よく見かけていて絶賛されていたので読んでみたよ!!
あらすじ
高校生のピップは自由研究で数年前に起こった17歳の少女の失踪事件について調べることにする。犯人とされた少年は既に自殺していたが、彼は無実だと感じるピップは自由研究を口実に関係者にインタビューをしていくがーー?!
読んでみて
570Pほどある作品だけれど、すぐ読めてしまった。全然長く感じない。
続きが気になってどんどん読めてしまう。文中にはピップの自由研究の資料が時折挟まれており、読者もピップと一緒に自由研究をしながら犯人を探している気分になれる。
こんな感じに自由研究の発表資料やインビューや手帳なんかの情報が載っているのって、なんだか子どもの頃に読んだ「フィリックスの手紙」みたいで好き。
ピップの行動力がとにかくすごい。
まず自由研究として殺人を扱うのがすごい。建前としてはメディアの調査報道やメディアが果たした役割についての研究としている。でも当たり前だけど教師は反対。それでもちゃんと自分の意思を通すピップ。
それに高校の最後の学年なので大学入試もある。しかもケンブリッジ!
大学入試の描写もあるのだけど、日本の試験とはまた違った感じみたいだった。
ピップがなぜそんなにも真実を突き止めたいのか?
それは途中で明かされるけれど思ったよりもあっさりしたもの。でもそれが逆に現実っぽくなっていた。
加害者の家に行ったり被害者の家に空き巣に入ったり麻薬ディーラーと駆け引きしたり…。
なかなか危ないことをするピップ。
途中でやめてーーー!って何度思ったことか。
そしてピップが脅される場面。
脅しに屈してしまうなんて!って思ってしまうけれど、実際に同じような場面になったらそうしてしまうよね…。
ただ、脅されて言うことを聞いたとしてもそこで終わるかは分からないのだから、周囲に相談することが本当は一番いいのだよね。誘拐でもそうだけど。
脅されていることを周囲に知ってもらうことが自分の身を守る一番いいやり方だと思う。
でも子どもだと難しいよねー...。
犯人が分かるようで分からなくなっていたので最後まで楽しめた。
友人との葛藤なんかもあって深みが出ていたように思う。
にしても高校生がこんなことするなんて!!
ピップすごい!!!
読んでいて楽しかったし読後感もいい作品でした。
ちょうど続編が出たらしいのでそれも読みたいな。