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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【2019年】小説ベスト9作品

2019年のお気に入り9冊


2019年終わって2020年になっちゃったんですが!!!2019年に読んで特に気に入った本を9冊紹介します〜!去年は大体80冊くらい読んだのでその中から厳選してみました◎順番は読んだ順です!


①ぼんくら 宮部みゆき

あらすじ

ぼんくらな同人・平四郎が謎を解くミステリー。長屋で殺人事件が起こったが、その背後には大きな陰謀が?!平四郎の他にも美形で賢い弓之助、なんでも覚えるおでこ、信頼できる岡っ引きの政五郎、頼りになる長屋のお徳など愛すべきキャラクターが出てくるよ!

ひとこと!

宮部みゆき時代小説。一番好きなのは三島屋変調百物語なんだけど、こっちも好き。ぼんくらシリーズの方が鬱々としてなくて楽しみながら読める作品かな。キャラがすごく立ってるのでキャラだけでも楽しめるんです。好きなのはやっぱなんでも覚えちゃう『おでこ』かな〜。かわいいの。

 

 

②からくりからくさ 梨木香歩

あらすじ

心がある不思議な人形りかさん』を持つ蓉子は、亡くなった祖母の家でルームメイトを募って住むことにする。蓉子を含めて4人芸術を生業とする女性が住むことになるが、各々のルーツ、各々の葛藤が混ざり合っていく。

ひとこと!

梨木香歩さんの本は地味に読んでたんだけど、なんなんだろうね。この人独自の世界観が滲み出てて、いつのまにかのめり込んでしまうの。からくりからくさは4人の女性、女性というにはまだ不安定だし幼いんだけど、でももう少女ではない4人のルーツから現在に至るまでの強い思いを描いてる。みんなそれぞれ生きていて、生きるっていうこと自体が大事なことなんだと感じられる。この作品の背後にいる幾千人の人を感じて人生に向き合って、なんだか癒された作品だった。


③三島屋変調百物語其の四 三鬼 宮部みゆき

あらすじ

江戸にある三島屋。その姪おちかは、黒白の間で変わり百物語を行なっている。話し手と聞き手のみで行う百物語は、聞いて聞き捨て語って語り捨てとなっている。そんなおちかの元には誰にも話せなかった不思議な話や恐ろしい話が今日も舞い込んできてーーー。

ひとこと!

私が一番大好きで愛すべき作品。この三鬼が本当に深くて深くて一番気に入っているの。何が良いって、まずこの三鬼っていう1作品だけで壮大なドラマが作れちゃうんだよ。本当に出てくる人々の心情を一人一人丁寧に描いている。苦しくなってしまうくらい。鬼の正体を知った後の、あのなんとも言えぬ気持ち。ぜひ読んで感じて欲しい。

 


④試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 尾形真理子

あらすじ

路地裏に隠れてひっそりとあるセレクトショップ。そこには恋愛不器用な女性たちがやってきて、お気に入りの1着を探していくうちに、自分自身、そして自分の恋に向き合っていくオムニバスストーリー

ひとこと!

急に恋愛もの!!!笑。すごく可愛い感じだよね。こういうのも読むんです。マンネリ気味な子や不倫をしている子、友人の結婚相手が元カレだった子や年下男子に恋い焦がれる奥手女子など、多分今のあなたにぴったりな子が見つかるはず!私もその時の自分にぴったりな子がいたのでものすごく胸にきました全体的にポジティブなので読後感が幸せになれる一冊


⑤鹿の王 上橋菜穂子

あらすじ

負けるために戦った戦士・ヴァンは、奴隷として岩塩鉱で働かされていた。ある夜、無気味な犬たちが人間を襲い、謎の病が発生する。生き延びたヴァンは、同じく生き延びた赤子とともに逃げることにするが、2人は否応にも争いに巻き込まれていきーーー?!

ひとこと!

これが私にとって初の上橋菜穂子作品だったのですが、もうハマりにハマった!上橋さんの作品は一気にほとんど読んでしまったくらい。最初はヴァンの物語だったはずなのに、どんどん壮大になっていき、国や民族や暮らしや文化やいろんなことを考えさせられる作品だった。登場人物たちも皆魅力的だし、謎が謎も呼ぶし一気に読んでしまうこと間違いなし!


⑥孤宿の人 宮部みゆき

あらすじ

運命の因果から孤児の「ほう」は讃岐国・丸海藩に流れ着く。引き取ってくれた井上家では「ほう」に優しくしていた琴江が殺されてしまう。そんな時、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩に到着し、怪異が起き始めるがーーー。

ひとこと!

それぞれの思惑、考え、習慣、個人ではどうにもならないこと。そういった世界をありありと見せつけてくれる作品だった。これを読んでいるとこの世界はなんて汚くてどうしようもないのだろう、と実感させられる。ただ、ただ、「ほう」だけが希望になっている。最後はずっと泣いていた思い出。


⑦ばんば憑き 宮部みゆき

あらすじ

宮部みゆきの時代劇ものを詰め込んだ6作品が入っている短編集。人の心に巣食う「あやかし」を描く、ぞくりと怖く、読んだ後にも怖さが残るものばかり。

ひとこと!

いやー、どれも本当に完成度が高い。時代劇ものが好きなので、こんなに詰め込んでくれて大満足すぎる。どれも怖いものばかりなんだけれど、一番怖いのは人間だよねって


天と地の守り人 上橋菜穂子

あらすじ

行方知れずになったチャグムを探すためバルサはロタ王国へと向かう。様々な国の思惑が混ざる中、異界・ナユグ春を迎えようとしていた。その影響でこちらの世界も変化し始めておりーーー。

ひとこと!

上橋菜穂子作品で有名な「精霊の守り人」シリーズ。シリーズ全部好きだけども、これを選んだのはやっぱりこの作品が一番守り人シリーズを凝縮していると感じるからだと思う。「精霊の守り人」から始まったバルサとチャグム、そして新ヨゴ王国はどう終着するのか

彼らの決断と勇気をぜひ見て欲しい。あとは私がどっちかというとバルサ寄りの年齢なので、チャグムが本当に子どもみたいに思えるんだよね。バルサとチャグムの関係が本当にいい!!

 

あらすじ

玉倉山の玉倉神社に住む「原泉水子」は、内気で大人しく目立たない少女だった。ところがある時、自分は姫神を憑依する「憑依体質」の一族であり、世間から狙われている存在であり、進むべき道も決められていることを知る。山伏の一族である相良深行と反発し合いながらも徐々に「姫神」に向き合っていくがーーー。

ひとこと!

久々に新しい世界観の物語にのめり込めたのが本作。人間が絶滅危惧種って珍しいじゃないですか。最初よく分からなくて。それに泉水子はうじうじしているし、深行は意地悪だし、どうなっていくんだ?!と思っていたのもつかの間、あっと言う間にのめり込んでいて、全部読んでしまっていた、と言うね。アイデンティティがまだない少女だった泉水子が自分の運命や将来を決めつけられて身動きがとれない状態になってしまっていたけれど、対等な友達と出会って自分に向き合っていく作品。やっぱり荻原規子が描く女の子は強い!憧れる!!

 


そんなこんなで2019年のベスト9冊でした〜。気に入ったのあったら読んでみて〜!