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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【バークビイ】ベイカー街の女たちと幽霊少年団

イカー街の続編、ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿2を読んだよ〜!

とってもよかった!

残念ながら続編は出ていないようで…。悲しいな。

本シリーズはコナン・ドイル財団公認らしいです!

他にも「シャーロック・ホームズ 絹の家」「モリアーティ」があるのは分かったけど、他にもあるのかな?

ちなみにアガサ・クリスティ財団公認の作品もあるらしい!

調べた感じでは「モノグラム殺人事件」「閉じられた棺」が出てきたよ。読んでみたいぞ!

↓前作の感想はこちら↓

oljikotoushi.hatenablog.com

 

あらすじ

ミセス・ハドスンは病気で入院することになってしまった!ワトスン博士の計らいで特別病棟に入ることになったが、そこでは夜間に患者が亡くなっていたー!?夢かと思うミセス・ハドスンだがーー。一方、メアリーはロンドンの街で少年たちが行方不明になっている事件を調べ始めーー。


読んでみて

1巻目はハドスンさんとメアリーが事件を解決する理由がやや曖昧で、解決したい気持ちはわかるけど結構危ない目にもあってたりしたのでシャーロックに任せるべきでは〜?と思ってしまっていた。

でも!

今回は2作目ということで、シャーロックにもワトスンにもある意味認められて探偵業を行うことができるので、なんで探偵をするのか?という部分を気にせずに物語にのめり込めるのがよかった。

また、今回の事件ははっきりと証拠のない事件であり、警察やシャーロックたちが乗り出す以前のものであるため、ハドスンさんとメアリーが担当することに違和感を感じさせない。

なので今後もどんどん事件を解決して欲しい。


いつの間にかいなくなってしまう子どもたち、10年間でみると多いけれど、事件というほどでもない。そもそも家出かもしれない。

問題にならないレベルの微妙な子どもたちを選ぶため、事件なのかどうなのかが曖昧になっている。

宮部みゆきの「この世の春」を少し前に読んでいて、そこでも行方不明になった男の子たちの話が出てくるので、「ちょっと前に読んだのと一緒だな」と思いながら読んでいた。

こういうことって昔は多かったのかな〜。

一つの事件だけだと事件か家出か分からず、親がどれだけ訴えても事件性がないとされる可能性があるって怖いよね。


今作は、シャーロックとマーサとの交流も前作より深くなっていて嬉しくなる

レストレイド警部が前作の事件を嗅ぎ回っているのですが!

そこでシャーロックがフォローしてくれる。何より情緒的交流もあるのがいいね!

こんなことを書いておきながら、僕にも至らぬ点があったことをお詫びせねばなりません。

不覚にも、貴姉の体調不良を見落としました。ダートムアから戻ったあと、周囲の物事を締めだして自分だけの世界にこもっていたせいで、具合が悪いことを隠すのがうまい貴姉に目をあざむかれてしまった。自らがつねづね唱えている戒めを破ったことになります。見てはいるが、観察していない状態だったのですから( ボヘミアの醜聞)。

同じ過ちは二度と繰り返してはならぬと旺に銘じました。


病院での事件、行方不明になる少年たち…などいくつかの要素がありつつ、最終的にうまくまとまっていく。

特に病院の事件が私は好きだなあ〜

マーサが病院にたまたまいて、そこで事件が起こり、でも事件なのか夢なのか曖昧で、さらに患者という弱い立場だからこそ自由に動けず、でも患者だからこそ患者間の関係性には敏感になれて…。

私って病院ものが好きなのかもしれないな。


なんとなーくぼんやりとオチは分かるのですが、どことどこがどうつながって、どうしてこういうことをしているのか、というのは最後まで分からないので、色々考えながら読めておもしろかった。


前作で出てきたリリアン・ローズがなかなか魅力的なキャラクターで今後も気になる。特にリリアン自分自身に合わせて自分を変えているというのが好き。そんな人になりたい。

以前はずっと周囲に合わせて自分を変えてきたが、今は自分自身に合わせているのだそうだ。重みのある言葉だと思った。


フェミニズムの要素もあって好きだな。

しきたりや家庭のくびきにつながれ、来る日も来る日も代わり映えのしない生活を送っていることを。まるで一箇所をぐるぐる回り続けているかのように、毎日同じことの繰り返し。与えられた務めがきつかろうとそうでなかろうと、知性を活かす機会はめったに訪れないのが現実だ。婦人向けの本を読み、決まった相手と決まった会話を交わすうちに、単調な月日がむなしく過ぎていく。そうした負の循環を断ち切ることはまず許されない。 女が人生を切り開こうとすれば、 それは女が人生を切り開こうとすれば、それは淑女らしからぬ見苦しい誤った行為と世間ではみなされる。因襲にそむくようなことをせず、女は女のいるべき場所にいろというわけだ。男の影となって生きることを強いられる。


悲しい事件ですけどね。

ぜひ読んでみてね!


ちなみに子どもがいなくなってしまう話で思い出した映画、事件がいくつかあるので書いていきます。

一つ目はチェンジリング

チェンジリングアンジェリーナ・ジョリー主演のひたすら辛い話。

失踪した息子が5ヶ月後に警察によって保護されるが、なんと別人だった!ところが、そう主張しても周りからは頭がおかしくなっていると思われてしまう。

戻ってきた息子が別人って怖すぎるよね。ちなみにこちらは1920年代にアメリカで起こった実話です。そしてチェンジリングの意味は人間の子どもと妖精などの子どもが取り替えられる「取り替え子」という意味。

最近観たアニメヒルダと山の王」でもチェンジリングが出てきたよ!ヒルダのアニメ好きなのでおすすめ!


もう一つはフライトプラン

こちらも似たような内容だけれど、時代は現代で飛行機の中で起こる。母親であるカイルは6歳の娘・ジュリアとともに飛行機に乗る。3時間後、隣にいたはずのジュリアは消えており、目撃者もおらず、搭乗記録にもないと言われ、カイルは正気を失っていると思われる。でも実はそれは…!というサスペンスアクションチェンジリングよりは鬱々とはしないけれど、最初は本当にイライラする!


そして最後!

実子なのにDNA鑑定が違ったため、子どもを取られそうになってしまった母の話。リディア・フェアチャイルドさんという方で、実は細胞の中に2つの異なるDNA集団があるキメラ現象が原因だった!という話。

 

作中の簡単なまとめ

マーサー:這う男に電報の差出人として登場する

モンパンシェ夫人の失踪した継娘カレール嬢の事件:パスカヴィル家の犬で言及される、詳細の明かされない語られざる事件

煙草の灰の鑑別法について論文:緋色の研究、四つの署名、ボスコム谷の惨劇で言及される百四十種の煙草の灰の鑑別法