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【心理】臨床心理士と公認心理師の違いについて

久々の心理について!今回は真面目なトーンで話していきます〜!

 

私はちこちゃん。

僕はミッシー!

今日は臨床心理士公認心理師について話していくよ!

どうして2つあるの??

1つは国家資格で1つは民間の協会が認定している資格だよ!

う〜ん。どう違うのか教えてほしいなあ。

 

臨床心理士公認心理師の違い

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※2024年2月現在

 

上記に簡単にまとめてみました。

大きく違うのはやはり民間資格か国家資格かということ。

一般的には国家資格の方が強い資格になると思いますが、公認心理師という国家資格は最近できたばかりであること、長年臨床心理士という資格が心理の世界を担ってきたこともあり、現在はどちらも重要な資格となっています。

 

名称独占・業務独占

公認心理師は医師や看護師などの資格とは違って、業務独占ではありません。そのため公認心理師を持っていなくても心理の仕事を行うことは違法にはなりませんが、名称独占ではあるため「公認心理師」と名乗ることはできません。また、「心理師」も名乗れません。

これは国家資格の分類であるため、国家資格ではない臨床心理士はそもそも該当しません。ただ、臨床心理士も認定協会が認定している資格であるため、勝手に「臨床心理士」と名乗るのは問題になると思います。

この二つの資格以外でよく聞くのは「カウンセラー」という名称かと思います。カウンセラーは心理の世界以外でも使われることもありますよね。カウンセラーという名称自体は特に資格がなくても使用することができます。

 

受験資格を得るために

臨床心理士公認心理師ともに心理系の大学から大学院に進学するのが一般的ではないかと思います。心理系の大学で公認心理師のために必要な科目を履修し、どちらの資格も取得可能な大学院に進学することで二つの資格の受験資格を得ることもできると思います。

大学や大学院にもよるかと思いますが、大学内で公認心理師の受験資格を得るためのコースに行く(または大学受験時に指定のコースに合格する)、さらに大学院を受験するという、資格試験を受けるまでに大学内で選ばれたり大学院の試験で合格する必要があります。さらに2つの資格の試験を受けて合格してやっと心理士または心理師としてのスタートラインに立てます。大学・大学院含めて6年間通い、学費も高額になるわりには収入はあまりよくないので、そういう点から一般的には心理職にはならない方がいいと言われるのかなと思います。個人的には心理の仕事は好きだけれど、収入面ではやっぱりキツいので…。その辺りはまた別の記事で詳しく書いていきたいです。

 

試験時期は?

臨床心理士は大学院を修了した年の10月に試験が行われるため、大学院を修了して就職しようとすると資格取得見込みとして就職する必要があります。就職先によっては資格取得見込みを除外している場合もあるので、就職先が限られる場合があります。また、就職できても新しい仕事を覚えつつ受験勉強をする必要があるため1年目はなかなか大変だと思います。資格を取得しないと就職先に制限があったり給料も低くなるため、人によっては1年目は仕事を少なめにして資格取得を第一に考えている人もいました。

一方、公認心理師は当初は秋ごろの試験日でしたが、第7回では2024年の3月に実施される予定となっており、今後は就職前に受験することが可能になると思います。他の国家資格と同様に就職活動時は資格取得見込みですが、就職する4月までには合否が分かるようになります。不合格の場合は就職が難しくなる可能性もありますが、就職する時には有資格者として働くことができるようになると思います。

今後、同時に受験する場合は数ヶ月の期間があくため、メリットとしては個々の試験対応が可能、デメリットとしては公認心理師合格後に気が緩んだり、既に覚えたものが曖昧になったりしまったり、試験期間が長いのでなかなかリフレッシュできない面もあると思います。

 

試験内容

2つの資格ともに共通して選択方式の筆記試験を受ける必要があります。加えて臨床心理士資格の場合は論述と口述面接試験もあります。一次試験の筆記試験と論述試験に合格すると口述面接試験を受けることができます。2段階なので精神的にもなかなか大変です。

臨床心理士の合格率は概ね60〜65%ほどですが、公認心理師の方は年によってばらつきがあります。まだできたばかりの資格というのもあって、試験内容を考えるのも難しいからだと思います。そのため、現状の合格率だけではどちらの資格の難易度が高いかは言えない状況です。

個人的には筆記だけではなく、口述面接試験があるとかなり緊張しました。勉強だけでは受からないので心理職として自分を見つめ返して内省する必要がありました。当時は大変でしたが、内省する機会があったのはよかったように思います。

 

資格の更新

資格取得後は公認心理師は資格の更新が必要ありませんが、臨床心理士は資格を更新する必要があります。いくつかの領域にまたがって学会や研修会への参加や発表、研究論文の発表などをする必要があります。更新の難易度が高いかどうかはその人の状況に依るかと思います。ただ、女性が多い心理の世界の中で、妊娠、子育て中に定期的に勉強会に参加するのは大変ではあると思います(特別措置もありますが…)。最近はオンラインでの研修参加もできるようになったので、対面での参加が難しい人や地方の人にとっても以前よりは参加しやすくなったと思います。人によっては参加費にプラスして新幹線などの交通費が必要な場合もあったので。

でもこのポイント制があるのもあって、自然と勉強会に参加したり個人でも勉強するのが自然になっている部分もあるのではないかなと思います。収入の面で言うと、あまり収入が高くない中で研修費等を捻出するのはなかなか大変ではありますが…。

 

専門性

専門性は大まかには重なっていますが、臨床心理士は調査・研究が強調されているのに対して、公認心理師は個々の健康に関する知識の普及が強調されている部分が少し異なっています。また、公認心理師は主治の医師がある時は医師の指示が必要ですが、臨床心理士には同じ記載はありません。当たり前ですが両方の資格を持っている場合は法律で定められている公認心理師の方に従う必要があります。なので2つ資格を持っていると微妙に考え方が違う場合もあって混乱してしまうこともあると思います。そのため両者の違いを理解しつつ、公認心理師の法律に則って援助していく必要があります。

 

どちらがいいのか?

心理の仕事に就きたいと考えている人にとっては一番気になる疑問だと思います。最初に言ったように、現状ではどちらも心理の仕事をするにあたって重要な資格になっています。可能であれば両方の資格を取得するのがいいと思います。

どうしてもどちらか一方ということならば、個人的な考えですが、やはり公認心理師かなと思います。病院において保険診療の診療報酬に公認心理師がどんどん組み込まれていくと、公認心理師でなければ雇われないことが出てくるようになると思います。他の領域においても国家資格を持っていることが必須条件になっていくかもしれません。そのため長期的に考えると公認心理師ではないかと思います。

ただ、しばらくは臨床心理士も重要な資格として残っていくと思います。今の心理の世界を切り開いていってくれた先輩方は臨床心理士ですし、現在働いているベテランの方達も臨床心理士だと思います。勉強会や就職先の情報なども臨床心理士のネットワークの方が今の段階だと得やすいのかなと思います。長年使われてきたネットワークなのでね。ただ、今の臨床心理士公認心理師の過渡期の人たちがベテランになる頃には状況は変わっていくように思います。

 

こちらは臨床心理士資格を認定している日本臨床心理士資格認定協会が監修している本になります。おすすめです。

 

参考文献

厚生労働省

日本心理研修センター

日本臨床心理士資格認定協会