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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【本】2022年ベスト10作!

2022年のベストを今更ながら発表します〜!

150冊くらい読みたかったのにちょうど100冊読了となりました〜!まあキリがいいから良しとするか。

順位とかは関係なく10冊紹介していきます!

 

①命を落とした七つの羽

現在のカナダで実際に起こっている先住民差別についての作品。カナダでは同化政策の一環として先住民の子どもたちを親元から離し、言語や宗教など全ての文化を取り上げていた。そして寄宿学校ではあらゆる虐待が起こっていた。寄宿学校は1880年代に始まり、1996年まで運営された。本当にごく最近まで運営されていたことも驚きだが、寄宿学校がなくなっても先住民族への差別が今も続いており、安全な飲み水もなく教育を受ける機会も限られてしまっていることも衝撃的だった。

悲しいし辛かったけれど、2022年に読めて本当によかった作品。

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②夏物語

主人公の夏子は独身だけれど、AID(非配偶者間人工授精)によって子どもを産みたいと考えている。実際にAIDで生まれた人と交流することになるが、AIDで産まれた人々は自分の父親が誰かという葛藤を抱えていた。

パートナーがいなければ子どもは産めないのか、子どもをこの世界に産んでしまっていいのか、子どもを産む選択をした方がいいのか産まない選択をした方がいいのか…。

女性としてすごく考えさせられた作品でした。男性よりも明確にタイムリミットがある女性だからこそ、どんな女性も子どもについては一度は考えると思う。結婚する年齢は上がっているけれど、35歳上の初産婦は高齢出産となってしまう。バリバリ仕事やって、仕事でもそれなりに成果を出して、いい人と出会って結婚して…ってやってると35歳って結構すぐになってしまうと思う。今作の夏子みたいにそもそもパートナーはいないけど子どもは産みたいって思う場合もあるだろうし。産んだ方が正解、産まない方が正解とかはなくて人それぞれだとは思うけど、タイムリミットがあると焦ってしまうよね。またもう少し経ったら読んでみたいな、と思ってます。

私は今のところ子どもはいないのだけど、最近卵子の数が分かる検査があるってことを知ってやってみよう〜と思ってます。

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誓願

こちらは「侍女の物語」の続編。侍女の物語はとっても辛かったので誓願も構えていたのだけど、こちらの方が希望を持てるお話だったのでもっと早く読めばよかったな〜と思いました。マーガレット・アトウッド好きだな〜。

優秀なキャリアウーマンだったリディア小母がどうしてこうなってしまったのか…という過程は怖すぎた。ただ生き残りたかっただけなのに…。自分ならどうするだろうか?ととても考えさせられた作品でした。

まずは「侍女の物語」からぜひ読んでみてね!

 

④ウォーター・ダンサー

「地下鉄道」を読み始めてから黒人差別についての物語をいくつか読んだ中の一冊。ちょっとファンタジーっぽさもあり、フィクションとしてもよかった。ただやはり辛い場面が多い。でも有名なハリエット・タブマンが出てきて感激だったよ!

黒人差別だけではなく、女性差別も描かれているし、同じ仲間であっても黒人と白人では根底の考え方に違いがあったりと深いところまで描かれていてとても考えさせられた。特に女性としての「自由」についての考えにとても感銘を受けた。私も忘れないようにしたいと思う。

 

⑤あの本は読まれているか

冷戦下で繰り広げられた一冊の本をめぐる物語。本の影響力を改めて再確認できた作品。だからこそどのディストピア小説でも本って弾圧されるのだね。

そしてなによりもイリーナとサリーの関係がすごく好きだった。悲しくて辛い描写が多いけれどこの二人の関係性がとてもよくって希望を持てたよ。

 

⑥ベイカー街の女たち

もしあの有名なシャーロック・ホームズの大家だったハドスン夫人とジョン・ワトスンの妻であるメアリー・ワトスンが事件を解決していたら?

シャーロック・ホームズ再読中なのもあってとてもよかった!というか現代に描かれた作品だから本家よりも読みやすいよね笑。

ハドスン夫人とメアリーの二人の女性が事件を追っていくのがとてもよかった。当時の女性の地位の低さもしっかり描きながら、女性である二人がどう事件を解決していくのか、どうして解決しなければいけないのかが丁寧に示されている。読めば読むほどマーサ・ハドスンのことが好きになる作品。続編もよかったよ!

oljikotoushi.hatenablog.com

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⑦自由研究には向かない殺人

高校生のピップは自由研究で数年前に起こった17歳の少女の失踪事件について調べることにする。彼は無実だと感じるピップは自由研究を口実に関係者にインタビューをしていくため、読者もピップと一緒に謎解きをしている気分になれる。

過去の事件ということと、実際にピップがインタビューした資料が挟まっていることもあり、ピップと一緒に本当に自由研究をしている気持ちになれてハラハラドキドキしてしまう。もう一回学生生活やってるみたいでよかった〜!にしても日本で学生生活をしてた私の感覚だとピップがやってる課題もピップの考え方も高校生とは思えなくて大学生っぽい感じで読んでいた。日本だと大学生でもピップより子どもっぽい場合が多いと思うけど。

過去の事件だと安心して読んでいたら現実でも何か異変が起こり始めて二重三重に楽しめた!本当におもしろすぎてすぐに読めてしまった!人気作なのも納得でした!続編もよかったのでおすすめです!

oljikotoushi.hatenablog.com

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⑧ののはな通信

ののとはなは親友同士。二人は手紙を送り合っていた。そして少女から大人になってー。

全文が手紙だったりメールだったりの書簡形式になっていて、こういう作品は初めてだったのでおもしろかった!ただ、書簡だとちょっと周りくどいところがあるので、一体どうなってるのー!?と叫びたくなってしまうこともあったけど笑。一人称視点だとどう考えて感じでいるのか分かりやすかったのだなあと再確認。書簡だからそこに書いていいことしか分からないのだよね。でもその裏に透けている気持ちとかも分かるようになって、読み進めていくと書簡形式なのが気にならなくなってくるから不思議。

ののとはなの二人の人生を一緒に辿っている感じがしてとてもよかった。二人の関係性が変わっていくのだけれど、でも時を経ても変わらないものはあったりして。

私はまだ若いので好きな人同士は一緒にいるべきだと思ってしまうけどね〜!人生は一度きりなんだから。

 

⑨よって件のごとし

宮部みゆき先生が描く三島屋変調百物語の最新作。おちかから主役が変わった時はどうなるかと思ったけどおもしろさは全く減らなかった!宮部みゆき先生が好きすぎるのだよね...。

もう本当に今シリーズがとても大好きなので続編も楽しみすぎる〜!

読んでない人は最初から読みましょう!ね!

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⑩木曜殺人クラブ

海外ミステリー。主役は高級老人ホームに入所中のおじいちゃんおばあちゃんたち!

ミス・マープルっぽい感じかと思いきや意外に行動力があっておもしろかった!パワフルすぎるおじいちゃんおばあちゃん。

私がアガサ・クリスティからミステリーに入ったからか陰鬱な感じじゃなくて日常生活の中で事件が起こって解決していく感じが好きなのだよね。ってことに最近気づいて。

私が読む作品が偶然そうだったのか分からないけど、日本の作品って想定外の設定があったり殺し方が残虐だったり陰鬱としてたりであんまり好きじゃなくて。今作みたいなフランクさが好き。

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最後に

以上が100冊の中から選んだベスト10冊でした〜!

なんか2022年上半期ベストとほぼ一緒なような...。ちょっと去年は下半期が結構色々あって忙しくてあんまり本が読めなかったのですよねー。

やはりミステリーとフィクションベースの作品が多いかな。ミステリーは好きだからだけど、フィクションベースの作品はやっぱり心に残るのだよね。

本当は他にもフィクションベースの作品でいくつか読みたいものがあったのだよね。

↓読みたかった作品↓

あの図書館の女たち

アウシュヴィッツの図書係

アウシュヴィッツのタトゥー係

星のせいにして

戦争は女の顔をしていない

ひとりの双子

やさしい猫

あたりを読みたかったというか読もうとしたのだけど、私生活は大変すぎたので読めなかった…。もっとライトな作品ばかり読んでました。というか漫画ばっかり読んでた。

子どもの頃に第二次世界大戦に関連する作品をわりと読んでいて、それ以降はそんなに読んでなかったのだけど最近また読んでみたいと思うようになって。上記の作品をひとまず読みたかったのだけど結局読めず。2023年は読んでいきたい。

2023年の読みたい作品リストをそのうちまた作ろうかな〜!