全世界300万部以上突破の大人気児童書「ワンダー」。
以前からよく見かけていたので、読みたいな〜と思ってたのですが、この度やっと読めました!
「ワンダー」と「アーモンド」はなんとなく同じようなイメージでいたのだけれど、読んでみたら結構違った!
価格:1,650円 |
あらすじ
オーガスト・プルマンはふつうの男の子。ただし、顔以外は。はじめて学校に通うことになったオーガストだがー?!
読んでみて
この作品は主人公のオーガストだけではなく、姉のヴィアや友人であるサマー、ジャックウィルの視点からも語られていておもしろい。
オーガストことオギーは色々な疾患を持っており、手術を繰り返し、命の危険もあり…
なので学校に行けるようになる、ということそれ自体がとてもすごいこと。
ただ、オギーの顔が「ふつう」とは違うことで学校に行くというハードルがよりあがってしまう。
さすがにオギーを真っ向からいじめるようなことはないけれど、みんなは積極的に近づかない。
そんな時にサマーがやってくる。
オギーはいつかご飯の食べ方が綺麗ではないことを指摘されてから恥ずかしく感じていた。
でも、サマーは平気。
オギーと友達になりたいと思い、オギーと一緒にご飯を食べ。そして実際に気が合って仲良くなっていく。
サマーの勇気はすごい!
彼女はとても勇気があると思う。
オギーが人気者になってから関わり始めるのは簡単だけれど、一人の時に関わるのは勇気がいる。
映画版ではサマーが最初に一緒に座ったことになっていなかったのが残念。
一方、ジャックとオギーは最初はうまく行っていたのだが、オギーのことをジャックが悪く言うことを聞いてしまい仲違いすることに。
ジャックのオギーへの悪口にはとても悲しくなってしまう。
相手がいないところであっても相手の悪口を言うのはやめたほうがいいよね。
例えバレなかったとしても、そういうふうに言ったことや見ているってことはいつか伝わってしまうかもしれないから。
それにしてもジャックが自分の悪口を言うのを聞いた時にちゃんと怒って悲しんで離れられたのは良かったと思う。そこで我慢してしまったら本当の友情は作れなかったと思うから。
あんなにうまくいっていたと思っていた関係が崩れてしまったのは残念だった。
でも素直に非を認めて謝るジャックは素敵!
何かのインタビューで著者が子どもたちの中では「自分はシャーロットだと思う」「大多数の人がシャーロットに共感するはず」と言っていて、確かにそうだな、と感じた。
シャーロットは普通に優しいし、親切に接してくれるし、ジュリアンが言ったことを注意したりもしてくれる。
善良な人。
でも、サマーのように一人でオギーと一緒にご飯を食べたり、表立っていじめを止めたり、一緒に立ち向かったり…そういうことはしない子。
私も恐らくシャーロットであることが多いように思う。
でも、傍観者は加害者に加担していると言うし、みんながもう一歩踏み出すことができたらいいのだろうな。
姉であるヴィラの想いは読んでいてなかなか辛かった。
病気がちだったり障がいを持っている姉弟がいる場合、他の姉弟は両親から愛情をかけてもらえていないと感じやすい。
ヴィアにも同じような葛藤があり、またオギーの姉と思われたくないという思いもどこかに持っている。
ヴィラの気持ちも分かる。
でもそれを知ったオギーも悲しい。
オギーは何もかもお見通しだったみたいでかなり大人な対応をしていて達観しているように感じた。
姉弟仲が悪くなってしまうこともあると思うけれど、二人はお互いに仲が良くて安心できる。
オギーを腫れ物のように扱わず、ちゃんと姉弟で喧嘩できているのもよかった。
子どもの頃から視線に晒されていると、相手がどういう目で自分を見ているのかがオギーには分かってしまう。
この作品は著者がアイスクリーム屋さんで頭部の骨格に障がいのある女の子と出会った際、当時3歳だった息子がおびえて泣き出してしまうことがあった。慌てて出ようとしたけれど慌てすぎててんやわんやに。
そのことがきっかけで著者はこの作品を描き始めた。
腫れ物に扱うように接するのではなく、そこから慌てて逃げるのではなく、相手と関わることが大事なのだと。
映画版の「ワンダー 君は太陽」も観てみたけれど、思っていたよりもよかった。
原作に忠実に作られつつもうまくまとめられていた。
ただ、やはりジュリア・ロバーツが主演だからか、お母さんが強くてお父さんはほぼ影みたいな感じになっていたのは微妙だったかな苦笑。