文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【ホリー・ジャクソン】優等生は探偵に向かない

あらすじ

ピップは探偵はもうしないと考えていた。ところがコナーの兄・ジェイミーが失踪してしまう。警察はあてにならず、制限時間も迫っているためピップは引き受けることにするがーーー!?

 

読んでみて

少し前に読んだ「自由研究には向かない殺人」の続編。前作のすぐ続きから始まるので続編というより上下巻のような感じ。

前回はわりとハッピーエンドというか、終わり方は綺麗だったけれど、今作は悲しくなってしまった。

↓前作の感想はこちら↓


前作にも出てきた仲良しメンバーの一人であるコナーの兄ジェイミーが失踪してしまう。コナーやコナーの母は心配するが警察は優先度が低いと判断する。

もう成人している男性で今までにも家出したことがあるため、警察からしたらそれはそうだろうな、という感じ。家族は不安がっているけれど、本人の様子がなんとなく変だったという程度で明確に何かあったかは説明できないわけだし。

そのため、前作で一躍有名人となったピップはコナーとコナーの母からジェイミーを探すように頼まれる。

ピップはポッドキャストをやっていてそこには大勢のリスナーがいる。初めは拒否するピップだったが警察が役に立たないことを知り手伝うことに決める。その時のピップの決意は悲しいものがある。まだ高校生なのにそんなに背負わないでー!と思ってしまう。両親の心配も最も。


ただ、今作は行方不明であり、行方不明には明確なタイムリミットがあるため素早く行動することが必要となる。

ピップはコナーやコナーの母にポッドキャストで全世界に配信されること、不都合な事実も出てくること、事実をしっかり話すことの同意を取る。もう自由研究ではなくてプロの人のような感じ。

自分だったら何もかも曝け出すのは怖いように思う。でもそうしないと大事な人が戻ってこないと状況だったらそうするしかないよね。ジェイミーはきっと大丈夫なはず!!と私も読みながら願っていたけれども…。


ジェイミーの行方不明事件と並行して前作の裁判も進行していく。

前作のネタバレになってしまうけれど、あの最低人間がなんと無罪になってしまって…。日本でも大体の性犯罪が軽く扱われるからね。もっと重くしろよと思う。


ピップは有名人になったからこそ色々影響が出てくる。誹謗中傷もよくあるようでとても悲しくなってしまった。また、ジェイミーの事件もヤラセではないかと非難され、悲しいことに親友だと思っていた相手からもそう言われてしまう…。

有名になったことで友人関係がうまくいかなくなるのはリアルだと思う。

有名になったことでの負の側面がたくさん出てきていることも丁寧に描かれている。ピップはとても悩んでいるけれどジェイミーのために頑張ろうとするピップは本当に強いと思う。

でもそんな強くならなくても...。両親は本当に不安だろうと思う。


ネタバレあり↓

 


今作ではスタンリーが重要な人物であったことが明かされる。前作は嫌なヤツ!って感じだったけれど、スタンリーの態度の背後にあったものがわかると辛い。にしても色々悲しかったな…。被害者の考えも分からなくはないけど。

子どもだったし実際に自分で危害を加えていないなら保護されるべき対象だと思うけども。割り切れないのも分かる。難しいよね…。

 

最後に

にしても前作の伏線をちゃんと回収してくれるなんて!!3作目も出るみたいなので楽しみ!

ただ果たしてピップはこれ以上探偵を続けたいのか???自分をすり減らしたやってるからさ。ピップの活躍は見たいけども!