この映画は、原作の2作目を基盤にしつつ、1作目を回想という形で振り返っている。
そのため、原作の2作目を読んでから映画に入る方がいい。
そのことを知らなくて1作目を読んでからこの映画を観たら、2作目のネタバレオンパレードで悲しかった...。
原作との大きな違い
・ベアさん(フリードリヒ)が映画では若者になっていて、ちょっと嫌なやつみたいになっていた
・ジョーがテディ(ローリー)を振ったことを後悔する場面が入っている
・エイミーとテディ(ローリー)の接近の仕方が原作よりも急な感じになっている
・テディ(ローリー)の堕落の仕方が映画の方がひどめ
・ベスが病気になってジョーが療養地に行ったり色々する部分が短縮されている
・ラストの部分がジョーの自身の出来事なのか小説の出来事なのか曖昧に
あたりが気になったかな〜。
やはり原作の方が丁寧に描かれているから登場人物たちの心境の変化を一緒に感じることができる。
各々の登場人物は小説ではとても内省しているので、読んでいるこちらも勉強になる。
そこまでうまくいかないとは思いつつも、そういう考えで乗り切ることもできるのだなと感じられる。特にジョーが愛しいベスを亡くす場面では、亡くなる前から亡くなった後にかけてジョーなりに考えて乗り越えようとしている。
悲しい出来事だけれど、人の死は避けられないものだから、同じような体験をした人によって助けになるかもしれない。
やっぱりベアさんがただの嫌なやつみたいになっているのが悲しい。
小説を批判する場面も、本当は直接批判するのではなく尊敬しているベアさんの想いを汲み取ってジョーが自分で後悔する話なので…。
この映画ではジョーはベアさんのことそんな尊敬している感じではないから、関係性自体が違うよね。テディとの関係と似ている感じになってしまっていると思う。
原作のベアさんは子どもがとっても好きで、子どもたちから懐かれる。とても親切で周りも助けてあげたくなるような人だけれど、映画では魅力があまり分からない!残念。