【アガサ】クリスマス・プディングの冒険「グリーンショウ氏の阿房宮」
これは阿房宮(あぼうきゅう)と読むらしい。秦の始皇帝が建てた建物だけれど、途中で止まってしまったらしい。ちなみにこの作品も料理で言うところの選り抜きの添え物の一つになります。
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あらすじ
大金持ちが中途半端に建てた建物、そこにレイモンドはお客を喜ばすためにやってきた。風変わりなミス・グリーンショウが住んでおり、ひょんなことから遺産を女中にやる署名に立ち会うことになってしまう。ところがしばらくして、ミス・グリーンショウは亡くなってしまいー?!ポアロ5作品、マープル1作品の豪華な短編集。
読んでみて
この「クリスマス・プディングの冒険」の中では唯一のマープルもの。ポアロは探偵!ミステリー小説!って感じだけれど、マープルは日常の中の事件っていう感じでまた全然違うんだよね〜。にしてもマープルが出てくると安心感がすごい!マープルものは、まだ全然マープルのことを知られていなくって只の噂好きのおばあさんって思われている作品もあるんだけど、今回はそういうわけではなかったので、警察へは意外とすんなり意見を言えてよかった。全然信用されないとこっちがイライラハラハラしちゃうんだよね〜。ポアロもマープルもどっちも晩年を想定した作品が多かった印象でした。
この作品もまあまあ好き!ミセス・クレスウェルとアルフレッドの関係がなんだか「またの名をグレイス」のあの二人の関係とそっくりで!なんだか変にハラハラしてしまった〜。怖い怖い。庭師と上手くいかないのって女中の方が気取るからなんだろうか?
今回もトリックが突飛で面白い。にしても矢で殺すって普通にひどいし、矢ってそんな亡くなってしまうほどなのか、とも思う。おもちゃの矢しか見たことないからだろうな。アーチェリーを想定した方が合っているんだろうな。怖い怖い。
お金持ちは兎にも角にも命を狙われやすい。お金持ちじゃなくってよかった、とホッとしましょう。あらかじめ対策とか立てれないのかな〜。でもみんな凝った作品を練るから難しいね。それに大体は一番身近な相手が犯人だしね。ちょっとスリリングで面白かった。意外にアルフレッドが良い青年でほっこりもしたよ。