スウェーデン発!
ファミニズム・ギャグコミックという新しい作品。
トーキョーブックガールさんがこちらで紹介されていて気になったので読んでみました!
私に刺さる作品をいつもたくさん紹介されているので記事を楽しみにしています!
夏に読んだ翻訳文学(WIT month) - トーキョーブックガール
読んでみて
ギャグコミックとは書いてあるけれど、内容はなかなかに濃いし、悲しい描写も多かった。
それに日本のコミックとはちょっと違うので、文章も結構多くてそこまでサクサク読めるという感じではなくて頭を使う!海外の漫画って日本の漫画とは違って文章びっしりだったりするもんね〜。
ジョルジュ・キュヴィエ伯爵のサーキ・バートマンという女性への扱いがひどい。薄い布を付けられて見せ物にされ、生きたまま研究される。死後もホルマリン漬けにされる。しかも2002年にやっと返還された。
冒頭にこの部分があったのだけれど、ここでかなり辛すぎて…。
「黒いヴィーナス」という映画化もされている。
当時は見せ物とされた人々が他にもいたようで、調べていて色々と衝撃的だった。
あとは我らがフロイトの話も…。
こういう面を見ると悲しくなってしまうね…。
フロイトと交友関係にあったヴィルヘルム・フリースは鼻と女性器には関係があると考えていたそう。それを言うなら男性の方も関係あるのでは?と思うけど…。
あと昔は性交渉は神からの贈り物だと思われていたけれど、アウグスティヌスは神の裏切りだと考えた。そうして女性の身体は神と対極をなすものとなったらしい。
うーーーむ。
また、昔は男性は論理的で統制されているけれど、女性はそうではないから性に奔放みたいな感じだったらしく、今と逆だなあ、と。
でも今だって男性の方が論理的って言うのに、なぜか性的なことに関しては許されているよね〜。
今の方が昔よりもかなりご都合主義になっていると思う。
で、処女信仰ができて、女性は気持ちいいと感じにくいことになり、男性が女性のオーガズムの研究を始め…。
かなーり昔は女性器を見せている姿が神聖なものとして神殿に描かれていたらしく、衝撃的だった。
でも確かに、怪我もしてないのに血が出る、たくさん血が出るのに死なない、子どもを作ることができる、などなど神秘的に感じたのだろうなあ。
グレートマザーって考えも家父長制より前の考えだよね。生理や出産は穢らわしいとか女性を過度に貶めるようになったのも、本来は神秘的で力のあるものとして考えられてきたから脅威に感じたのだろうな。
女性の性や性器は支配する側にとって都合のいい方に変わっていったということが分かった。
特に家父長制になると顕著だなあと思う。処女信仰なんて自分のモノだと思っているから気にするわけで。
本書を読んで気づかないうちにタブー化されてきたのだということが分かった。
日本ではなかなかない本だと思う。それに先進的すぎてすんなり理解できない部分もあった。
また何年か経ったらまた読んでみたい。
ちなみにNETFLIX作品で性について描いている「セックス・エドゥケーション」「セクシファイ」「クリスチャン・アマンプール 世界の恋愛&セックス」「性をダイジェスト」「オンラインラブ」あたりがおススメ!