新しいミステリーを読みました〜〜〜!
あらすじ
高齢者向け住宅に住む90歳のペギー・スミスが亡くなった。ミステリー大好きな彼女の部屋にはたくさんのミステリー小説があった。介護士のナタルカはペギーの部屋から「殺人コンサルタント」と書かれたペギーの名刺を見つけ、彼女の死に疑問を持ち始めるがー!?
読んでみて
イギリスの作家であるグリフィスは前作の「見知らぬ人」でアメリカ探偵作家クラブのメアリー・ヒギンズ・クラーク賞と英国推理作家協会の図書館賞を受賞した。今作は英国推理作家協会の最優秀長編賞の最終候補作となっている。まあとにかくすごい人ですね!!
残念ながら「見知らぬ人」はまだ読んでいなくて、どちらも読むつもりだったのだけれど今作の方が気になったからこちらから読んでみた。別作品だと思っていたら前作と同じ登場人物が出て来るシリーズもので、十分おもしろかったけれど連続で読んだ方がよりおもしろかっただろうなと思いました。これから読む人は「見知らぬ人」から読もう!
「見知らぬ人」もおもしろそうなので次に読んでみようと思う。ついでに第3作目もイギリスではもう発売されているらしい。
上のあらすじでは介護士のナタルカしか出てこないけど、今作の主要人物は他にもいてペギーと同じ高齢者住宅に住んでいるエドウィン、高齢者住宅のすぐ側のカフェを経営しているベネディクトがいる。
この3人が素人探偵となって謎を解き明かすために旅行がてら遠出をしたりするのだけど、それが楽しそうですごくいい。
「木曜殺人クラブ」とちょっと似ている感じではあるけど、木曜殺人クラブの方がもうちょっと読みやすいし複雑ではないような感じ。こっちはもうちょい複雑だし、前作から連続で出ているキャラクターは彼らではないので誰が主要な登場人物になるかで同じシリーズでも全く違う雰囲気になりそう。
今作はお互いそこまで親しくなかった3人がペギーの死という謎に向かって協力して絆を深めていく物語なので読んでいて楽しかった。
ただあとがきで書いてあったけれど、ナタルカはウクライナ出身でウクライナの最近の事情が盛り込まれていたり第二次世界大戦の話が出てきたりとライトな内容だけではない。
「信じられないくらい長い戦争だね」ベネディクトが言う。「このあいだコナン・ドイルの本を読んでいたら、ドクター・ワトスンはアフガニスタンの戦場から戻ったばかりという描写があった。考えたくないけどあそこではまだ戦争をしている」
(中略)
「人は怪物だ」
おもしろかったのは刑事のハービンダーが面倒でイラつく同僚刑事のことを「森の動物」だと思って接している場面。
面倒なことを言っていても「木の実ぽりぽり、ひげわしゃわしゃ。」「しっぽぴくぴく、木の実くんくん。」とハービンダーは頭の中で考える。でもたまに「森の生き物のくせに鋭いときもある。」これには笑ってしまった!
殺人コンサルタントや本の謝辞の部分、謎のポストカードなど謎が盛りだくさんでとても良かった。最初は些細な違和感くらいだったのがどんどん大きく発展していくので、私もナタルカたち3人と一緒に謎を解いているような気持ちになれた。
木曜殺人クラブを読んでいたのもあるからか、やはり高齢だけど一番おしゃれで社交的で、でも普段は孤独も感じているエドウィンが一番好きだったな。
犯人も納得できた!謎解きもいい!
なかなか面白い作品だったけど2週間くらいかけて読んだので、登場人物が多いこともあって「あれ?」ってなって慣れるまでに時間がかかった時はあったかな。これは私の問題なので仕方ないのだけど。あとこの人はこの人のことを名前呼びだけどこっちの人は名字呼びしてたりすると「うん??」ってなるんだよね〜〜〜。まあしょうがない。
最近イギリスの作品が好きかもしれない。
まあミステリーといえばイギリスだし!
他にも読みたいイギリス作品たくさんある〜!
見知らぬ人、ブラックサマーの殺人、ポピーのためにできること!など