文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【沢村凛】ヤンのいた島

沢村凛先生の全作品制覇のために。

ヤンのいた島 (角川文庫) [ 沢村 凛 ]

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あらすじ

ダンボハナアルキを見つけるために、日本から小国のイシャナイにやってきた瞳子。そこでは近代化と植民地化に争う人々が戦いを繰り広げていた。ゲリラの頭目・ヤンと出会いー?!

 

読んでみて

「ダンボハナアルキ」とは、ハラルト・シュテュンプケが刊行した書籍に載っている動物である。

 

ところがなんとこれ、架空の人物・架空の動物であり、実際にはゲロルフ・シュタイナーという動物学者が描いた動物学論文のパロディだった!

この本は実際にある本なので、読もうと思えば読める。

調べるとあんまり可愛くない動物たち笑

鼻行類とは言葉の通り鼻で歩く動物ということ。

鼻で歩いたらもはやそれは足では?と思ってしまうが…。

どんな進化を遂げたら鼻が足になるのか気になる。

それともそもそも鼻は足である方が普通だったのか?


本作の主人公・瞳子はそんなダンボハナアルキに魅せられたうちの一人。

周りにバカにされながらもダンボハナアルキの伝説がある小国に行くために、マイナーな言語を習得し、留学し、そしてその国の調査団として派遣されることに成功する。

なんという信念!すごい!

ダンボハナアルキにそこまで!


そしてやってきた小国だが、思ったより身動きが取れない。

それもそのはずで、島ではゲリラ戦が繰り広げられていて危ない

でも、なんとかダンボハナアルキを探しに行きたい瞳子抜け出すことにする。

その行動力にも感嘆する!

なぜそこまでダンボハナルキに魅せられているのか…笑。

私も鼻行類の本を読めば魅力が分かるのか...。


そこで出会ったヤンという少年は少年に見えるのに実はずっと長く生きている

瞳子とヤンには何かしら繋がりがあることが分かる。

それは、二人とも違う世界の夢を見ることに。

そこには必ずヤンと瞳子がいた

 

ヤンたちは本当は争いたくない

でも争わなかったら今までの生活はなくなってしまう。

だから戦うしかない。


こういう争いは悲しくなる

世界もこんな小さな国に見向きもしないということも悲しい。


他の世界線は一見、今よりもいいように思うけれど、があることが分かる。

観光地になったが借金がかさんだ島

貧しく汚染された島

女性が妊娠できないようにしてしまう島…。


ヤンと瞳子がどうするのかドキドキしてしまう。

テーマが重いからこそ、どうすることもできないように感じてしまう。

 

そして最後のオチね!

瞳子がどうなったか気になりすぎたけれど、でもこうなってよかったのかもしれない。

【R・J・パラシオ】ワンダー

全世界300万部以上突破の大人気児童書「ワンダー」。

以前からよく見かけていたので、読みたいな〜と思ってたのですが、この度やっと読めました!

「ワンダー」と「アーモンド」はなんとなく同じようなイメージでいたのだけれど、読んでみたら結構違った!

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感想(12件)

あらすじ

オーガスト・プルマンはふつうの男の子。ただし、顔以外は。はじめて学校に通うことになったオーガストだがー?!

 

読んでみて

この作品は主人公のオーガストだけではなく、姉のヴィアや友人であるサマージャックウィルの視点からも語られていておもしろい。


オーガストことオギーは色々な疾患を持っており、手術を繰り返し、命の危険もあり…

なので学校に行けるようになる、ということそれ自体がとてもすごいこと

ただ、オギーの顔が「ふつう」とは違うことで学校に行くというハードルがよりあがってしまう。


さすがにオギーを真っ向からいじめるようなことはないけれど、みんなは積極的に近づかない

そんな時にサマーがやってくる。

オギーはいつかご飯の食べ方が綺麗ではないことを指摘されてから恥ずかしく感じていた。

でも、サマーは平気。

オギーと友達になりたいと思い、オギーと一緒にご飯を食べ。そして実際に気が合って仲良くなっていく。


サマーの勇気はすごい!

彼女はとても勇気があると思う。

オギーが人気者になってから関わり始めるのは簡単だけれど、一人の時に関わるのは勇気がいる。

映画版ではサマーが最初に一緒に座ったことになっていなかったのが残念


一方、ジャックとオギーは最初はうまく行っていたのだが、オギーのことをジャックが悪く言うことを聞いてしまい仲違いすることに。

ジャックのオギーへの悪口にはとても悲しくなってしまう

相手がいないところであっても相手の悪口を言うのはやめたほうがいいよね。

例えバレなかったとしても、そういうふうに言ったことや見ているってことはいつか伝わってしまうかもしれないから。

それにしてもジャックが自分の悪口を言うのを聞いた時にちゃんと怒って悲しんで離れられたのは良かったと思う。そこで我慢してしまったら本当の友情は作れなかったと思うから。

 

あんなにうまくいっていたと思っていた関係が崩れてしまったのは残念だった。
でも素直に非を認めて謝るジャックは素敵!


何かのインタビューで著者が子どもたちの中では「自分はシャーロットだと思う」「大多数の人がシャーロットに共感するはず」と言っていて、確かにそうだな、と感じた。

 

シャーロットは普通に優しいし、親切に接してくれるし、ジュリアンが言ったことを注意したりもしてくれる。

善良な人

でも、サマーのように一人でオギーと一緒にご飯を食べたり、表立っていじめを止めたり、一緒に立ち向かったりそういうことはしない子


私も恐らくシャーロットであることが多いように思う。

でも、傍観者は加害者に加担していると言うし、みんながもう一歩踏み出すことができたらいいのだろうな


姉であるヴィラの想いは読んでいてなかなか辛かった。

病気がちだったり障がいを持っている姉弟がいる場合、他の姉弟は両親から愛情をかけてもらえていないと感じやすい。

ヴィアにも同じような葛藤があり、またオギーの姉と思われたくないという思いもどこかに持っている。

ヴィラの気持ちも分かる。

でもそれを知ったオギーも悲しい。

オギーは何もかもお見通しだったみたいでかなり大人な対応をしていて達観しているように感じた。

姉弟仲が悪くなってしまうこともあると思うけれど、二人はお互いに仲が良くて安心できる。

オギーを腫れ物のように扱わず、ちゃんと姉弟で喧嘩できているのもよかった。


子どもの頃から視線に晒されていると、相手がどういう目で自分を見ているのかがオギーには分かってしまう

この作品は著者がアイスクリーム屋さんで頭部の骨格に障がいのある女の子と出会った際、当時3歳だった息子がおびえて泣き出してしまうことがあった。慌てて出ようとしたけれど慌てすぎててんやわんやに。

そのことがきっかけで著者はこの作品を描き始めた

腫れ物に扱うように接するのではなく、そこから慌てて逃げるのではなく、相手と関わることが大事なのだと。


映画版の「ワンダー 君は太陽」も観てみたけれど、思っていたよりもよかった。

原作に忠実に作られつつもうまくまとめられていた。

ただ、やはりジュリア・ロバーツが主演だからか、お母さんが強くてお父さんはほぼ影みたいな感じになっていたのは微妙だったかな苦笑。

 

【ジョーン・G・ロビンソン】思い出のマーニー

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感想(20件)

ジブリで映画化されている「思い出のマーニー」の原作。

宮崎駿監督ではない作品の中では、この思い出のマーニーが結構好きで。

と、同時に怖さもあるのだけれど。

原作があるのを知って読みたいと思っていたので今回読んでみました。

あらすじ

アンナ養母のすすめで自然豊かな村に療養に行くように勧められる。無表情になることで自分を守っていたアンナだったが、村で不思議な少女・マーニーと出会いー?!

 

読んでみて

やっぱり好きな作品だった。

思っていたよりも原作に忠実に映画が作られていることが分かったのだけれど、やはり原作の方が丁寧なので、映画で曖昧だった部分が色々と腑に落ちた。


舞台はイギリス

主人公の名前もアンナであり、映画でも同じ名前を使っている。

ところがこの名前にも実は意味があって、それが最後に明かされる


どうなるのか分かりながら読んでいたけれど、それでも感動した。

アンナが母にも祖母にも見捨てられたと思っている場面は心が痛んだ。

それから、怒りをこめて、つづけました。「あたしを、ひとりぼっちにして行ったから、おばあちゃんなんかきらい。あたしの世話をしてくれるために生きててくれなかったから、きらい。あたしを、おいてきぼりにするなんて、ひどい。ぜった い、ぜった いゆるせない。おばあちゃんなんか、きらい。」

そうだよね〜〜。そう感じるよね。

しかも「おばちゃん」という母や祖母の代わりだった人が、実は自分を育てるために国からお金を支給されていたと言うことを知ってしまい、さらに人を信じられなくなってしまう。

話してくれると思っていたのに話してくれなかった絶望感

「……だけど、あたし、あたしは、ミセス·プレストン自身に話してもらいたかったの、とっても。あんなにいっぱい、チャンスを作ってあげたのに。」

私はもう大人なので、もっとちゃんと聞いてたら答えてくれたよ〜と思っちゃうんですが、それじゃあ意味ないんだよね。

難しい。


アンナは無条件な愛情が欲しくて、でもそれが得られないし、信じることができなくなっている。

マーニーには実の両親がいて、ばあややお手伝いの女中もいるのに、誰もマーニーのことを本当に愛してはくれない

二人とも孤独で本当の愛を求めている。


マーニーとアンナの仲にエドワードが入ってくる。

マーニーは、まるで、うんと小さい子に話すように、ちょっと前かがみになっていいました。声まで、なんだか、小さい子をなだめる時のようでした。「いとしいアンナ。あたし、できることなら、あなたといっしょにいたいの。わかってくれるでしょ? そのほうが、ずうっといいの。でも、エドワードはいとこだし、とてもいい人なの。あたし、行かなくちゃ。大急ぎで。」マーニーは、アンナのほっぺたに、ほんの一瞬、自分のほっぺたをくっつけました。


この作品でおもしろいところは男性、父親がことごとく不在ということ。

マーニーの夫も早くに亡くなっている。

マーニーの娘でアンナの母も亡くなるが、実の父親とは離婚をしただけなので生きているはず。

唯一の肉親なのに出てこない。

 

また、ミセス・プレストンだけがアンナを養子に取ったのではなく、プレストン氏も関わっているはずなのに存在感は薄い。

アンナ自身もあまり話さないと言っているし、唯一部屋をリメイクしている、という話題でしか活躍しない。

 

一方で、しめっ地屋敷に引っ越してきたリンジー母も父も子どもたちに関わりアンナにも関わる。そしてアンナはリンジー氏が好きになる。

 

全体的にはやはり男性が邪魔者のように描かれている気がする。

マーニーをアンナから奪ったのはエドワードで(事実とは違うが…)、マーニーからすると自分の娘を他の男が奪い、最終的には事故で亡くなってしまう。

残ったのはやはり女の子のマーニー。自分の娘の代わりになれる女の子。


両親の愛情を感じずに大人になったマーニーは、結局自分がなりたかった母親にはなれず、温かい家庭を作ることができない

そんな娘の忘れ形見であり、唯一大事な存在となったアンナを置いていくのはどれだけ辛かったか。

でもアンナも見捨てられたように感じて辛かったのね。

 

風車の場面はとても怖い。映画ではサイロになっている。

あの場面があれほど怖いのはマーニーがアンナを見捨ててしまう場面だからか

マーニーに風車に置いてけぼりにされたアンナはマーニーに裏切られたと感じる。でも、心からの謝罪でアンナはマーニーを許す。

「ごめんなさい! あんなふうに、あなたをおいてきぼりにするつもりはなかったの。あのことで、あたし、ずっと、ここにすわって泣いてたの。ねえ、アンナ、おねがい! ゆるしてくれるって!」

マーニーの言葉は、ほとんど、風にとばされてしまいました。窓の外を川になって流れ落ちる雨で、マーニーの顔も、もうほとんど見えなくなっていました。でも、アンナにはきこえました。わかりました。まるで、その言葉は、アンナ自身の中からきこえてくるようでした。風と雨にもかかわらず、マーニーの言葉は、とてもはっきりときこえました。

アンナがマーニーに対していだきつづけていた激しく苦いうらみは、あっとうまに、すべて、とけ去ってしまいました。マーニーはアンナの友でした。マーニーは、やっぱりアンナをだいじに思っていました。

うれしさにあふれて、アンナは叫びかえしました。「もちろんよ! もちろん、ゆるしてあげる! あなたがすきよ、マーニー。けっして、あなたを忘れないわ。永遠に、忘れないわ!」


これはアンナの「喪の作業」だったのだとしみじみ感じる。

ミセス・プレストンがお金のために自分を育てているのではないかという疑惑が出てきたことで、祖母も母も同じように自分を捨てたのではないかと感じてしまう

幼い頃に大事な人を亡くしたことで、時が経っても本当の意味で乗り越えてはいなかったアンナ。

でも、マーニーと再び出会い、マーニーと関わり、もう一度再体験することで別れ受容することができるようになったのだと感じた。

 

色々な見方や考察ができそうでおもしろいね!

本の内容や作者の経歴も含めて心理学的に考えたりすることがあるので、マーニーについて書いた本や論文があったら読んでみたい。

 

にしてもしめっ地屋敷みたいな水が近くにあるお家に住みたいな。

水が好きなんですよね。水に入りたくなっちゃう衝動があって。特に池みたいなところに笑。

カリギュラ効果?と思ったこともあったのだけど、それとも違う感じ。

まあとにかく水に面してる家に住みたいなって話。

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

今日は8月15日終戦記念日ということで、こちらの作品を紹介。

ちなみにアンビリーバボーでも紹介されたことがあります。

佐々木友次さんとは

佐々木友次さん万朶隊(ばんだたい)という日本陸軍航空隊初の特別攻撃隊の一員だった。

彼は特攻兵として9回出撃し、9回とも生きて帰ってきたのだ。

ある時、このエピソードを知ってその人のことを書いた本もあると知り、とてつもなく気になって気になって読みたくなった

読む本リストには入っていたのだが、難しかったりしてあんまり読めなかったどうしよう、時間のある時に読もうかな、と思ってなかなか読めなかった。


少し前にやっと入手したので読んでみることに。

思っていたよりも読みやすく、1日で読めてしまった

内容もとても素晴らしかった。


構成としては佐々木さんがどういった人でどうして9回出撃し9回戻ってこれたのか、

さらに2015年の佐々木さん本人へのインタビュー、

そして特攻兵とはそもそも何だったのかについても書かれている。

 

佐々木さんへのインタビューはとても読み応えがある

高齢なのもあり、長期間会うことは叶わなかったようだが、それでも直接お聞きできたのはよかったと思うし、それを読むことができて本当によかった。

佐々木さんはもちろんだが、インタビューしてくれた著者にも感謝しかない


驚いたのは、こんなびっくりするようなエピソードを持っている佐々木さんがほぼ無名だったということ。

むしろ「帰ってきた」ということ自体を良い受け止められ方としていなかったことに衝撃を受けた。

死ぬつもりだった人が戻ってくると不都合になる人がたくさんいたからだろう。

戻ってきて喜んでくれるなら、そもそも特攻兵なんて死ぬ前提の考えができるはずがない

佐々木さん自身も多くの人が死んだ中で自分が戻ってきたため、あまり大ぴらにはしなかったようだ。

 

岩本隊長

万朶隊の隊長である岩本隊長は、爆弾を外せないものから外せるものへと交換した。

つまり生き残れるようにしてくれたのだ。

これができないと、もし不具合で着陸しようとしてもできなくなってしまう。

 

そんな人が、なんと冨永司令官が宴会をしたいと言ったためにマニラに行く道中で亡くなった

これは信じられなかった。

危険な状態になっているのにわざわざ宴会のために呼び寄せるなんて。

 

冨永司令官

そもそも冨永司令官がフィリピンに派遣されたのは東條英機が辞職したことで、東條英機派だった冨永陸軍次官を左遷させたかったからだった。

陸戦の経験さえほとんどなく、航空戦に関しては無知で経験もない冨永司令官が激戦のフィリピン航空軍の総司令官になった。


これを知ると、結局私利私欲のための戦争であり、その私利私欲のために負けたんだと感じる。

権力を握っている人たちは激戦地にはいかず被害を受けることもない

素人が総司令官になって部下が困ってたとしても関係ない。そう思っているのだろうな。

呆れてしまう。

 

冨永司令官が戦況が悪くなると逃げてしまうのだが、結局最後にはシベリアに連行されてしまう。

これを聞いてしまうともうなんともね…。

この人の命令で多くの人が亡くなったのは確かだろうけども、シベリアはとても厳しいから…。

戦争は全ての人が傷つくからするべきではないよ。

 

佐々木少年

飛行機に憧れを抱いていた佐々木友次少年は、その夢を叶えることとなる。

飛行するのが大好きだったようで、たとえ特攻のためだとしても飛行するのは楽しかったと語っている。

そのぐらい好きなものがあるのは羨ましいし、そのお陰で死への恐怖が和らぎ窮地でも冷静に考えて生き延びることができたのかもしれない。

 

9回の出撃

佐々木さんの9回の出撃を簡単にまとめた

1回目

万朶隊として出撃するが、標的に当てることが困難と判断し上昇。小さな船を見つけたため爆弾を当てて帰還。

この時の成果を「戦艦一隻、輸送船一隻撃沈」と発表された。


2回目

空中集合ができず、爆発が見えたため着陸した。

 

3回目

操縦席に乗った時に飛行場が爆撃される。

 

4回目

とうとう一機だけの出撃を命令される。6機の直掩隊とともに出撃。先頭の直掩隊の隊長が急に旋回したためそのまま飛行場に。わざわざ殺すことはないと適当な場所まで飛んで引き返してくれたのだった。

 

5回目

アメリカの戦闘機の編隊が近づいてくるが見えたため、身軽になるために爆弾を投下。バコロド飛行場へ。

 

6回目

すぐに戻ってくるように言われ、飛び続けた。着くと、すぐに出発しろと言われ出発することに。アメリカ艦船が打ってきた。なんとか爆弾を落とすと、大型船が傾いているのが分かった。

 

7回目

胴体着陸をしてから5日後に出撃。いつもの手慣れた様子で滑走を始めたが、整備の見落としのため離陸できなかった。

 

8回目

200隻近い敵船団に対して1機で突っ込むことに意味があるとは思えず、戦闘機に発見される前に戻ることに。

 

9回目

爆音が異常になり、空気と燃料の混合火を示すブースト計の片方に不調が現れていた。そのため戻ることに。


佐々木さんは驚くべきことに何度か爆撃を落としている

その上で生き残って帰還している

飛行技術も素晴らしいのだろうし、生き残るという意思も固かったのだろう。

 

驚くべきことに生き残っていた佐々木さんと津津田少尉に、特攻で生き残ったが大本営発表で死んだものは生きていた困るからと狙撃命令が出ていたという。

特攻隊として死ぬ決意をして出撃した人にそんな仕打ちをするのか、と唖然とした。

人間どこまでもひどくなれるものなのだな。

帰郷して、それを実行しようとしていた猿渡参謀長と再会する。

部下たちが上司に復讐をしていた中で、佐々木さんはそんなことをしてもそれですむものではないと感じて、出ていったという。

 

特攻について

特攻は本当に無謀だったようで、今作を読んで全く理に叶っていないということを実感した。当たり前だけれど。


人材も少ない、物資も少ない中で人と飛行機が一緒になくなる特攻が有益なわけはない

佐々木さんは素晴らしい技術を持っているけれど、恐らくもっと余裕があった時であれば同じくらいの技術を持つ方は多かったのではないだろうか


しかも佐々木さんは当時21歳

もっと経験を積んだ人は本来ならいたはずだっただろう。

でも戦況が悪化し、どんどん亡くなっていくため、若手を養成する時間がなくなってしまう。それでも特攻をする意味なんてないと思うのだが…。

 

特攻の威力

特攻して命中したとしても大艦船を沈める威力はなかったようで、新聞に発表されたことは大袈裟に言っていたにすぎなかったようだ。

だから一般の国民からすると特攻は効果をあげているように感じただろうし、大艦船と引き換えならば命が犠牲になるのは仕方がないと感じたのだろう。

ところがほとんどの場合は当てることができず、かなり遠く離れた距離からでもアメリカは察知することが可能であり近づくことさえ難しかった。

 

無謀な9回の出撃

佐々木さんが爆破をして亡くなったという発表は天皇に伝えられたことだった。

そのため、実は生きてましたと言った場合は天皇嘘をついたことになってしまう。

だから参謀は佐々木さんに死んで欲しかった。

ここも唖然とした。

間違っているなら間違ったと言えばいい話。

天皇に間違えたことを言ったからと言って、それを正すために本当に死んでもらうなんてひどすぎると思う。

そんな意味が分からないことで死ななければならないなんて。

当時の怖さが窺われる。

天皇が絶対であり、それ以外の国民の命は天皇よりもはるかに安かったということ。

同じ人間なのにどちらがどちらより上なんてあってはいけないと思う

 

特攻の理由

特攻をやれば天皇が戦争を止めろと言うはずだから、日本民族が滅びようとするときにこれを防いだ若者がいたという事実がありそれを天皇が止めたという歴史が残ろうなら日本民族は再興するから。

 

特攻を行なった理由を大西中将はこう語っていたと言う。

 

なんて遠回りな…。

そのために多くの命が亡くなってもいいんだな。

当時からすると、今の日本はもう既に日本ではないのかもしれない、とふと思った。

でも今の戦争がなくて自由な日本を私は好き。

その後の戦争の推移は、大西長官の言う通りになりました。「ただ一つ、陛下はなかなか戦争を止めろとは仰せられなかったことを除けば……」と角田氏は書きました。

この箇所も心に残っている。

天皇だけでは止めることができなかったのは分かる。

でも大西中将がこう考えていたのであれば、天皇はもっと早く戦争を止めることができたのではないか?と感じてしまう。

特攻を正しかったという理由

また、戦後においてベストセラーとなった「神風特別攻撃隊という本がある。

これは大西瀧治郎中将の部下であり、海軍の特攻を命じた中島正猪口力平が著者とのこと。

 

この作品では特攻に志願した人たちは自主的に、キラキラと目を光らせていたそうで、これが当時ベストセラーになったのかと思うととても怖く感じてしまう

 

恐らく特攻を命令した人たち、国民を含めて支持した人たちにとって自分たちが加害者だと認めたくなかったからではないかと思う。

 

死人に口なしだからこそ、生きているものがストーリーを変えることができる。

普通に考えたら死ぬことが決まっていることを自ら進んでやりたがる人なんていないと思うのだが。

いたとしたら洗脳だし、もし仮にいたとしても軍のような縦社会であったら本当にその人の意思かは確認できないと思う。

 

これともう一つ、実際に特攻に行って生き延びた桑原さんという方の話が印象に残っている。

インタビューに答えて桑原さんは正直に、「私の場合は形式的には志願ということになっているが、実際は指名、つまり、命令であった」と答えました。  死ぬことに恐怖はなかったのかと聞かれて、「ほんとうに死を恐れない人間がいるだろうか。特攻出撃までの日々は、苦悩そのものとのもう一つの闘いで、体験した者のみが知る複雑で悲痛な心境であった。私は本音を言えば死にたくなかったし、怖くなかったと言えばうそになる。しかし、軍人である。命令は鉄の定めだ。悲しい運命とただ諦めるより仕方がなかった」。

このように答えた際に周りから非難されたということが衝撃的だった。

声を上げている人は特攻隊員ではないのに、実際に特攻隊員であった桑原さんを非難する

信じられないことだと思う。

やはり「神風」と神のように扱うのは、そう扱いたいのは、自分たちとは違う神のような人たちであって、無理矢理殺されたわけではなかったのだと思いたいのだと思う。

根が深い

 

佐々木さんの思い

佐々木さんがどうして上官に歯向かえたのか。どうして生き延びて戻ることができたのか。

佐々木は自分でも意外に思うほど、冷静な気持ちだった。身が引き締まり、闘志が燃えるのを感じた。「人間は、容易なことで死ぬもんじゃないぞ」日露戦争を生き延びた父親の言葉を何度も胸の中で繰り返した。

 

自分が奥原伍長のように緊張しないのは、生来の負けん気と操縦の自信と父親の「人間は、容易なことで死ぬもんじゃないぞ」という言葉のせいだと思っていたが、ただ単純に空を飛ぶことが好きだからかもしれないと佐々木は思った。


著者もどうして佐々木さんが戻れたのかをインタビューでも尋ねている。

「いや、やっぱりそれは寿命ですよ。寿命に結びつけるほかないの。逃げるわけにはいかない」

(中略)

「それはね、私はそれをいまもって考えているんですけど。私の父親が日露戦争金鵄勲章もらった。それが大いに影響しているんじゃないかと思って。父親が金鵄勲章で帰ってきたんだから、俺も帰れるわと、そういう気持ちは充分あったんですね」

(中略)

「気力は失わなかったね。ともかく、先祖の霊に支えられているっていう一言です」

「くに(故郷)の家の茂平沢(佐々木さんの地元)に祀られている、先祖の霊。先祖は見たこともないし、会ったこともないし。なんだけど、なんかに支えられてすがっていきたいという」

(中略)

「やっぱり仕打ちがひどいなということで、しっぺ返しになるような行動しなきゃと思ったんじゃないですか、軍に対する」

佐々木さんは飛行機に乗ることが大好きで、岩本隊長のことや父が生き残ったことなどがあり、自分自身も生き残ろうと諦めなかったのだと感じた。

また、戦後は飛行機乗りにはならなかったけれど、ずっと乗りたかったと思っていたのではないかと思う。

【ナオミ・オルダーマン】パワー

パワー [ ナオミ・オルダーマン ]

価格:2,035円
(2021/8/14 18:13時点)
感想(1件)

あらすじ

ある時、女性にパワーが生まれた。圧倒的な力の元、男性と女性の関係性は変わっていく

アリーはパワーを手に入れて養父母の元から逃げ出すイギリスのギャングの娘であるロクシーは、殺された母の復讐を誓う。トゥンデは変わりゆく世界の中で女性たちを取材するジャーナリストになる。市長だったマーガレットは、パワーが生まれた世界の中で順調に出世していくがー

 

読んでみて

本当に素晴らしい作品だった。

侍女の物語」を読んだ時と同じような衝撃があった。

それもそのはずで、マーガレット・アドウットが師匠であり、アトウッドに読んでもらいながら書いたよう。

他にもアーシュラ・K・ル=グウィンにも読んでもらっていたみたい。

ゲド戦記のイメージが強かったのだけれど、実はSFの女王と呼ばれていたのを初めて知った。

この辺りもまた読んでいきたいな〜。


この本の構造として、男流作家であるニール男流作家を支援するナオミに作品を送り、感想を尋ねる手紙のやりとりが基本の構造としてある。

その作品の内容今と同じような現代で、ある時、女性にだけ「パワー」という強大な力が表れたという話から始まっていく。


最初は今私たちが生きている世界観同じような世界で入りやすい。

男性がトップに立ち、女性たちが蔑ろにされている世界。

でもそれが当たり前だから誰も疑問に思わない。

そこでの女性は、男性を恐れて生きている。もちろん親しい男性や父親はいるけれども。


ところが、突然少女たちに強大な力が生じる。

初めはフェイク映像だと思われたが、多くの少女がパワーを使えるようになり、事実だと判明する。

過激な男性たちは力がある女性を取り除くべきであり、殺す必要があるとも主張する。


力が表れた始めた最初の頃はとにかく混沌としている。

その流れが実にうまい

今まで力があった男性たちは、自分を上回る力を持つ女性たちを恐れる

実際に人身売買で捕まっていた女性たちはパワーを使って脱出に成功していく。

蔑ろにされていた女性たちは声を上げ始める


今まで蔑ろにされていた女性が声を上げ、本来の自分の権利を取り戻していく様は爽快ですらある。

でもそれだけでは終わらない

女性たちは声を上げ続け、そしてパワーバランスが崩れ始める

男女が平等にはならず、女性が優位となっていく

そこで平等になれたら理想だったのにね…。

結局のところ一方に力が集中すると偏ってしまうのだと思う。


今の世界に生きていると、「男女が逆転した世界なんて急には無理では?」と思ってしまう。

パワーがいくら現れたとはいえ、権力を握っているのはほとんど男性であるから、今の社会ではそれほど意味がないように思ってしまう。

ところが、女性が力を持ち始めることで、徐々に人々の考え方まで変わってくる

女性は強くあらねばならない」という価値観が当たり前になっていく。

そんな中で分かりやすかったのは宗教観が変わっていくこと

イエス・キリストではなく、イエスを産んだ聖母・マリアの方が上であるという考え方。

人々を作ったのは神。作った神が人より偉いのなら、イエスを産んだ聖母・マリアの方が偉いはず、と。

まあ確かに男性である「神」が多いのは、結局のところ男性社会だったからなのか、と感じる。


そうやって価値観が変わっていくと、当たり前だけれど女性が優位になってくる。

パワーがあることがあらゆるところで優位に働く。

最初は今の私たちと同じような世界だったのに、いつの間にか常識が変わっていく

例えば、ロクシーは弟に取引を任せていて、「よくやっている」と言う。でも、「何かある時は女が出ていかないと」というようなことも言う。

これだけで、今の世界と変わっていることが分かる。

今の世界なら逆のことを言われるだろう。「何かある時は男が出ていかないと」と。


初めの頃は、女性に対して暴力的に対抗しようとする男性たちは過激すぎると思っていた。

心配しすぎている、と。

ところが彼らが恐れていたことが事実になってくると、彼らへの見方も全く変わってくる

しかも恐ろしいことに、本当に恐れていたことが起こった時には、もはやそれを事実だと周知させる術がなくなっているということ。

やっている側が権力を握っているのだから


女性たちが行う残虐な行為を読むのは辛かった。

どうしてこんなことができるのか?女性ってこんなにひどいのか?」と感じていた。

その時に気づく。

これは男性がやってきたことなのか。そして今も現在進行形で。」ということに。

女性が残虐でひどいと思うえば思うほど、それは今も同じことをしている男性へのミラーリングとなる


とてもうまくミラーリングされているからこそ、本当は男性・女性なんて関係ない部分もあるのだと気づく。

冒頭で、男流作家を支援しているナオミが言う。

おっしゃっていた「男性の支配する世界」の物語はきっと面白いだろうと期待しています。きっといまの世界よりずっと穏やかで、思いやりがあって--こんなことを書くのはどうかと思いますが--ずっとセクシーな世界だろうな。

この部分は本当にすごい。ものすごく皮肉っている

これは女性に対して言われてきたことだ。でも今作ではそれも反対になっている。

男性が暴力的ー女性は穏やか男性は穏やかー女性は暴力的

そうやって枠付けをするのはその文化の違いであって、実際の差異ではないように思う。

権力を持てば人は残虐になれる自分が正しいことをしていると思えば犠牲は厭わない


一番暴力的だったロクシーが、結局のところ暴力に頼らなくなるというのがこの作品を表していると思う。

そしてアリーの真実も衝撃的だった。


男性が一人では外出できないなど、差別的な内容の法律ができた時の女性たちの描写侍女の物語の主人公の夫の描写と重なった。

女性はあきれはてたという顔をしようとし、と同時に連帯感と励ましの表情を浮かべようとしている。「心配しなくても大丈夫、こんなことがずっと続くはずはないし、そのあいだはわたしたちが協力するから」というように。

侍女の物語でも思ったけれど、本当はその時にみんなが怒るべきだった

侍女の物語では男性が、パワーでは女性が。


ものすごく共感できたし、心に残った箇所

日本は安全だと言うけれど、同じようなことはいつも感じている。恐らくあらゆる国の女性たちが感じていることだと思う。

こうやって言語化されると自分の心情をとても理解できる

若い男たちはおびえていてそれどころではないし、女に話しかけるのはまったく無意味だった。目を合わせることすら危険な気がした。

路上で女たちの集団--笑ったり冗談を言ったり、空に向かってアークを飛ばしたりして いる--のそばを歩いたとき、トゥンデは胸のうちでこうつぶやいていた。 ぼくはここにいない、ぼくは何者でもない、だから目を留めないでくれ、ぼくを見ないでくれ、こっちを見てもなんにも見るものはないから。

女たちはまずルーマニア語で、それから英語で声をかけてきた。彼は歩道の敷石を見つめて歩いた。背中に女たちが言葉を投げつけてくる。淫らで差別的な言葉。だが、彼はそのまま歩きつづけた。

日記にこう書いた。「今日初めて、路上でこわいと思った」インクが乾いたとき、その文字を指でなぞった。真実は、その場にいない者のほうが耐えすい。


作中に描いてある、昔の壁画に対しての説明

「抑礼」ーー男性性器切除ともいうーである。この儀式は、思春期に近づいた男児の陰茎の充当な神経終末が焼き切られる。この処置(ヨーロッパのいくつかの国ではいまもおこなわれている)を受けた男性は、女性のスケインによる刺激なしでは勃起が不可能になる。また、射精のたびに痛みを感じるようになる男性も少なくない。

これを見た時に「なんでこんなことするの?なんの意味があるの?苦痛を感じさせるなんてひどい。」と率直に思った。

でも次の瞬間、これの女性バージョンは今も行われていることに気づいて驚愕した。そこで自分の価値観が凝り固まっていることに初めて気づいた。

 

女の赤ちゃんを大々的に中絶したり、その生殖器官を傷つけたりすることは、文化にとって進化論的な意味がなかったのでしょう。ですから、こんなふうに生きることはわたしたちにとって「自然」なことではないのです。そんなはずはありません。わたしには信じられません。もっとべつの道があるはずです。

これを読んで、確かに女の赤ちゃんを中絶するなんて子孫を多く残したいのではあれば非効率だと気づいた。

浮気や不倫やらをした男性が子孫を残すための本能だとか言い訳することがあるし、色々な場面で男性にはそういう本能があるから仕方ない、と言うのを耳にするけれど、本当に子孫を残すことが本能としてあるなら女性を殺したりしないはずだと思う。

だから本能ではなくてただの言い訳。

 

女性が差別されるているのを事実として知っているし、それが当たり前のように感じてしまっていたことに今更ながらに気づいた。

当たり前だからこそ、それが行われていること自体には疑問を感じないようになっていたように思う。

とても長い間行われてきたから

それこそ子孫を残したいのが本能ならもっと女性を優遇するはずだけど、そうじゃないのは結局女性は人間として見てもらえてなかったということなんだと思う。

権力を握る男性の付属物、トロフィーなのだろうな。

 

著者のあとがきの言葉が心に残った。

しかし、文脈が欠如しているにもかかわらず、これらを発掘した考古学者たちは、イラストにある滑石製の胸像を「神官王」と呼び、いっぽうブロンズ の女性像のほうは「踊り子」と名づけている。この名はいまでもそのままだ。本書で書いたことはみな、この事実とこのイラストだけで伝えられるのではないかと思うときがある。


最後の最後で笑ってしまったのが「かじられた果物」の真実について。

「モチーフが均一であることから、宗教的なシンボルであると思われるものの〜」のところ。

作中にあったときは何が何だかよく分からず…。

私の察しが悪かった笑。

でもみんな気づくのだろうか?!

 

著者のあとがきで種明かしがされており、めちゃくちゃ笑ってしまった。

確かに宗教的なものと捉えられても仕方ない

将来見つけた人たちはそう思うんだろうか??

今の私たちはかじられたりんごを崇拝していたと?

 

ちなみに映像化の噂があるようですが、まだ出てはいないよう。観てみたいな〜!

ニートエスティは映像化されています!

 

風にのってきたメアリー・ポピンズ

 

あらすじ

東風の吹く日にコウモリ傘につかまって飛んできたのはメアリー・ポピンズ。不思議な話を子どもたちに語ってー?!

 

読んでみて

メアリー・ポピンズってディズニーの映画のイメージが強くて。

観たことはないのだけれど、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」などの曲は知ってたので、もっと明るく楽しい主人公だと思っていたら!!!

 


思っていたよりも意地悪?!ということが分かりました笑。

 

メアリー・ポピンズはバンクス家のナニーとしてやってくるのですが、ちっとも優しくはない!

懇切丁寧に説明するとかは一切ない笑。

率直すぎるし、気分屋だし、言葉も厳しいし、けっこう意地悪?!っぽく感じてしまう。

けれど、メアリー・ポピンズは不思議な人だし、不思議な世界に連れて行ってくれるので、子どもたちはものすごーーーく慕っている


媚びたり機嫌とったりするよりは、こういう大人の方が子どもにとっては信用できたりするのだろうな、と思ったり。

 


コウモリ傘で飛んできた人がいたら、子どもだったらちょっと意地悪なくらいじゃ嫌いになれないよね笑

そりゃ興味津々だよ!

それに態度は結構冷たいのだけれど、なんだかんだ子どもたちのことを思っているのが伝わってくるので憎めない


印象に残ったエピソードがあって。

双子の兄妹であるジョンとバーバラ赤ん坊なのだけれど、赤ん坊の時はなんと動物や木や太陽の言っていることが分かるの!!

この話が夢があって好きでした。

だから聞こえていない姉兄であるジェインとマイケルに対して、「大人なら分かるけど二人も聞こえないなんて!」って思っているのね。


実は赤ちゃんの頃はどの子どもも動物や木や太陽の言っていることが分かったけれど、成長するにつれて忘れていってしまうらしい。

ジョンとバーバラは自分たちは忘れない!と言うのたけれど…。

切なくなるけど夢があるお話でした

私も子どもの頃聞こえてたらいいな〜。


ちなみにメアリー・ポピンズは聞こえるらしい。

彼女は特別、と。

一体何者なんだろうね?


不思議な体験をした後、子どもたちがそのことをメアリー・ポピンズに聞くとすっとぼけるのね。

なにを言っているの?失礼な!」みたいな。

 

この態度には読んでいる私も困った!笑

こんな態度取られたら怖くない??

 

何が現実で何が本当なのか分からなくなるんだけど。

もしかして全て子どもたちの妄想説?と思ったりもしてしまう。

 

でも!

なんだかんだ証拠っぽいものは残っているので、そういう訳じゃないんだと安心できる。

でも、じゃあ、なぜ?苦笑


いくつか驚いたことがあったのだけれど、1つはジェインとマイケルが思ったより小さかったこと!

小学校中学年くらいからと思っていたら、挿絵を見たらとっても小さいの!

本当に可愛らしい。

小学校低学年?幼稚園?くらいでは?

あんなに小さいのに二人とも意外にしっかりしている…。


あと、お母さんが子どもと関わり慣れていないこと!

ナニーに頼りっきりだからか、子どもを叱ったりしつけたりできないみたい。

そう思うと、メアリー・ポピンズの方が母親らしいような気がする。

ちょっと厳しすぎる気もするけれど、不思議なことで二人を喜ばせているからね。


続編が続いているので読んでいきたいです。

映画も観てみたい!

 

【本】8月に読みたい本

8月に読みたい作品まとめ〜。

 

若草物語

若草物語 上【電子書籍】[ ルイザ・メイ・オルコット ]

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(2021/8/8 23:12時点)
感想(0件)

若草物語(下) (岩波少年文庫) [ ルイザ・メイ・オルコット ]

価格:792円
(2021/8/8 23:13時点)
感想(0件)

有名なお話だけれど、読んだことがなかったので。

岩波少年文庫名作しかないから安心して読める。

知らなかったのですが、「続 若草物語」「第三 若草物語」「第四 若草物語があるみたい!

ちなみに知らなかったシリーズ?としては「あしながおじさん」も続編があるらしい。

最初の作品しか読んでなかったのだけど、そのうち読みたい。

 

エマ・ワトソン長女のメグ役で出ている作品。とっても面白そう。↓

 

思い出のマーニー

思い出のマーニー(上)新版 (岩波少年文庫) [ ジョーン・ゲイル・ロビンソン ]

価格:704円
(2021/8/8 23:14時点)
感想(5件)

思い出のマーニー(下)新版 (岩波少年文庫) [ ジョーン・ゲイル・ロビンソン ]

価格:704円
(2021/8/8 23:14時点)
感想(5件)

ジブリの映画を観て好きになった作品

ジブリでは日本が舞台になっているけど、小説ではイギリスが舞台

原作を読めるのが楽しみ。

 

もうひとつのワンダー

もうひとつのワンダー [ R・J・パラシオ ]

価格:1,650円
(2021/8/8 23:15時点)
感想(2件)

1作目であるワンダーがよかったので続編も読んでみることに。

児童書なのでさらりと読めるよ。

 

自由への手紙 オードリー・タン

オードリー・タン 自由への手紙 [ オードリー・タン ]

価格:1,540円
(2021/8/8 23:23時点)
感想(2件)

何かと見かける話題の方なので一度読んでみることに。

とてつもなく優秀な人なんだと思う。

ページ数は少なめなのですぐ読めそう。

 

オーダーメイド殺人クラブ

オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫) [ 辻村深月 ]

価格:924円
(2021/8/9 10:45時点)
感想(0件)

辻村深月先生の作品を少しずつ読んでいる。

ただ主人公たちと同年代の頃に読んだらもっとめちゃくちゃハマったのだろうな〜と思うと残念すぎる。

 

アメリカーナ

アメリカーナ 上【電子書籍】[ チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ ]

価格:1,540円
(2021/8/9 10:48時点)
感想(0件)

読もう読もうと思って読めていない。

文量が多すぎる!

500P以上あるのに中を見ると文章が二段ずつになっているの!

これにはびっくり!笑

なので1週間ちょっとくらいかけて気長に読みたい。

 

私は黒人奴隷だった

ハリエット・タブマンを読んだので、そこからフレデリック・ダグラスへ。

こうやってどんどん深くなっていく…。

この作品を読んだら、次はこの2作品のどちらか読みたいな

 

ムーミン谷の夏まつり

夏の間に読んでしまいたい!

今年中に全作品読みたいので!

 

あとは家にある本とかずっと読もうと思っている本とか夏のフェアの本とか買えたらそれも読みたいかな〜〜〜。

ただ、アメリカーナがどれくらいかかるかによりそう(苦笑)。

読み始めたら早いのかな?