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【阿部智里】烏に単は似合わない

阿部智里烏に単は似合わない

十二国記ロスのために読んだ作品!最後の書評の部分で「帯にミステリーと〜」的なことが書いてあってはじめてミステリーだと気づきました。遅い!でもファンタジーでもあるんだよね?アガサ好きなので「これ〇〇じゃん!」とめちゃ思ったよ。

あらすじ

八咫烏が支配する世界でお妃選びが始まった。名家からそれぞれの姫が4人宮廷に集まってくる。そのうちの一人、あせびも若宮に淡い恋心を抱くがー?!

 


ネタバレあり。アガサのネタバレもあり笑

 

 

 

 

 

 

読んでみて

これ読んだ後にアクロイド殺しかー!となりました。私はあんまり帯見てなくって表紙からファンタジーっぽいと思って買ったんですが、あんまりファンタジーじゃなかった(苦笑)。十二国記と同等か超えるものをさがしていたので空振りになっちゃいました。

平安時代の宮廷ってことで「なんて素敵にジャパネスク」を思い出しつつ、烏ってことで荻原先生の勾玉シリーズを思い出したよ。もっと続きが読みたかったな...。

 


ストーリーとしてはそれなりにおもしろかったのですが、ちょっと回収が雑な感じがしたかなあ。女の戦い!って銘打っている感じなのに良いところは全部若宮が持っていくのか〜となったり。十二国記ではあんまり男女関係なかったから、そもそも若宮に選ばれるために姫が集まるっていう前提自体があんまりってなってしまった。各々がもうちょっと主体性があればもっと楽しく見れたかもなあ。何のために宮廷に行って何の意味があるのか。ただ家の復興のため、家の人に言われるから、そういうものだからとかじゃなくてもう少し予め考えられなかった?って思ったり。もう少し後半に行くまでに盛り上げて欲しかったかも。続編もたくさん続いてるみたいだしそこまで読めばハマるかな?

まあ十二国記と比べずに読むべきですね。好きな人には申し訳ない。2巻目まではひとまず読もうかなあと思ってる。にしても知らないうちは変な題名だなと思ってたんですが、読んでみると題名そのままでした。

もう少しファンタジーっぽい作品が読みたかったかな。あとミステリーってなるとやっぱちょっと物足りない部分がある。烏の世界観は楽しかったので宮廷ものじゃない方が私の好みだったな。宮廷ものは宮廷ものでももう少し各々策略巡らすとかね。ただただみんな可愛らしく見えてしまったんだよね。

ちなみにアガサのアクロイド殺しもすごくおもしろい。アガサは色んなミステリーの手法を作り出していて、有名なのはオリエント急行とかそして誰もいなくなったとかだけど、アクロイド殺しもめちゃくちゃ斬新!こうやって違う作家さんが使ってるのをみるとアガサってやっぱすごかったんだなあとしみじみ。