「赤毛のアン」2作目!
赤毛のアンの1作目を読んで驚いたのは、よく見知っていた「赤毛のアン」は1作目だけだったということ!
もっと子ども時代が長いと思っていたら、そうじゃなかった。しかもアンが大人になって子どもが産まれて…なんと孫の代まで続くらしい!
アンの青春 赤毛のアン・シリーズ2 (新潮文庫 新潮文庫) [ モンゴメリ ] 価格:825円 |
あらすじ
16歳のアンは小学校の先生として新学期を迎える。理想の先生像を掲げながらも思った通りにはなかなかいかず?!また、ダイアナやギルバートたちと村を改善する会を作り、活動していくがー?!
読んでみて
「赤毛のアン」よりも少し大人になったアン。大学には行かず、学校の先生になる。
16歳ってまだまだ子どもな気がするし、実際子どもな面もあるのだけれど、アンは働くんですよ。
私なんて大学院まで行ったのでめちゃくちゃ学校に通っていたのに、アンは16歳で働くなんて!
アンすごい……
表題が「青春」でまさにその通り!ここに恋愛は入っていません。
少し大人になったアンは働きつつ、同年代の友人たちと村を改善する会を作って活動して、新しく来た隣人と友達になったり、将来のモデルとなるような女性と出会ったり、崇拝する女流作家と交流したり…。
とにかく毎日が楽しそうなアン!
子どもだったアンがいつの間にかこんなに大きくなるなんて…!
そのうち私の年齢を越すはずですが、今はまだ年下なので微笑ましく読んでました。
「改善会」って楽しそうだな〜と思う。
クラブとかサークルみたいなものだよね。
周囲からは恋人を見つけるための会みたいに思われていて、まあ間違ってはいないだろうと笑ってしまった。
本人たちは真面目にやっているから怒るけども。
一緒の目標に向かって頑張っていると、その結果としてカップルができるのはどこでも一緒だからね。
でもそれをアンとギルバートが作るなんて!
アンの行動力はすごい!どっちかというと私はダイアナだと思う。
「あたしもただおし黙ってすわってばかりいないで、ときには、なにか言いたいと思うんだけど」とダイアナが言った。「モーガン夫人のヒロインはみんな、話が上手にできるけれど、あたしはものが言えなくなってばかのような顔をするんじゃないかと思うの。」
(中略)
「あたしだって、いろいろ心配だけれど、話せないと心配だけはまずないと思うわ。」
たしかにアンの言う通りだった。
だろうね!!!と言う感じ笑。
アンが話せないと言うことはない。むしろ勢いよく話しすぎちゃう方が心配。
でもダイアナに共感できる私としては、そんなアンが羨ましく感じてしまうな〜。
そして前作で髪を染めたのに匹敵するくらいの悲しいうっかりもあって!
美容液は今後も塗ってもいいと思うけどね〜〜〜。
でもきっともっと成長したら考えが変わるでしょう。
そしてアーヴィング氏とミス・ラヴェンダーのロマンス!
感動してしまった。
でも母の前の恋人とくっつくって、ポールが大人になった時に悲しんだりしないかな?!と無駄に心配してしまった。なんかちょっと複雑じゃない??
そっちが真実の愛みたいな感じでさ。
「魔法のお城はいつまでたっても、変わらないのですよ」アンの顔は真剣だった。「王子がきて、はじめて万事うごきだすのですもの」
アーヴィング氏は悲しそうにほほえみながら、アンの若さと希望に輝く顔を見おろした。「ときには王子の来ようがおそすぎるということもありますよ」
(中略)
「あら、そんなことはありませんわ。ほんとうの王子が、ほんとうの王女のところへくるのに、おそすぎることはありませんわ」
にしても大したことのないいじっぱりですれ違ってしまうのが分かりみすぎるな。
家が敵同士だから破局したとかそんなことは滅多にないからね。
アンの洞察がすごい!
「けっきょく、とくべつに大変なことではなかったかもしれないわ。人生では、小さな事柄の方がかえって苦労の原因になる場合が多いんじゃないかしら」ここでもアンは経験者も敵わない洞察のひらめきをしめした。
マリラも経験者だったのにね笑。
アーヴィング氏とミス・ラヴェンダーの真相。
「ごく、ばかげた、ありふれた言い争いをしたのよ。あんまり、つまらないことなので、あなたには信じられないでしょうが、どうして怒ったのか思い出せないくらいなのよ。どちらのせいともわからないしね。たしかにはじめたのはステファンだったけれど、それもわたしがばかなことをして怒らせたからなのよ。ステファンにはほら、競争者が一人二人あったのですからね。わたしは虚栄心がつよくて、あだっぽくて、少しばかりステファンをじらしてやりたかったのよ。あの人はとても気位の高い、神経質な人ですからね。つまり、わたしたちはどちらも、ひどく怒って別れてしまったのですよ。でもわたしはまた、もとどおりになると思っていたし、ステファンがあんなにすぐに、帰ってこなかったら、よかったのです。」
こういうすれ違いで別れる人の方がほとんどなんだろうな。
その時のタイミングだったり年齢だったりが違ったらまた変わったりしたのだろうけど。
二人とも若くて、お互いに折れなくって…。
アーヴィング氏が謝ってもミス・ラヴェンダーはふくれたまま。アーヴィング氏は切り替えて行ってしまって。
でもミス・ラヴェンダーは切り替えれなかったし、ステファン以外のことは好きにならず、好きになれなかった。ステファンと結婚するのでなかったら一生独身でいいと思った。
素直になっていたらね〜!
でも素敵な物語にあるようなお家で一人で悠々自適に暮らすのって全然悪くないよね?むしろ羨ましい。お茶に誰か来るかもって考えたり。まあ想像もいいけどたまには実際に来て欲しいな。
現代バージョンなら王子様は現れずに、新しい友達と出会って人との交流を復活させて楽しく暮らすって感じになるかもね?
そしてデイビーとドーラ!
愛らしい憎らしいデイビー!デイビーには困っちゃうんだけど、でも色々質問したりする様はついつい笑ってしまう!マリラも笑ってしまうくらいだからね。
にしてもなんと口が達者なことか!問題児だけども素直でいい子だし。将来が楽しみな子!
一方、ドーラは問題はない子だけれど、みんなドーラよりもデイビーが好きになってしまう。それはそうなんだろうけどなんだか悲しいなあ、と。
問題を起こさないからといって、何も問題ないわけじゃないしね…
そして最後にアンとギルバート!
ギルバードってとっても大人では?
そして次回作は「愛情」なのでね。
にしてももう少女時代から一人前の女性になるなんて早い!!
心に残った箇所を。
「自分の名前を美しいものとするような暮らしをする。たとえ、その名が、はじめは美しくないとしても、それを耳にしたり、人々の心に、なにか美しい、快いものがうかぶような名前にね。ありがとう、ダイアナ」