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文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【コナン・ドイル】シャーロック・ホームズの冒険①

12編の短編が入っている本作!

2回に分けて感想を書いていきます〜。全体的にネタバレあります!

 

ボヘミアの醜聞

かの有名なアイリーン・アドラーが出てくる作品。ホームズは彼女のことをいつも“あの女性”と呼ぶ。


ホームズがワトスンにこの家の階段は何段かを聞くが、ワトスンは答えられない。

「見るのと観察するのとを、ふたつながらやっているからだ。」

普段から観察しているのだな〜と納得。


余裕で対処できると思っていたホームズだが、アイリーン・アドラーの方が上手だった!

「おやすみなさい、シャーロック・ホームズさん」

と声をかけるアイリーンがかっこいい。


こちらはポオの「盗まれた手紙」を意識して書かれた作品だそう。

ポーも以前にわりと読んだのだけれど、部分的にしか思い出せない…。

 

赤毛連盟

簡単な仕事で高い賃金がもらえる。ただし、赤毛でなくてはならない。

赤毛組合の組合同志へ、という文面で始まる不思議な条件の募集広告が新聞に載った。そこで働くことに決まったジェイべズ・ウィルスンは、しばらく働いていて給料をもらっていたが、ある時誰もいなくなっていてー!?


こちらは有名な赤毛連盟

ウィルスンさんがこんなにも早くシャーロックのところに行かなければ完全犯罪になったかもしれないのに、と思うとちょっと可愛そう。もうちょっとお金を払っておけばよかったかもね。

実際の犯罪でも銀行まで掘った事件ってあるけど、途方もない作業だよね。そこまでの粘り強さがあるなら普通に働けるのでは??

銀行の地下でみんなで張り込みするところがハラハラドキドキでよかった。いつも思うのだけれど、身動きしちゃいけないところにずっといられるのってすごいと思う。絶対無理。

 

花婿の正体

結婚直前に消えた恋人を探しに来たメアリー・サザランド嬢。恋人はどこへ行ったのか?


これは嫌な事件だった〜!

お義父さん最低。母もなぜ手伝うのか…。

お金目当ての人に騙されちゃう母だからか…。


真実をサザランド嬢に話せばよかったのでは?って思っちゃう。この後もこの義父と一緒に住むなんて可哀想すぎる…。

 

ボスコム谷の惨劇

オーストラリアでお金持ちになったターナー。そして同じくオーストラリア帰りのマッカーシーターナー家の方がお金持ちなのにマッカーシー家も対等に付き合っていた。だが、チャールズ・マッカーシーが殺され、息子が逮捕されるがー。


ホームズから電報を受け取ったワトスンは素早く準備して駅へ向かう。このホームズとワトスンの関係性がいいと思う。


死の間際に言った「鼠」という言葉や、息子を見て驚いた父などが面白い。

にしても犯人が思っていたより非道でびっくり。散々悪事を働いたお金で楽をしているのに、それを告発されるのを恐れて貢いでいたわけで…。嫌なら自首すればよかったじゃん、としか。自分の評判も気にしているし…。

しかも怒るポイントが「まるで娘を自堕落な街の女とでも思っているみたいな」って。全然共感できなかった…。娘は全く関係ないから、娘に害が加わるってことで怒るのは分かるのだけど、元凶は自分じゃんってね。まあもう先は短いし、ホームズが言っていたように「巡回裁判よりもはるかに上級の裁きの場」があるわけだけども…。

結局因果は持ち越されず二人は結婚するみたいだけど、それでよかったのか?私がジェームズ・マッカーシーだったら自分の父殺した犯人を知りたいけどなあ。まあ知っちゃったら最愛の人とは結婚できなくなるかもしれないけど…。それに自分の父はそれなりに最低だし、恋人の父の殺人犯っていうことが分かるけど…。

 

五つのオレンジの種

ある時、ジョン・オープンショーの伯父の元に封筒に入った5つのオレンジの種が届く。伯父は何かを恐れ、しばらくして亡くなってしまう。そしてその後には父に同様の手紙が届き、父も亡くなる。だが、どちらも事件性は見られなかった。そして2日前、自分のところにもその手紙がー。

 

普通に怖い話。

内容も怖いけど、この物語の背景にあることも怖い

ホームズが、「手紙がきてから、じつに二日もたっている。もっと早くに手を打つべきだったんだ。」という言葉から事件の危険さが分かる。

本当に嫌な事件。司法の罰を受けることにないが、自然には勝てないという終わりは一番丸く収まる終わりのように思う。彼らがやった多くのことはほとんど裁かれることはなかっただろうから。

「おや」ふと顔をあげて、私は友人を見やった。「呼び鈴が鳴っているね。こんな晩にだれがやってきたんだろう。きみの友達じゃないのか?」

「ぼくの友達といえば、きみしかいないよ」ホームズは答えた。

これには笑ってしまった。そんな堂々と友達がいないことを、しかも「きみしかいないよ」って言うなんてホームズが可愛すぎる!

 

くちびるのねじれた男

ワトスンが知り合いの男を阿片窟から連れて帰ろうとすると、老人に話しかけられる。驚くべきにその老人は変装したシャーロック・ホームズだった!ホームズは依頼人のために阿片窟に潜入しておりー!?


いなくなった夫を探しているホームズ。

全部そうなのだけど、読んでいると結末を思い出すのであんまり驚きはなかった。

夫が亡くなっているはずはない、強い共感が通っているからと言い切る妻はすごい。これは確かにホームズの言う通り、もっと奥さんを信頼すべきだったよね。


にしてもホームズにしろこの人にしろメイクアップ術すごすぎない???そんな騙されるものかなあ。まあ物乞いの顔をそんなまじまじと見る人はいないだろうし、他にもっと特徴的な部分があるとそっちに行くもんね。

 

シャーロック・ホームズの冒険②へ続く!