あらすじ
クローディアは家出をすることに決める。でも普通の家出じゃない。行き先はニューヨークのメトロポリタン美術館。そのために綿密な計画と資金が必要となり、小金持ちである弟のジェイミーを誘うがー?!
読んでみて
子どもの頃から知っていて気になっているのに読まなかったシリーズの一つ。
用意周到で計画的なクローディアと大胆だけどお金にはケチな弟のジェイミーが家出をする話。
4兄弟の長女であるクローディアは家出をすることにする。
4兄弟だけどジェイミーしか誘わないのはちょっと可哀想に思ってしまった笑。仕方ないのだけど。
長女だからという理由で色々しなきゃいけないことなど日々の生活にうんざりしていて、両親に少し心配させたいと思っていたクローディア。
ただ、クローディアにはお金がなかったため、兄弟の中でもお金持ちで連れてきても問題なさそうなジェイミーに決める。
都会の子どもであるクローディアたちは、なんとメトロポリタン美術館を家出先にすることに。
今の時代だと考えられないよね〜!
私はニューヨークのメトロポリタン美術館には行ったことはないけれど、ヨーロッパの美術館に行ったことがある。
厳重にチェックされるのでクローディアたちみたいなことは無理そうだよね。
全ての部屋が監視カメラもついてるだろうしね。
美術館生活を思いっきり楽しんでいるクローディアたちが楽しそうで羨ましい。
クローディアは真面目なのでちゃんと美術館のコーナーをひとつずつ見ていこうとする。
偉い!
でも両親はかわいそうすぎる〜!
なにしろ何日も行方不明だからね。
本当に生きた心地がしなかったろうよ。
私はもう大人なので大人目線で考えてしまうけど、子どもから見たら家出するなんてワクワクするだろうし、しかも美術館でなんてカッコいいと思うだろうな。
クローディアたちが両親の心配の度合いを実感してないのもまだまだ子どもだなあ〜と思ってしまう。
美術館で生活して、天使の像と出会ったことで、今までとは違う自分になりたかったクローディア。
だから簡単には帰れなかった。
でも帰ってあげてーー!と何度思ったことか。
フランクワイラー夫人の子どもたちのあしらい方がうまくって笑ってしまった。
子どもと全然関わってこなかったからこそ、対等に関わることができて子どもたちの信頼を勝ち取れるんだろうな。
2人がフランクワイラーさんをおばあちゃんにしてあげるっていうところが泣けた。
子どもを待たずにおばあちゃんになった人は確かにクランクワイラーさんがはじめてかもね。
最初は「秘密」っていう感覚がよく分からなかったのだけど、フランクワイラーさんが天使の像に託した秘密は理解できた。
お金よりも秘密の方が価値があったのだな。
作者のカニグズバーグさんは、化学の学位を持っており、教師でもあり、作家であり、挿絵も描き、母親でもある。
挿絵も描くなんてすごい!
1968年のニューベリー賞でクローディアの秘密が受賞した。
1968年はカニグズバーグさんが書いた「魔女ジェニファとわたし」と「クローディアの秘密」とどちらが受賞すゆか競っていたよう。
同じ作家の作品でどちらが受賞するか、となるのは初めてだったらしい。
いやー、すごい!
ちなみに1997年に「ティーパーティーの謎」で二度目のニューベリー賞を受賞している。
私的には美術館の噴水で水浴びするお風呂が衝撃でした笑。
絶対綺麗じゃないよ!って思ってしまう。
そんなこと言ったら私はもう美術館で寝泊まりすらできないと思うけども。
噴水の底に落ちているお金を嬉々として拾う2人が可愛かった。よかったよかった。
ちなみに映画化もされてます!