2021年に読んだ146冊の中からベスト15作品を紹介します!
順位はつけられなかったで、順不同です。
- 獣の奏者
- 終わらざりし物語
- 侍女の物語
- 三つ編み
- サブリエル
- カーテン
- わたしはマララ
- 地下鉄道
- 春にして君を離れ
- 不死身の特攻兵
- ニッケルボーイズ
- ハリエット・タブマン 「モーゼ」と呼ばれた黒人女性
- パワー
- 思い出のマーニー
- 青い目 茶色い目 人種差別と
獣の奏者
あらすじ
闘蛇という獣の医術師をしている母をもつエリン。ある時大事な闘蛇が何頭も死んでしまい、その責任を問われてエリンの母は処刑されてしまう。エリンも死にかけてしまったところを蜂飼いのジョウンに助けられる。その日々の中で王獣という偉大で自由な獣と出会い、王獣の医術師になることを決心したエリンだったが、それは国の未来さえも巻き込む出来事へと繋がっていきーーー?!
ひとこと!
2021年は探求編、完結編、外伝を読んで、特に探求編がよかった。子どもだったエリンは大人になり、結婚し子どもも生まれる。エリンの強さや考え方に勇気づけられたし、そしてエリンの思いが今後も受け継がれていくと実感することができた。エリンの一生を読むことができて上橋先生には本当に感謝しかない。
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終わらざりし物語
ひとこと!
あらすじは書きづらいので省略。指輪物語では描かれなかった部分を詳しく知ることができて面白い。ただ結構頭を使う。人物も多いので家系図を作ったりしていた。こうやってどんどん深みにハマっていくのかも…?
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侍女の物語
あらすじ
オブフレッドは「侍女」として司令官の家に仕えている。家の中を切り盛りする使用人とは違って、「侍女」は特別な仕事をするためにいる。オブフレッドは時折、自分が自由だった過去を振り返りーー。
ひとこと!
本当におもしろい作品だった!ディストピア小説であり、1984年の姉妹編とも言われている。確かに1984年のような暗さ薄気味悪さを感じる。
今の私たちと同じような世界があったのにも関わらず、なぜこのような世界になってしまったのか。それが少しずつ明かされる場面が怖く、なぜ誰も止められなかったのかと感じ、「茶色の朝」という本を思い出した。
続編の「誓願」も出ており、ドラマ化もされている作品!
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三つ編み
あらすじ
インドのスミタは不可触民。娘には自分と同じ人生を歩んで欲しくなくて学校に通わせることにするがー?!一方、イタリアのジュリアは家族経営の毛髪加工会社が倒産の危機になりー?!カナダのサラはバリバリ働くシングルマザー。全てを仕事に費やしてきたが、病気の発覚でその座が危うくなりー?!
ひとこと!
これは現代のお話。日本の場合はイタリアとカナダの両方ともに共感できるような気がする。フェミニズム小説であるため、女性の生きづらさに焦点があたっている。当たり前に感じていることも、本当は当たり前ではないことが分かる。
インドのスミタの場合は不可触民という絶対的にな身分差があり、読んでいてい辛い部分が多かった。身分や人種での差別は明確で絶対的なもの、一方、女性差別は曖昧だけれど慣習として当たり前のこととして染み渡っているようなものに感じる。
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サブリエル
あらすじ
故郷である古王国の隣・アンセルスティエールの学校で魔術を学んでいたサブリエル。ある時、父が姿を見せなくなり、父に何かが起こったことを知る。ネクロマンサーであるサブリエルは同じくネクロマンサーである父を助けに行くために冥界に入るがー?!
ひとこと!
ファンタジーだけれど、主人公が18歳ということもあり大人向けの作品になっている。子どもっぽくないファンタジーを読みたい人におすすめ!
ネクロマンサーって怖いイメージだったので、ネクロマンサーが主人公になっているのは珍しい。「死」が身近なものになっているけれど、ネクロマンサーだからこそ明確な線引きがされていて心に響く部分が多かった。
父がサブリエルに伝える言葉。
「すべての人にそしてすべての物には、死ぬべき時があることを忘れるな」
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カーテン
あらすじ
ヘイスティングズはポアロから懐かしのスタイルズ荘に招待される。スタイルズ荘はホテルに変わっており、滞在している人たちも以前とは変わっている。ヘイスティングスの娘・ジュディスも雇い主とともに滞在しておりー?!
ひとこと!
アガサ・クリスティのポアロ最後の事件!10年くらい温めていてやっと読めた作品。
とてもよかったよ…。ポアロのこと大好きなので。
他のポアロ作品を読んでからぜひ読みましょう!
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わたしはマララ
ひとこと!
こちらはノンフィクションなのであらすじはなし。マララ・ユスフザイは、パキスタン出身の女性で、2014年にはノーベル平和賞受賞している。
学校に通いたいという当然の権利を主張しただけで命を狙われてしまうマララ。マララの人生から事件の日、そしてその後の人生の変化について丁寧に描かれている。
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地下鉄道
あらすじ
アメリカ南部にて奴隷として生まれたコーラは、ある時同じ奴隷仲間のシーザーから逃げることを提案される。そしてコーラは地下鉄道に乗って逃げることになるがーー?!
ひとこと!
ずっと読みたかった作品。実際に読んでみて、読んでいる間はもちろん読んだ後もずっと地下鉄道について奴隷について黒人差別について考えていた。衝撃的な作品だった。
黒人奴隷を南部から北部へ逃すための組織を「地下鉄道」と言った。実際に地下鉄道が走っていた訳ではないけれど、ホワイトヘッドは実際に「地下鉄道」という鉄道が走っていたらと仮定した。物語がどうなるのか気になって、ひたすらに読んでいた。読み終わった後は実際はどういう状況だったのかが気になり、関連書籍を読むことに。
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春にして君を離れ
あらすじ
優しい夫、よき子供に恵まれ、理想な家庭を築き上げたと満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめー?!順風満帆な人生だと思っていたジョーンは、些細なことから綻びに気づきー!?
ひとこと!
アガサのミステリーではない作品。メアリ・ウェストマコット名義で出された作品だが、現在はアガサ・クリスティー名義となっている。
ミステリーではないけれど、少しずつ真実が明かされていく様はミステリーっぽい。むしろホラーっぽい!?
こんな夫婦にはなりたくない、という二人。ジョーンの年齢になる前にまた読んでみたい。
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不死身の特攻兵
ひとこと!
9回特攻して9回帰ってきた特攻兵がいた!佐々木友次さんの人生、インタビュー、特攻兵とはそもそも何だったかも書かれている。
とにかく勉強になったし、同じようなことを繰り返さないために読み継がれていく作品だと思う。
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ニッケルボーイズ
あらすじ
1960年代アメリカ。アフリカ系アメリカ人のエルウッドは、祖母と暮らしながら勉強、バイトを頑張っていた。この秋には大学に進学することになっていたが、無実の罪により少年院であるニッケル校に送られー?!
ひとこと!
実在する「ドジアー校」がニッケルのモデルになっている。
「地下鉄道」と同じ作者だが、地下鉄道のような疾走感はなく、どんよりとした空気が纏わりつく。奴隷から逃げるコーラと自由だったのに囚われてしまうエルウッド。その差が全体の雰囲気にも明確に表れている。
また、今作とは別だが、先住民の子どもたちを寄宿学校に入れて同化しようとしていた歴史を最近知り、そちらも読んでいきたいと思う。
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ハリエット・タブマン 「モーゼ」と呼ばれた黒人女性
ひとこと!
実際に地下鉄道を8年間運営し、一度も脱線させなかったハリエット・タブマン。しかも最初の脱走は自分自身であり、70人以上の奴隷を解放した。
ハリエット・タブマンとはどういう人物で、どうして一度も脱線させなかったのか、解放された後の人生などについても詳しく書かれている。衝撃だったのは、タブマンの母親・リッツの父は奴隷主であるアトソウ・パティソンである可能性が高いということ。
知識として分かってはいても衝撃的だった。黒人のことを同じ人間として見ていなかったことが分かる。
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パワー
あらすじ
ある時、女性にパワーが生まれた。圧倒的な力の元、男性と女性の関係性は変わっていく。
アリーはパワーを手に入れて養父母の元から逃げ出す。イギリスのギャングの娘であるロクシーは、殺された母の復讐を誓う。トゥンデは変わりゆく世界の中で女性たちを取材するジャーナリストになる。市長だったマーガレットは、パワーが生まれた世界の中で順調に出世していくがー。
ひとこと!
ある時女性にパワーが芽生えた。最初はフェイクだと思われていたが徐々に世界を女性優位に変わり始める。男女逆にしたディストピア小説。
男性と女性が逆転していく様がリアル。女性はより男らしくなっていき、権力を握るものが今でいう「男らしく」なっていくことが分かる。元々の性別ではなく文化によって変わっていく様がリアル。
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思い出のマーニー
あらすじ
アンナは養母のすすめで自然豊かな村に療養に行くように勧められる。無表情になることで自分を守っていたアンナだったが、村で不思議な少女・マーニーと出会いー?!
ひとこと!
ジブリのアニメの中でも好きな作品。どうして好きなのかよく分からなかったのだけれど、原作を読んで合点が入った。みんなに見捨てられたと思っていたアンナが、大事な人との別れを受容する物語。
大事な人をなくした人の心に寄り添う本だと思う。
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青い目 茶色い目 人種差別と
ひとこと!
ジェーン・エリオット先生が小学3年生に行った人種差別を体験させるための授業の記録。
同じクラスの子どもたちを青い目・茶色い目に分け、1日目は片方を優遇し、片方が劣っていると言い、2日目には逆のことをする実験授業。実験を行うと、子どもたちは仲が良かった子にも差別をするようになる。
小学3年生の子どもたちへの実験、大学生への実験があり、調べると動画が出てくるのでぜひ。
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以上になります〜!
差別についてが多いかな。やっぱり衝撃的で心に残って考えさせられるからだと思う。
またジャンル別のおすすめも紹介できたら嬉しいなあ。