文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

すてきで偉大な女性たちが歴史をつくった

子ども向けの絵本になります〜。

ハリエット・タブマンが載っているの読んでみたよ!

知らなかった女性たちがたくさんいて、詳しく知りたくなってしまった!

他のシリーズも読みたい。

 

ハリエット・タブマン

ハリエットの人生が簡単に描かれている。

怖い感じはあまりなく子どもが見ても大丈夫なような感じになっている。

でも詳しくは書かれてないので色々知ってる側からすると物足りないよね。

 

ブーディッカ

ケルト人イケニ族の女王。

紀元43年にブリタニアンに侵攻してきたローマ軍に対して反乱を起こした女性。

 

大分昔じゃない?

そもそもが夫が亡くなって女王になったのをきっかけにローマ軍がやってきたらしくて言い掛かりがひどい。

でも結局負けてしまったよう…。

 

フローラ・ドラモンド

1878年にイギリスで生まれ、郵便局長になりたかったがなんと身長が157cmという制限があったためWSPU(女性社会政治連合)の一員になって戦った女性。

サフラジェットについて読みたいと思いつつ読めていない。

首相官邸に侵入したりテムズ川からテラスに座っている大臣に向かって主張したりと行動力がすごい。

 

秋瑾

纏足について立ち向かった女性。日本にも留学したそう。

纏足は本当にひどいと思う。歩けなくするって女性に力を持ってもらいたくないってことそのままだよな。

最終的には捕まってしまったそう…。

 

ヌーア・イナヤット・カーン

第二次世界大戦中にフランス女性として初めて送り込まれた無線通信士。

父はインドの貴族、母はアメリカ人という家庭で生まれる。

無線通信士が逮捕されるまでの期間は平均すると6週間だったらしいのだが、彼女はなんと5ヶ月も耐え抜いた!

というか6週間で捕まるって怖くない?それで収容所に入れられるわけじゃん。命懸けすぎるよね…。

そして最後には彼女も収容所で命を落としてしまった…。

 

エリザベス・ブラックウェル

1859年に女性で初めて医者となった女性。24歳までは医者になろうとすら考えたことがなかったそう。まあそもそも医者になれなかったわけだしね。

そう思うとフロイトたちがいた時代も女性医師って少なかったということだろうか?クラインやアンナも医師ではないもんね。

ちなみに日本では荻野吟子さんが1885年に日本で最初の公認医師となっている。

 

ポカホンタス

1595年頃、アメリカ先住民のポウハタン族の酋長の娘として生まれる。入植者たちと交流したりジョン・スミスを助けたりするが、結局拉致されてしまう。そしてジョン・ロルフという入植者と結婚させられてしまう。


子どもの頃にポカホンタスを観たけれど、実話はだいぶひどいということを大人になってから知った。ああやって美化したのを加害した側が書くのはよくないだろうな、と現代になって思う。

 

ワレンチナ・テレシコワ

織物工場で働いていたが、女性を宇宙に送り込むという次なる目標のために抜擢される。なんとスカイダイビングの経験が認められたということでおもしろい。

実は地上におりていくのではなく離れていくようにプログラムされていたようで、それでどうやって戻ってこれたの?!!と気になる。

私はいつか宇宙に行けるのだろうか?

 

エイダ・ラヴレス

1815年にイギリスで生まれ、12歳の頃には蒸気で飛ぶ機械じかけの馬を設計した!アルゴリズムも考え出し、コンピューターの未来を予測していた女性。


こういう女性がもっと活躍の場を与えられていたら、もっと早く色々と発明されていたのだろうな。

 

サイーダ・アルフッラ

1400年代にスペインのグラナダ王国に生まれるが、イスラム教徒は追い出されてしまったためモロッコに行くことに。そこで王様と結婚し、夫が亡くなった後は海賊と手を組んで地中海を支配した女性。


悲しいことにサイーダ・アルフッラというのは「女王」という意味で本当の名前は分からないらしい。こういうことってよくあるよね…。悲しい。

 

ハトシェプスト

3500年前のエイジプとでファラオと結婚するが、ファラオが亡くなった後は息子が成人するまで摂政となった。

古代エジプトで最も偉大なファラオの一人とのこと。彼女のもっと先にクレオパトラがいる。

 

見た目を男性っぽくしてファラオっぽく見せていたよう。

悲しいことに息子(血の繋がりはない)の代にハトシェプストがファラオとなった証拠を消されてしまったよう。女もファラオになれるというのは不都合だったから。悲しいね。どこの国でも女性は権力者にはなるのは難しかったのだね。

 

ジョセフィン・ベイカ

1906年アメリカで生まれ、ダンサーとなるが黒人であったため差別を受けフランスへ。そこで彼女はスターに!


前にサラ・バートマンのことを調べた際に知った女性。2021年にフランスの国家的偉人の殿堂パンテノンに黒人女性として初めてまつられた。彼女は世界各国から12人の養子を迎え中には日本人の方もいらっしゃったよう。

そして第二次世界大戦中にはスパイとしても活躍している。

 

メアリー・ウルストンクラフトとメアリー・シェリ

二人は親子。

母であるメアリー・ウルストンクラフトは「女性の権利の擁護」という本を書き上げる。ただ、彼女は娘を産んですぐに亡くなってしまったためメアリー・シェリーは母を知らずに育つ。

彼女はあっと驚く初めての小説を書き上げる。それが「フランケンシュタイン」だった。

 

フランケンシュタインを女性が書いたってこと知らなかった!

読んだことなかったし!読もうと思う!!

ゴシック小説も気になる。


他のシリーズもあるので読んでいきたい。

すてきで偉大な女性たちが世界を変えた

すてきで偉大な女性たちが世界をあっと言わせた

すてきで偉大な女性たちが地球を守った

【コナン・ドイル】回想のシャーロック・ホームズ②

シャーロック・ホームズの回想の感想②です〜!

↓①はこちら↓

 

<グロリア・スコット>号の悲劇

まだ大学生だったシャーロックは唯一(?)の友人であるヴィクター・トレヴァーの自宅に滞在することとなる。ある手紙を読んだトレヴァー氏は恐怖でショック死してしまうーー。

 

シャーロックが過去の事件をワトスンに回想する。

そこでトレヴァーの父から探偵を仕事にすることを勧められ、初めて職業として考えたよう。

『きみは将来、これで身をたてるといいぞ。世間というものをいくらか知っておる男の言うことだから、これは信用してもらってもいい』

 

今作はシャーロック・ホームズの冒険に収録されている「ボスコム谷の惨劇」と似ている。

トレヴァー氏が脅されているのは明白。

しかも実際にまあまあひどいことをしている。トレヴァー氏もべドーズ氏は金を盗んだのor文書偽造でをしており、トレヴァー氏はそんな大したことなという感じに言っているけれどそれは都合が良すぎない?と思う。

お金を返す予定とか言ってるけど、だからって盗みは盗みだし大体の人は盗まないでしょと思ってしまう。ジャン・ヴァルジャンみたいに生きるためのパンとかならまだしも。

しかもその後は何の罪もない人を殺したわけだし。でも脅している方も潔白なわけじゃないのにね。既に罪人ってことが分かる方がすぐ捕まりそうだもんね。

あんまり共感できない罪が多い。完全に利己的だから…。

 

でも手紙の回想部分は「緋色の研究」や「四つの署名」と同様にドラマがあっておもしろかった。反乱を主導したジャック・プレンダガストっていう人が自分勝手ではあるけど魅力的だった。生きてたら主役級になっていそうな感じがする。

 

マズグレーヴ家の儀式書

大学で同窓だったレジナルド・マズグレーヴから依頼が入る。執事とメイドが失踪してしまったというのだがー!?


こちらもシャーロックが過去の事件を回想する。

事件の書類が溜まっていく一方で、山積みとなるためワトスンは片づけることを提案する。シャーロックも同意するが、櫃の中からくしゃくしゃになった紙片、古風な真鍮のキー、円錐状に尖った木釘、三つの錆ついた古い円錐状の金属片が出てくる。

これはある事件を思い出すために手元に残しておいたものだと言う。


気になったワトスンは片付けそっちのけで話を聞くことにする。

まだ駆け出しだった頃に大学の同窓生から持ち込まれた事件。

彼の家では<マスグレーヴ家の儀式書>というよく分からないが代々受け継がれていたものがあった。


一見よく分からない内容だが、何かの場所を示していることが分かる。

木の位置を見て、木釘を使って計算して位置を特定する過程はおもしろかった。

入り組んだ事件のように思えるが、謎が解き明かされるとメイドの混乱した様子にも納得がいく。にしてもいくら自分に惚れていたからってこっぴどく振った相手に命を託せるって自惚れすぎてるよね…。

実はあんまり賢くない??

 

ライゲートの大地主

働きすぎたシャーロックは体調が悪くなっていた。ワトスンは友人であるヘイター大佐から誘われ、大佐の家に一緒に療養に行くこととするが、その近所で事件が起こりー!?


いつもそれなりに元気そうなシャーロックが今作はダウンしている。

でも事件が起きると嬉しいようでワトスンが止めても事件を解決しようとする。

ただの泥棒の仕業かと思いきや今度は殺人事件が起きてしまう。


シャーロックが色々と画策しているのおもしろかった。

警部が犯人に重要な証拠のことを教えようとしてしまうので、そこで発作を起こす演技をして難を免れたり、わざと間違えて犯人に書き直させて筆跡と照らし合わせたり、わざと水差しなどを倒してワトスンのせいにして注目を集めさせてその間に違うことをしようとしたり…。

重要人物がイコール犯人なので、犯人に気づかれないように頑張るシャーロック。それを周りは「可哀想に…まだ本調子じゃないんだ…」と哀れみの目で見る。ワトスンも笑。

警部が言った言葉が興味深い。

「じつはその方式のなかにこそ、狂気の芽が隠されている、そう見るものもあるかも」警部がつぶやいた。


最初の方で目撃者の証言が正確すぎることを指摘しているので、なんとなく犯人は分かる。

動機はちょっと微妙だけど。

あと父より息子の方が力関係が強いっていうのも、この時代では不思議なようにも感じた。


有名なホームズ語録のうちの一つ。

「探偵という技術においてなにより大事なのは、数多くの事実のなかで、どれが付随的なもので、どれが決定的なものであるかを見きわめることです。そうでないと、精力と注意力とが拡散するばかりで、ひとつに集中するということがない。」

 

背の曲がった男

バークリー大佐が亡くなった。一緒にいた妻は意識が戻らない。殺されたのか、それとも事故だったのか?部屋のカーテンには奇妙な生き物が駆けあがった痕跡が残されておりー?!


ワトスンを誘いに来たシャーロック。

殺された大佐と一緒に妻がいたなら妻に聞けばいいのに…と思うが。また意識がはっきりしなきみたいなので仕方ない部分もあるとはいえ昔のイギリスって身分の高い女性に弱いなあと思う。


ホームズのセリフとして有名な「初歩的なことだよ」も出てくる。

この作品が一番好きかもしれない。

悲劇の恋だし、妻も昔の恋人を今でも思っているっていうところがいい。

回想場面は緋色の研究や四つの署名を想起させる。


別にイギリスに帰ればよかったのに、と思ってしまうな。

そうすれば相手は失脚するだろうし、恋人とも再会できたのに。

にしても仕事に恋愛感情を持ち込むって最低だよね。


女性の立場から考えたら知らないまま結婚し続けるのが一番嫌だと思う。

「いまさらどうなるのよ!わたしの一生を返してちょうだい!」という夫人の気持ちが痛いほど分かる。せめて選ばせて欲しかった。

この後二人はどうなったのか?恋人には戻れなくても友人として関係を続けられているといいなと思う。

 

回想のシャーロック・ホームズは③に続きます!

【新川帆立】元彼の遺言状

流行りに乗って読んでみました〜!

流行りの本ってそんなに読まないのですがドラマ化されるということで読んでみることに!

 

あらすじ

剣持麗子はお金を稼ぐために弁護士としてバリバリ働いていた。結構前の元カレである森川栄治が亡くなり、栄治は自分が殺した人間に遺産を相続すると遺言状を残しーーー?!

 

読んでみて

先にドラマを観てしまったのがよくなかったのか、なんとなく展開が分かってしまったしドラマと違うところが目についてしまったのは残念だった。

ただ、ドラマとは全然内容が違ったので、中盤あたりからはすごく楽しめた!

要所要所はドラマも同じだったのでなのであんまり犯人当てはできなかったな〜。

完全に脳内では綾瀬はるかさんで再生されてました!綾瀬はるか可愛すぎる!!!

憧れ…!


主人公の性格は読んでいて清々しい。

うじうじ悩んだりしないし、言いたいことをズバッというので読んでいるこちらもスッキリしてノンストレス。

一方で、そんな麗子でも悩みがあって、その悩みが麗子ほど完璧じゃない人たちも感じる共通の悩みなので共感しやすい。なので身近にいたらあんまり嬉しくないけど小説の主人公としてはすごくいいキャラクターだと思う。

 

麗子とは違って私はお金を求めてないけど、なぜ働くのかという部分は共感できた。

たとえ一生遊んで暮らせるだけのお金があったとしても、私は仕事をしているだろう。自分なりに一生懸命考えたことを実行に移して上手くいった時は嬉しいし、何もしないのでは人生があまりにつまらない。だから私は働く。そのあたりのどこかに、自分が求めるものがあるようか気がしている。しかし、それ以上のことがよか分からない。

お金があっても仕事をするっていう部分が分かりみすぎる〜。私の職業は安月給すぎるので、麗子とは真逆だけれど共通する部分はある。

まあでも麗子の場合は十分なお金プラスやりがいなので、それは本当に最高だなと思う。それなりの給料をもらえて自分の好きなことができるのが最強だと思うよ...。心理士なんてそれなりの給料もらえないけど頑張らなきゃなので...やりたいことじゃないならやってられない部分はある。


麗子の行動力はすごいのでテンポよく物語が進んでいく。

久しぶりにこういう文庫を読んだからか読み始めた最初は字が大きくて驚いてしまった。旧版のアガサ・クリスティーに慣れていると大体の文庫は字が大きい。アガサ・クリスティーの本が小さすぎるんだろうけど。

自分がミス・マープルくらいになったら小さすぎて文字が読めなくなってそう。

 

そんなに長くもなくテンポよく進んでいくので飽きずに読むことができた。

弁護士という仕事を垣間見えたのも楽しかった。

文中にもあったけれど、異なる業種につて知るって楽しいよね〜。弁護士の仕事はこの通りではないと思うけれど、著者が弁護士さんということで信頼度は高い!

弁護士会から送られてくる冊子について書いてあって、心理士会でもあるある〜!ってなりました。頼んでないのに送られてくるっていうのは言い過ぎだと思うけど笑。だって会に入ってるからだよね?


あとドラマと違って篠田が全然活躍していなくて驚いた。

ドラマは今後篠田をパートナーにしていくっぽいけど小説ではそうじゃないし。確かにドラマみたいに事務所を継いだ方が続編は書きやすかっただろうな〜と思う。でも元の職場に戻った麗子は現実的で現実ならそりゃそうだよね、という感じ。


幼少期のエピソードや兄との関係も気恥ずかしくもあり嬉しくもあり。

子どもの頃のこと忘れるのってよく分かる〜!と思いながら読んでいた。

ただ、兄の方を褒めて!って言ったからと言ってその後ずっと褒めないのは変だと思うけど。まあ似たもの同士だから素直になれないのか?


ドラマよりも原作の方がオチがしっかりしていてよかった。

なぜあんな変な遺言状を残したのか、しっかりとした理由があって納得。まあそれでも大企業の御曹司なんだからもっと他の方法でうまくできなかったのか?と思わないわけでもないけどね。


登場人物の中では銀治が私は好きでした〜!

愛嬌があっていい!ムカつくけど憎めない!

でも放浪している暇があるなら愛する人をもっと探せー!って思ってしまうけど笑。


続編もあるらしいのでそのうち読もうかなと思います〜。

 

 

【コナン・ドイル】回想のシャーロック・ホームズ①

シャーロック・ホームズの冒険に引き続き短編集第二弾。

今回は11作品の短編集が入っている。

かの有名なモリアーティ教授との事件も収録!

 

大体1作品50ページくらいなのだけどちょうどいい文量でサクサク読める。

読んでてシャーロックがワトスンに来てくれるよう頼む場面が多いのだけど、それがすごく可愛く思えてしまった。

ワトスンが「ぼくの本業のほうはーー」と言ったところシャーロックが拗ねて棘のある口調で言いかけるが、「本業のほうは、一日や二日ならどうにでもなる、」とワトスンが続けると機嫌を直すシャーロック。

腕力が必要な場合はさておきそうじゃない時もワトスンの手を借りようとするシャーロック可愛い。子どもの頃に読んだ時はそういう部分は分からず、どちらかというとシャーロックに振り回されるワトスンってイメージだったけどシャーロックの方がワトスンのこと好きすぎでは?唯一の友達らしいし笑。

 

<シルヴァー・ブレーズ>号の失踪

イングランド随一の名馬が盗まれたー。そして調教師が遺体で見つかるがー?!


スポーツ界から酷評された作品らしい。

まあでもそれはしょうがなくない??今みたいにネットも発達してなかっただろうし。今でもその業界から見ると「???」っていう作品はあるし、そうしないと物語が発展しないっていう部分もあるし。

心理士が主役の本を読んだことはないのだけど、心理士がミステリーになっている作品のあらすじを見たことがあって「そんなことないよな」って感じだったので笑。

シャーロックの人気が他の業界で話題になるくらい大きかったということだろうな。

まあでも間違ったことが広まるのは嬉しくはないだろうからね。


馬と殺人事件の謎。

二つの謎を探すので二倍楽しめる。シャーロックたちが頑張って馬の跡を追う場面はよかった。ワトスンがちょっと離れたところに足跡を見つけて手間を省くのも良い。いいチームプレー。

「吠えなかった犬」という謎は最近観ていたドラマ「元彼の遺言状」でも出てきていて「これが元?!」と思ったのだけどどうなんだろう?白内障の手術用のナイフというヒントも興味深い。

犯人の方は分かってしまえば大したことない。それにそんなうまくいくと思った??と思わないわけではない。馬のこと知っているはずなのにって。


冒頭のシャーロックの言葉は実際に重い腰を上げて本作を書き始めたドイルと重なる部分があると解説で書いてあった。そう思うとおもしろい。

「ねえ、ワトスン、いよいよ出かけなきゃいけなくなったようだよ」

よっぽど書くの嫌だったのだろうな笑。

コナン・ドイルを知れば知るほどシャーロックファンとの乖離が大きいよなと思う。

こんなに人気が出てよくない???と思うけどもね。人生はままならないものだね。

 

ホームズ語録の一つ。

「ひとつの正しい推理は、つねに第二、第三の推理へとつながってゆくものなのです。」

 

黄色い顔

何か突然秘密を抱えた妻。問いただしても答えてくれず、幸せだった家庭は変わってしまう。夫はシャーロックに助けを求めるがー。


1893年二月号に収録された本作。

黄色いと言われると黄色人種のことを真っ先に思いつくけど違った。まあアジア人なんてそんな話題にならないよね。

でもこの作品全体で何度か「日本」っていう単語は見かけた。日本箪笥とか。

アメリカでは1862年奴隷解放宣言が出され、イギリスでは1833年に廃止されている。だからフレデリック・ダグラスはイギリスに逃げていたはず。

なのでアメリカよりは多少はよかったのか?とは思うけれど。でも彼らはアメリカで結婚したらしいので南部だったらまず無理だろうし、北部でもかなり難しそう。なのでむしろ絶縁だけで済んでよかった!と思ってしまう。

 

仕方なかったとはいえ、娘とそんなに離れるって本当に愛している??と思ってしまうけれど、昔の上流階級の女性はそもそも子育てしなかったもんね。

でも仮面をつけられるって悲しすぎる…。

 

妻の弁明の仕方から男関係ではなさそうに思ったけれどシャーロックは違った。

シャーロックの推理を聞いて「あっ、そういう感じなのか。」と思っていたら…!
シャーロックの推理が外れてしまう。

「いいかい、ワトスン、今後ぼくがあまりに自信過剰に陥ってたり、あるいは、事件にたいして当然かける手間を惜しんだりしている、そう感じられた場合には、遠慮なくこうささやいてくれたまえーー〝ノーベリー〟とね。そうしてもらえば、ぼくはおおいに恩に着るよ」

 

株式仲売店

失業してしまったポール・パイクロフトはなんとか職にありつく。ところがその後、見知らぬ男から破格の給料を提示される。承諾するが、行く予定だった職場には連絡しない方がいいと言われるがーー!?


結婚し、医者として開業する権利を買い取って医院を継いだワトスン。その三ヶ月後にシャーロックがやってくる。

一目見てワトスンの今の状況を理解したシャーロック。ここのやりとりがおもしろい。こういうちょっとした部分で私もワトスンと同じく「すごい!!」と感じる。


解説にも書いてあるが「赤毛連盟」と似ている。

そんなうまい話には乗らないで〜〜〜と思ってしまうがみんな乗っちゃうね。乗らなかったらシャーロックのところには来てないだろうけど(苦笑)。


そして今回もホイホイついていった先で任される仕事は大したことがない仕事。

そこで気づいて〜というかオフィスが全然ちゃんとしてないところで気づいて〜と思っちゃうね。

こういうところですぐに自分が間違っていると認められて路線変更できる人はすごいと思う。一回信じちゃうと騙されたと思いたくないし、ポールの場合は元の職も無断で辞めたわけだから犠牲が多すぎるもんね。

彼がこのあとちゃんと就職できたか気になってしまう。


赤毛連盟とは微妙に違ってもう少し捻りが効いていておもしろい。

確かに一度も出社したことないと顔が分からないのか!と言われると納得。現代だと写真があるからバレるだろうな〜と思う。

まあでも他の国だと最近は性別が分かるからよくないってなっているらしいけど。写真をつけないでよくなったら現代ミステリーでもまた使えるようになるかも?!


②に続きます〜!

【ヴィクトリア・エイヴヤード】レッド・クイーン

ファンタジーを読みたい!!!

ということで読み始めた今作。

oljikotoushi.hatenablog.com

NYタイムズ、ベストセラーリスト初登場1位!全界25ヵ国刊行の話題作!と帯に書いてあった。

にしては日本では話題になってないような??

ファンタジーってあんまり人気にならないからかなあ?

 

あらすじ

貧しい村で家族と暮らす少女メア。奴隷階級のレッドであるメアにとって定まった職を持たないことは兵士として戦争に送られる運命が待っていた。幼馴染の少年のカイローンを戦争に行かせないように画策する。その途中で青年に出会う。実はその青年はーーー?!

 

読んでみて

結構分厚くて570ページくらいあるのだけれど2日くらいですぐに読めてしまう。

とにかく続きが気になっておもしろい。

 

重要なことが定期的に起って物語が二転三転する。

前提として赤い血を持つレッドと呼ばれる人間と青い血を持つシルバーという人間がいる。

レッドは奴隷階級、シルバーは支配階級だ。

つまり現代に当てはめるとみんな奴隷階級になってしまうってこと。

じゃあなぜそんな明確に階層が違うのか?


それはシルバーには能力があるから。炎だったり腕力だったり電気だったり…ありとあらゆる能力が。

それが突然出てきたため彼らに支配されることになってしまった。


本来は持つはずのない力を覚醒させたメア

おもしろいのはそれが大勢のシルバーたちの目の前で起こってしまったため、殺されたり隠されることなくレッドからシルバーとして階級を上がることになった。

そして王宮で暮らすことになるメア。

逃げ出したいけれど家族を人質に取られているし、そもそも太刀打ちなんてできない。

ところが王宮は王宮で色々な思惑が交錯している。


駆け引きっぽいのもあるのだけど、一貫してあるのは王子であるカルとメイヴンとの関係

いやいやそんなことしてる場合?!!と思ってしまうけどね…。

まあでも辛い状況で優しくしてくれる人がいたら嬉しいよね、それは。


そしてメアはシルバーたちと戦うことに決めて暗躍しようとする。

おいおい大丈夫か?と思っていたら案の定。

でも最後の戦いがとてもよかった。

いつも絶体絶命のピンチになるのだけどなんとか切り抜けられる。そのピンチと切り抜け方の匙加減がうまいので夢中で読んでしまう。

こういう本を読んでいると基本は主人公たちを応援してるのだけど、敵側は劣勢になると敵側を応援したくなるんだよね。

明らかにどっちかが優位な状態が続くのはつまらなく感じてしまって。でも今作はどっちかに偏らずにこっちにいったりあっちにいったりするので飽きずにおもしろさが続く。どうせこうなるだろう〜と予測しにくいのがいい。


定番と言えば定番のストーリーなのだけど、主人公のメアの葛藤が丁寧に書かれているから一緒に体験しているように感じられる。

でもちょっと脇が甘いを思うけどね(苦笑)。


表紙の絵は人を選びそうだけれど私は好き。美しくてかっこいい。

 

4巻まであるので少しずつ読んでいく予定。

【吉川トリコ】おんなのじかん

吉川さんの作品を読んだのは初めてでした〜!

エッセイなのでサクサク読める。すごく共感できる部分もあり新しい発見もあって素敵なエッセイでした。

 

にかく不妊治療のリアルにびっくり。

著者は「沼」と表現しているのだけれどまさにその通り。一度入ってしまうと次に成功するかも!と思ってやめれなくなる。年齢に制限があるからこそ一旦やめるということは妊娠を諦めるということになってしまう。

だから簡単には諦めれない。

それにお金の問題もある。つぎ込めばつぎ込むほどやめれなくなってしまうのはどんな分野でも一緒。

辛い。

そもそも吉川さんはそこまで強く思って不妊治療を始めたわけではなかった。でも「沼」にハマってしまった。

もっと強い気持ちを持って始めた人はより諦めきれないだろう。

 

自分にとっても人ごとじゃない話なのですごく勉強になった。卵子凍結とかも調べたりした。

でも高いのね〜〜〜。将来のことを考えればそこまで高いわけじゃないのだけど、どうしても子どもが欲しい!という熱意がない人間からすると高い。

でもいつか子どもが欲しくなるかも…という可能性は0ではないのでそう思うと高くないのだろうけども。

でもね〜〜〜。

まああんまり当事者意識が低いのだと思う。

不妊治療をしている方たちも自分が不妊治療をすると思っていた人はほぼいないと思う。避妊は大事!って言われていたのだから、避妊をやめれば自然と子どもができるはずって思ってしまうよね。すんなりできる人ももちろんいるだろうけど。

 

そして「流産あるあるすごく言いたい」という題のエッセイも書かれている。連載中も大変注目されたようで、そうだろうなと思う。

体験を丁寧に言語化されていてすごいと思った。客観視して感情を言葉にできるって本当にすごい。そしてそれを人に伝えるのってとても勇気がいると思う。

私そういうの苦手なので…。辛いことがあっても考えたくないと思ってしまうのだよね〜。職業心理士なのに(苦笑)。

NYガールズ・ダイアリーについても書かれてあって、ちょうど観ていたのでびっくりした!

またこのドラマの感想も詳しく書きたいと思う〜!


との関係も共感できた。

ちょっと距離を取ってほどよい距離感になるといいよね。そして兄弟でも対応が違うのが面白い。個性が出るなと思う。


らなかった祖母の名前。祖母の話はとても素晴らしかった。壮大な物語を読んでいるようだった。

彼女がどういう人生を歩んだのかとても気になる。そしてそういう人はたくさんいたのだろうな。

戦時中から戦後は本当に色々なことが起こったのだと思う。辛いことが多いから話せない人が多いのだよね。


ロナ禍のことも描いてあって、「そうそうこんな感じだった〜!」とちょっと懐かしくなった。ちょっと前のことなのに今はもう新型コロナウイルスがある生活が当たり前になりすぎていて。最初は非日常だったのに、それがいつの間にか日常になっていたんだな。

【ミヒャエル・エンデ】はてしない物語

ちなみに文庫ではなくてあかがね色の方を買うとバスチアンと一緒に本の世界に旅立っている気分を味わえるよ!

あらすじ

少年バスチアンは学校の屋根裏の物置で盗んだ本を読んでいた。それはあかがね色の本で「はてしない物語」と書かれてあった。その本の中ではファンタジーエンの国が危機に瀕していてー?!

 

読んでみて

ずっと読んでみたいと思っていた作品。

モモが好きだったのになぜかこっちは読まなかったのだよね〜。

映画は観たよ!曲が好き!!

The NeverEnding Story

The NeverEnding Story

  • リマール
  • ポップ
  • ¥255

子どもの時に読んでおくべきだったな〜と思う。おもしろかったけれどずっと読もうと思いながら読んでいたからか期待値が高すぎた。あと「バスチアン!!何やってるの!」と思ってしまう場面が多くて心配してしまった。

やっぱり児童書は子どもの頃に読むのが一番だと思う。

大人でも楽しめるのだけど、子どもの時に読んでおけばもっと楽しめただろうな…と思ってちょっと悲しくなってしまった。


最初はアトレーユと幸いの竜が中心の物語。

完全にファンタジーで不思議なことがたくさん起こる。不思議な門だったり色々な街だったり…。

バスチアン側の話とアトレーユの話が交互に入っているのだけど、不思議なことにちょっとずつそれが混じり始める。

自信がなくてみんなからも馬鹿にされる少年だったバスチアンが勇気を持って本の中に入っていくところはよかった。

ライオンのグラオーグラマーンとのやりとりも好き。


ところがバスチアンはどんどん高慢な嫌な子になっていく。見た目はよくなったのに性格は悪くなる。サイーデはバスチンは利用しようとするけれどそれに気づかずにアトレーユたちを遠ざけてしまう。

そしてどんどん願いを叶えてあげる。ところがそうすると記憶もどんどんなくなっていく。

でもバスチアンは気づかない。

以前の自分を否定するバスチアンは見ていて悲しかった。

アイゥオーラおばさまと出会い自分を取り戻し、絵の採掘坑のヨルと出会い、アトレーユと再度友達になる。

どんどん嫌な子になっていったバスチアンが元の素敵な少年に戻っていく姿は嬉しかった。

 

けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう。

という言葉がよく出てくる。

特に岩喰い男のピョルンラハツァルク、鬼火のブルッブ、豆小人のユックユック、夜魔のウシュウーズルたちは親しくなって、その後も離れられない仲になったようでその話が気になる!


エンデの作品を読み返そう読み返そうと思いながら全然読み返していない。

今作は初めて読んだけれど、モモやジム・ボタンは読んだことがある。

モモは子どもの頃に読んで本当に好き好きでずっとモモモモ言っていた記憶笑。