【本】ワトスン君、これは事件だ!
シャーロック・ホームズのパロディものの小説だと思って読み始めたら、なんと小説風の科学の本でびっくり!私は文学系なので理系、特に物理とかは苦手中の苦手なので読むのもけっこう大変だった笑。軽く読もうと思えば読めると思うけど、理解しながら読もうと思うとけっこうムズイという。でも知ってる人からしたら大分初歩らしいけどね。
あらすじ
いつも通りワトスンはシャーロック・ホームズとともに数々の殺人事件に挑む。馴染みのマイクロフトやハドスン夫人も登場する!王室の列車で起きた殺人事件、冷たい海底で熱射病にかかった死んだ謎…科学の知識を借りながら難題を解決していく!
読んでみて
コナン・ドイルの息子に許可を得て作成したらしく、私は気づかなかったのだけど、科学者として出てくる博士たちもコナン・ドイルの作品のキャラクターらしい!シャーロック・ホームズやコナン・ドイルは好きだけど、シャーロキアンって言うほどではないので中々分からなかったよ…。
作品としては短編になっていて全部で12作品ある。それぞれ科学の問題についての題材を扱っている。例えば最初は「フーコーの振り子」だったり、原子と分子についてだったり、「相対性理論」についてだったり…。
一番よく分からなかったのは計算問題が書かれている箇所。高校で習ったことは全て記憶の彼方に押しやられているのでさっぱりだったよね。
一番おもしろかったのは「相対性理論」について!以前観たアニメの「シュタインズ・ゲート」と思い出したりした。違う時間軸に行って過去を変えるの。でも相対性理論理論では過去には行けない。行くのは未来だけ。早く動けばその分時間は遅くなって結果的に止まっていた側よりも時間が経っていないことになる。
最後には「複数の世界」についても示唆しているのだけど、どんなふうにどう考えているのかさっぱりなんだよね。私はひっくり返っても科学者にはなれないな…と思い知ったよ。
「シュレティンガーの猫」もなんか分かるような分からないような、分からないような…ね。言っている言葉としては理解できるんだけど、生きている状態と死んでいる状態が半々ってなんなの?!っていう。「瀕死ってこと?!」ってなるけどそういうことじゃないじゃん。科学の考え方は普段している考え方とは違いすぎるからなんかしっくりこなくて結局よく分からなくなる。
↓いくつか心に残った言葉はこちら↓
「とうてい起こりえない事柄を除外したら、あとに残っている事柄は、たとえどんな異様に見えても、事実とみなす。」
「事実を確認しないうちから理論を構成するのは、大間違いだよ、ワトスン!」
「理論家は正直でなければならない。頭脳明晰な人間が、専門知識を持たない人にきちんと説明できなかったら、それは、ほんとうは自分もわかっていないという証拠なんじゃないかな。恐れることはないよ、ワトスン。ずば抜けた知能の持ち主が、思考という名の広野をどこまでもさまよっていこうとも、堅実な常識を持った人間、現実にしっかり根をおろして生活している人間は、いつの世も必要とされる。そういう人は、詭弁という妖婦の歌声などには絶対に惑わされない。だからこうした研究でも、きみやぼくのような人間が役に立つことがあるのさ」
シャーロックの言葉は科学が苦手な人間にも嬉しく感じられる。
今の世界の常識を本当の意味では理解してないなあということに改めて気付かされた。例えば昔は地球は丸くなくて平面で世界の果てがあることになっていた。私は気づいた時にはそれが間違っていて地球が丸いことを知っていて、昔の人が平面だと思ってたなんておかしいと思っていたけれど、実際に地球が丸い理由についてちゃんと考えたことはなかった。なんというか、実際に船旅をして一周したこともないし、本当にそれがあっているのか実際に実感したことはない。もちろん実際に実感しなくても思考実験でもいいし、地球が丸いと仮定して飛行機は飛んでいるわけだからそういう事実からも地球が丸いことは分かる。
でもそういうことを全くせずに、「そういうもの」としてしか理解してなかったのだなあ、ってしみじみ感じた。元々科学は好きじゃなかったので、そういうふうに考えたりせずに普通に覚えたりしていただけで、だから学生が終わってから大分経つと頭からすっかり抜け落ちていた。たぶん私は地球で1人生き残ったら何にも作れないと思う笑。ここまで科学が発展しているから専門も細分化されているから全てを理解している人なんて稀だと思うけど。ダ・ヴィンチは天才だったんだなあと思ったり。
この作品には数学バージョンもあるので読んでみたいな。/>科学よりは数学の方が好きなんだよね。理解するのは難しいとは思うけど笑。