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【江戸川乱歩】少年探偵団

新潮文庫NEXで新しく刊行されている江戸川乱歩シリーズ2冊目を読んでみました〜!

江戸川乱歩って子どもの時にちょっと読んだことがあったと思うけど、あんまり覚えてないしちゃんと読んだことがなかったのでこれを機に少しずつ読んでいこうと思います。

 

あらすじ

幼い女の子を誘拐する「黒い魔物」が団員であり篠崎始の妹・緑ちゃんを小林少年とともに誘拐してしまった!「黒い魔物」の正体は一体なんなのか!

 

読んでみて

前作に引き続き小林少年が大変な目に遭ってしまう。明智小五郎先生はなぜ肝心な時にいないのか…。


緑ちゃんを誘拐させないように替え玉を作る策はうまくいくと思ったのに残念。相手の方がかなり上手でした。にしても緑ちゃんと小林くんが水の中にどんどん沈んでいってしまうのは怖かった。


少年探偵団のみんなの活躍もすごい。B・Dバッジを落としておくことで自分がどこに連れられているのか知らせた小林少年。なんかヘンゼルとグレーテルみたいじゃない?ヘンゼルたちはパンくずを落としてたよね。いろんな使い方があるB・Dバッジは便利だなと思う反面、それをたくさんポケットにいつでも入れておかないといけないのは私には難しいぞ、と思ったり。もう私はB・Dバッジにあまりときめかなくなってしまったんです。もう大人になってしまったんです。悲しいね。


みんなが協力して一丸となっているのはいいなあと思う。名探偵コナンの少年探偵団のイメージが強かったのだけど、本家(?)の少年探偵団はもっとちゃんと規律のあるサークルみたいな感じだよね。本当の本家のベイカー・ストリート・イレギュラーズよりも夢があっていいと思う。楽しそうだよね。

 

ちょっとインド人に対しての魔術的な信頼?は時代だなあと思う。ネットもない時代だと遠い国の人のことが魔法使いみたいに思うのだなあ。


文体はちょっと堅苦しいというか、急に読者に話を振ってくるのが私はあんまり得意じゃなかった。それはそれでおもしろいのだけど、集中したい派なので読者側に声をかけられると現実に引き戻されてうまく集中できなのだよね。当時は雑誌に載っていたらしいので、それならよかったのだろうなと思うのだけど。

まあ私は緋色の研究でも二部制になっていると最初はなかなか集中できなかったし短編もあんまり得意じゃないからなあ。


怪人二十面相明智小五郎の攻防戦はなかなかおもしろかった。どっちかが優勢だと劣勢を応援したくなるのだけど、最初は明智小五郎を応援していて途中から怪人二十面相を応援していたという。二十面相すごい!小林少年と少年探偵団たち頑張れ!と思っていたら明智先生がどんどん追い上げてきて最後には二十面相がんばれ!となっていた。でも全然捕まらない&追い詰められない怪盗は好きじゃないのでこれからも追い詰められて欲しい。

そんなにうまく顔変えれるかなあ〜?と疑問は残るけど。

 

最後の島田荘司先生の解説も良かった!日本のミステリーについてちょっと知ることができたと思う。

日本のミステリー本当に読んでこなかったのでちょっとずつでも読んでいきたい。


よく知らなかったのだけど、前に読んだ怪人二十面相も少年探偵団も子ども向けらしくて。新潮NEXって全部そうなの?!って今更気づくという。大人向けの江戸川乱歩はどこのを読めばいいの?!

調べないと…。新潮NEXで順番に刊行されると思ったのにな〜。


そういえばアシェットから江戸川乱歩と名作ミステリーの世界が刊行されることになったらしくて!

2023年の2月15日に創刊らしい!買いたいけど、買いたいけど、買いたいけどどうだろう〜〜〜。ひとまず創刊は買ってみようと思う!