが読了後がよかった。

読む前は高校生の気持ち分かるかな〜〜〜と思いながら読んでいたけれど、大人と子どもの間の何者にもなりたくない感じは覚えがあって共感できた。でもやっぱり私はもう大人なのでそういう気持ちを相談して欲しいな〜〜〜と思いながら読んでいた。まあしょうがないよね。実際の人間関係は距離とって対処しているわけだし。

 

銀河鉄道の夜(英語)

英語の本を読む企画。

なかなかに難しかった。普段使わない単語も多かったし。一応物語の内容は元から知ってたしなんとか読んだけども、もっと簡単なのにしようと思います…。前に読んだポアロの方が難易度高いはずなのに物語がそんな難しくないからかこっちよりも読みやすかったんだよね。シンプルな物語を多読しようかな。プーさんを読んだ時もプーさんは文脈とか関係なくトンチンカンことを言うから「えっ!?こういうこと言ってるんだよね!?笑うところだよね!?」ってなってたなあ。

 

12月はお休み中に結構たくさん本を読めました〜!まあそんなに長くない本ばかりだけども。今年は長い本も読んでいきたいなあ。