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【L・Mオルコット】続若草物語 続

若草物語の続編。

まさか続編があると思わなかったのでびっくり!

全部で4作品あるそうなので少しずつ読んでいきたい。

 

あらすじ

メグは結婚し、新たな家庭を築いていく。エイミーは絵を学ぶためにフランスへ。ジョーはローリーからの求愛を避けるためにニューヨークへ行くことに。一方、ベスは落ち込んでいてー!?

 

読んでみて

子どもだった4姉妹もみんな大人になりつつある。

 

メグジョンと無事に結婚し、家庭を持つ。

でもメグは友達の前で見栄を張って高い買い物をしてしまい、ジョンと喧嘩してしまう。その後も子どもたちの世話にかかりきりになってしまって、ジョンとすれ違ったりする。

 

そんなメグに一番の相談相手である母マーチ夫人がいつも的確なアドバイスをくれる

子ども部屋にジョンも入れるように、ジョンの好きなことにはなんでも興味を持つように勧める。

これは確かに的確なアドバイスだと思う。

 

ただ!

ジョンはメグが子どもたちにかかりっきりだからって友人夫妻の家に入り浸っているのは最低だと思う!

自分の子どもなんだからお膳立てされる前にやれよ!と思ってしまう。

まあこれは時代の違いかな〜。

でも私の中ではジョンの株は大暴落ですね。


ジョーがローリーからの求愛にきっぱり断るところがかっこよかった

流れ的にはそのままくっついてもいいのでは?と思うけれど、ジョーにその気持ちがないのなら仕方ない。

ジョーはローリーを愛してはいない、愛することはできないときめた決心を守りとおせたその力がどこから出てきたのか、その何か月かの間、自分でもわからなかった。それを守りとおすのは容易なことではなかった。しかし、いつまでも引き延ばすのは無益でもあれば残酷でもあると知って、それを固く守ったのである。

「私は心から『イエス』と言うことはできないわ。だからいっそ全然言わないことにするわ。あなただって今に私が正しかったということがわかるのよ、そして私に感謝するようになるわ」彼女はまじめに言いだした。


そしてニューヨークに行き、自立する!

でも叔母さんが最初はジョーをフランスに連れて行こうとしていたのに、ジョーの無愛想のせいでフランス行きがエイミーに流れてしまったのは悲しかったな…。

損する性格なジョー。

大人から一番ウケがいいのがエイミーだよね。


ニューヨークでベア先生出会えたからまあよかったよね。

ベスのこともあるし。

ジョーは殺人とかそういう本を書いてお金を稼いでいたのだけれど、それを著者もベア先生も痛烈に批判していて、最終的にはジョーも書くのをやめてしまうのね。

その部分はちょっと分からなかったな。

やはり道徳的な内容が散りばめられている作品だからね。

そして当時はそういう小説が「よくないもの」とされていたのだろうな。

 


そしてエイミー!

映画から先に観てしまったのだけれど、小説の方が丁寧に描かれていた

特にエイミーとローリーの恋愛模様は小説の方が分かりやすい。

でもまあ別に好きだった人の姉妹と結婚しなくてもよくない??とは思ってしまう。

現代的な感覚でいうと微妙だよね。

片想いしていたならまだしも好きって言っていたわけだし。

まあでもお似合いのカップルでよかった。

二人とも家にいたままだったら恋人にはならなかった可能性が高いから、ジョーがポカやってエイミーにフランス滞在が回ってきて、さらにジョーがローリーを振ったからエイミーとローリーが出逢えだんだよね。

そう思うとジョーがキューピッドだね。

 


そしてそしてベス!

1作目ではなんとか立ち直ったと思ったのに、やはり完全にはよくなってなかったということ?

展開が急なので、病院行ったら違うのでは?と色々考えてしまった。

でも昔だからね…。


ベスは偶然ジョーが自分のことを書いた文章を読んでしまう。

そして自分の生涯が無駄ではなかったことを知る。

「世界中の誰よりも助けてくれたのよ、ベス。私ね、今までとてもあなたを行かせることはできないと思っていたのよ。でも今は、あなたを失くしてしまうのではないっていうことがわかりかけてきたの。そしてあなたは私にとって今まで以上のものになるっていうことや、死は私たちを離すようにみえても、そんなことはできないのだっていうこともよ」


そうやって思えるようになるのだろうか。思えるのだろうか…。

でもジョーはベスが亡くなった後も悲しみ嘆く。

例えそう思えたとしても、悲しみがすっかりなくなってしまうわけではないから。

 


1作目は父が不在だったから母が中心になるのは当然だったけれど、2作目もどちらかといえば父よりも母が中心になることが多い。

子どもたちが相談するのも基本的に母。

父のことも頼りにしているけれど、身近なのは母。

なんだか父不在な感じがしてしまう。

そういうものなのかな?

父は家族を後ろからどっしりと包み込んでいる感じはするけれど、普段の生活の中では存在感が薄い。

 


あと、女中のハンナの存在もうーんと思ってしまう。

姉妹が子どもを産んで、一族が栄えていく形になって終わるのだけれど、そういう意味ではハンナはどうなの?って思ってしまう。

みんなが再会を喜んでいる時もご飯を作ったりしているわけで。

マーチ家は貧乏な家庭っていう設定だけれど、女中は持てる家なわけで。

そう思うと当時の女中たちはすごく賃金を買い叩かれていたのだなあと思う。

若草物語ではハンナは幸せそうだけれど、ハンナも自分の家庭を持って、自分の子どもたちを持ってってしたかったのでは?と思ってしまったり。


今作でハッピーエンドという感じになったので、次作がどういう展開になるのか楽しみ。

みんなどんどん成長していくね!


2作目を中心として作られた映画「ストーリー・オブ・マイライフ」もあるよ!