三島屋変調百物語ベスト6
宮部みゆき全作品制覇中ですが、宮部みゆきの中でも大好きでめちゃおすすめできる三島屋変調百物語シリーズのベスト6を紹介することにするよ!三島屋変調百物語シリーズは現在(2020.9)6巻目まで刊行中!
シリーズのあらすじ
江戸にある袋物屋を営む三島屋。その姪のおちかは実家の旅籠から行儀見習いとして三島屋に身を寄せていた。しかし実際は実家の旅籠屋で起こった出来事で深く傷つき、叔父夫婦のところへ逃げてきたのだった。
ある時、お客から怪異を聞くことになったおちかは、百物語の聞き手として「変わり百物語」をやっていくことになるがーー!?心に傷を負った少女は怪異を聞き、経験を共有していくうちに少しずつ変わっていきーーー!?
1 三鬼(四之続 三鬼)
あらすじ
山陰の小藩の元江戸家老が黒白の間にやってくる。彼が山番士として送られた寒村で知った恐ろしい秘密を語り始めるがーーー。
ひとこと!
私が一番大好きで愛すべき作品。この三鬼が本当に深くて深くて一番気に入っているの。何が良いって、まずこの三鬼っていう1作品だけで壮大なドラマが作れちゃうんだよ。本当に出てくる人々の心情を一人一人丁寧に描いている。苦しくなってしまうくらい。鬼の正体を知った後の、あのなんとも言えぬ気持ち。ぜひ読んで感じて欲しい。
2だんまり姫(伍之続 あやかし草紙)
あらすじ
ある商家の母・おせいが黒白の間にやってくる。独特の声を持つ彼女は故郷では「もんも声」と言われていた。もんも声は妖を呼び寄せる声でー?!
ひとこと!
これ本当に好き!何度読んでも楽しい!おせいの強さや強かさや肝の据わった感じが大好き!ただ真実としては残酷なのだけれどね。でもおせいの明るさに救われる!
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3ひだる神(四之続 三鬼)
あらすじ
絶品の弁当屋はなぜか夏場にはしばらく休業する。大人気のお店なのだから営業した方が儲かるのにと人々は訝しく思うが…。弁当屋の店主が黒白の間で夏場に休業する理由を語る!
ひとこと!
これは本当にほっこりする話。一見怖い話かと思いきや、そんなことはなく、あんじゅうに通じるものがある。ただどれだけ素敵な妖ともいつかは別れがくるのが悲しい。
4あんじゅう(事続 あんじゅう)
あらすじ
手習所の若先生である青野利一郎の隠居した師匠夫婦が出会ったのは真っ黒い化け物でーー?!老夫婦はその化け物を「くろすけ」と呼ぶことにするが...。一体何者なのか?
ひとこと!
これまたほっこりする話!なんだかんだ心に残るのはほっこり系ですね。不思議な妖と出会えるのが日本の百物語の良いところだよね。海外で一神教の考えが強いところだとあんまりバリエーションがないから。日本だとこういう不思議がきっとどこかにあるんだろうなあと思わせてくれる。
5あやかし草紙(伍之続 あやかし草紙)
あらすじ
瓢箪古道の勘一が語るのは、法外に高い写本の仕事の話。それは自分の人生の結末を知る恐ろしいものでーーー?!
ひとこと!
自分の人生の結末を知るのって、まだ全部読んでいない本の結末を知るみたいで私は嫌だと思う。どこかで知りたい気もするし、人生を今より大切に生きれるかもしれないけど。でも知らなくても大切には生きれるし、知ったとしても結末を受け入れられないかもしれないしね。おちかと勘一がどうなるのかにも注目!
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6まぐる笛(参之続 泣わらし)
あらすじ
瓦版の評判を聞きつけた若侍が黒白の間に話すことに。お国訛りで話すのは、母親の実家がある北国の山奥で起こった出来事。そこでは「まぐる」が現れ、人々を襲っていたーーー。
ひとこと!
怪異というよりは森とともに生きる人たちへ襲いかかる獣害を描いている。でももちろんただの獣害ではない。宮部みゆきの作品で「荒神」っていう小説と似ているところがあるな〜と思いながら読んでいたよ。「まぐる」の本当の正体を知った時は悲しくなるし、一太郎が真実を知った経緯も悲しい。というかひどい。でも語り手が初々しいのでわりと微笑ましく読めた!
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