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あらすじ
中学1年生のこころは中学校に言っていない。いわゆる不登校だ。お腹が痛いのは本当なのにお母さんはため息をつく。学校に行かないといけないのは分かっている、でもー。そんな時、部屋の姿見が輝いた。そこには狼の顔をした女の子と7人の子どもたちがいてー?
読んでみて
辻村さんは教育学部を出ているということで、だからこういう子どもたちの心境だったり、学校だったりを書けるのかな〜と思ったり。
学校に行っていないという共通点がある子どもたちが主人公。
不登校ってつまり学校に行っていない、友達と会えない状況であることが多い。もちろん学校に行ってなくても友達と会っていたり、学校以外の場所に通っていたりして会うこともあるかもしれない。でも家族以外とは会わないことも多い。
そんな中で、部屋から直接行ける、しかもそこには自分と同じような境遇の子たちがいる。そこでお互いに交流できる、っていうのはすごくいいよね。
学校に行ってなかったり、引きこもっていたりしていても人と全然関わりたくないっていう場合は少ない。ネット上だったり、文章だったり、ただみているだけでも何かしら関わりたいと思うのが人間だと思う。
1年間、彼らは関わっていく。その過程が丁寧に描かれていてすごく良い。
ただ、ネタバレになる部分、最後の謎の部分はいくらなんでも分かってしまうのでは?と思ってしまった。ゲームなんか特に笑。そして私は最初らへんで分かってしまいました。でもオオカミ様の謎のことは残されたままだったのでよかった。
謎は分かってしまったんですが、でもこの設定はすごくいいと思う!
最初はフウカ?と思っていたらアキ!そこはちょっと間違えていた。
いやー、みんな揃った姿を見たいよね〜。
にしても心が不登校になった原因が本当にひどいし、学校の先生もなかなかにひどい。
家族にさえ出来事を言えないくらい傷ついてしまったのだろうけれど、ちょっとでも言えてたらとか、ちょっとでも親が気づいてくれてたら、とか思ってしまう。
学校側も知ってたんじゃないかなー?
ああいう出来事って子どもたちの間で話すだろうし。本人たちは悪いと思っていないから、きっと他の生徒がいる前でも言っていたらだろうし。
思春期の時に読んでいたらすごく勇気づけられたと思う。読後感も爽やかだし。
悪いようにはならないだろう、という安心感があった。
転入生がやってき〜のくだり、そういうふうに考えてしまうこと多いけど、そんなうまく行かないよね…って話だと思っていたら最後にちゃんと伏線が回収されるという!
1人でも味方がいるのは心強いよね。何かの火種にならないかは不安だけど、記憶がなくても成長しているから大丈夫だよね。
いやー同じ歳ぐらいに読んだらとても夢中になっていた小説だと思う。
ものすごくよかったし最後は泣いてしまいました。
でももう歳を経てしまったので、もうちょっと何かないと夢中になれないという笑。
「噛み合わない会話と、ある過去について」の方が夢中になってしまった!後味は悪いけれど!
辻村さんの本も制覇していきたい!