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【東野圭吾】マスカレード・ホテル

東野圭吾】マスカレード・ホテル

映画から入った作品。完全にキムタクと長澤まさみの顔しか思い浮かばなかった笑。映像から入るとイメージが決まっちゃうのがもったいないよね。

あらすじ

連続殺人の次の現場にある高級ホテルが浮かび上がってきた。事件を未然に防ぎ、犯人を逮捕するために潜入捜査をすることになる刑事たち。フロントクラークである山岸尚美の元に、刑事の新田浩介が配置されることになる。刑事の仕事をしたい新田とホテルのためにホテルマンとして振る舞ってもらいたいと考える山岸との間には大きな溝ができるがー?!

読んでみて

東野圭吾さんの作品はこれでまだ数冊目くらいしか読んでないけど相変わらず読みやすい。物語がどんどん進むのでテンポよく読める。昔の古典文学と比べるとすごく読みやすいよね!なのでサクサク読めちゃいました。

映画から入ったので完全にネタバレしてたのですが、タネを知ってるからこそ「ここで出てきたのがああなるのか〜」と直結できて楽しかったです。最初は原作が映画とどれくらい似てるのか違うのか分からなかったのだけど、私が分かる範囲ではほぼ映画と一緒でした!小説にめちゃ忠実に作られてるのね。

連続殺人事件がベースにありつつ、ホテルで巻き起こる珍事が間に入ってきて飽きることはない。ただ山岸に比べたら新田って子どもっぽいな〜。まあ主人公っぽくはあるけど。映画よりも小説の方が新田の成長に焦点を充ててた気がした。小説の良いところはそれぞれの内面まで丁寧に掘り下げれるところだと思う。

全体的にうまくまとまっていておもしろかった。ただ映画でも思ったけど女性が殺人を犯す動機がありきたりなのはなんでなの??って思ってしまう。衝動的な内容だと計画的な犯行にならないし、金銭目的だとありきたりだからちゃんとした動機を作ろうと思ったら似たようなものになってしまうのは分からなくはないけど。大体男女関係のもつれ、子どものためとかだよね〜。犯人が分かってしまった時点が山場で後は下り坂な感じだったな。もう一回くらいひっくり返して欲しかった!もうちょっと大筋の連続殺人事件を全面に押し出してくれてもよかった。

登場人物が男性ばかりなのも日本の小説っぽいなと思いました。警察関係者やホテルのトップがことごとく男性。今の日本の状況を表してるから別に間違ってはいないのだけど、最近ファンタジー系ばっかり読んでて現代物はNETFLIXばっかり観てるから、日本の現代物読むとまだこんな感じなのかー!って感じてしまう。この小説だけじゃなく現代物読むと感じることが多い。現実に引き戻されて現実を突きつけられてちょっと嫌な気持ちになることがある。ファンタジーの方が全く違う世界って割り切れるからね。まあ現実逃避してても仕方ないんですが。

続編がやるらしいのでまた観てみたいな。