文学系心理士の自己投資ブログ

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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【田中芳樹】天涯無限

田中芳樹天涯無限

アルスラーン戦記16巻目!最終巻なんだけども、どうやって収拾つけていくんだ?と思っていたら、全体的に強引に終わりました。でもまあ完結してよかったとしよう!

 

あらすじ

アルスラーンたちは決戦に備え、女性や子どもたちをシンドゥラに向かわせる。魔軍と蛇王・ザッハーク、ミスル、チュルク、マルヤム、そして反アルスラーン勢力が一挙に勢揃いするがー?!

 

完全ネタバレになります!!!

 

読んでみて

ナルサス亡き今どうするのか?と思っていたけれど、なんというかもう諦めの境地に至ってしまっていて、シンドゥラに助けを求めてにいくことに。その道中でジャスワントは死んでしまうが、死に方もあっけない。仲間が鍵を開けなきゃよかったのにー!と思うし、敵将を無駄に捕虜にしているせいで色々起こるんだからもういい加減学べばいいのに。

ヒルメスも失敗しては生き延びていて、問題になるのは目に見えているのに誰も倒さないのは何故なのか…。にしても人が死ぬ死ぬ。最初は好調だったと思いきや、やっぱり数に推されてしまうのと蛇王を倒すのは難しいため人は死ぬ。ここまで既にたくさん死んできたけれど、キシュワードが死んだあたりから「これはみんな死ぬやつだ」と気づきました。それでも要所要所に「後年アルスラーンは〜」とかあるから、エラムアルスラーンは生き残ると思っていたんだけどね。「少年は王になるー」ってめちゃかっこいいのに結局アルスラーンてそんなちゃんと王になったのか?と疑問。あそこまで頑張って生き延びて王になったんだから生き残って「後年アルスラーンは〜」とかにして欲しかった!

多分作者が物語を続ける気なかったんだろうな〜。蛇王にしても「急にSF!」って感じで、その設定は良いんだけど、なんか雑。全体的に雑。荻原先生の「西の善き魔女」と設定的に共通しているのに、アルスラーンの方はやっつけが具合がひどい。結局尊師のこともよく分からないし。全体的にあっけなくて、フィトナも秒で死ぬし、そんな簡単ならキーヴがもっと活躍すればよかったのでは?と思ったり。みんな生き残る気がないみたいな感じだよね。

アルスラーンが亡くなったのも結構あっけなくって、19歳って悲しすぎる。でもみんなでシンドゥラに行かなくてもアルスラーンの意思を告げばよかったのにと思うんだけど。だって王は血縁に左右されないんでしょ?エラムでもキーヴでもファランギースでも王が立つまでの代わりになればよかったのにって思うんだけど。それじゃダメなの〜?

エラムが年をとって、でも最後にみんなとまた会えたのは感動したけど、これのためにみんな殺したんだな〜と思うとやるせない。死後の世界を書いちゃうと、今まで頑張ったのはなんだったのか?とも思えてしまうのが悲しい。まあでも読めてよかったです!他のレビューとかみているとみんな辛口で苦笑いしてしまった。思うことは一緒ですね。魔軍とか出さずにアルスラーンの王としての成長を普通に見守りたかったな〜と思ってしまう。アルスラーンは読み終えたので、銀河英雄伝説も面白そうなら読もうかな〜。

【田中芳樹】戦旗不倒

田中芳樹戦旗不倒

アルスラーン戦記15巻目!とうとう15巻!今回はなんとあの人が舞台から消えてしまう?!!

 

あらすじ

ミスルから逃げ出したヒルメスマルヤムへ行く船に乗り、ギスカールと再会する。アルスラーンたちは蛇王と本格的に戦うことになっていく。一方、フィトナはテュニプを唆し、パルスを征服するように進める。パルスはミスルと戦うことになるが、そこに思わぬ人物が現れー?!

 


完全にネタバレです

 

 

 

読んでみて

いろんなことが起こった巻でした。とうとうナルサスアルフリードが結ばれた!と思いきや!!アルフリードが死にそうなフラグはばんばん立っていたのですが、まさかナルサスまでとは〜〜!なんというか作者は登場人物殺すの楽しんでるな?!と感じる。アルスラーンは最初はダリューンしかいなくって、味方が0の中、なんとかここまでやってきた。王位についてからは最強な仲間ばっかりだったからつまらなく感じるくらい。ナルサスがいてダリューンがいたら完璧じゃんって。だからこそナルサスがここで死ぬことで、今後どうなるんだ?!と気になるし、ナルサスがいなくてもやっていけるならそれ程アルスラーンが成長したってことにもなるし。あー、でも悲しかったなあ。ファランギースが庇ってナルサスは助かるのかと思ったけども。

アルフリードの最後がカッコ良すぎて惚れたよね。

「ゾット族の女が、夫の遺体を捨てて逃げるとでも思うのか!」

 

幼馴染を失ったダリューンも可哀想だし、エラムアルスラーンも辛いよね。最初の頃からいた人物が亡くなるのって悲しいなあ。もうちょっと幸せを噛み締めてから亡くなって欲しかった。

 

にしてもヒルメスは徹底的に悪役になるんだね〜。最後はイノケンティス七世ばりに一大事を起こして死にそうですね。ナルサスヒルメスのことを誰かを恨まないと生きていけない人間だと言っていたけど、その通りで。なんか壊れた電車のようだなあ、と。最初は生き残るために死に物狂いで走っていたのに、いつしか速度を緩めることもできず暴走列車として変わり果ててしまった、みたいなね。ナルサスを殺した後に、

だが、あの男が消えた後の世界は、なぜか色彩をうしなって、灰色になってしまった気がする……否、気の迷いにすぎない。

いや〜もうちょっと考えようよ、と思ってしまうんだけども、考え始めたらもう動けなくなりそうだから考えれないんだよね。自分の目標のためにここまで突っ走れるのもある意味才能だね。

 

にしてもパルスの周りの国が馬鹿みたいにパルスを襲うことしか考えていないのってなんなのかね。もうちょっと考えたらいいのにね。

 

ラジェンドラとサリーマの関係は微笑ましく読めてた。賢い女性なんでしょうね。でもラジェンドラにはお似合いかもね。

次巻はとうとう最終巻!どんな感じで纏まるのか楽しみ!アルスラーンがどんな大人になっていくのかもみたいけどもそこまでは描かないよね。残念。

【本】ダ・ヴィンチ1月号を読んだよ!気になる本を紹介☆

【本】ダ・ヴィンチ1月号を読んだよ!気になる本を紹介☆

ダ・ヴィンチ1月号は「BOOK  OF THE  YEAR 2020」ということで「小説&コミック ランキングTOP50」「文庫&エッセイ ランキングTOP20」「本読みのプロが選ぶとっておき今年の3冊」など興味深い記事がたくさん!

 

読んでみて

小野不由美先生のインタビュー

小野不由美先生のインタビューがあったのが購入した主な目的でした笑。「白銀の墟 玄の月」についてインタビューされているのでぜひ読んで欲しい!短編集もいつ出るのかな。にしても私は今年一気に読んだけど、長い間待っていた人たちは本当にすごいと思う。辛すぎる。その分感慨深いだろうけど!

宮部みゆき作品

私的には宮部みゆき作品「黒武御神火御殿」「あやかし草紙」「きたきた捕物帖」が入っていたのが嬉しかった!きたきたは読みたいんだけどまだ読んでなくって。古い本から順番に読もうとしているので「この世の春」も面白いの確実なのに読めていない。順番に読むのはやめて読みたいの読んだほうが良いかなあ、と思い始めてる。

桜ほうさらと似ている感じ?

気になっていた作品もランクイン

三体

「三体」はいつか書店で平積みされていてすごーく気になっている。世界でめちゃ売れているらしいじゃん?でもけっこう分厚そうだし難しそうなので手を出せないでいる。

Another2021

「Another2001」はこのミスにも入っていて面白いんだろうな、と。アニメを中途半端に見ていたのでなんとなく話は分かっているんだけども。大人になってしまうとあんまり学生モノに手をつけにくくなってしまう…。

後宮の烏」も読んでみたいな〜と本屋行くたびに思うけども、やっぱり表紙の絵で手に取りにくさがある。小説に漫画っぽい絵は必要ないと思っていて。表紙に登場人物の絵がばっちり描いてあるとその姿形に定まってしまってイメージできないんだよね。そっちの方が間違いはないんだろうけども想像するのも本の楽しみだと思うから。児童書じゃないならもっと抽象的な絵にして欲しいな…。最近の流行りとは逆行するだろうけども。それに大抵薄いので、あんまり読んだ気になれないのもある。

瀬尾まいこさんの本は前から人気だけども読んだことないので読んでみたい。原田マハさんも。

「BUTTER」も気になる。伊坂幸太郎東野圭吾は相変わらず人気だけれども私あんまり読まないんだよね〜。

「逆ソクラテス」はどこでも見るのでみてみたい。

 

本読みのプロが厳選!とっておきの今年の3冊!

TOP50は見ていて楽しいのだけど、やっぱり知っている作品が多くってあまり目新しさはない。その分、「今年の3冊」はそれぞれ個人が選んでいるから個性が出て面白い。漫画の「アマゾネス・キス」が入っていたのは嬉しかった笑!

「ザリガニの鳴くところ」も人気だよね。

「その裁きは死」も。この辺りはこのミスの方が詳しく描いてあるよ。

 

終わりに

あんまり幅広い作家さんの本を読まないのですが、今回は改めて再確認しました。幅広く読める人ってすごい。私は永遠に同じ作家や同じジャンルを読みたい人間なので幅広くは苦手。同じ作家さんだと安心して読めるんだよね。つまらなくなるとか、変なオチになるとか、そういう見通しの立たなさはないから安心できるんだと思う。今のところは宮部みゆき、JRRトールキン荻原規子上橋菜穂子アガサ・クリスティーダイアナ・ウィン・ジョーンズ、トリイ・ヘイデン、コナン・ドイル梨木香歩たつみや章ヴィクトル・ユゴー氷室冴子マーガレット・アトウッドあたりを全部読もうとしている。昔に読んだ本も新ためて読むことにしてるので、もっと読むペースを上げないと流行りの本なんて読めないな〜〜〜。

 

【本】2021年付録カレンダー購入まとめ!

【本】2021年付録カレンダー購入まとめ

大体来年度のカレンダーはこの時期に出ている付録で買うことが多いのだけど、今回狙っている&手に入れる予定のカレンダーを紹介するよ!そんなたくさんあっても仕方ないけども、好きなカレンダーを飾っておくと癒されるの。

 

InRed 1月号

大人の女性向けのファッション誌。雑誌自体はけっこうペラペラ。完全に付録目当てだったのであんまり中身は見てないです。ムーミンのクッションとおしゃれなカレンダー付き。クッションは期待値を下回ったけども、値段からしてもまあこんなものかな、と思えるくらい。カレンダーの方が可愛くって買ってよかった!ムーミンのカレンダーって大体¥1000〜1500くらいはするので、クッションも付いていておしゃれな雰囲気のムーミンのカレンダーが付いていると思うとお得!あんまりコミックっぽくないのも大人っぽくて良い◎

 

SCREEN 2月号

SCREENのカレンダーはけっこう毎回買っていることが多い。特に今年はオードリーなのでぜひ!オードリー見るだけで癒されるし、定番以外の写真もあったりすると嬉しい。映画好きなのでSCREENは好きなんだけども最近はあんまり読んでない。最新映画<NETFLIXになっちゃっているので。でも最新映画を気兼ねなく見に行けるように早くなって欲しいな…。

 

暁のヨナ 34巻 特装版

毎回ヨナの特装版は絶対買っている人間なのでカレンダーとか関係なく買ってしまった。でもヨナたちの絵を飾れてさらにカレンダー機能も付いているなんて完璧だと思う。

 

花とゆめ 1/1号

花とゆめのカレンダー。描き下ろしなので欲しいんです。カレンダーというよりは絵が欲しい。いつか全部まとめた画集が出たとしてももし抜けてるのがあったら悲しいから買う。ヨナ目当てです。

【田中芳樹】天鳴地動

田中芳樹天鳴地動

とうとうアルスラーン戦記14巻目!あと2巻で完結なんて悲しいけども早く読みたい気もする。どんどん人が死んでいって悲しい。

前回13巻の感想はこちら

oljikotoushi.hatenablog.com

 

あらすじ

シンドゥラ国王・ラジェンドラは、パルスが放棄した要衝ペシャワール城を占領しようと動く。ところがそこに魔軍が?!アルスラーンたちも苦戦を強いられ尊い犠牲がー?!蛇王も復活に秒読み?!

 


完全にネタバレです↓

 

読んでみて

一番悲しかったのはジムサが亡くなってしまったこと!!私けっこうジムサのこと好きで…。異国で頑張っているのはジャスワントと一緒なんだけども、ジムサの方が不器用な感じがしてね。なんかね。弟と生き別れになっているのも悲しいし、期せずしてアルスラーンに仕えることになった過程も思うところがあるしね。それにオフルール(こまかいの)もいるし!死んでほしくなかったんですが…悲しい。ちょっと泣きそうになってしまった。オフルールに亡くなったことを伝える描写も悲しかった。オフルールは家族も友達も近所の人もみんな亡くしてしまったのに命の恩人のジムサまで亡くしてしまうなんてめちゃ悲劇じゃない?もうキシュワードが一家が幸せにするしかないよね。でもジムサは最後の最後まで戦って!!私、ジムサが出てくるところまでアニメも漫画も見てないので(というか出てきているのかも知らない)、イメージ的にはキングダムで最初に出てきた吹き矢のやつなんですよね。なんか丸っこくて。ジムサは調べてみたらけっこう若いらしくてびっくり。悲しい。悲しい。

そしてグラーゼも亡くしてしまう。グラーゼを亡くしたのもかなり痛いよねー。グラーゼの部下のヨーファネスとのやり取りもおもしろかったのにね…。部下たちがグラーゼの死を悼んでるのも悲しい。トゥースもアルスラーンを守って亡くなってしまってね。あの3人の妻たちもこれからどうするのか…。戦が続く限りどんどん人が死んでいくから、また嫁いでも意味ないように思うんだけども。にしても、最高の人材がいてのこそのアルスラーンだからこうやってちょっとずついなくなっていって大丈夫なのか?

あとはやっぱり可哀想なヒルメスヒルメスって運なさすぎでは?笑。もしかしてこのまま幸せに?と思ったけどもそんなのはヒルメス様には似合わなかったね。また敗走していく姿はザンテの時と一緒じゃん!と思ったけども、今回は一緒に行くみたいでよかった。フィトナは今後どうするのかね〜。

【漫画】最近買った漫画

【漫画】最近買った漫画

最近、また漫画を何冊か買ったので紹介します◎

 

ミステリと言う勿れ 田村由美

田村由美さんの作品。

7SEEDSとかBASARAとか有名な作品が多い。

どれも中途半端にしか読んでいないのでちゃんと読みたいな。

「このミステリと言う勿れ」は無料の試し読みで、主人公の独特の雰囲気やテンポの良さに虜になってしまい、「もっと読みたい!」と思って購入。こちらは紙媒体で買ったよ。

 

深夜のダメ恋図鑑 尾崎衣良

いつの間にやら新刊が出ていたので購入。

ダメ恋好きになってから尾崎先生の作品色々と集めたのだけど、途中で止まってしまっている。

2年くらい前から漫画<小説に変わってしまったのであんまり買ってないんだよね。

またちょっとずつ集めていきたい。

 

七つ屋志のぶの宝石匣 二ノ宮知子

のだめカンタービレ」が好きで、千秋とのだめの最後の方の関係が本当に好き!

今作の二人も志のぶに振り回されている顕ちゃんが好き❤︎

ミステリー要素も入っていて楽しい。

宝石のことはあんまり知らないのだけど、読んでると宝石もいいなあ〜と思ったり。

宝石の国」っていう漫画あったよね?あれも人気みたいだから読んでみたいな。

ちなみに七つ屋志のぶ〜は電子書籍で購入中。

急に続きが読みたくなって衝動買いしちゃったのよね。

電子書籍はすぐに買えるし楽だけどもやっぱり紙媒体の方が好きなんだよね〜。

 

暁のヨナ 草凪みずほ

ヨナはもう1話が始まってからずーっと好き!

花ゆめずっと買ってたんですが、最近ちょっと子どもっぽいな〜と思って読まない作品が増えてきて。

でもヨナの付録や巻頭カラーが出る限りは欲しいので買いたい!と思って困っている

収集癖があるのはオタクだから仕方ないのか…。

特装版は絶対予約しているので、届いてから「卓上カレンダーだったんだ!」って気づきました笑

あんまりカレンダーは使わない人間だし、書き込むのも勿体無くてできそうにないのだけど、絵が素晴らしいので飾ろうと思う。

花ゆめのカレンダーもヨナのところをずっと飾っているのでね。

次巻も特装版らしいので予約しなきゃ!

【JRRトールキン】シルマリルの物語

【JRRトールキンシルマリルの物語

最初はちょっと読みにくくてグダるけど、中つ国の成り立ちから全て辿れてすごく良い本だった。この先が指輪物語につながっていくと思うと感慨深い。

 

あらすじ

中つ国の成り立ち、ヴァラールたち、そしてエルフ、人間。西の海を渡るとどこへ行くのか?アラゴルンの祖先やエルロンド、ガラドリエルは何者なのか。人間とエルフの関係、そしてサウロンが仕えたモルゴスとは?指輪物語につながる壮大な物語がここに。

 

読んでみて

トールキンの手紙は最後でも!

最初のあたりはわりと読みにくいので、「アイヌアの音楽」から読んだ方が読みやすいと思う。トールキンが出した手紙がめちゃ長くって、簡潔にネタバレがしてあるので多分最後に読んだ方が意味が分かっただろうし面白かったと思う。なんとなくしか分からないことを言われている感じが強い。にしても昔はメールとかなかったからあんなに長い手紙を送ってたんだね。メールない時代めちゃ不便だよね。ちなみに最後の訳者の人も書いていたけれど、最後の方にある「力の終わりと第三紀」あたりから読んだ方が指輪物語から入った人はとっつきやすいと思う。でもまあ順番に読むのも悪くない。

 

中つ国の始まりとヴァラールたち

アイヌアの音楽」「ヴァラールとマイアールのこと」あたりは似たようなことが書いてある。感覚的に書いてあるからかけっこう抽象的。最初は「どういうこと???」となりながら読んでいたけれど、徐々に形が見えてきてなんとなく理解できるようになる。ヴァラールはけっこう多かったので最初「これ誰だっけ?」と何度も戻っては読んでいた。読み終わる頃にはわりと覚えてはいたけど、途中からはエルフの名前が多すぎて(しかもなんかみんな似ている)、混乱しまくっていた。

前半部分は知らないキャラクターばかりで、これがどう第三紀につながるのかさっぱりだった。だからたまにサウロンの名前が出てくると嬉しくなってしまった笑。指輪物語でもサウロンの前にいた悪いやつのことがちょっと出てきたりしていて、それがメルコール(モルゴス)なんだけど、こいつの方がサウロンよりヤバくてびっくり。というか神々との戦いが実際にあったなんてね!そもそも中つ国ってそうやって作られたんだっていう衝撃が強かった。

 

エルフの時代へ

徐々に物語はエルフたちへと移っていく。私の中のイメージのエルフって「賢者」って感じが強かったのね。指輪物語に出てくる人たちはみんな悟っていたエルフばっかりだった。レゴラスはまだ若いけども。だからエルフの歴史を見ていくと、なんか人間っぽいなと思ってしまった。人間臭いというか。永遠の命を与えられたエルフ。死んでもどこにいくか決まっていて、ヴァラールたちの元へも行って憂なく暮らせるのに、なんていうかそういう平穏さを誇りとか自尊心から捨てるところがすごい。なんかもっと考えよう〜と思ってしまうけれど、このエルフたちの間違いがあったからこそ、ガラドリエルやエルロンドは賢者みたいになれたのかなあ。

にしてもフェアノールね〜〜〜。そんな馬鹿な誓い立てるなよ!!とどれだけ思ったことか。子どもたちも微妙だけど、そもそもフェアノールがそんなことしなかったら息子たちも巻き込まれることなかったし。フィンゴルフィンたちも。船を燃やすとかどんだけひどいのか。

同族殺しが定期的にあってめちゃ怖いなと思いながら読んでいた。掟を破ったり罪を犯した場合に容赦なく殺すのも怖かったけど、自分たちの欲求を通すために殺し合うのはもっと怖い。でも人間たちはたくさんしていることなんだけどね。エルフがするとなんだか余計に罪なことに感じてしまう。

あとエルフの世界も思ったより物騒で、フィンゴルフィンの娘・アレゼルが一人旅をしたときに、気に入られたから誘い込まれて嫁にされてしまって、完全に誘拐婚で怖すぎた。ルーシエンの場合もそういうことがあってエルフって野蛮人?って思ってしまった。その点ではシンゴルが自分の娘であるルーシエンを結婚させたくないからってベレンに無茶振り言うのもひどい。そのせいで色々ひどいことが起こるけど、もはや自業自得では?って感じ。ちゃんと娘の意見聞けよ、と。そしてメリアンも気づいてたんならもうちょっと諌めなよ、と思う。相手に合わせるだけが結婚ではないのでは?なんかみんな全体的に自分勝手だよね。永遠の命があるとそうなってしまうのか?シンゴルの無茶振りのせいで一番割を食ったのってフィンロド・フェラグンドだと思う。てかシルマリルにみんな魅了されすぎなのも怖かった。

 

人間とエルフ

人間がだいぶ経ってから出てきて、エルフに出会った人間たちがエルフに仕えるようになるのは興味深かった。やっぱそうなるのねー!有限の命である人間と有限がないエルフ。有限の命である人間の身からするとエルフうらやましいし、人間がその点をどうにかしたいと思って唆されてしまうのは仕方ないように感じた。まあ無限じゃなくてもいいから500年くらいがいい。って思うけど、500年になったらもっとって思うのが人間の性なのでしょうか。にしてもモルゴス側につく人間がいつも一定数いたっていうのは悲しかったなー。エルフたちはみんなモルゴスの敵なのに人間はモルゴス側についているのも少なくなくって。それが種族の違いなのか…。まあエルフたちはモルゴスにひどい目に遭わされているっいうのもあるだろうけどね。

あとドワーフの誕生の秘密がなかなかに愉快だった!まさかそんな!でもエルフたちが出来損ないみたいな言い方で呼ぶのはなんかひどいと思ったよ。エントの名前は出てこなかったけど恐らくエントたちであろう描写は出てきたのでよかった。エントたちの歴史ももっと知りたかったな。あとトム・ボンバディルについても知りたかったのだけど、そこは謎に包まれているのか?でも考えられるとしたらマイアールだよね〜。

 

エルフと人間

アラゴルンを入れて、エルフと人間たちの結婚は3組ある。ルーシエンベレン、イドリルとトゥオル、アルウェンとアラゴルン。みんな女性側がエルフで男性側が人間。でもアラゴルンの祖先はエルロスなので、系図的にはアラゴルンもエルフの末裔ではある。ただエルロスが人間になっちゃったからエルフではないんだけど。だからアルウェンからみるとアラゴルンは自分の伯父の末裔ってことになる。複雑。アラゴルンが長命な理由も分かってすっきりした。

指輪物語の時にエルロンドがアルウェンとの別れをすごく悲しんでいて、はっきり言ってよく分かっていなかったんだけど、この本を読んでその意味を理解できて、あの別れは本当に永遠の別れだったのだなと気づいた。エルフと人間は全く別物で、エルフは死んでもいく場所があるし、中つ国から離れてヴァイヤールたちの元へも行くことができる。でも人間と生きることにしてしまうと運命はそちらになってしまう。そしてエルロンドたちは第三紀が終わったら去らなければいけないことが分かっていたんだよね。悲しいなあ。自分の運命を変えてまで添い遂げたい相手がいるってすごい。エルフって恋愛すると命をかけるタイプなのかな。何百年と恋愛してこなくっても運命の相手と出会うと一筋って感じ?

ガラドリエルが最初っからずっと見守っていたのに驚いた。だからあんな感じだったのねー!ガラドリエルがどうして中つ国に来たのか気になるなあ。ちなみにガラドリエルはアルウェンのおばあちゃん!びっくり!みんな年齢を重ねないから分からないしイメージつかないよね。エルロンドからみると義母っていうのも面白い。ちなみにエルロンドには人間の血が入っているのも興味深い。半エルフってハーフと似たような意味だと思っていたけど違いました。

 

サウロンについて

サウロンはなかなか悪いやつでアラゴルンからみると元々の祖国を壊したやつってことになる。でもまあ王様ももうちょっと考えなよー!と思ってしまわなくもない。でもサウロンはエルフでさえも騙せたんだから人間なんて簡単だったろうね。にしてもエルフたちにちやほやされているサウロンって不思議。よく悪役も子ども時代や悪役になる前があって、その時に倒せばよかったのに〜と思うけど、サウロンもまさしくそう!でも実際にそうとわかるまでは手出しできないし分からないよね〜。指輪物語ではサウロンってなんだか怖いやつってイメージだったけど、そのサウロンが動き回って人間やエルフの周りにいて、時にヘコヘコしてたと思うとなんかおかしくも感じる。

 

ガンダルフたち

ガンダルフって不思議だなと思っていたのですが、まさかその正体がマイヤールだなんて!マイヤールってヴァラールと違ってたくさんいて便利だよね。サウロンもマイヤールだったわけだけど、イスタリがたくさんいてもサウロンに勝てないって不公平だよね。なぜ指輪物語の最後でガンダルフも西に行かなければならない理由が分かってよかった。

 

終わりに

あとトゥーリンとニエノールの話は悲しすぎた。でもトゥーリンは全体的にひどい逸話が多いのであんまり好きになれない。もうちょっと周りの意見も取り入れよう。ああいう近親相姦的な内容って昔話とかにもよくあるよね。

残念ながらホビットたちのことは全然書いてなかって悲しかった。その辺りはどこにも載ってないのかなー。

歴史の教科書ほど硬くはない歴史の資料集を読んでいる感じでした。終わらざりしも読むのが楽しみ。