文学系心理士の自己投資ブログ

文学系心理士の感想部屋

文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【本】2月に読みたい本

今更ですが笑。2月に読みたいと思っている本です〜!

樹上のゆりかご

樹上のゆりかご (角川文庫) [ 荻原 規子 ]

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荻原規子先生大好きなので読めてよかった。一応「これは王国のかぎ」の続編という設定なのでそっちから読むと良いかも。

思春期の子たちの人間らしい気持ちがとても丁寧に描かれていた作品でした。

エチュード 春一番 第一曲

エチュード春一番 第1曲/荻原規子【3000円以上送料無料】

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感想(0件)

新しいシリーズもの!今出ているのは2巻だけですが続編も読みたいな〜。

たまたま拾った犬が自分は八百万の神様だと言い出す突拍子もない話。軽やかに読めます。

エチュード 春一番 第二曲

エチュード春一番 第2曲/荻原規子【3000円以上送料無料】

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感想(0件)

こちらが二巻目。よりオカルトっぽくなっていく。美綾の周りには変な人(?)が寄ってくるばかり。

侍女の物語

侍女の物語【電子書籍】[ マーガレット アトウッド ]

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マーガレット・アトウッドの作品!ずーっと読みたかったので読めて大満足!

彼女の作品を読むのはまたの名をグレイスに続き2作目なのでもっと読んでいきたい!

セカンド・ラブ

セカンド・ラブ【電子書籍】[ 乾 くるみ ]

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イニシエーション・ラブが好きだったのでこちらも。こっちの方は後味の悪さがなかなかにひどい。もう一回最初を読み返したくなるはず!

サブリエル

【中古】サブリエル 冥界の扉 古王国記1 上 /主婦の友社/ガ-ス・ニクス (単行本)

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ファンタジー制覇のために!

三つ編み

三つ編み [ レティシア・コロンバニ ]

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ずーっと読みたいと思っていたんです。やっと読めるのが楽しみ〜。

人形の家

人形の家 (岩波文庫) [ ヘンリク・イプセン ]

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こちらも読みたいと思っていた作品。フェミニズム系の作品です。

【荻原規子】エチュード春一番 第一曲・第二曲

1巻目

エチュード春一番 第1曲/荻原規子【3000円以上送料無料】

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2巻目

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あらすじ

大学生になる春に美綾(みあや)の家に迷い込んできたのは可愛らしいパピヨン!ところがそのパピヨンが自分は八百万の神だと名乗ってー?!

読んでみて

あらすじだけ読むと「どういうこと???意味が分からない」ってなるけど、読めば荻原ワールド全開ですぐに夢中になります。

人間が世界遺産とか突拍子のない設定が多いイメージがあるけど、それ以外の周りがすごく固まっていてストーリーも登場人物たちもしっかりしているので荻原先生の作品は安定して楽しめる。

 

今作も1冊300ページくらいの作品が2巻出ているだけなのですぐに読めると思う。勾玉シリーズは分厚めなのでこっちから読むと入りやすいかもしれない。

 

荻原先生の作品を読むと先生って本当に古典が好きなんだな〜としみじみ思う。私としては神社のところとか神様のところとかちゃんと理解できていないところも多かったけども。やっぱ古事記からちゃんと読みたいな〜。

 

にしてもこれで荻原先生の作品は残すところ源氏物語のみになってしまった…。最新作を読みたい…。最新作を…。


以下2巻分のネタバレ含みます〜

結構突拍子のない設定だと思ったけれど、すぐ慣れてしまった!パピヨンって犬種知らなかったのだけど、確かに可愛い!こんな可愛らしい犬を選ぶなんておもしろいけれど、理由としては理にかなっている笑。


RDGとは違って、主人公の美綾には不思議な力はない。今まで感じたこともないし、そういう世界とは無縁に生きてきた。ところがどっこい、パピヨンの中にいる八百万の神様がやってきてからが大変。


第一曲目はパピヨンのことがあるし不思議現象かと思いきや人間が怖いって話で、ちょうど樹上のゆりかごを読んだばっかりだったので似ているな〜と思いました。


一応心理学者なので、金縛りとか幻視とか幻聴とか聞くと現実的な見方をしてしまうことが多い笑。そういうワードを聞くといくつかの病名が頭に浮かぶし、微睡んでいる時に金縛りのような現象が起こることも多いのを知っている。


パピヨン八百万の神様という超常現象を先に出しておいて、でもそれ以外の怪異は人間がやったこと、思い込んで見たこと、という作りがすごく面白かった。普通ってそういうことしたら物語が破綻しそうだけれど、荻原先生はものすごく丁寧に両者の違いを表現しているから結末がわかって逆にしっくりくる。


原因がなんであれその時にその人が感じていることは間違いではないんだよね。だから美綾が怖かった気持ちは本物。まあ実際なところは分からない部分もあるのだから、結局のとこは人間がどう意味付けるかに因るように思う。

パピヨン八百万の神だと話すなんて人にとってはホラー以外のなにものでもない場合もあるし。美綾がモノクロを受け入れることができる柔軟性を持っていてよかったし、ポジティブに受け入れられるからこそモノクロは美綾を選んだのだろうな。


にしても大学生活がすごく羨ましく感じてしまう。日民研とか、そういうサークル入ってみたかったな〜もっと人とたくさん交流すればよかったな〜と思わずにはいられない。

同じような世代が特に利害関係もなく当たり前に過ごせる場所って大人になるとそんなに多くないような気がする。探せばあるのかもしれないのだけど、今みたいなコロナ禍だと余計に難しい。


美綾は人生に迷っているけれど、迷える余地があるほど未来に可能性があるということで羨ましくも思う。まあ実際に自分がその立場だったら早く安定したいって思うのだろうけども。

大人になってから思うと、子どもとはもう違うんだな、としみじみ感じる。大人と子どもの過程ってグラデーションだからいつからどこがどう、とは言えないのだけど。周りにいた大人が年老いてきて、自分がいつの間にか周りにいた大人くらいの年齢になっていて...。子どもを見るとすごく懐かしい気持ちにもなる。

いつか大人になると思っていたけれど、気がついたら大人になっていてなんだか寂しく感じる。

 


第二曲はよりオカルトじみてきて!

飛葉がね〜〜〜やってること最悪だし、永遠に美綾と結ばれないだろうけども、腐れ縁になりそうな予感がするし、式神と言うあたりがなんというかちょっと健気でかっこよく思えてしまった笑。

まあ本当のところは警察に突き出して欲しかったんですが…笑。でも最後の最後でちょっとキュンとしてしまった。

そして美綾が自分の変さに気づくところも良い!ある意味RDGっぽくなる。モノクロが美綾の元に現れた時点で、その意図がどうであれ神と対話できるわけで。何かの教祖になれる能力だからね。

続きは出てないけどあるのかな〜〜〜。読みたいな〜〜〜。

【本】MOE 2021年3月号

3月号のMOEが欲しくて欲しくて手に入れられてよかったー!

今回のMOEはなんと「モモ」について!

子どもの頃からモモがだーいすきで、好きな本を尋ねられたらずーっと「モモ」って答えていました。

でも私の周りにはあんまり読んでいる子がいなかったのよねー

でも最近はまたよく見るようになって大人にも人気みたいですね。大人だからこそおすすめ!みたいに紹介されてたりして。

日本人の働き方をみるとほとんどの人が刺さるんでしょうね(苦笑)

 

youtubeでもよく紹介されているみたいですが、中身の紹介を読むくらいなら自分で本を読む派なので私はあんまり観たりしないんですよね笑。自分が目から文章を読むのが合っていて、耳から聞くのはそんなにっていうのもあると思う。youtubeとかで最速にしても結局は目から読んだ本が早く感じてしまうし、視覚的に変換するので二度手間という笑。

 

私は子どもの頃に読んで、「なんで時間がないんだろう?変なの」って思ってました笑。今は自分の時間がないな〜ってすごく感じるので、大人になってから読んだらまた違いそう。

岩波書店の本は持っているので、愛蔵版と文庫版が欲しいな〜!

愛蔵版めっっちゃ可愛くないですか???

ちなみに付録は「モモ史上初のクリアファイル」!

これがほしくって買いました。でも本誌もミヒャエル・エンデのインタビューがあったりしてすごく充実していた!

日本人の女性と再婚されていたのも知らなかったし。エンデの人生年表もよかった!

というか私「モモ」以外の作品をあんまり読んでなくって。これを機に読みたいと思う。

昔は同じ作者の本をひたすら読むんじゃなくって、同じ本をひたすら気に入っていたような気がするのよね。児童書の書籍の順番って題名順になってたりしたから、あんまり同じ著者を読むって概念がなかったような気がする。

 

全作品読もうと思うんですが、特に気になった本はこちら!

M.エンデが読んだ本 [ エンデ,M.(ミヒャエル) ]

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好きな人のおすすめの本ってめちゃ気になるよね〜。

あとは読むタイミングを失い続けているこちら↓

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー) [ ミヒャエル・エンデ ]

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読みたかったのだけど、色々な諸事情から読むタイミングを失ってしまっている。むしろ内容は知っている。絶対好きになるのは分かりきっているのに〜!

あとこれも読みたいと思っている。河合俊雄先生だし〜!

100分de名著 ミヒャエル・エンデ『モモ』 2020年8月

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【防災】災害に備えて購入したもの 自宅編

災害に備えて自宅用に備蓄を購入しました!

 

まずは水!

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そして保存食!

保存食

そんなに高くないので買っておくと安心。

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電気が使えなくても情報収集するためにラジオ!

ラジオ!

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プラスでこの辺りも買いました〜

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目隠しできるものがあると便利だと聞いたのでこちらも!

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そして本が大量にあるのでこちらもつけました!本がない方が本当はいいんだろうな〜でもしょうがない!

突っ張り棒

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この辺りにプラスして非常用リュックも準備したのでそちらもまた紹介していきます〜!

【購入品】最近買ってよかったものを紹介

最近?かは微妙ですが、「買ってよかったな〜」としみじみ思うものを紹介。ちなみに本以外です。

エムリリー

たかーいマットレスっていっぱいあるじゃないですか。そういうのを買った方がいいかな〜とも思ったんですが、コロナ禍でなかなか店舗に行けないし、口コミだとやっぱり合わなかったっていう評価もあるし…。たかーいマットレスは一旦やめて、お手頃価格だけども評価も高めなエムリリーにしました!

エムリリーも微妙な口コミはもちろんあるんですが、有名どころ比べたら良心的な価格なので買いやすいと思います。楽天で買えるのもポイント!

私は今まで使っていたマットレスの上におきたかったので5cmを買いましたが満足してます。これを使い始めてから寝返りが快適になったのか夜に起きなくなったんです!快眠〜♪

次は枕を新調したい…。

あずきの力

首バージョンと目元バージョンの2つを持っています。使える回数は限られるんですが、元は取れるレベルで使えるので問題なし。

なんか頭痛いな〜とか言うときに使うとめちゃ効く。寝る前にこれを準備してから布団に入ります。めちゃ気持ちいい。結構な冷え性なんですが、やっぱり温めるのって大事なんだな、と実感できます。

 

なんかこれ意外にも結構種類があるみたいで欲しい…。絶対気持ちいい。

ipad

最新 Apple iPad Pro (12.9インチ, Wi-Fi, 128GB) - スペースグレイ (第4世代)
 

ブログも絵もNETFLIXもぜーんぶipadを使ってます。普通のパソコンの立ち上がりって遅いし、今は別にパソコンを使わないといけない状況じゃないので。学生の頃は論文とかレポートとか書くのに必須だったんですけども。

いっそのことiMacを買いたい気もする。画面大きくなるし。でも今でもものすごく快適だけども。

 

【NETFLIX】海獣の子

NETFLIXのトップに出てきたので観てみました〜!同名の漫画が原作みたいで私的には漫画が気になる!

 

 

あらすじ

中学生の琉花は部活でトラブルを起こし、夏休み早々から来なくてもいいと言われてしまう。父の勤務する水族館へ行った琉花はそこで海という少年と、その後に空という二人の不思議ん少年と出会いー?!

観てみて

絵がひたすらに綺麗!芸術か?!と言うくらい。絵をみてるだけで心が洗われる。特に今はどこにも行けてないので、実際に行った気になれるくらい!琉花が雨の中自転車を漕ぐ描写とかも素晴らしい。大粒の雨とそして雲を抜けた後の青空!

ただ内容としては思っていたよりも難しかった…。子どもが見たら良い意味でも悪い意味でもトラウマになる気がする。私も子どもの頃見ていたらすごく印象に残りそう。

あんまり言葉では伝えずに映像で抽象的に伝える感じなので結構怖いと思う。


大人でもよく分からないからねー。伝えたいことはなんとなく分かるんだけど、細かい部分の解釈はよく分からない笑!漫画を試し読みした感じだと漫画の方が丁寧におっていけそうな感じがしたので漫画を合わせて読むといいのかなー。

でもクジラの歌や隕石との関係やそういうのは好きでした。雰囲気とかが好き。でも難しい。

【荻原規子】樹上のゆりかご

久しぶりの荻原先生〜!読んでいると荻原先生の文体!と嬉しくなる。ちょっと大人びた子どもたちの考え方や話し方が好き。

あらすじ

伝統校である辰川高校の入学したひろみ。不思議な少女・有理との出会う。生徒会に入ったひろみだが、気味の悪い脅迫状が届き始めー?!

 

読んでみて

ドラマ化してほしいー!しないかな?しなさそうだな〜。

主人公は「これは王国のかぎ」と同じ上田ひろみ。続編があるって知らなくて、知ってたらすぐに読んだのに〜!と思っていたら、あんまり関係なかったみたいでよかった。でも順番に読んだ方が分かりやすいとは思う。


王国のかぎの方はファンタジー色が強かったのだけど、こっちはそういうわけじゃなくってミステリー色が強い。最初はどういう小説なのかあんまり分からず、ひろみが入ることになった辰川高校という伝統ある高校についてが主になっている。

 

進学校であるにも関わらず、行事に死ぬほど力を入れていて変な一体感を持っている。そこは独特の世界で同じ世代の子どもがたくさんいて、なんの意味があるのか分からないことを一心不乱にやっている。その波に入ることは居心地いいだろうと思う。

そこは集団だからその集団に入れば気持ちいいし安心できる。でもいつかはそこから巣立って個人になるときはやってくる。有理は元からそこに入らない人間で、入ろうとしない人間だった。個性を隠そうとはせず、むしろクラス全体が有理に合わせて有理の個性がクラスになっていた。

 

大人になってから思うと学校って不思議なところだったと思う。ずっとそこにいたから気づかなかったけれど大人になってみるともうああいう空間に入ることはないんだと気づく。もう一回学校に戻ることはあってもそこは同じ年齢の集団がいるところではなくなっているだろうから。未来が分からなくて無限の可能性があるけど不安定な世代が集まることはもうないんだろうな。

ある意味誰でも対等な世界にいるって子どもの時だけだと思う。もちろん辰川高校と他の高校を比べるともうその時点で差は出てるのだけど辰川高校の中ではカリスマ性があったり優秀であったり違いはあるけれどみんな対等で未来に対して平等に開かれている。でも一方で似ているところが多い分、個々の能力が目立ってしまい残酷でもある。


今作の男の子の主人公はは鳴海知章かと思いきや、実は江藤夏郎。夏郎って名前っていいと思う。

今までの男の子の主人公ってクールな人が多いイメージだったので(RDGやセラフィールド)、夏郎だったのはちょっと意外だった。でもまあ幼少期に何もなく素直に育ったら夏郎になりそうな気はする。夏郎が言ったことでなるほどと思った会話。

「社会じゃないもん、学校だろ」

「学校だって社会です」

「ちがうよ」

断言するので、私はびっくりした。

「ちがうはずないじゃない。人が集まれば社会になるのよ。どんなところでも。」

「おんなじだったら、学校に通う意味がないだろ。本音を言わなきゃ。おれたちが学生の出なくなって、本音を言ったらたたきつぶされる場所行く前に」

わー、なるほど。でも本音ってある意味残酷だよね。ひろみはなんだかんだ夏郎に対して本音を言えるようになったし夏郎も一方的に言うわけではないからいいけど、一方的に言われる場合だと子ども時代が一番残酷だと思う。大人の方が直接的には傷つかないことが多いと思う。私的には夏郎にはもうちょっと可愛げが欲しかったけども笑。


有理とサロメが重なるところが怖かった。有理はサロメに自分を重ねていて、彼女はサロメの狂気が分かった。

狂気じゃなかったのかもしれない。でも実際に現実に起こったら狂気だと思う。

有理がやったことはひどいし、自分勝手に感じる。彼女の考えは分からないでもないけれども。

オスカー・ワイルドの「サロメ」は読んだことがなかったけれど気になったのでいつか読んでみたい気がする。


最後にひろみの言葉。

私と有理さんのちがいは、行動を起こす力があったかないかのちがいだった。たったそれだけの差異なのだと、私は思った。私には有理さんのように具現する力がなかった。ただ、物語を考えて終わらせることしかできなかったのだ。

(私は、何もしなかった……だから、何も変わらないのだ)

結構刺さる。私も有理というよりもひろみなので。でも有理である人ってそんないないよね。


微妙な年齢の子どもたちの描写を描くにあたって荻原先生はとても素晴らしい。本当に。

でも子どもの頃に私はここまで考えたことがなかった気がするので、やはりみんな賢いのだなと思わずにはいられない。もちろん荻原先生も。