ホロヴィッツのこちらの作品やっと読めたよ〜!
ホーソーンシリーズより前に刊行した作品でこの時から日本でも大人気だったホロヴィッツ!
読みたいな〜と思いつつ先にホーソーンシリーズを読んでしまったのでこちらは後回しになっていたのだけれど、今回やっと読めました!
あらすじ
出版社の編集者であるスーザンは会社の看板作家の新作を読み始める。アガサ・クリスティの世界を彷彿とするような世界観の中で、准男爵の屋敷で家政婦が殺される。しめやかに行われた葬儀には7匹のカササギがいてーーー?
「1羽は悲しみ 2羽は喜び…(中略)6羽は金 7羽は秘密」
読んでみて
作中作の形をとっている今作。
私あんまり作中作が好きじゃなくって、シャーロック・ホームズの時もそうなんだけど、この作品に集中したと思ったら別の話が始まって今度はそっちに集中したと思ったら戻って…。となると集中が途切れちゃうんですよね。作中作の人々のことも好きなっちゃうと小説の現実の話よりも作中作をもっと!ってなってしまうし逆もあるし。
でも今回はすぐに作中作に入ったので集中はしやすかった!
ただその後の切り替えはちょっと難しかったけども笑。
もっとアティカス・ピュントの世界に入っていたかったよー!と思ってしまう。でもそう思えば思うほど作中の作家であるアランはすごい人物なんだなと実感できるので不思議。
メタ的な発言をするとどっちもホロヴィッツなんですが!
作中作の最初に〇〇が絶賛!みたいな謳い文句が色々とあって、これ自分で考えるの楽しそう〜!と思いました。
私も子どもの頃自分で勝手に新聞とか作ってから笑。彼は本当に遊び心があるよね。
作中作の雰囲気は本当にアガサ・クリスティに似ていた!
でもアティカス・ピュントの方がポアロよりちゃんとした人に感じた。ポアロの方がもっとぐいぐいいくというか、外国人らしさを全面に出すというか。あと謎に貪欲だし。まあ今回はピュントの状況も状況だったので前の作品では分からないけども。前の作品も気になるよね〜!
ホーソーンシリーズはホロヴィッツもホーソーンも男性なので、今回の主人公スーザンが女性なのは新鮮だった。女性のミステリもの好きなんだよね。
でも本来スーザンは探偵でもなんでもないので。素人探偵ものはどうやって調査していくかが重要になっていくと思うんだけど。シリーズを重ねれば実績から相談が来たりして不自然じゃなくなっていくけども最初はやっぱりおせっかいというか頭突っ込みすぎな雰囲気が否めないことが多い。
でも今回はちゃんと理由もあったので(ちょっと無理やりな時もあったけれど)あまり不自然にならずに済んだ。
素人探偵だからこそ「これは殺人なのか?それとも考えすぎ?」と悩むのが良かった。周りから言われたら揺らぐよね。
とにかくピュントの世界の雰囲気が良くて、助手兼秘書のジェイムズ・フレイザーもいい相棒だった。
そしてクラリッサ・パイ!長子が継承権を得る家に生まれて、双子なのに数分だけ先に生まれた兄に屋敷を追い出されるという。悲しい〜!悔しい〜!と結構感情移入してしまった。貰えるものはもらっておきたい派なのでね。
そして家政婦のメアリ。メアリの息子や婚約者。メアリにはもう一人の息子がいるが亡くなっていて、さらに夫も家から出てってしまう。暗い過去のある家族にまたメアリの死という悲しい出来事が起こる。
ピュントはこの過去にも言及していく。
アガサ・クリスティの世界には欠かせない牧師も出てくる!街の女医や画家もどきのその夫。パイ屋敷は大きいからこそ街の色々なところに影響をしていてみんなが容疑者になる。
結末もおもしろかった!
もちろん現実の物語の方の結末も。でも世界観としてはピュントが好きかな〜!
ただスーザンの仕事か恋愛かの悩みは共感できた。個人的には仕事を選びたいけどギリシャに移住も捨てがたい!!
あとは最後のラストもなかなか衝撃的。
↓
↓
ややネタバレあり!
コナン・ドイルもアガサ・クリスティも自分の作り出したキャラクターが人気を持ちすぎると作家としては大変になってしまうんだよね。
昔は特にちゃんとした小説と俗世的な小説は分けられていたようだからそう思ってしまうのだろうか。娯楽小説もいいと思うけどね。今はそんなに思わないのでは?と思うけど違うのかな?
終わりに
とにかくおもしろい作品でした!
読んでよかったー!最近はあまり読めてなかったけれどほぼ2日で読み切ってしまった。
あとドラマも公開されているらしい!
なんと続編もあるらしいので読んでみたい。