アルテイシアさんの作品を読むのは2回目!
↓以前に読んだ作品はこちら↓
今作には2019年2月から2021年4月のコラムが掲載されている。
アルテイシアさんはキレがとってもよくて、おもしろいのでスラスラ読めてしまう。
その時々の時事ネタも入っていて、思い出しながら読んでいた。
リアルタイムでも読んだことのあるコラムもいくつかあった気がする。
もうね、本当に同意しかなかった。
有害な男らしさがあり、強い男以外は弱いという考えが基盤にあるからこそ、そうじゃない人たちは下に見られる。
生まれた時から男じゃない女性は特に。
いやー、生きにくい。
アルテイシアさんは自らをJJと表現していて、これは「熟女」のことなのだけれど、熟女の話も随所に盛り込まれている。
「JJってそんな尿もれするのか?!」と驚きの発見もあったりした(苦笑)。
私とは世代が違うため、アルテイシアさんが若い頃の話は信じられないくらい辛い話が多い。
もう、ここに書きたくないくらいあり得ない。
会社でそんなことが?!人権侵害では?!犯罪では?と思ってしまった。
20年くらい前の小説を読むと「え?」って思ったり、ちょっとモヤっとすることがあるのだけど、価値観が全然違ったのだな、と。
今でも差別はあるし、もう少し近未来に生まれたかった〜と思ったりもするけれど、今より前の差別がひどすぎで今の方がマシに思えてくる。
このままどんどんアップデートしてほしい。
一昔前の価値観から抜け出せない人からしたら「何がセクハラ・パワハラになるのか分からない」と感じてしまうのだろうな…。
最初のあたりにアルテイシアさんの失敗談が載っていて、結構な失敗をしていてもなんとかなるんだ!と勇気をもらえた。
私は完璧思考が強いので、もうちょっと楽に生きたいのだよね。
重要書類をなくしたり、プレゼン資料を忘れたり、大切な会議に寝坊したり、出張の新幹線に乗り遅れたり、先輩と営業同行中に爆睡したり……さんざんやらかしてきたけど、私は元気です。
13歳の私はキキの母親より年上であり、この年になると失敗に慣れる。「私、失敗しないんで」と思っているより「私、めっちゃ失敗するんで」と思っている方が気が楽だ。
ちなみにキキのお母さんは37歳らしい。
そうなのか!若い!
女性は美しくなければならない、という呪いもあるよね〜。
「だったら美しくなって見返せばいい」と言う人もいるが、それはいじめられっ子に「いじめられないよう努力しろ」と言うのと同じだ。変わるべきはいじめる側、差別を容認・助長する社会である。
容姿について言及するのは本当にやめた方がいい。
本人の前で言わないのはもちろんだけど、本人がいない前とかでも言うのも。
でも言う人はいるから、今後はもっとちゃんと指摘しようと思う。
人の容姿を勝手に判断できる立場にいる人はいないと思う。
アルテイシアさんがどういう信念を持っているのか、定期的に書かれていてとても参考になった。
私は男に好かれる無料キャバ嬢よりも、男に嫌われるフェミニストを選ぶ。この世からあらゆる差別やハラスメントをなくしたいから。あらゆる差別やハラスメントを許さないのがフェミニストだと思うから。
私のフェミニズムは「性差別を含む全ての差別をなくしたい」「大人の責任を果たしたい」というシンプルなものだ。
下の世代が生きやすい社会に変えたいから。「性差別や性暴力を許さない、だから私はフェミニスト」と堂々と言える社会になってほしいから。
私は性差別を含むあらゆる差別を許せないし、駆逐したいと思っている。それは次世代のためでもあるが、子どもの頃から差別やいじめが嫌いだったからだ。むかつくのだよ、自分より弱いものを叩いて、優越感を得ようとする奴らが。
本当にそうだと思う。
私は「あらゆる差別をなくしたいから」かな。
戦争の本を読んだり、色々な差別についての本を読むのもそのためだと思う。
永遠に終わることはない戦いだとは思うけど、それでもアップデートはされていくはずだから。
今って「フェミニスト」と大ぴっらに言えない空気がある。
差別を見えていない人たちからしたら言いがかりのように思えるのだろうな。
そうやって表明さえできないのは、それぐらい差別が根深いからだと思う。
また、読んでいて「怒ってもよかったのか!」ということを強く感じた。
ある意味当たり前になっていたりすると、あまり強く怒れなかったりしていた。
大したことないよね、と。
アルテイシアさんは文面でも伝わるくらいに怒っている。
怒ってもいいということが分かって安心した。
ドイツに住んでいた女友達が「日本に帰国して、平気で失礼な発言やセクハラしてくる男が多くてギョッとした」と話していた。「ドイツの女性はバチボコに怒るから、男性もナメたことできないのよ。そういう社会だと、女にナメたことする男は男からも嫌われるんだよね」とのこと。
でも見知らぬ人に怒るのは怖いよね〜…。
まずは咄嗟に謝らずにその場から逃げたり、助けを呼べたらいいかな。
あと、男らしさとか女らしさに囚われている人たちが自分の弱さを認められるといいなと感じた。
そうしたら全ての人がもっと生きやすくなると思う。
↓紹介されていた作品で気になったもの↓
『男が痴漢になる理由』
これはザッとだけど以前に読んだことがあるような気がする。
『ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか』
『これからの男の子たちへ』
『おうち性教育はじめます』
最近は黒人差別についての本を読むことが多かったのだけれど、そうすると女性の参政権を含む女性の権利について戦っている人たちとも協力していたことを知ったのだよね。
つまり、その当時に人権が認められていたのは白人男性のみだったということ。
ヤバいな。
彼女たちの頑張りがあったからこそ、日本でも女性の参政権が認められたのだと思う。
なのでその辺りも今後読んでいきたいな。
この映画前から気になっていて観てみたい。
最後には田嶋先生とアルテイシアさんの対談も載っている。
田嶋先生の言葉が心に刺さる。
私に言わせれば、フェミニズムは、人間であることを忘れた人間が元の人間に戻るだけ。そのうえで女も男も住みやすい新しい社会を作る、それだけのことなんですよ。生まれた時に私たちは人間だったのに、女は女らしくと育てられて、男に便利な女というものに作られていっちゃったわけ。だからフェミニズムというのは、人間本来の存在に戻るための手段みたいなもの。
あんまりフェミニズム関連の本を読んでないと思っていたのですが、小説は結構読んでいたみたい!
↓こちらは女性をエンパワメントしてくれる作品↓