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【宮部みゆき】悲嘆の門

悲嘆の門(上) [ 宮部みゆき ]

価格:1,760円
(2021/7/11 21:15時点)
感想(2件)

あらすじ

三島孝太郎はサイバー犯罪を取り締まるバイトをしている。ある時、バイト先の友人が行方不明になったため友人を探すうちに元刑事・都築と出会う。そして二人が見つけたのはガラという謎の生き物でー?!

 

読んでみて

悲しい。これに尽きる。宮部みゆき先生の作品の中でも悲しくて辛い殺人事件だったと思う。本当に悲しい。孝太郎は辛すぎると思う。


本作は「英雄の書」と繋がっていて、主人公だったユーリが不思議な女の子として登場する。

今作で登場するガーゴイルのガラはこの世界の生き物ではなかったのだ。でもガラもまた、人間の母親らしい気持ちを抱いていたことが分かる。

この作品は全体的に壮大だけれど、その元になっているのは本当にありきたりで些細な気持ちだと分かる。


ファンタジーとミステリーが混ざっているため、普通のミステリーだったら「これは何かのフェイクだな」と考えるところがそうじゃないので、慣れないと変な感覚になる。

英雄の書はまだファンタジーっぽかったのだけど、今作は現実世界に根差しながら、現実の事件が起こり、その上で不思議な出来事とも出会うという世界観なので混乱してしまう。

でもこの混乱も主人公たちと同じ混乱なのかもしれないね。


孝太郎は見ていて結構辛かったので、私的には都築さんが好きでした。

にしても結構辛くなる話なので、元気な時に読みましょう。