文学系心理士の自己投資ブログ

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【トリイ・ヘイデン】機械じかけの猫

トリイ・ヘイデン】機械じかけの猫

トリイ・ヘイデン長編小説!トリイといえばノンフィクション作家だけども本作はフィクションで、普段のトリイが描く本とはまた少し違ってて新鮮だった!

【中古】 機械じかけの猫(上) /トリイヘイデン(著者),入江真佐子(訳者) 【中古】afb

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あらすじ

自閉症と診断されている9歳の少年・コナー猫のぬいぐるみを常に抱きながら独特の言葉を話していた。両親は精神科医であるジェームズのクリニックにコナーを連れてくるが、コナーと接するうちにジェームズは本当にコナーが自閉症なのか疑いを持ち始める。コナーの母親のローラ有名な小説家で、ローラはジェームズに自分の空想の世界を話すが、それはローラにとっては現実でありー?!

 

読んでみて

トリイ・ヘイデンのことは本当に昔から好きでノンフィクションの本はほとんど読んだし、繰り返し読んだりもしているのだけど、小説はあんまり読んだことがなかったけどすごくよかった!!

トリイの経験から書かれてる部分と小説のようなフィクションの世界入り混じっていてなかなかにおもしろかった。どっちかというとファンタジーの色が濃いかなとは思う。ノンフィクションだとどうしても元々の中核の部分を深掘りすることは難しくなっちゃうのだけど、これは小説なのでコナーの謎についてしっかりオチもあって、謎の全貌が解けるのはやっぱりすっきりする。

コナーの描写だったり、ローラの幼少期の話などはトリイが多くの子どもや親たちと関わる中での経験から描かれていると思うのでリアリティはすごくあった。

自閉症じゃないのに自閉症のようになってしまうくらい傷つき自分の殻に閉じこもっているコナーのことを考えるととても悲しいし、トリイの代わりとして描かれている精神科医のジェームズ様々な悩みを抱えていてリアルだった。相談される側ってうまく対処できてるように思われがちだけど、実際にはそんなことない。もちろん支援できないほどの問題を抱えているのは問題だけども。普段のトリイの作品の中でもトリイの悩みや不安が赤裸々に描かれていてそれが本作でも踏襲されている。今思うとそうやって自分の不安や悩みや失敗なんかを本に描けるってすごいことだよな、と思う。どうしてもそういうところ描くのって怖くなったりするじゃん?でも悩みながら関わっていっているからこそ少しずつ心を開いてくれるわけだし、失敗したり行き詰まることでまた新たな視点が見えてきたりするんだよね。

ファンタジーとノンフィクションの部分が混ざり合っていておもしろい作品だと思う。特に最後の最後でそうなるのね!と読者に思わせてくれるのも良い。

 

↓ネタバレあり↓

 

そこで話は終わるので、実際はどういうことなのかはっきりしないのだけど、ローラは妄想してたのでもなんでもなくて、違う世界とリンクしていたこと、またはローラが作り上げた世界が実際に形を持っていたことが分かる。

 

 

ローラみたいな子どもはよくいるけど、それが本当にイマジナリーフレンドなのか実際に存在するのかって今の科学じゃわからない。だからどっちが真実かをを考えるよりはイマジナリーフレンドに夢中になるぐらい現実には夢中になれないってことを考えた方が良いんだよね。

私も子どもの頃はよく空想して楽しんでたのでローラの気持ちがよく分かったよ。最近マインドフルネスに興味があるのだけど、そういう空想する人はマインドフルネスとはかけ離れてるんだなあと思う。どっちがより良いかってよりは時と場合によって使い分けれると良いのかなって。自分的には空想の世界に浸るのは楽しかったからそこから完全に抜け出すのは嫌だなって思うもん。地に足をつける時空想の世界に浸る時とでコントロールできると良いのかな。普通の大人ってそれができてるのかな〜?