あらすじ
ミス・マープルの友人であるマクギリガディ夫人はパディントン発4時50分の列車に乗っていた。窓の外を見るとちょうど違う列車と並列していた。そしてなんとそこでは男が女を絞め殺しているところでーー?!慌てて車掌に言うが信じてくれない。マープルにも相談するが、死体が出てこずーーー?!
読んでみて
この作品が好きで何回も読んでいる。
確かに列車ってたまに並列する時があるじゃないですか。そして意外に何やっているかわりとはっきり見えたりする。そこで殺人が起こっていたらびっくりだよね。
イギリスの列車は等級があってコンパートメントになっているから殺人も起こるのだろうけども。
マクギリガディ夫人はちゃんと車掌にも伝えたし警察にも伝える。
ところが肝心の死体が出てこない。なのでみんなに信じてもらえない。
マープル以外には。
マープルはマクギリガディ夫人がどんなタイプな人なのか知っている。むしろ空想的なことを信じさせるのは難しいタイプの人だから、そんな人が嘘を言っているわけはないということが分かる。
でももちろんそんなことは警察は分からない。
殺人は起こったはずなのに死体がないためまずは死体探しをすることになる。
なかなかおもしろい展開。
でも動き回ることはマープルはできないので、そこで登場したのがスーパー家政婦ルーシー・アイレスバロウ。
ルーシーも最初は戸惑ったけれど、マープルのことを知っていたので信じてくれた。
顧客を自分で選べる仕事っていいね。それくらい優秀だからってことなんだろうけども。
にしてもちょっと前に読んだ牧師館の殺人や書斎の死体で出てきたグリゼルダの息子がもう青年になっているなんてびっくり!
一体どれだけ年数が経ったのか??
最後の解説でマープルはポアロが亡くなった117歳とマープルが亡くなったのは同じくらいだろうと書いてあって、なかなかに驚く。
てかポアロもそんな長生きだったのね!!
今作も妊娠〜赤ん坊が青年になるくらいだから20年くらいは経っているはずで、65くらいだとしても85歳にはなってそう。すごいな!
今作ではヘンリー・クリザリング卿の名づけ子であるクラドック警部が活躍する。
マープルの活躍ぶりは名づけ親からよく聞かされているからこそ、マープルのことは疑わない。話が早くて助かる!
こうやって実際の警察から一目置かれているマープルを見ると嬉しくなる。
結構下に見られることが多いからね。
そしてルーシーはマープルの推理の元、あるお屋敷で仕事をすることになる。
そこが列車のカーブで死体を投げた時にちょうど落ちる地点だから。
マープルの推理がかっこいい!
そしていつものように家族間のギスギスが話の中心となってくる。
お金持ちの父親であるルーザー・クラッケンソープ。
戦争で亡くなった長男エドマンド。
自由気ままな画家の次男セドリック。
会社勤めのエリート三男ハロルド。
犯罪スレスレの悪事で小金を稼ぐ四男アルフレッド。
父親を世話する長女のエマ。
亡くなってしまった次女のエディス。
エディスの夫であるブライアン・イーストリイ。
息子で唯一の孫のアレグザンダー。
ルーザーはお金持ちだけれど、自分の父親の遺言のせいで自分で自由にできるお金はほぼない。それらは自分たちの子どもたちにいってしまう。
だから嫌なおじいさんになっているのがルーザー・クラッケンソープ。
誰が犯人なのか?
どうして女性を殺したのか?
財産目的なのか?
と謎が深まるなか第二の殺人が起こりーーー?!
何回も読んだわりにいつもながら覚えてなかった笑。
ルーシーが魅かれるのは覚えていたけれど。
私的にはセドリックが本命だと思うけどどうなんだろう?
死体探しから始まる事件!
おもしろいのでぜひ読んでみて〜!