以前にも紹介したことのある「ロンドン謎解き結婚相談所」の3巻目です〜!
1巻目の感想はこちら!
あらすじ
戦後のロンドン。出自も経歴も性格も正反対のアイリスとグウェンは結婚相談所の共同経営者。ある日、アフリカ出身の好青年が入会希望者が表れる。今までは同じ人種の人々しか想定していなかったが、今後はグローバルにやっていこうと考える二人。ところがグウェンの直感で彼が嘘をついている疑いがかかりーーー!?
読んでみて
異なる人種の人が来ることを想定しいなかったということに驚き。今なら人種が違う人であろうと別に悩むこともないと思うけれど、時代は戦後のロンドン。ただ、そこはやはり現代の本。ちゃんとグローバル化を意識していくれる二人で安心する。
冒頭に二人とは違う描写が入るのだけれど、後々になって「なるほど〜」と分かってよかった。ただ、すっかり忘れていたけれど。
今回中心になるのはグウェンの家庭環境。裕福なグウェンだけれど、夫を戦争で亡くしてしまい心に傷を負ってしまう。そのせいで息子の親権を義父に取られており、グウェンも夫も望んでいない寄宿学校に入れられようとしてしまう。この辺りはねーーー本当にムカついたね!!!おい!!おっさん!!!って。
亭主関白で支配的で自分が一番正しいと思っているんですよね。しかも無駄に地位があるから困る。しかもこの当時ってそんなに女性の地位も高くないじゃないですか。地位もある家長が言ったことなんて絶対だし、周りも助けてくれないし。一番助けてくれるであろう夫もいないし。しかも夫がいなくて悲しんでいただけなのに判断能力がないということで親権取られるし。精神科医ともカウンセリングしているんですけど、いい精神科医なんだろうけど親権を認めないのはひどいよね、と思った。例え不安定だったとしても判断能力がちゃんとあるなら親権は認めるべきでは???あと会社の役員でもあるのに全然入れていなかったりとグウェンの能力を過小評価する男が多すぎて多すぎて。読んでいてイライラしたし結構辛かったよー!
そしてまた別の意味で辛いのがアイリス。グウェンの方は現在進行形で起きていることだけれど、アイリスの方は過去の傷つき。でもそれがとても大きすぎて深すぎて癒されない。アイリスのことを考えていると「あの本は読まれているか」も思い出す。トラウマは難しいよね。
前作からしばらく経ってから読んだこともあって、最初は「あれ?誰だっけ?」という感じだったのだけど徐々に思い出していって楽しめたよ。サリーとグウェンの関係がよかった!!
途中、感情移入しすぎてイライラしたりすることはあったのだけれど、とにかくまとまって終わって本当によかった。読後はスッキリでした〜!でも私ならもっと懲らしめてやりたい!
そして最後にはちょっとした短編も入っていてグウェンとアイリスの2人の活躍を楽しめました!