文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【読んだ本】9月に読んだ本

もう9月!と思ったら10月…。

この前まで5月くらいだった気がするのだが、1年って早いね。

学生の時はもっと長かった気がするけどな〜。

↓読みたかった本はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

今月は色々忙しかったのですが、なんだかんだ10冊は読めました〜。

乳と卵

川上未映子さんの作品。

以前に読んだ「ウィステリアと3人の女たち」よりもこっちの方が好きかも。

まだ分かりやすいからかな?

姪にも主人公にも共感できる作品。

 

エチュード春一番 第三曲 幻想組曲[狼]

エチュード春一番の3作目。

荻原先生大好きなので読めてよかった。

続くと思うので新作が楽しみ!

 

名探偵ホームズとドイル

ホームズとドイルの関係が分かって面白かった作品。

昔はあんまり作者に興味がなかったけれど、大人になったからか最近は作者について知りたくなる。

アガサの自伝も読もう読もうと思って読めてないから読みたい。

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

本・子ども・絵本

みんな大好き「ぐりとぐら」!

子どもについて、子育て、保育、児童書などなど多岐に渡って書かれていて面白かった。

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

オーダーメイド殺人事件

うーーーん。

結構気分が落ち込んだ作品。

R15とかした方がよくない?!!と思ってしまうくらいリアルだった。

その価値観に引きずり込まれそうな感じがするから心配。

現実に近すぎる作品は辛くなる…。

ノンフィクションとか新書とかなら最初から分かっているといいのだけどね〜。

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

フェミニズムに出会って長生きしたくなった

アルテイシアさんはテンポがよくって、キッパリ言うので読んでいて楽しい。

怒ってもいいんだ!と思えたことが大きいかな。

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

ぜんぶ運命だったんかい

フェミニズムについて読みたかったので読んでみた。

労働環境が悪すぎてホラーよりもホラーだった。

フェミニズム〜政治についてまで書かれていて色々と考えさせられた。

 

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

ずっと気になっていた作品。

唐突に読みたくなって読むことに笑。

題名でちょっと損している感はあるかも。

おもしろい活動をやり始めて、それを続けていけば人が集まってくるのだなあ。

思いついたとしてもやるのとやらないとでは大違いだからね。

 

動物農場

1984年」を読んでから気になっていた作品。

やっと読めてよかった!

豚さんが怖い怖い。

↓感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

心の処方箋

河合隼雄先生の作品!

もっと専門書っぽいものは読んだことがあるのだけど、こちらは一般寄りなので冊数に入れてみた。

河合隼雄先生はいつも初心に立ち返らせてくれる、本当に。

 

 

【オーウェル】動物農場

1984年に続いて動物農場も読んでみました!

題名だけ見るとほんわか楽しそうなのに…!

そんなことない?笑

あらすじ

人間に管理される農場に住む動物たち。

ある時、人間を追い出して動物たちだけの農場を作ることに成功する。

よりよくなると信じて疑わない動物たちだったが、徐々に変化していきー?!

 

読んでみて

1984年と似ているところが多くあった。

動物農場のあとに「1984年」が書かれることになる。

1984年はすでにその世界が完成されており、その世界の枠組みに入っていた青年が疑問を持っていく話だが、動物農場の方はその世界の始まりを描いている。


舞台はタイトルの通り「動物農場」だ。

元々は私たちが知っている通り、人間が動物たちを管理していた。


でも動物たちはある日気づく。

どうして自分たちが生み出しているものを人間に取られるのか?と。

人間は何も生み出していないのに、と。

 

この辺りは現実でも人間が動物を搾取している構造になっているからこそ心に刺さる。

もちろん表面上の動物対人間の話ではないのだが。

 

でも元々特権を持っている側が本来生み出している側を搾取することってよくあるよね。

特に特権階級とそうでない人たちが別れていると。


反乱を漠然と計画していた動物たちだが、なかなか実行には移せない。

そんな時、人間たちが餌をやり忘れたことで動物たちはひもじい思いをする。

そしてとうとう我慢ができず、人間たちに立ち向かう。

計画して反乱したのではなく、お腹が減ってどうしようもないという欲求のために突き動かされたという部分がリアルだ。

計画した反乱だったら同意しない動物もいるだろうし、怖くて尻込みをしてしまう動物もいるだろう。

でも、切羽詰まった状況ならみんながみんな動く。


そんなこんなで人間が管理していた農場は動物たちの農場となる。

動物農場の出来上がりだ。

反乱する動物たちの主張は最もだったため、ここで終わっていればめでたしめでたしとなる。


ところが…

動物農場は「動物たちの農場」から「豚が管理する農場」になっていく。

 

この農場では豚たちが一番賢く、リーダーシップをとっていく。

他の動物たちは疑問に持ってもやり込められてしまうことが多い。

そうしてどんどん豚の特権は増えていく。

 

途中からその特権を止めたくても止めることはできない。

最初の方に止めていたらよかったのだけど、特権が増えていくと反抗することさえできなくなってしまうからね。

オーウェルは、豚がリンゴとミルクを独占したところが重要だったと述べていたよう。

そこかー!…という感じ。

だいぶ序盤。

でもそこで豚たちを批判したら「考えすぎ」って言われただろうな。

でもそこで止めれなかったら止めれないわけで…。

言えるうちに止めておくべきだった、ということですね。

 

批判できるのなら問題ないっていう考えを聞いたことあるけど、批判できる時に批判することが必要なのだよね。

そこを超えてしまったら批判することさえできなくなるからこそ、批判できる時に批判しておかないといつか批判さえもできなくなる。

 

にしてもボクサーが可哀想だった。

とてもいい馬で、働き者で真面目で優しくて…でも鈍くて考えることをしなかったから。

深く考えずに言うことを聞くだけの方が確かに楽だもんね。


この作品を出版社に持って行った際、多くの出版社が断ったそうだ。

知らなかったのだが、当時のイギリスではソ連の政策を肯定的に捉える風潮があり、悪く描かれたものは載せないようになっていたらしい。

しかも明らかにソ連のことを描いていると分かり、管理する動物が「豚」ということで断られたそうだ。


この辺りのことは、オーウェルのあとがきを読んでもイマイチ分からず、訳者の方の説明でやっと分かった。

ソ連に馴染みがなかったのだけれど、知っている人がみればすぐに分かることだったよう。


私はソ連に対して良いことを言っていた時代を知らないからか、そういう時代があったということに驚いた。

そして、オーウェルが予期していたということにも。

本書が刊行される頃には、ソヴィエト政権に対する私の見方こそが一般に認められるものになる可能性だって十分にある。でも、そのこと自体がいったい何の役に立つのだろうか?ある正統教義を別の正統教義で置き換えるのは、必ずしも進歩とは言えない。敵は、かけているレコードに同意しようがしまいが、蓄音機のようにそれを広めてしまう心のありかたなのだ。


オーウェルにとっては自分の考えが合っていたかどうかは関係ない。

何かを盲信したり、正しいと思うこむことが問題であり、そこをしっかり指摘し合い、考えることができれば良いのだと思う。

訳者あとがきでもこの作品はソヴィエトのこと以外にも当てはまると書かれていた。

これはどんな政治でも社会でも組織でも起こりうることなんだと思う。

1984年もそうだけど。


途中まではリーダーシップがあって信頼できていた豚だったのに、徐々に特権を持ち始める。

豚が貢献しているのは確かだし、豚がいなかったら成し遂げられなかったかもしれない。

だからこそみんな納得する。


でも少しずつ変だと思い始める動物もいる。

でもそれをうまく言えない。

言えたとしても、いつの間にか文書が書き換えられしまって、否定されてしまう。

なんだか暮らしが良くないと思っても、数字としては上がっていると言われたり、違う言葉に変えられて曖昧になってしまう…。


なんだか聞いたことあるような?


豚は確かに賢いし行動力があったし立派だったと思う。

最初は純粋にみんなを助けたかったのだろう。

でも、目の前に権力や地位や名誉や金やその他あらゆるものがあり、罰せられることもなかったらそれを拒める人はほぼいないだろう。

それが人間だからね。


どの国もどの考え方であっても動物農場に至ることはある。

目の前に手に入れられるものがあれば、手に入れようとしてしまうのが人間。

そしてそれを止めるのが周りの動物たちだった。

つまり一般市民だった。


侍女の物語でも思ったけれど、どういう意図でどういう教義でやるのかはあまり関係ないのだな。

自分たちが特権を握る社会を作りたいだけだから、形は違えどディストピアになってしまう。


今の社会も未来から見たらディストピアかもね。

紀元前あたりの本を読んでいて思うのは、今とそんなに変わらないということ。

進歩しているように見えて構造はそんなに変わらないものなのか。

将来、本当にディストピアにならないためには今が大事なんだろうな。


オーウェルは1945年に「動物農場」を、1949年には「1984年」を刊行している。そして1950年には亡くなってしまう。

もっと長生きしていたら、彼はどんな物語を書いたのか気になる。

もっとたくさん書いて欲しかった!

オーウェルの生涯についてもう少し知りたいな。

 

すべての動物は平等である。だが一部の動物は他よりもっと平等である。

【本】最近購入した本たち

MOE9月号

怖ーい絵本特集。モチモチの木が載っています。

子どもの頃読んでとっても怖かった思い出。

まずトイレに行くのに外に出ないといけないっていうのが怖すぎた。

怖そうな絵本が多くて、そのうち読みたいな。

 

エチュード 春一番 幻想組曲[狼]

荻原規子先生の最新作!

買えてよかった〜!また感想書く予定。

独特の世界観が大好き。

 

ダ・ヴィンチ 9月号

ファンタジー特集!

上橋菜穂子先生の鹿の王が公開されるということで、インタビューが載っている。

荻原先生も載っているのでオススメ!

 

フェミニズムに出会って長生きしたくなった。

アルテイシアさんのエッセイ。

他にもいくつか気になる作品があるので読んでいきたい。

 

ぜんぶ運命だったんかい

フェミニズム〜政治についてまで書かれている。

また感想書きたい。

 

84年生まれキム・ジヨン

 

フェミニズム関連の本読みたい!と思って購入。

ここ何年かずっと読みたかったのでやっと読める!!

この作品と三つ編みが読みたかったのだよね〜。

楽しみ!

 

乳と卵

川上未映子さんの作品をちょっとずつ読む予定。

 

ビースターズ 17巻

 

アニメから入って好きになったビースターズ

ちょっとずつ買って癒しにしています。

 

暁のヨナ 36巻

 

ずっと好きな作品。

どんどん佳境に入っていっているので、最後まで見届けたい。

 

5時から9時まで 16巻

 

やーーーっと最終巻を読めた!

もうちょっと若い頃はすごく好きだったのですが…今はそこまで熱狂できなかった(苦笑)。

でも読めてよかった。

 

 

ちなみに雑誌は楽天マガジンを登録しているのでそこで読むことが多い。

MOEはそこにはないので購入してる。

付録も欲しいから。

ダ・ヴィンチ楽天マガジンにもあるのだけれど、手元に欲しいので買ったよ。

【辻村深月】オーダーメイド殺人クラブ

辻村先生の作品をまたまた読んでみました〜。

一言で言うと…

暗い

怖い

辛い

作品でした。

 

あらすじ

「私を殺してほしいの」中学2年生のアンは、同じクラスの男子学生・徳川にそう頼んだがー?!

 

読んでみて

この作品を主人公と同じくらいの子たちが読むのは影響を受けすぎないか心配してしまう。

私は辻村先生の作品を何冊か読んでいるし、子どもが主人公の作品だから最後は悪いようにはならないと分かってはいたのだけれど、それでもどうなるのかとハラハラしていた。

4/5くらいが死にたい話、殺されたい話で最後の最後で物語が動く。

本当に最後の最後で。

展開が急なので、そのまま主人公たちに共感して考えが変わってくれるといいけども…。

3/5くらいにして欲しかったな〜という希望。

もうちょっと主人公たちの変化を緩やかに感じたかった。


けっこう生々しい話とか、エグい話が出てくるので、読むのが辛い。

それにとにかく細かく描写されているので。

表紙からするともっとポップな感じだと思っていたのに…。


主人公たちに共感していると、どんどん選択肢がなくなっていくのが分かる。

学校で居場所がないということは、世界で居場所がないというのと同じこと。

本当は違うんだけどね。

でもそう思ってしまう気持ちも痛いほど分かる。


大人は世界の広さを知っているけれど、子どもたちはまだ知らない。

目の前の世界に適応できなかったとしても、他の場所は無数にあって、そこに行くことはそんなに難しくないのに。


アンが成長した後に、馬鹿にしていたお母さんが実はいい食器を使っていた、というが象徴的。

中学生って大人から見たら子どもだけれど、本人たちから見たらそれなりに大人だと思っている。

アンが中学生の頃に思ったり考えたりしたことは事実だけれど、やはり中学生のアンが見た世界ではあるんだよね。

一つの見方しか知らなかったのに、自分は全て知っていると思ってしまう。

純粋だと思う。

 

母のことも、自分が見ている親の面が全てだと思ってしまう。

でも実はそんなことない。

母の子どもの頃、若い頃、働いている頃、父と恋人関係だった頃…などなどそれぞれの側面があるはず。

でもアンからしたら母は母でしかない。

でも本当は一つの面からしか見えないものなんてなくて、色々な方向から見ることができる。

正解や不正解なんてない。

ある面があるのも、それとは違う面があるのも一人の人だから。

 


最後は二人は離れた方がいいように思うけども〜と思ってしまった。

でもこのラストだからこそ、クラスという小さな世界から抜け出してお互いが人として付き合うことができる始まりでもあるのだろうけどもね。

 

色々と考えさせられる作品でした。

子どもたちが主人公だから仕方ないとは言え、周囲の大人が誰も気づいてあげないのは悲しかった。

でもこれがリアルなのかな。

信頼できる大人がいるだけでも全然違うと思うから、信頼できる大人が増えるといいな。

【アルテイシア】フェミニズムに出会って長生きしたくなった

 

アルテイシアさんの作品を読むのは2回目!

↓以前に読んだ作品はこちら↓

 

今作には2019年2月から2021年4月のコラムが掲載されている。

アルテイシアさんはキレがとってもよくて、おもしろいのでスラスラ読めてしまう

その時々の時事ネタも入っていて、思い出しながら読んでいた

リアルタイムでも読んだことのあるコラムもいくつかあった気がする。


もうね、本当に同意しかなかった

有害な男らしさがあり、強い男以外は弱いという考えが基盤にあるからこそ、そうじゃない人たちは下に見られる

生まれた時から男じゃない女性は特に。

いやー、生きにくい。


アルテイシアさんは自らをJJと表現していて、これは「熟女」のことなのだけれど、熟女の話も随所に盛り込まれている。

「JJってそんな尿もれするのか?!」と驚きの発見もあったりした(苦笑)。

 

私とは世代が違うため、アルテイシアさんが若い頃の話は信じられないくらい辛い話が多い

もう、ここに書きたくないくらいあり得ない。

会社でそんなことが?!人権侵害では?!犯罪では?と思ってしまった。

20年くらい前の小説を読むと「え?」って思ったり、ちょっとモヤっとすることがあるのだけど、価値観が全然違ったのだな、と。

今でも差別はあるし、もう少し近未来に生まれたかった〜と思ったりもするけれど、今より前の差別がひどすぎで今の方がマシに思えてくる。

このままどんどんアップデートしてほしい

一昔前の価値観から抜け出せない人からしたら「何がセクハラ・パワハラになるのか分からない」と感じてしまうのだろうな…。


最初のあたりにアルテイシアさんの失敗談が載っていて、結構な失敗をしていてもなんとかなるんだ!と勇気をもらえた

私は完璧思考が強いので、もうちょっと楽に生きたいのだよね。

重要書類をなくしたり、プレゼン資料を忘れたり、大切な会議に寝坊したり、出張の新幹線に乗り遅れたり、先輩と営業同行中に爆睡したり……さんざんやらかしてきたけど、私は元気です。

13歳の私はキキの母親より年上であり、この年になると失敗に慣れる。「私、失敗しないんで」と思っているより「私、めっちゃ失敗するんで」と思っている方が気が楽だ。

ちなみにキキのお母さんは37歳らしい。

そうなのか!若い!


女性は美しくなければならない、という呪いもあるよね〜。

「だったら美しくなって見返せばいい」と言う人もいるが、それはいじめられっ子に「いじめられないよう努力しろ」と言うのと同じだ。変わるべきはいじめる側、差別を容認・助長する社会である。

容姿について言及するのは本当にやめた方がいい。

本人の前で言わないのはもちろんだけど、本人がいない前とかでも言うのも。

でも言う人はいるから、今後はもっとちゃんと指摘しようと思う。

人の容姿を勝手に判断できる立場にいる人はいないと思う。


アルテイシアさんがどういう信念を持っているのか、定期的に書かれていてとても参考になった。

私は男に好かれる無料キャバ嬢よりも、男に嫌われるフェミニストを選ぶ。この世からあらゆる差別やハラスメントをなくしたいから。あらゆる差別やハラスメントを許さないのがフェミニストだと思うから。


私のフェミニズムは「性差別を含む全ての差別をなくしたい」「大人の責任を果たしたい」というシンプルなものだ。


下の世代が生きやすい社会に変えたいから。「性差別や性暴力を許さない、だから私はフェミニスト」と堂々と言える社会になってほしいから。


私は性差別を含むあらゆる差別を許せないし、駆逐したいと思っている。それは次世代のためでもあるが、子どもの頃から差別やいじめが嫌いだったからだ。

むかつくのだよ、自分より弱いものを叩いて、優越感を得ようとする奴らが。

本当にそうだと思う。

私は「あらゆる差別をなくしたいから」かな。

戦争の本を読んだり、色々な差別についての本を読むのもそのためだと思う。

永遠に終わることはない戦いだとは思うけど、それでもアップデートはされていくはずだから。

 

今ってフェミニストと大ぴっらに言えない空気がある。

差別を見えていない人たちからしたら言いがかりのように思えるのだろうな。

そうやって表明さえできないのは、それぐらい差別が根深いからだと思う。

 


また、読んでいて「怒ってもよかったのか!」ということを強く感じた

ある意味当たり前になっていたりすると、あまり強く怒れなかったりしていた。

大したことないよね、と。

アルテイシアさんは文面でも伝わるくらいに怒っている。

怒ってもいいということが分かって安心した

ドイツに住んでいた女友達が「日本に帰国して、平気で失礼な発言やセクハラしてくる男が多くてギョッとした」と話していた。「ドイツの女性はバチボコに怒るから、男性もナメたことできないのよ。そういう社会だと、女にナメたことする男は男からも嫌われるんだよね」とのこと。

でも見知らぬ人に怒るのは怖いよね〜…。

まずは咄嗟に謝らずにその場から逃げたり、助けを呼べたらいいかな。


あと、男らしさとか女らしさに囚われている人たちが自分の弱さを認められるといいなと感じた。

そうしたら全ての人がもっと生きやすくなると思う。

 

↓紹介されていた作品で気になったもの↓
『男が痴漢になる理由』

これはザッとだけど以前に読んだことがあるような気がする。

『ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか』

『これからの男の子たちへ』

『おうち性教育はじめます』

 

最近は黒人差別についての本を読むことが多かったのだけれど、そうすると女性の参政権を含む女性の権利について戦っている人たちとも協力していたことを知ったのだよね。

つまり、その当時に人権が認められていたのは白人男性のみだったということ。

ヤバいな。

彼女たちの頑張りがあったからこそ、日本でも女性の参政権が認められたのだと思う。

なのでその辺りも今後読んでいきたいな。

この映画前から気になっていて観てみたい。


最後には田嶋先生とアルテイシアさんの対談も載っている。

田嶋先生の言葉が心に刺さる。

私に言わせれば、フェミニズムは、人間であることを忘れた人間が元の人間に戻るだけ。そのうえで女も男も住みやすい新しい社会を作る、それだけのことなんですよ。生まれた時に私たちは人間だったのに、女は女らしくと育てられて、男に便利な女というものに作られていっちゃったわけ。だからフェミニズムというのは、人間本来の存在に戻るための手段みたいなもの。

 

あんまりフェミニズム関連の本を読んでないと思っていたのですが、小説は結構読んでいたみたい!

oljikotoushi.hatenablog.com

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↓こちらは女性をエンパワメントしてくれる作品↓

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【本】名探偵ホームズとドイル

 

シャーロック・ホームズとその生みの親コナン・ドイルについて詳しく書かれている作品。

興味深かったのはシャーロック・ホームズについて説明する際に、まるでホームズが実在する人物かのように書いていたところ!

「それはコナン・ドイルがこうしたかったからでは?」という部分でも、ホームズのターンではちゃんとホームズがどう思うか、どう考えるかが書かれてあって面白かった。

もちろんコナン・ドイルのターンではドイルの裏の事情がちゃんと書かれてある。


ドイルは純文学の世界にいきたくって、そこで認められたいと思っていたのにホームズがとてつもなく人気になってしまう。

ドイルがホームズものを描きたくなくて、ホームズをスイスのライへンバッハの滝に落としたってことは知った時は驚いた。

なにしろコナン・ドイルシャーロック・ホームズだったから。

この本でどうしてドイルがそう思ったのか、そう思うようになった経緯を知ることができた。

いやーーー、でも生みの親がもう描きたくないって思うのはホームズが可哀想に思ってしまう。

もちろんドイルも可哀想なんだけども。悲しいね。

ただホームズ人気は生みの親であるドイルでさえ制御できず、復活を遂げるのだけれど。


大衆文学じゃなくて純文学で認められたかったドイル。

とにかくお金が必要だったので、色々な分野の話を書いていて、そのうちの一つであるホームズがヒットしてしまった。

才能はあるのは確かだし、物書きとして認められてはいるのに本来の分野にはいけないもどかしさ。

小説家になれない人から見たら贅沢な悩みなのかもしれないけれど、小説家である人にとってはよくある悩みだったりするのだろうか、と思ったり。

漫画ではよく聞く気がする。

最初のヒット作のイメージがついちゃうとか、本当に描きたかった作品がなかなか描けないとか。


まあドイルも最終的には自分が大衆文学でやっていくことを認めることにはなる。

今の時代からみると、シャーロック・ホームズほど有名な作品ってそこまで多くないから、シャーロック・ホームズを生み出しただけで十分にすごいと思うんだけどね〜。

ただ、ドイルとホームズがイコールになっちゃっている感は強い。

私もこの作品を読んで、ドイルってこんなに幅広く書いてたんだ、たくさんの分野でたくさんのジャンルを書いてたんだ、ということを初めて知った。

そして、ホームズ作品以外でも高い評価を受けていることを。

色々と気になる作品があったので少しずつ読んでいきたい。


あと、シャーロック・ホームズの事件についても発生順から説明されている。

学生の頃に概ね読んだと思ってたのだけれど、まだ全然読んでなかったということに気づいた。

長めの作品は読んでいると思うけども短編集をこんなに読んでいない気がする。

順番に読んでいきたい。


ドイルの人生はなかなか興味深かった。

身分自体はそれなりに高いけれど、貧乏な両親の長男として生まれたドイル。

気位の高い母の期待を一身に背負って医者となる。

かなーり母に影響を受けていて、お母さんっ子だったのだな、と。

父がアルコール依存症だったみたいで、あまり父としての役割を果たせず母が全ての役割を担っていたみたい。

そんな父は今でいう精神科病院に入院して結局そこで亡くなってしまったそう。うーむ。


ドイルの父の家系は芸術一家だったようだが、ドイルにはあまり芸術的な才能はないとみなされ大学に進むことになった。絵の才能は特別なかったかもしれないけれど、文筆としての才能は飛び抜けていたのでは?と感じる。

ドイルは捕鯨船に乗ったり、船医として働いたり、一歩間違えば死ぬ可能性が高い仕事をしていて驚いた。

活動家という面も持っており、とても活動的な人だったのだと感じた。

安易に行動しすぎて失敗することもあったそうだが…。

その活動性を私にも分けて欲しい。


第一次世界大戦が勃発し、大事な人が亡くなっていく中で、ドイルは心霊主義に深く入っていく。

当時は交霊会などが盛んだったよう。

大事な人たちを突然奪われるという経験をする中で心霊主義に入っていくのは共感できた。

今の感覚でいうと胡散臭く感じてしまうし、実際ドイルは騙されることも多かったようだが、その根本の考えは理解できたように思う。


有名な妖精写真では後年偽物だったということが分かっている。

心霊主義に入って行ったことでドイルから離れていった人も大勢いたようで、それでも自分の信念を貫き通したドイルは強い人だったのだと感じた。


ただ、まあ不倫はなんともいえない気持ちになった。

気持ちは分からないではないけれど、やっぱりルイーズのことを考えると悲しくなってしまうよね〜。

ドイルは騎士道精神を貫いてルイーズを献身的に支えていたのだけどね。

当時としては最善だったと思うのだけど、現代的に考えると辛くない?と思ってしまう。

この時代は女性から離婚することもできなかったみたいで、女性一人で生きていくことは難しかった時代だからね。


当時のオリンピックについてドイルは批判したらしく、

「ある人々が主張しているようにスポーツが国際親善に役立っているとは思えない」

と後年書いていたよう。

競争的・商業的になることを懸念していたよう。

今はより国との間の競争が厳しくなり、商業的にもなり…。

それが当たり前だと思っていたけれど、元々は競争して勝つことが目的じゃなくって親善が目的だったのか、ということに気づいた。

本気でやってベストを尽くす必要はあると思うけれど、どの国がどのくらいメダルをとった〜とかは本来の目的とは違ったのではないだろうか?

と、色々考えさせられました。


あと、エジンバラ大学の同級生ジョージ・バッドの逸話が面白すぎて、他の逸話があるなら知りたくなった笑。

ドイルは行動する人ではあったけれど真面目でしっかり者で純粋で…。一方、バッドは暗黙の了解とか全く意に解さない自分の世界を生きる人だよね。

 

同じ時代の作家としてチャールズ・ディケンズ、ロバート・ルイス・スティーヴンソンも出てくる。


ホワイト・カンパニー

チャレンジャー教授

この辺りが気になる。

 

【本】本・子ども・絵本

ぐりとぐらで有名な中川季枝子先生のエッセイ。


子どもの頃に読んでいたぐりとぐら。特に大きな卵でカステラを作るのに憧れた。

どの絵本もワクワクして楽しかった思い出がある。

 


ぐりとぐらのことは大好きだったのに生みの親である中川先生のことを詳しくは知らなかった。

本作で初めて色々と知れて腑に落ちることも多かった。

 


中川先生は元々は保育士だった。

絵本作家になろうと思ってなったのではなく、保育士としていい絵本を探して子どもたちに読んでいた。そんな中で同人グループに入りそこで1人1作作ることになって完成したのが「いやいやえん」だったそう。

ぐりとぐらは読んだことあるのだけれど、このいやいやえんは多分読んだことない…。読んでみたい。

 


つまり保育士として中川先生があった上で絵本作家になったため、その根底には生身の子どもたちがいつもいたよう。

働いていた保育園もなんと園長先生との2人だったようで、大きくはないけれどのびのび自由に一人一人に関われる園だったようで羨ましく感じる。

子どもを一人の人間として認めているからこそ、彼らの目線に立って作ることができるのだなあ。

 


中川先生が幼少期に読んでいた本もたくさん紹介されている。

ちょうど子どもの頃は戦時中だったようで、そのせいで新しい本を読むことはほとんどできなかったそう。そういう意味でも戦争って悲惨だと思う。

また、海外の戦争を体験した子どもたちの物語もたくさん読んで感銘を受けたよう。本を読んで自分と同じような体験をしている子どもたちが海外にいることを知ったそう。

私は戦争を体験していないため、自分の体験と照らし合わせて考えようとしたことがなかった。

戦争の作品を私は過去の出来事として読んでいたけれど、実際に戦争中だった人々にとっては海外の状況なんて知らされていなかったし知る術もなかったわけで。それは衝撃を受けると思う。

戦争中は海外を敵、悪として描き、人々にもそう思わせてきたけれど、実際は日本の人たちと同じように戦争で苦しんで悲しんでいた。

自分たちも他の国の人たちも変わらないって考えられたら、戦争はなくなっていくのではないかな。


岩波少年文庫を家族みんなで夢中になって読んだそう。

岩波少年文庫は素晴らしいからね〜。

今はたくさん刊行されているのが当たり前だけれど、当時は新刊が出るのを楽しみにしていたようで、それはそれで楽しそうだなあ〜と思う。

中川先生が紹介されている作品で知らなかったものもあったので、また読んでみたいな。


保育や育児をしている人へのメッセージもたくさん書かれているので、親御さんにもおすすめの作品だと思う。


久々にぐりとぐらを読み返したくなってきたな〜。

ちなみにMOE7月号もも改めて読み直してみた。

妹さんである山脇百合子先生も絵もとても素敵。お二人の両親のお話もとても素敵でした。

となりのトトロのさんぽを作詞したことも知らなかった!

 

気になった作品

ふたりのロッテ

小さい牛追い、牛追いの冬

長い長いお医者さんの話

ニーベルンゲンの宝

あらしの前、あらしのあと

こぐま星座

銀のスケート

点子ちゃんとアントン

ジェーン・アダムスの生涯

 

チポリーノの冒険

ビルマの竪琴