映画としてハリエットの人生を観れたのは本当によかった!
彼女のことをもっと色々な人が知ってくれると嬉しいな。
ただ、先に本を読んでいたのもあって、「ここは違うような?」「どういうこと?」と混乱した部分も多かった。
映画→ハリエット関連の本を読んだ方が入りやすいように思う。
映画なだけあって、史実に忠実<映画としての見せ場が優先されている印象がした。
どっちがいいかは観る人それぞれだと思うけど、私は史実から入ったのもあって、忠実に再現されたものが観たかったのでその点は残念だった。
でも史実を忠実に再現しようとなるとドラマじゃないと難しいとは思う。
ドラマ化されないかな?
まあ私はまだそんなに書籍を読んでいないので、はっきりしたことは言えないけども。
もう数冊読んでいきたい。
思っていたのと違った箇所をいくつかあげていく。
・やはり一番はギデオン・ブロータスとの関係だろう。ハリエットのことを奴隷として接していつつも女として見ているところ。もちろん一方通行なのだが、ギデオン本人は気づかない。まだ、最後にハリエットとギデオンが対決する場面も史実には見られないものだ。
・ハリエットが頭部に怪我をする場面も、兄が心配でついてきた〜という話に変えられていた。
・ハリエットの逃亡がとても簡潔に描かれている。もう少し前もって計画を立てたり、一人ではなく兄弟と逃げようとした場面は割愛されている。また、川に飛び込むというインパクトの強いものに変えられている。
・逃げるために陸路から川へ渡る道に変更したことも事実だが、兄弟と一緒の時ではなかったような。
・妹の子どもを助けに行く場面も銃で脅したりはしてない。
・親戚間で黒人の所有をめぐって揉める場面は描かれていない。
・神の啓示にかなり焦点が当てられている。私が読んだ本ではそれ以外の部分(綿密さや大胆さなど)にも注目していたため、そちらに偏っているように感じてしまった。
全体的に映画としての見せ場を加えられていると思う。
ギデオンというハリエットに執着する人間を出すことによって、逃げるという行為にギデオンからの解放という意味も加わることになり、映画の見せ場になっている。
ハリエットという人物を広く知ってもらうためにはいいと思うけれど、そもそもが物語の主人公のようなすごい人なので脚色しなくてもよかったように思う。