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【小野不由美】十二国記 魔性の子

小野不由美十二国記 魔性の子

十二国記全制覇したよー!!!すごく楽しかったしすごく大切な作品になった!また十二国記自体のまとめは別で書きたい!

そして魔性の子!最初は「黄昏の岸暁の天」の次に読もうかと思っていたのですが、続きが気になりすぎて「白銀の墟玄の月」から読んじゃいました。なのでエピソード0の魔性の子は最後に読んだよ!

 

あらすじ

母校である男子高校に実習生として再訪した広瀬は、クラスに周りから浮いている少年を見つける。彼は「異質」だった。彼の周りで不運なことが次々と起こる。最初は半信半疑だった広瀬も巻き込まれていきーー?!

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感想(42件)

 

最後に魔性の子を読んだメリットデメリットを紹介!

デメリット

「白銀の墟玄の月」で泰麒がここぞという時に「魔性の子」の時の話を思い返すので知らないと「???」でした。あらすじだけは知っていたので「先生」って広瀬って人のことかな〜くらいは分かったんですがそれ以外はさっぱりさっぱり。なのでその部分は何も考えずに読んでました。

それに「黄昏の岸暁の天」とも表裏一体になっていいるから「黄昏の天 暁の」でよく分からなかった部分が「魔性の子」をすぐに読めば理解できたのになって思うと残念。

でもメリットがあって、それは…!

十二国記にハマりすぎて十二国記に行けないのが辛すぎて「この世に生きている意味って…」ってなってたんですが(?)、異世界に行きたい広瀬と泰麒の関わりを読んでいるうちに「広瀬は異世界に行っても仕方ないし自分の世界で頑張っていくしかない」って思えたんですよね。まあつまり私もこの世界で頑張るしかないってことで!広瀬と一緒に喪の体験をした気持ちになったよ。

 

感想

「白銀の墟玄の月」のところで泰麒が広瀬を連れてこなかった〜みたいに言っていて、「そんな大事なら連れてこればいいじゃん」って思ったんですが、「魔性の子」を読むと「そりゃ連れて来れないよな」と変化しました。

表と裏。私たちは表に住んでいて、泰麒たちは裏にいる。まあどっちを表でどっちを裏にするかはどの世界にいるかで変わりそうだけど。

泰麒は異質だったけれど広瀬は違う。広瀬はこの世界の住人で例えなんだか違和感があってもその世界で生まれその世界で生きるもの。鈴なんかは予期せず十二国に来たけれど、いつも帰りたいと思っていた。そりゃ確かにろくに言葉も分からない世界に放り出されたら辛い。しかもそこには自分の居場所はどこにもない。多分広瀬もそうなったと思う。

この世界に違和感があるのと「異質」なのは全然違う。確かに馴染めなかったりしたのは事実だと思う。母ともそりが合わなかったのも。でもそれってその場だけで、例えば全然違う国に行ったらそれだけで「違う世界に行く」のと同じ効果を発揮するのでは?と思う。

異世界に行けば万事おっけーってことはない。そこが天国だったり自分の空想の世界ならまた違うかもしれないけれど、生きている世界である限り、住んでいる人がいて働いている人がいて上下があって人間関係があって妬みがあって…。十二国の世界はこっちと色々と常識が違うけれど人の思いや考えは似ている。だから読んでいると共感するのであって。だから向こうにいけば何かよくなるものでもない。

でも違う世界に行くって魅力的なのは分かる。ちょっと怖いけど。子どもの頃って自分は特別かもって思うよね。ハリー・ポッターを読んで自分のところに手紙が来るはず!って願っていた。残念ながらこなかったけれど。でもハリーの世界も結局はマグルの世界と変わらない。自分が魔法使いに選ばれて「特別」になったことは嬉しいし誇らしい。でもそこが「普通」になると魔法を使えることは何も特別じゃなくなってしまう。広瀬も十二国の世界に行っても、行って慣れれれば慣れるほど自分は特別じゃないっていうことに気づくと思う。

泰麒の別れの場面で広瀬はすごくそれを感じていた。泰麒は選ばれた人間で恐らく王で特別な人間。でも広瀬は違う。それを突きつけられるのって辛い。自分は特別じゃなかったんだって。主人公にはなれないんだって思うのは悲しい。ハリー・ポッターのリリーとペチュニアを思い出す。あんなの辛すぎるよね。読者はハリーたち目線で見ているけれど、実はみんなペチュニア側なんだよね。手紙が来てない人はみんな。

…ということで、広瀬があそこまで異世界にこだわるのを見ていてなんだか哀れに思ったし、いい加減にしろよ!という気持ちを感じ、そしてこの世界で生きようと選択した時に自然と読んでいる自分もこの世界を大切にしようと思えたのでした。だって一緒だからね。異世界に行ったとしても結局は同じだから。大事な人や大事なことを大切にして生きていきましょう。

泰麒はこちらで異質だけれどあちらで歓迎されるわけじゃない。ものすごい苦難が待っている。でもあちらでは異質ではない。ありのままの自分でいられる。李斎や驍宗たちはそもそも違う世界に行きたいって考えなさそうだよね。それはこちらでの役割をしっかり理解しているからで。私ももっとちゃんとこの世界を生きないといけないのだろうな。でも小説を読むとその世界にどっぷり浸かっちゃうんですよね。「白銀の墟玄の月」は毎日時間があればずっと読んでいてずっと考えていて…。夢中になりすぎちゃう。それが良くないなって思ったので高校生の途中くらいから意図的に本を読まなくって。って言っても一般的な人よりかはそれでも読んでいたけども。過集中できるのも問題だなあと思います。良いじゃん!って言ってくれる人もいるけどね〜。まあ愚痴はこのくらいに。

なかなかエグい話が多かった魔性の子ですが、多大な犠牲の上に自分がいることを理解した上で生きることにした泰麒。それが「白銀の墟玄の月」で表れているのだな〜と。でもやっぱり悲しくって読んでて辛かった。だから「黄昏の岸暁の天」「白銀の墟玄の月」もざっと読み直して泰麒が驍宗に再開する場面を再読して心を癒しました。でも「魔性の子」は別にホラーではない。ただ他の作品と毛色は違うけれど。小野先生の他の作品も読破したいと思う!!楽しみ!