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【田中芳樹】天涯無限

田中芳樹天涯無限

アルスラーン戦記16巻目!最終巻なんだけども、どうやって収拾つけていくんだ?と思っていたら、全体的に強引に終わりました。でもまあ完結してよかったとしよう!

 

あらすじ

アルスラーンたちは決戦に備え、女性や子どもたちをシンドゥラに向かわせる。魔軍と蛇王・ザッハーク、ミスル、チュルク、マルヤム、そして反アルスラーン勢力が一挙に勢揃いするがー?!

 

完全ネタバレになります!!!

 

読んでみて

ナルサス亡き今どうするのか?と思っていたけれど、なんというかもう諦めの境地に至ってしまっていて、シンドゥラに助けを求めてにいくことに。その道中でジャスワントは死んでしまうが、死に方もあっけない。仲間が鍵を開けなきゃよかったのにー!と思うし、敵将を無駄に捕虜にしているせいで色々起こるんだからもういい加減学べばいいのに。

ヒルメスも失敗しては生き延びていて、問題になるのは目に見えているのに誰も倒さないのは何故なのか…。にしても人が死ぬ死ぬ。最初は好調だったと思いきや、やっぱり数に推されてしまうのと蛇王を倒すのは難しいため人は死ぬ。ここまで既にたくさん死んできたけれど、キシュワードが死んだあたりから「これはみんな死ぬやつだ」と気づきました。それでも要所要所に「後年アルスラーンは〜」とかあるから、エラムアルスラーンは生き残ると思っていたんだけどね。「少年は王になるー」ってめちゃかっこいいのに結局アルスラーンてそんなちゃんと王になったのか?と疑問。あそこまで頑張って生き延びて王になったんだから生き残って「後年アルスラーンは〜」とかにして欲しかった!

多分作者が物語を続ける気なかったんだろうな〜。蛇王にしても「急にSF!」って感じで、その設定は良いんだけど、なんか雑。全体的に雑。荻原先生の「西の善き魔女」と設定的に共通しているのに、アルスラーンの方はやっつけが具合がひどい。結局尊師のこともよく分からないし。全体的にあっけなくて、フィトナも秒で死ぬし、そんな簡単ならキーヴがもっと活躍すればよかったのでは?と思ったり。みんな生き残る気がないみたいな感じだよね。

アルスラーンが亡くなったのも結構あっけなくって、19歳って悲しすぎる。でもみんなでシンドゥラに行かなくてもアルスラーンの意思を告げばよかったのにと思うんだけど。だって王は血縁に左右されないんでしょ?エラムでもキーヴでもファランギースでも王が立つまでの代わりになればよかったのにって思うんだけど。それじゃダメなの〜?

エラムが年をとって、でも最後にみんなとまた会えたのは感動したけど、これのためにみんな殺したんだな〜と思うとやるせない。死後の世界を書いちゃうと、今まで頑張ったのはなんだったのか?とも思えてしまうのが悲しい。まあでも読めてよかったです!他のレビューとかみているとみんな辛口で苦笑いしてしまった。思うことは一緒ですね。魔軍とか出さずにアルスラーンの王としての成長を普通に見守りたかったな〜と思ってしまう。アルスラーンは読み終えたので、銀河英雄伝説も面白そうなら読もうかな〜。