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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【山本文緒】あなたには帰る家がある

kindleunlimitedで読んでみました〜!谷川史子先生の漫画が大好きすぎるので気になって読んでみたよ!

あらすじ

結婚して1歳になる子どももいる主婦・真弓。結婚したら幸せだと思っていたのに思っていたのとは違う人生に戸惑ってしまう。とにかく外に出るためにパートで働くことにするが、夫とは家事のことで喧嘩ばかり。より稼げた方が「主婦・主夫」になる賭けをすることになりー!?

読んでみて

2組の家庭が出てきて、絡み合っていく物語。

夫である秀明も主夫になる可能性があるという賭けは斬新だが、真弓が働くことに対してそこまで反対するのには違和感がある。書かれたのが1994年ということもあり、その当時に読んでいた方がしっくりきたのだろうと思う。


現代だとむしろ妻も働いてくれなきゃ困るっていう感じではないだろうか?そう思うとまだこの時期は今よりも日本が裕福だったのだろうな。

私の周りの男性たちも働いて欲しいという希望が当たり前にある。むしろ専業主婦希望となるとちょっと引くくらい。

その割には家事とかやらない話をたくさん聞く。女性の社会進出は進んでいるけれど、長時間労働が変わらずあるから、男性の家事・育児進出は進んでいないのだろうな。


W不倫という絶対やめた方がいいことをしていく秀明と綾子。

いつも思うのだけど、別れてから付き合えばいいのにね。それをしないのは、結婚している同士で付き合うのが楽しいからなんだろうな。その相手が好きってよりはシチュエーションが好きなのだろう。


不倫する相手には一ミリも寛大になれない人間なので、不倫しているって分かっても関係を続けようと思う真弓も太郎もすごいと思う。

1回の浮気くらいならいいってこと〜?

今までの生活もあるし情もあるし?でも嫌じゃない?

浮気は関係性、信頼関係の問題だと思う。浮気しても信頼関係を築けると思えるならいいけど…。

1回浮気したけどその後絶対にやらない人も中にはいるだろうけど、大体は1回やって許してもらったらまたやるよね?そういうものじゃない??浮気もDVのハネムーン期と一緒な気がする。結局はやらない人間は元からやらないよねって。機会があったからってことかもしれないけど、じゃあまた機会があったらやっちゃうよねっていうね。


秀明は真弓に偉そうなことを言っておきながら浮気して、結局綾子も選べないような人間なので、尊敬できるところも信頼できるところもない。

綾子も綾子で最初は可哀想な人っぽく思っていたけれど、思っていたよりも中身が子どもで王子様を待っているってことが分かった。自分から動けないなら目の前の人間と向き合ってみたらいいのに。

まあ太郎も太郎で平気で浮気しようとするから、それもそれで嫌だし。ただ、いいやつ?というわけではないけれど、ちょっと違う面もあったのには驚かせられた。というか義兄最低では??自分への憧れを逆手にとったわけで…。私なら絶対に暴露してやるけどなって思ってしまった笑。やられたらやり返す人間なので。お互い同意の上だとしてもまだほぼ綾子は子どもだったわけで。ひどいと思う。

綾子もそこで逃げずにシングルマザーにでもなんでもなればよかったのに。楽な方楽な方に行っちゃう人だよね。太郎も自分の子どもじゃない子を受け入れてくれるのはすごいけど、もう一旦受け入れたらその後は対等なわけだから、そこから遊びであっても浮気するのは人としてひどいと思う。


という感じで、みんな嫌なやつだし、ドロドロすぎるし…。

谷川史子さんの表紙とのギャップがすごいな!


まあ秀明は抜け殻みたいになっているので、ここまで痛い目にあったらちゃんと家事とかやって真弓と向き合ってくれるかな〜と思うけど。というか思いたい!この後また浮気とかされたら辛い!

でも真弓が働いて、秀明が主夫になったからといって丸く収まるわけではないから、これからも大変そうだな〜。

と、結婚について考えさせられる小説でした!

ちなみにドラマ化もされているらしい!