疲れたりしていて最近全然記事を書けてなかったのですが、久々に投稿できてよかった!
こちらは書店で見かけて表紙に惹かれて読んでみました〜!
ミステリーで女性が主人公で最近の作品なら絶対好み!と思って読んだら、やっぱりおもしろかった。
あらすじ
戦後のロンドン。まだ廃墟も多い中、出自も経歴も性格も正反対の二人が結婚相談所を営むことに!戦時中にスパイ活動をしており行動的なアイリスと上流階級出身の背が高く穏やかなグウェン。
ある時二人は、若い美女と誠実な会計士を引き合わせる。ピッタリな相手を紹介したと思っていたら、なんと女性が殺されてしまうー!犯人はお相手の会計士と思われたがー!?
読んでみて
最初はちょっとテンポが分からず読みづらくも感じたけれど、慣れてくると気にならなくなったよ。
紹介した相手が片方を殺したとしたらめちゃくちゃ辛いよね。
まあないとは言い切れない事件ではある。
でも!
アイリスとグウェンは各々違う面から人を見抜く力を持っているからこそ、その青年が犯人だとは思えない。
でも物的証拠が見つかり、警察に逮捕されてしまう。
アイリスは元スパイとは言っても、今は普通の一般人なので勝手に捜査したりなんかはできない。
この部分は「木曜殺人クラブ」と一緒。
ホームズみたいに警察に頼られている探偵じゃない限り、まずはどうやって捜査するかということが前提として出てくる。
二人は知人を装ってお葬式に行って、そこで友人を作ってしまう。そんな度胸があるってすごいと思う。
さらに、お葬式の後にみんなでパブで故人を悼む会があって、その辺りは「外国っぽい!」と思ってしまった。日本だったらパブには行かないじゃん。もっとしんみりした感じになりそうだし、個室だろうし、親密な相手しか誘われないだろうしって思ってしまった。
グウェンは背が高くて上品で素敵な女性なのだけれど、戦争で夫を亡くした過去がある。
アイリスもスパイ活動中に友人を亡くしている。
戦後しばらくということもあり、二人とも心に傷を残したまま生きている。なんとか前を向こうと結婚相談所を興したけれど、時折まだ癒えていない傷が出てきて二人を苦しめる。
事件と一緒に二人の個人的な問題も出てきて、二人が少しずつ成長していく過程がよかった。
二人は出会ってからそんなに経っていないというのもあって、信頼関係が少しずつ構築されていくのがいい。
アイリスの奔放さに憧れるけれど、そんなアイリスがグウェンのことを羨ましいと思うところが印象に残った。もちろんグウェンの方も自由なアイリスのことを羨ましく思っていて、ないものねだりだよね。
戦争の描写は心が痛む。基本的にナチスの名前がよく出てくる。グウェンの息子は大好きなイッカクがナチスを倒すという物語で遊ぶ。
父が敵に殺されてしまったわけだから、そりゃ倒したいよね。
イギリス側から見るとドイツ、イタリア、日本が圧倒的に悪なんだなあと感じた。
アイリスが素敵すぎた場面。こう断言できるのカッコ良すぎない!?
「ああ、そうかもな。こっちもたぶんあんたの若くてかわいかったころの顔を知ってるよ」
「あり得ない」アイリスは断言した。「わたしは日に日にかわいくなってるもの」
「でも若くはならないだろ」
「その点は努力してる。あなた、何者? 待ってーー」
「いつかは戦争のことを正直に話してくれるかしら」
「あなたは人生のことをなにもかも打ち明けましたか」
するれ
「全然」
「ほらね。いつかふたりですることができましたね、‘’愛‘’がくたびれていてその階段をのぼってこられない、あの膨々とする雨の日に」
続編はもう出ていてこちら!すぐにでも読むつもり!