文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

三千円の使い方

あらすじ

就職して理想の一人暮らしを始めた次女・美帆(貯金30万)、結婚して子どももいる長女・真帆(貯金600万)、病気になってしまった母・智子(貯金100万弱)、一千万円を貯めた祖母・琴子の物語。

 

読んでみて

もっと自己啓発っぽいような内容かと思っていたら、思っていたよりもちゃんと小説でした!おもしろかった!!

でも三千円か…。日本は貧乏になったんだね…。まあ私はそもそも貧乏になりかけている日本しか知らないのだけども。


主人公は御厨家の女性たち。祖母の琴子、母の智子、長女の真帆、次女の美帆。

それぞれの生活と将来の夢、お金が必要な理由から貯める理由、そして今後の人生について描かれている。

私は真帆〜美帆の間くらいかなあ、と思いながら読んでいた。


一番おもしろかったのは祖母・琴子の物語かな。

家計簿が最初に出てきた頃、家計簿を書くことで戦時中、戦後の乗り切った話、代々家計簿を書いてきたという部分が興味深かった。お金の不安については、まあ不安に思えばいくらあっても不安だとは思うけど一千万あればそんな不満に思わなくてもいいのになあ、とは思う。

今の高齢者なら年金と少しプラスすれば施設にも入れるだろうし。全く子どもたち迷惑をかけないっていうのはなかなか難しいのではないだろうかとも思う。

まあでも今全部使い切って何かあった時にお金が全くありませんってなったら嫌だっていうのは分かるけどね。かといって貯め込むだけで使い時を失うのも嫌だよね。まあ日本は手厚いのでなんとかなると思うけどなあ。とってもいい施設に入るってなるとお金はいるけど。それに周りに全く迷惑をかけたくないってなると貯めなきゃって思うのかもだけどそこまで切羽詰まらなくてもいいのかなあと思ったり。あとお金が余ったりならNISAを!とも思う。

あとよく孤独死を不安視して結婚しなきゃって思うのも聞くけど、家族を作るよりも家族以外の地域と常に関わるのが孤独死防止のために必要だと思う。まあでも孤独死が嫌だから結婚するっていうのは、実際に見つけてもらえないのが嫌ってよりも自分を特別に気にかけてくれる相手がいないっていうのが嫌なんだと思うからちょっとズレるかもしれないけど。


真帆は本当に頑張ってると思う!!

20代前半に結婚した自分と20代後半に結婚した友達を比べたらそりゃ差ができるよね。20代後半の方がそれまでの貯蓄もあるし相手もそれなりに収入が増えている訳だからね。まあでも比べても仕方ないわけで。高い指輪を買ってくれる相手と結婚したいかどうかだよね。お金が優先度が高いかそうじゃないか。

でも比べちゃうのは分かるけども〜〜〜。普段は別に不満がなくてもふとした時に比べちゃったりするよね…。

あとあの月収で600万円貯めたのもすごい!!NISAは大事!!!


智子熟年離婚の危機もなかなか興味深かった。

けどイライラしてしまう。今作は「御厨家の女性たち」になっているけど父も入れた方が私はよかったな〜と思う。この感じだと女性しか将来のこと考えてないみたいな感じじゃん?夫がマジで何も考えていないくらいダメなら別れた方がいいと思うし。貯金の把握あんまりしてなかったのはお互いよくないのではと思うけど。学費とか結婚式とか色々入り用だったとはいえ、中年夫婦で貯金が100万弱なのはなかなか…。

まあ私も人のことは言えないけどもね〜。

友人の熟年離婚で夫が娘の学費は払わないとか意味不明なこと言っているのには一番イライラさせられた。払わないならそれでもいいけど娘には絶対に幻滅されると思うけど???って感じ。


そして美帆の彼氏のお金問題!!

これはなかなか難しいと思う。まあ借金は借金だし利子があるのが辛いよね。相手とどういう家庭を作りたいのか、どういうライフプランなのかによるだろうけども。この年までには家を建てたい!とかそういうのがあるならね。でもまあ好きなら奨学金の借金とか関係ないとは思う。私がそこまでお金に興味がないからかもだけど。私も奨学金借りてたし!あと美帆がブログで炎上しているのは人ごとと思えなくて悲しかった…。

でも私的には彼氏の態度がナシかな〜と思ってしまった。

奨学金の額自体がってよりは、彼氏の態度がちょっと…。

両親が無責任だし非常識っていうもは前提にあるとはいえ、自分の学費がいくら必要で家庭の収入はどれくらいでどうなっているのかっていうのを曖昧にしていたのが気になってしまった。いくら両親が楽観的で大丈夫って言っていたとしても大丈夫じゃないのが分かることない???って思ってしまった。大学は4年間あるわけで、成人もしているし親に任せっぱなしにする??親が大丈夫って言ってもじゃあどこからお金出てるんだろうって思うじゃん。そこをあやふやにして向き合ってこなかったのは彼氏の性格だと思うから。

厳しいのかなあ。私は大学も大学院も奨学金を借りたりして通ったのもあって、自分にあてはめるとあり得ないと思ってしまった(苦笑)。一体いくら必要でいつ学費が引き落とされるとかそういうのはちゃんと管理すべきでは??家計を圧迫しすぎているなら奨学金申し込んだりを自分で考えるべきだったろうし。

あまり裕福じゃないなら尚更大丈夫って言われても本当に大丈夫なの?バイト代だけで足りるの?って思う気がする。バイト代を結構な額渡してたのはすごいけど、就活とか卒論とかそういう時にも同じペースで頑張るのは結構大変だし、奨学金は貸与とか給付とか色々あるのに自分でそういうのは調べなかったのかなあ、とか。分かってるぶんちょっと微妙かなと思ってしまった。まあでもそういうもの??

親もひどいとは思うけどね。利子が必要な奨学金を勝手に借りりるのは本当にひどい。人生設計が変わってくるし。でもそもそも勝手にできるのか微妙だけど。


なかなか最後はモヤモヤしてしまった。

奨学金自体は自分達で返していくって思えたのならいいと思うけど、あまり責任感のない彼氏で大丈夫?!ってとこが心配になってしまった。お金に無頓着に育ったってことなのかなあ。ある意味いいことなのかなあ?

そして本当におばあちゃん優しいな、と。すごいと思う。

おばあちゃんと仲良くなった若者がいるんですけど、真帆と一緒に最初は大丈夫??!って思っていたけれど、最終的には孫にお金を持っていかれてしまうというね…。孫かい!

確かに利子はもったいないからおばあちゃんがいいならいいんだけどね!ね!

人生を放浪している彼におばあちゃんが言う言葉もよかったなあ。でもクズ男すぎたけどね!自由に放浪して出稼ぎして、お金貯まったら旅行するっていう生活はいいと思うし憧れるけど女性への態度がクズだよね。そりゃ妊娠させる可能性あるでしょー。そこを考えられないならすんな!!!って感じ。責任感ない人間が嫌いなだけかも。

 

人気だったので読んでみましたが、思っていた以上によかったです〜!色々考えさせられました!でも女性向けなのかな?もっと主体性のある男性も出てきたらよかったな。御厨家ってなってるのでお父さんも入れてあげれば…。

 

表題の三千円の使い方ですが、私は三千円って言ってもあんまり思いつかなない〜。1000円以下のものはこまめに買っちゃうのだけど、それ以上のものはあんまり買わないのだよね〜。細々としたものを買ってしまうからお金がないのが金欠の原因か…。

ちなみにNISAはライオンを読むといいよ!!

oljikotoushi.hatenablog.com