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【マララ】わたしはマララ

 

わたしはマララ 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女【電子書籍】[ マララ・ユスフザイ ]

価格:1,466円
(2021/4/27 23:19時点)
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あらすじ

マララ・ユスフザイさんの手記。全ての子ども教育を訴え、銃撃された少女の物語。

読んでみて

読んでとてもよかった作品!マララさんは本当にすごい。10歳から平和活動を始めたということと、脅されても最後まで自分の意見を言おうと思ったことが特に心に残っている。


マララさんの子どもの頃から話は始まり、成長して銃で撃たれてしまうこと、その後生活が一変しイギリスに住むことになり、ノーベル平和賞を受賞したところまで続いていく。

私たちは有名になってからのマララさんしか知らないけれど、幼少期は普通の子どもで、普通に遊んでいて、兄弟と喧嘩して、友達がいて。でもそこに少しずつタリバンが近づいてくる。


私はあんまりパキスタンやインドやバングラデシュの歴史に詳しくなかったので、読んでいる間はよく分からない部分も多かった。最後の部分にパキスタンの主要な出来事が年代順に並べてあるのだけど、そこから読んだ方が分かりやすかったかもしれない。

そもそもイギリス領だったインド帝国イスラム教が多く住む地域とヒンドゥー教が多く住む地域に分けたことでパキスタンができた。

さらにソ連に対抗すためにアメリカは間接的にしろ後にタリバンにもつながるムジャヒディーンを支援する。

政情が不安定になっている根底にはこういう歴史的背景があるわけで、イギリスやアメリカはもっと何かしらすべきなのでは?と思ってしまう。でもそれはそれで余計にややこしくなるんだよね。難しいな…。


とにかく年表を見ているとずっと不安定な情勢であることが分かる。以前読んだ「三つ編み」の時にベナジール・ブットについて調べたことがあったのだけど、その時は女性の首相ということで調べただけだったので、今回やっと歴史的な流れの中で理解できた!イスラム圏初の女性首相なんですよ。日本で女性首相ができるのなんてあと何十年かかるんだ?という話なので、すごい国だと思う。でもそんな国で女性が学校に行くのを禁止しようとするなんて!


マララさんは教育受けるという当たり前の権利を主張しているだけなんですよね。学校に行くという当たり前の権利を。それを認めてくれないってどれだけの絶望感なのだろうか。だって普通に考えて論理的な理由なんて見つからないじゃないですか。当たり前のこと主張するのが命懸けなんて悲しすぎる。

教育だけじゃなくって女性が買い物に行くことも禁止され、目さえ隠さないといけなくなって…。女性の力を奪ってコントロールしたいだけのように感じてしまう。どんな宗教を信仰するかは自由だけれど、それを誰かに強制させようとするのは間違っていると思う。


10歳で活動家になったなんてとてもすごいことだと思うけれど、そうならざるを得ない背景を見ると悲しいものがある。子どもが頑張らないといけないなんて本当は間違っていると思う。


マララさんのご家族も素晴らしい人ばかりだったのが印象的だった。お国柄でやはり女の子は喜ばれないらしいけれど、マララさんのご両親は喜んで、父はマララさんがお気に入りだった。教師期待効果というものがあるけれど、どうせ女の子なんてとか、女の子が生まれてガッカリとか、そういうのは相手に伝わってしまうわけで。子どもの可能性を潰してしまう。マララさんの父にはそういう縛りがなく、マララさん自身と向き合ってマララさんの可能性を最大限延ばそうとしたからこその彼女なのかなと思った。活動ができるのも家族の支えがあってこそだよね。

マララさんの兄弟への描写が読んでいると自然と笑顔になってしまっていた。小憎たらしいけど可愛いし大事なんだよね。あろマララさんの親友との関係がとても素敵なのも印象に残っている。こんな親友がいてくれたら嬉しいな、と思いました。

 

マララさんに殺害予告があったときも、撃たれる直前まで自分の意見を言って話し合いたいと思っていて、なんてすごい子なんだろうと思った。だってすごく怖くない??想像しただけでもとても怖い。でもそれくらいの極限状態にずっといたということなのかなとも思う。

当たり前のように人が死んでいって、爆撃だったり見せしめだったり、さらに災害も。非常時が常時になると常時とは違う感覚になっていってしまう。


マララさんの父も命懸けで活動をしていて、二人は本当に似ていると思う。父というモデルがいたからこそなのだな。

父自身も死への覚悟は出来ていたようだけれど、マララさんへの襲撃があって、活動自体を後悔されたという部分はとても共感した。自分の子どもの命が危険にさらされるのは耐えられなくて当たり前だと思う。自分の覚悟はできたとしても大事な人が亡くなる覚悟はできなくて当たり前だよね。

 

ずっと声を上げ続けるってできないことだから、本当に勇気に感服する。そして同じく襲撃された女学生も助かって本当に良かった!

マララさんが故郷から遠く離れてしまったことやただのマララではなくなってしまったことや全く違う生活や未来を築かなければいけなくなってしまったことは悲しいことだけれど、マララさん自身はとても前向きに考えていて、その考え方が素晴らしくて私もそんなふうに考えたいと思いました。