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【沢村凛】ソナンと空人 鬼絹の姫

あらすじ

弓貴(ゆんたか)滅亡の危機を救ったソナンは、領地・輪笏を与えられる。七の姫とともに新しい領地に向かうが、そこは財政難にあえぐ地でー?!

 

読んでみて

前回までとは打って変わって領主となったソナンが奮闘するお話でした。1ではソナンがやっぱり嫌な印象が消えなかったけど、今回でだいぶマシになったかな笑。でも相変わらず無鉄砲で自分の意見を押し通そうとするとこは変わらず…。でもそういう気質の人って弓貴の国にはあんまりいないから、逆によかったのかも。

 

最初は領主として歓迎されていなかったけれど、ちょっとずつ自分を知ってもらって信頼してもらう。ソナンの陪臣たちが優秀すぎてソナンが頑張ったってよりは陪臣たちが頑張ったって感じ。

 

鬼絹の設定はすごくよくって、秘密とともに自分たちをも葬り去るっていう秘められた村が宮部みゆきの三島屋変調百物語にありそうな設定だった。でもそんな村でも変わりたいと思う村人たちはいて…。時代だなあ、と。ちょっとネタバレになってしまうけど、ちょうど読んでいた「ミステリという勿れ」にも似たような描写があって面白かった。

 

主題からだと「鬼絹」に関連する姫が出てくるのかと思ったけれどそういうわけじゃなくって。ちょっと残念。でもナナが自分で決めて実行したのはよかった。はっきり言ってナナって運命に逆らわず、流れに逆らわずに来ただけであって、実際にどう思っているか分からなかったんだよね。ソナンのこともどう思っているのか…。ナナ目線でも描いて欲しい。

 

思った通り、ソナンとナナは仲良しで、そんな上手くいくかー?!と意地悪になってしまう。ソナンは台風みたいな人で周りは巻き込まれながらも惹かれていくのは分かる。故郷ではそれが悪い方向にいっていたんだろう。でも考えなしの部分とかも多くて、周りの人に助けられまくっているのよね〜。ちょっと成長したけどももうちょっと大人になってくれ!と願わずにはいられない。まあ大人になったら物語は進まないんだろうけども(苦笑)。