【Netflix】心に残る!考えさせられる洋ドラ
心が痛い。どうしようもない気持ちになるドラマを紹介。目を背けたくなるような真実がこの世にはある。でも目を背けてしまって良いのか?私たちが見なければなかったことにできる?その人たちから目を背けても世界はなにも改善しないのに。
運命の7秒:真実は何なのか。正義とは何なのか。人間とは何なのか。
運命の7秒
あらすじ
黒人少年のブレントンはある日ひき逃げに遭い重症を負う。ひき逃げ犯は捕まらずブレントンの家族は真実を求めようとする。一方、地方検事補のKJと担当刑事のフィッシュは事件に不自然さを感じ捜査をしていくがーーー?
ここがおススメ👍
現代の問題が凝縮されているドラマ。人種差別、警察の隠蔽、殺人、警察の不正、裁判、被害者への二次加害、被害者家族の現実、加害者家族の現実.....色々な問題が凝縮されていて、陰鬱になってしまう。でもこれは今も現実に起こっている可能性があると思うと目を逸らさないこと、現実を知ることが私たちにできることだと思う。
実は、麻薬捜査官の1人がブレントンをひき逃げしており、彼らは麻薬捜査科が批判を受けないように隠蔽しようとする。刑事のフィッシュはどうにかしようとするが、警察が警察に対して何か批判をすることは仲間を売ることでありどれだけ難しいことなのか描かれている。
また被害者が黒人少年という人種の壁が立ちふさがる。これが白人男性や白人女性なら問題なかったであろうことが容易に想像できる。ブレントンの個人的な出来事に焦点を当てることで『被害者にも問題があった』と弁護士側は示そうとする。完全なる二次加害だと思うし、被害者に対して尊厳を持たないのか?とも感じる。
また、偶然にもひき逃げを目撃してしまった少女もとても悲しい。ネタバレになるから言えないがこれが現実か...というところ。正義とは何なのか?
血も涙もない刑事たちだと思っていても彼らの思惑が少しずつだが理解できる。皆弱い人間だからこそ起こってしまった出来事。でも弱くない人間なんているのか。ひき逃げ犯であるジャブロンスキーの妻マリーは弱くても最後には自分の『人間としての尊厳』を守った。人間は弱い、でも『人間としての尊厳』を持つことはできるはず。選択するのは自分だ。
はっきり言ってこのドラマに救いはない。本当に。普通のフィクションのドラマなら恐らく救いはあったと思う。少なくとも最後の最後ぐらいはあったはず。でもこれはない。現実に即している。当事者から見れば人生を変える出来事でも客観的に見ればたくさんある事件の中の1つ。たくさんある裁判の中の1つだ。それを突きつけられてとても辛かった。とても悲しかった。そんな理不尽なことがあっていいのか?赦されるのか?
でも日常でニュースを見れば悲惨な事件はいくらでもある。この作品はそういう現実をリアルに描いた作品。目を背けたくなる作品だし、辛くなると思う。実際の生活に余裕がない時は見ない方が良いと思う。でも知っておいて欲しい。こういう現実があって今も渦中にいる人がいることをーーー。
Netflixに似ている作品『ボクらを見る目』がある。実際の現実に基づく冤罪事件。とても辛そうなのでまだ観れてない。また元気な時に観ようかな。
またの名をグレイス:女性として生きるということ
またの名をグレイス
あらすじ
若き医師サイモン・ジョーダンはカナダにある懲治監を訪れる。それは殺人罪で15年間収監されているグレイスの報告書を作成するためだった。侍女であったグレイスは同じく使用人であったマックダーモントとともに家主のキニアと侍女のナンシーの殺害容疑をかけられている。果たしてグレイスは本当に殺人を犯したのか?グレイスは悪女なのか?
ここがおススメ👍
グレイスという美しく儚い女性。礼儀正しく華奢な彼女が本当に残虐な殺人を犯したのか?精神科医であるサイモンとともに真実を探していく。
グレイスの悲しい幼少期、そして侍女としての生活。親友メアリーとの別れ。そして殺人があったキニア邸で何があったのか。少しずつグレイスの口から語られる。でも彼女は真実を言っているのか?どこまでが真実でどこまでが嘘なのか。少ずつ物語は進んでいくけれど、真実はよく分からない。
そして精神科医のサイモンはグレイスに惹かれていく。謎めいていて美しく賢く憂いのある女性。その反面、グレイスは自分の魅力を分かっていてマックダーモントを利用したのではないか?という疑いもわいていく。
真実は何なのか、一体グレイスに何が起こったのか。ぜひ観て欲しい。
女性の生き辛さを描いた本作。グレイスが男性の求めている希望に沿おうとしたのは決して悪女だったからではなく、そうしないと生き残れなかったからだと思う。
↓以下ややネタバレあり。
それは父親にしろサイモンにしろジェイミーにしろ。女性だけでは生きられなかった時代に生き残るためには男性の顔色を伺うしかなかった。その結果がグレイスの悲劇につながったように思う。親友メアリーが中絶の末に亡くなってしまうが、そのことに対して男性側は全く責任を負わない。同じくナンシーと家主キニアの関係も同じだ。いつも割りを食うのは女性。弱い立場に立たされた女性は生き残るために男性を利用しないといけない。男性からは利用されないように注意しながら。現代でもあてはまることが多いように思う。結局子どもができた時に割りを食うのは女性であって、昔は未婚の女性は蔑まれたし仕事も辞めさせられて路頭に迷うしかなかった。その時よりはまだ少し改善してるのかな?でもただでさえ、体格的にも立場的にも弱い存在である女性は利用されやすいのだと思う。そして利用されなかった女性。違う行動をした女性。主体性を持った女性。男性を利用した女性。きっとそういう女性が男性側から悪女と呼ばれたのだと思う。
今観て欲しい!女性のためのストーリー!↓
元となった小説もあるよ!
同じ作者でマーガレット・アトウッドの小説。ドラマがHuluで配信中!