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文学系心理士が好きなことを徒然なるままに書きまくるブログ。小説、NETFLIX、たまに心理学のことも♪

【荻原規子】もうひとつの空の飛び方

大好きな荻原規子先生のエッセイ!

荻原先生が子どもの頃に読んだ本やファンタジーについて書かれているよ!

↓こちらのエッセイも気になる!↓


荻原規子先生の作品は、源氏物語の現代訳2冊以外は全部読んでしまった。

どの作品もとてもおもしろい。主人公のひたむきさと既存の慣習を乗り越えてしまう柔軟さが読んでいて勇気をもらえる。

 

荻原先生自身が自分の著作は長いと言っている。

確かに長い!分厚い!

でもそれが気にならなくなるくらいずっと読んでいられる。その世界に入り込めてしまう。

描写が丁寧でたった数行だけで何日も描いてしまえるのが指輪物語と似ていると思う。


ファンタジーからSF、神話まで色々な作品を紹介してくれていてどれも読みたくなってしまう。

赤毛のアンは今読んでいる最中だし、若草物語や小公女は読んだ。

結婚がゴールであるため、荻原先生は成長した際に卒業しようとしたことがあったよう。私は読んでいてあまりそこまで感じなかった。

たぶん時代が変わって自分自身がもう少し結婚について柔軟に考えられるようになっているからこそ、昔の作品として純粋に楽しんでいるからかもしれない。

作品としては面白いけれど、「だから女の子は結婚しないとね!」という気持ちには別にならない。もちろんもっと多様な選択肢が描かれていたら嬉しかったけれど、それを過去の作品に求めるのは難しいのでね。


十五少年漂流記は読んだことあるけれど、それ以外のジューン・ベルヌの作品は読んだことがないので読んでみたい。

「ふくろう模様の皿」、「フランバーズ屋敷の人びと」、「妖女サイベルの呼び声」あたりも気になる。

SFももっと読んでいきたいと思っていたので紹介されていて嬉しかった。


心に残った箇所

わたしにとっての読書は、役に立てないからこそ甘美なものだった。母には本を読んでいると叱られた(宿題をしなさい、ピアノの練習をしなさい、手伝いをしなさい等々)ので、そういうものと信じて疑わなかった。

私の家族はみんな本を読んでいたけれど、私がずっと本を読んでいると「目が悪くなる!」って怒られたなあ。

荻原先生と同じように「勉強しなさい!」と叱られていた。

 

私は荻原先生のように「役に立てないからこそ甘美なもの」とまでまで自覚できていたわけではないけれど、何か目的があって読んでいたわけではなかった。

何も目的なんてないけれど楽しかったから読んでいた。

ただそれだけ。


本を読んでいるとよく褒めらる。

特に読書が得意ではない人から。

ゲームをたくさんする人、漫画をたくさん読む人とかはあまり褒められないけれど、同じことだと思う。

自分は好きだから読んでいるだけなので、褒められる理由も何もない。好きなことをやっているだけだから。

読書が得意でない人からすると「すごい!」と思うみたいだけれどね。

 

どんな作品を書くにも、まずは大量の読書体験が必要だと思いますが、以上をふまえた上で私個人の経験を言うなら、自分を震撼させるファンタジー作品に出会った後は(その体験がなければ、ファンタジーを書きたいなどとは思うはずはありませんから)、類似のファンタジーを無数に読むよりも、文芸以外の本の方が創作の役に立ちました。心理学や精神分析の本で神話伝説の生き残り方を学ぶの一手ですし、脳神経医学や宇宙物理学、もしくは歴史書の新説、数学の解説書や哲学の解説書など、自分にかみ砕けるものなら何でもいいです。

これらは、そのものを一種のファンタジーと読むことで気楽な楽しみに変わりますし、他人の想定しないことを語る文章がファンタジーの書き方の参考になりますし、ときには独創的なアイデアの水源になります。なにより、そうした全世界への驚きをたもち続ける読書が、ひいては個人のファンタジーを育てていくと思うので。

これもそうだと思う。

作中でも体験の方が読書よりも多くのものを得たと書いてあって、どれだけ読書しようが実際の体験には叶わない。

でも読書をしていれば実際の体験がより素晴らしくなる。


たくさん体験をするのも大事だし、さらに幅広い知識を持っていた方がいい作品が書けるのだろうな。より深みが出るのだと思う。

 

作中で出てきた作品まとめ

※全部は網羅できてないかも。概ね。

ジャングル・ブック
ガリバー旅行記
ロビンソン・クルーソー漂流記

 

ジューン・ベルヌ

海底二万マイル
八十日間世界一周
十五少年漂流記

 

赤毛のアン
赤毛のアンの秘密
若草物語
あしながおじさん
小公子
小公女
秘密の花園

指輪物語
ナルニア国物語
床下の小人たち
枕草子
古事記
だれも知らない小さな国
ともしびをかかげて
ローズマリー・サトクリフのローマン・ブリテンを扱う歴史小説
フランバーズ屋敷の人びと
妖女サイベルの呼び声
アーサー・ランサム全集
シェパートン大佐の時計

 

ル=グウィン

ゲド戦記
所有せざる人々
辺境の惑星
アオサギの眼

 

リンドグレーン

かまし村の子どもたち
名探偵カッレくん
ミオよわたしのミオ
はるかな国の兄弟

 

ルーマ・ゴッデン

バレエダンサー
ディダコイ
台所のマリアさま
人形の家

 

アラン・ガーナー

ブリジンガメンの魔法の宝石
ゴムラスの月
エリダー
ふくろう模様の皿

 

ロイド・アリグザンダー

プリデイン物語

 

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

ハウルの動く城
ファンタジーランド観光ガイド
わたしが幽霊だった時
九年目の魔法
魔女集会通り26番地
魔女と暮らせば
ダークホルムの闇の君
グリフィンの少年

 

児童文学評論選オンリー・コネクト

 

レイ・ブラッドベリ

華氏451

ネビル・シュート

渚にて

フランク・ハーバート

デューン砂の惑星

P・K・ディック

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
ユービック
暗闇のスキャナー

コードウェイナー・スミス

ノーストリリア
シェイヨルという名の星
第81Q戦争

動物が出てくる小説

黒馬物語
シートン動物記
荒野の呼び声
白いきば
偉大なる王(ワン)
ファーブル昆虫記
みつばちマーヤの冒険
バンビ
ニルスのふしぎな旅
ドリトル先生航海記
チョンドリーノ
ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち

 

 

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